【感想】
「非常に達観しているなぁ」と感じる内容。もう3回はこの本を読んだかな。
作中にあるこのフレーズ。
「自分の人生にとって、何が一番大切なのか?またその事に、自分はどれほどの時間を配分しているのか?」
僕も含め、多くの人がこの事を見誤っているのかもしれない。
ダラダラと過ごしすぎず、ある程度
...続きを読むの方向性も持たないと、時間はどんどん過ぎていって堕落していってしまうんだな。
「自分は人生において何に重きを置いているのか?」
価値を選択し、行動を起こし、結果を受け入れ、省察し、学び、次の選択の精度を高める。
そのように引き締めて人生を過ごすことの大切さと素晴らしさが本著から読み取れた。
また、「自分が発する言葉の希少性を高める。」「怒りの感情を察知したら3秒数える」「白黒で決めずに十分なカラーバリエーションを持つ」ということは、この社会を生きていく上で非常に役に立つスキルだと思った。
何年かに一度は読み返したい名作の1冊です。
【内容まとめ】
0.自分の人生にとって、何が一番大切なのか?その事に、自分はどれほどの時間を配分しているのか?
1.時間を使う上で判断基準となるものは、人生において何を一番大切にするのかという事だ。
価値を選択し、行動を起こし、結果を受け入れ、省察し、学び、次の選択の精度を高める。
このPDCAをうまく循環させることが、時間の使い方が上手になる秘訣である。
2.夜の省察で時間配分の精度を高める。
1日を終えて寝る前、その日のすべての瞬間において、自分が一番価値があると思う物事に時間配分できていたかを確認する。
できなかった部分については、今後どうやって改善していくかを考える。
3.会話の8割は聞くことに徹する。
聞くことは極めて戦略的なコミュニケーションである。
聞くことは自分が観察者になることであり、ときに相手よりも優位なポジションを保てる。
語るとは自分が観察される側になるということなので、ある種の無防備さを伴う。
4.自分が発する言葉の希少性を高める。
自分が語る場合は、基本的に聞かれた事に答えるというスタンスでいい。
できるだけ簡潔な言葉で語る。決して語りすぎてはいけない。
また、自分が発する言葉の一つ一つが本質的がどうかを常に意識すること。
取るに足らないことは絶対に話さない。
自分が発する言葉がどのような結果をもたらすかという想像力を持ち、言葉を発する前に深く考えよう。
5.自分の中に白と黒の2色しかなければ、あらゆる物事は白か黒によってしか分類できない。
しかし、もし200種類の色を揃えられれば、繊細なグラデーションで世の中を把握できるようになる。
自分にとって理不尽に思えることでも、他者にとってそれが合理的な真実なのであれば、それを認めるしかない。
6.他者の自由意思を認めよ。
相手の言動が自分にとって理不尽きわまりないものであっても、相手の立場ではそこに合理的な理由が存在している。
他者の自由意思を認める事こそが、自身が穏やかでいるための基本である。
7.怒りの感情を察知したら3秒数える。理性によって感情を「しつける」。
ネガティブな感情を察知したら、3秒数えてみる。
このまま突き進むと面倒な事が起きるぞ、後悔するぞと言い聞かせてみる。
わずか3秒であっても、時間は冷静さを取り戻してくれる。
逆に、喜びや感動する、驚くといったポジティブな感情は、そのまま表現したほうがいい!
8.自分にとっての幸福とは何か?を、自問する。
頭の中では幸福になりたいと思いながら、自分にとっての幸福とは何かを自問しない人は多い。
自分にとっての幸福や成功を定義しない限り、目的のない読書は本をいくら読んでも無意味である。
【引用】
人生は日常生活の小さな瞬間を積み重ねた時間で構成されている。
自分がどのような意識でその小さな瞬間を生き、どんな結果を積み重ねたかで、人生の価値は決まる。
時間を使う上で判断基準となるものは、人生において何を一番大切にするのかという事だ。
価値を選択し、行動を起こし、結果を受け入れ、省察し、学び、次の選択の精度を高める。
このサイクルをうまく循環させることが、時間の使い方が上手になる秘訣である。
p25
・人生を短くしているのは自分自身
日常生活を検証してみて、1日の半分以上を取るに足らないことに費やしていないだろうか?
また取り組むべき対象であっても、集中力を持たずに向き合い、無駄に命を削っていないだろうか??
