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Posted by ブクログ
角川文庫版のレ・ミゼラブル。上下二分冊の上巻を読み終えたところ。
以前、ふとしたことから中央公論社『レ・ミゼラブル百六景』という図版を数多く取り入れた本を読んだ。「これで十分読んだ気分」に成れたのだが、長編の名作として名高い作品。書店で文庫本のコーナーを見る度にホンモノが気になる。
結局は中途半端に断片的なシーンを知っているだけ。印象深いそれぞれのシーンも本来ならば、全体の話の流れの中でこそ真価を発揮するはず。
ヴィクトル・ユゴー『あぁ無情』と呼ばれていた。原作タイトルそのままの訳。このタイトルのせいで、遠い本のようにも感じていた。
明るめのエッセイやSF、冒険ものばかり読んでいた昔の私には《縁もゆかりもない》小説だった。
年を経て、ドストエフスキーを読んだり、ジェーン・エアを読んだり名作や大作などと呼ばれる書籍たちに手を染めるようになり、決して若い頃には手に取ることすら無かった本を読むようになった今、
『レ・ミゼラブル』に変身したユゴーの作品を折角の機会に読まないのは何故だ?
妨げるものは何もない。
新潮、岩波に較べれば上下2巻はお手頃な長さでもある。
ここまで考えた末、やっと買いました。
そして上巻。やはり「百六景」では味わえない最初バラバラな話が読み進むうちに一つ一つ繋がりを見せていく。面白い。
情景描写、人の身体と心の動き。先々に関係してくる登場人物を、敢えて事前に軽く述べておいたり。
物語の先が気になる。『ここで今日は終わり。』と決めても、またついつい手を出してしまう。
明日、下巻を買って、ユゴーの描く世界に引き続き没頭しよう。
Posted by ブクログ
かなり昔に完訳版を読もうとして挫折したので、抄訳(ところどころを抜き出した翻訳)である角川文庫のを読みました。
※抄訳でも上下巻、文庫本2冊になります。
話の本筋はしっかり押さえられており、スルスルと読めました。
舞台ミュージカルも観たことがあるのですが、抄訳版でもミュージカル化されている場面はほぼ載っているように思えましたので、
最初に読むには良い本だと思いました
かつてパン1つを盗んだ罪で投獄されてジャンバルジャンが司教様との出会い、ファンテーヌとコゼットとの出会いを通して、澄んでいくのが心地よいです。
もちろん、行きつ戻りつする人間らしい葛藤を抱えながらですが。
名作と言われるのも納得です。
下巻も楽しみです。
Posted by ブクログ
永遠に読み継がれてほしい名作。
劇とかでよく上演されてるなと思いながら読まずにいたのですが、読んで良かったです。
登場人物一人一人の物語が複雑に絡み合いながら進んでいく展開にあっという間に読み終わってしまいました。
ジャンが司祭と出会い救われ、人のために生きながら葛藤する様子がとても心打たれました。一度でも罪を犯した人を許せない人というのは確かにいて、それでもその人を憎まずに自分の運命に真っ直ぐ向き合う姿勢に涙が出そうでした。
誰もがハッピーエンドとはいかないのが、時代背景がしっかり反映された本作の特徴なのでしょうが、どうか幸せになってと思わずにはいられません。
下巻も読むのが楽しみです!
Posted by ブクログ
厳しい時代のフランスで主人公ジャンバルジャンが前科者から聖人に至るまでの人生の旅路を描いた作品。
ジャンバルジャンは何度も重要な決断を迫られる中で、ただ神の教えに従って、法に従って決断するのではなく、何が最善か苦しみを伴いながら葛藤する。何かに影響されて決断するのではなく何が善い行いか、自身が責任を負う事の恐怖に打ち勝つ覚悟が何よりも美しかった。
以下印象に残ったシーン意訳
他人の為に悪事を行うことについて
自分の事しか考えてないな、良心の呵責に苦しむことと神に見捨てられ地獄に落ちる事がそんなに怖いのか、それもまた自分可愛さなんじゃないか。
Posted by ブクログ
初めて本作品を読むのに恐らく丁度良い量かと思います。
パンを一斤盗んだら…から始まり、司教に出会ったジャン・ヴァルジャンは善も手探りながら心得るようになり、しかし過去の悪を知る彼は悩み、葛藤する。
善と悪は紙一重であり、心得さえあれば…しかし難しい美徳の道へと一歩一歩進むことが出来る。
その道は、悪を知る者、だいたい小さな悪というものを人間は持っているけれど、美徳にまっしぐらとは到底困難と思える。
悪に落ちることは正反対に簡単だけれど、周りにとっても自身にとっても善人であることにの困難さ、司教の優しくも強い信念から始まる上巻は、どんどん読めてしまいました。
Posted by ブクログ
子供の頃に接した「ジャン・バルジャン物語」やミュージカル「レ・ミゼラブル」で分かったつもりになっていてはいけない。一度は原作を読んでみなければ…と思っていたが、文庫本4冊の完訳はやはり長すぎる。この「抄訳」で妥協したつもりだったが、これが面白い!!
ユゴーの原作はさぞかしお固くて、重々しい社会派小説だと思っていた。しかし、読んでみると、解説にもあるように、冒険やミステリーなど様々な娯楽小説の要素に溢れ、ドラマチックな世界に入りこんでいく。
だいたい、十五年間も服役していた男(ジャン・バルジャン)が、社会復帰してから、たった数年で市長になるなんて、いくらメディアで面が割れない19世紀でもあり得ない。そして、突然、ジャベール(ジャン・バルジャンをずっと追っていた警官)に見つかり、再び監獄に入り、半年ぐらいで脱獄してコゼットと何年も身を隠して暮していくなんて。それでも、そんな無茶な展開、実際フランス革命後の無茶苦茶荒れたフランス社会。極端に貧しい者達。王党派、共和派などの思想の対立。法の元の正義と神の御心にかなう正義の対比。ジャン・バルジャンの人生を物語るような風貌。怪力で犯罪者であるが底はかとない心の優しさ。彼らを見守る星の瞬き…。
細かい所まで描写が丁寧で、舞台を見ているようである。ドラマチックで、頭の中、「民衆の歌」「夢やぶれて」や「One more day」などミュージカル「レ・ミゼラブル」の曲流れまくり。昔観て感動したのだが、原作の世界観と合っている。ユゴー自身も演劇を通じて大衆に対する社会的使命を果たそうとしていたらしいので、あのミュージカルを見ていたら喜んでいたのでは?と思いたくなった。
ただ、ユゴーの原作は歴史背景や人物の背景を長く説明しすぎたり、物事の細かい説明が長すぎて本筋からそれることが多くて読みにくく、それで読者を遠ざけてきたらしい。そこで、1960年代にハーバード大学のペニシュー先生が、過剰な部分を削ぎ落とし、なおかつ辻褄の合うように調整し、元の半分弱のものに編集し直して抄訳版を英米で発表した。本書はその日本語訳である。こんな面白いのに敷居の高かった小説を皆が読みやすい所に下ろして下さった画期的な訳だと思う。
この小説は今の私たちから見れば「歴史小説」だが、ユゴーの時代にとっては「現代」の小説だった。古い小説ってそういう面でも面白い。
下巻に続く。
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小説・文芸
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