永山篤一のレビュー一覧
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ネタバレエポニーヌよ、最期まで良い子だった。
彼女の最期は悲劇的に見えるけど、彼に愛されないとわかった以上、彼の腕の中で死ねるのは最上の選択ではないか?
マリウスを想うエポニーヌや、コゼットを渡したくない感情がありながら瀕死のマリウスを助けるジャン・ヴァルジャンは、客観的描写のみで本人視点が描かれていない。一見矛盾のように見える行動を突き動かしているのは、複雑なようでいて実はすごく単純なものなのかもしれない。すなわち、良心だ。もしかすると「愛」という言葉の方が文学的かもしれないが、私はあえて「良心」と言いたい。
クライマックス、無事コゼットとマリウスが結ばれて、むしろこれ以上ないくらいのハッピーエ -
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読んだ本 ベンジャミン・バトン数奇な人生 フィッツジェラルド 20250707
表題作の映画がフィッツジェラルド原作だってのは知ってたけど、文庫になってるんですね。寡作な作家だと思ってたんですが、実は翻訳されてるのが少ないだけで、結構多作らしいです。
フィッツジェラルドは高校生くらいの頃によく読んでたんだけど、なんか虚無的というか、中身のない人生の中の恋愛小説ってイメージで、ヘミングウェイや村上春樹の影響で好きになったって感じだったかな。
で、このベンジャミン・バトン読んだら、意外とエンターテーメント性があって、それでいて虚ろな人生を送ってる男女の物語って構図は変わらず、これはこれでい -
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「F・スコット・フィッツジェラルド」の短篇集『ベンジャミン・バトン 数奇な人生(原題:The Curious Case Of Benjamin Button)』を読みました。
たまにはファンタジーもイイかなぁ… と思い、買っちゃった作品です。
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歳を取るごとに若返り、0歳で生涯を終えた男の物語。
老人として生まれ、若者へと時間を逆行して生きる「ベンジャミン・バトン」。
しかしその心は同世代の人間と変わらず、青春時代の苦悩や恋愛や結婚を経験し、戦争などの逆境に果敢に挑んでいく。
不思議な人生を歩みつづける彼を、最後に待つものは…(『ベンジャミン・ -
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「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
老人の姿で生まれ、年を重ねるごとに若返っていき、赤ん坊の姿で亡くなる1人の男の物語。
「レイモンドの謎」
フィツジェラルドが13歳の時に書いたミステリー。ミステリーの完成度は低いけど、普通の中学生が書いたのなら、まずまず。
「モコモコの朝」
犬の目線で語られるある日の朝。
「最後の美女」
兵役で南部のある町に滞在した男が密かに想いを寄せる美女の恋愛遍歴。
「ダンスパーティーの惨劇」
主人公は家の都合で北部から南部に移住してきた少女。町の若者の中で唯一大学を出ているインテリア青年を好きになるが、彼には婚約者がいた。なので、町を出ようと決心した。
町 -
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ネタバレ罪と罰から、一瞬、デジャブかと思った(笑)。
罪人がさまようところから始まる。
でも、読み進めてみたら、そんな内心を描写しまくるどろどろ系ではなくて(笑)、精神的な善に溢れていて大分読みやすい話でした。
相変わらず、古典ならではの生死をかけたガチストーリーではあるけど、でも、読んでてそこまで辛くない感じです。
ミュージカルだとこんな感じかなぁ、と、つらつら想像しながら読む感じ。
子どもを/が拾う拾われる、というのが普通な世界に驚きつつ、パン1枚で生きていくそのすごさに驚きつつ、弁護士になろうともものすごい貧困な世界に驚きつつ、なんか、時代って不思議だなと思う。
あとは・・・犯罪を犯したこ -
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フィッツジェラルドのミステリーな作品、七篇。
「ベンジャミン・バトン」
ブラッド・ピットさん主演で映画化もされた作品。フィッツジェラルドの作品だったと知らなかった。しかも短編だったとは。
老人の姿で生まれて赤ん坊の姿で死ぬ、数奇な運命に生きた男バトン。
老人の姿といっても大きさは赤ん坊で、要するにシワのある赤ん坊と思っていたら、読んでみると老人が大人の大きさで生まれたようで、お母さんは産むときは大変だろうなと思った。産みの苦しみなんてものじゃない。
老人とはいえ自分より大きいだろう男をお腹に入れていたわけで、どういうシステムでお腹に入っていられて出てこられたのだろうと思う。ちょっとしたツッコ