p35
・夜の省察で時間配分の精度を高める。
夜に行うべきは省察である。
1日を終えて寝る前、その日のすべてこ瞬間において、自分が一番価値があると思う物事に時間配分できていたかどうかを確認する。
できなかった部分については、今後どうやって改善していくかを考える。
そのような省察を積み重ねることで、時間配分の精度は自然と高まっていく。
p46
・時間を短く刻んで軌道修正する。
自分が目標に正しく向かっているかどうかを1ヶ月に一度チェックする人と毎日チェックする人では軌道の精度が全く違ってくる。
目標に無駄なく到着するには、時間を短く刻み、つねに「何のためにこれをやっているのか」という目的意識を確認し続けることだ。
p68
・欲望を厳選して生活をシンプルにする。
人間の欲望は数知れない。その中には取るに足らない欲望も多い。
そのような欲望をあれもこれも満たそうとすると、生活はどんどん複雑になり、結果的に時間に追われるだけの日々になる。
逆に本当に大切な欲望だけにしぼると、生活は極めてシンプルになる。
p72
・会話の8割は聞くことに徹する。
聞くことは極めて戦略的なコミュニケーションである。
聞くことは自分が観察者になることであり、ときに相手よりも優位なポジションを保てる。
語るとは自分が観察される側になるということなので、ある種の無防備さを伴う。
p78
・自分が発する言葉の希少性を高める。
自分が語る場合は、基本的に聞かれた事に答えるというスタンスでいい。
しかも、できるだけ簡潔な言葉で語る。決して語りすぎてはいけない。
また、自分が発する言葉の一つ一つが本質的がどうかを常に意識すること。
取るに足らないことは絶対に話さない。
自分が発する言葉がどのような結果をもたらすかという想像力を持ち、言葉を発する前に深く考えよう。
p84
・相手の欲望の源泉に働きかける。
生物学的に言えば、対話には左脳的な要素と右脳的な要素を適切に混ぜる事が大切である。
左脳は論理・分析など理性を掌る。一方、右脳は感情・感性など情緒的な面を担当する。
人間は突き詰めれば、左脳よりも右脳を優先して生きている。
p86
自分の意思を通すためには、一度相手の意見を心に深く入れてあげないといけない。
その上で、反論という形ではなく、自分の意見を柔らかく述べればいい。
上からの意見ではなく、同じ目線でのアドバイスを意識する。
「もうご存知かもしれませんが…」「こういう方法は如何でしょう?」などの枕言葉は重要!
p91
・非難は他者にとっても自分にとっても無益
怒りも非難も、自分に何のプラスももたらさない。
人間関係でぶつかったならば、自分に包容力が足りないのだと反省する。
怒りを覚えたら、相手のせいではなく自分の責任だと考える。
p96
読書には、受動的な読書と能動的な読書の2種類がある。
能動的な読書とは、アウトプットのための行為である。
読書後、その後数時間はその本から何を得たかを考え、思考の広がりをアウトプットするようにする。
p101
自分の中に白と黒の2色しかなければ、あらゆる物事は白か黒によってしか分類できない。
しかし、もし200種類の色を揃えられれば、繊細なグラデーションで世の中を把握できるようになる。
自分にとって理不尽に思えることでも、他者にとってそれが合理的な真実なのであれば、それを認めるしかない。
視点によって世の中の見え方が変わる以上、多くの視点を手に入れることで、相手の視点を把握するしかない。
p109
・行動が伴わない読書は空虚
思考と実行の両方があって人間は成長する。どちらかだけではいけない!
読書をするという頭の中での作業と、動いてみるという身体知にあたる部分とに、ブリッジを築く。
読書が行動にもたらす影響をつねに見極めながら読む事が大切なのである。
今読んでいる本を、自分の成長にどう活かすか?
p123
自分が見て、感じて、体験した世界だけが自分の世界になる。
結果がどうであるかは重要でない。とにかく体験し、挑戦する。
自分の世界を拡張していくのが人生なのだ。
そのためにも、まずは自分自身を深く理解する必要がある。
p147
・現実の理不尽さにまみれつつ、「穏やか」でいる。
「穏やかさ」は私が最も重視している成長のテーマである。
穏やかを手に入れるには、自分が人生や日々の暮らしで「最善を尽くしている」という自信や自負が必要!
p149
・他者の自由意思を認めよ。
相手の言動が自分にとってどんなに理不尽きわまりないものであっても、相手の立場になれば、そこには合理的な理由が存在している。
他者の自由意思を認める事こそが、自身が穏やかでいるための基本である。
p158
・怒りの感情を察知したら3秒数える
理性によって感情を「しつける」。
ネガティブな感情を察知したら、3秒数えてみる。このまま突き進むと面倒な事が起きるぞ、後悔するぞと言い聞かせてみる。
わずか3秒であっても、時間は冷静さを取り戻してくれる。
他方、喜ぶや感動する、驚くといったポジティブな感情は、そのまま表現したほうがいい!
自身の内面の世界に不可抗力は存在しない!
自身でコントロールが可能!!
p186
・異質なものが集まるから美しい。
異質さに対する態度が、創造の角度を決める。
異質なものに出会った時、それを拒否するのか面白いと思えるか、排除せず自分と新しい関係性を作ろうと意識できるかで、その人のクリエイティビティは規定される。
p190
・自分にとっての幸福とは何か?を、自問する。
頭の中では幸福になりたいと思いながら、自分にとっての幸福とは何かを自問しない人は多い。
自分にとっての幸福や成功を定義しない限り、目的のない読書は本をいくら読んでも無意味である。
p196
・天性の才能などすべて無視せよ
「才能に恵まれていれば良かった」
「いい環境に生まれていれば良かった」
などと考えるのは、現在の人生に対する背信行為である。
そう思ってしまえば、自分の中でバネになる悔しさが生まれない。
本当はその領域まで到達できるにも関わらず、自分の可能性にチャンスが与えられない。
天才と呼ばれる人ほど、努力を惜しまない。
圧倒的な努力をしている。
p212
自分の人生にとって、何が一番大切なのか?
その事に、自分はどれほどの時間を配分しているのか?