【感想・ネタバレ】レ・ミゼラブル (上)のレビュー

あらすじ

貧しいジャン・ヴァルジャンはパンを盗んだ罪で監獄に送りこまれて十数年ものあいだ苦しみ、さらに出所後も差別に悩まされる。しかし、ある司教に出会ったことで生まれ変わった彼は、まったくちがう人生を歩きはじめる。そして、不幸な美女ファンテーヌと出会い、彼女を救おうとするが、執拗に追いまわすジャヴェール警部が行く手に立ちふさがる! フランス文学の金字塔にして娯楽小説の真髄が、コンパクトな新訳で登場!

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Posted by ブクログ

かなり昔に完訳版を読もうとして挫折したので、抄訳(ところどころを抜き出した翻訳)である角川文庫のを読みました。
※抄訳でも上下巻、文庫本2冊になります。

話の本筋はしっかり押さえられており、スルスルと読めました。
舞台ミュージカルも観たことがあるのですが、抄訳版でもミュージカル化されている場面はほぼ載っているように思えましたので、
最初に読むには良い本だと思いました

かつてパン1つを盗んだ罪で投獄されてジャンバルジャンが司教様との出会い、ファンテーヌとコゼットとの出会いを通して、澄んでいくのが心地よいです。
もちろん、行きつ戻りつする人間らしい葛藤を抱えながらですが。
名作と言われるのも納得です。

下巻も楽しみです。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

フランス革命後の混乱期、人々がどう生きたか。
この厳しい時代を皆が何を胸に抱いて日々を暮らしていたのか、どう生きてどう死んでいったのか。
ひとりひとり確かにその物語の中で生きていて、人間の強さと弱さを感じられる。
ミュージカルのレ・ミゼラブルが大好きなので欲目もあるが、本当に素晴らしい作品。
初めて読む人は完訳ではなくこれが読みやすいかも。
様々な訳者のレ・ミゼラブルが出ているので、読み比べるのも面白いと思う。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

永遠に読み継がれてほしい名作。
劇とかでよく上演されてるなと思いながら読まずにいたのですが、読んで良かったです。
登場人物一人一人の物語が複雑に絡み合いながら進んでいく展開にあっという間に読み終わってしまいました。
ジャンが司祭と出会い救われ、人のために生きながら葛藤する様子がとても心打たれました。一度でも罪を犯した人を許せない人というのは確かにいて、それでもその人を憎まずに自分の運命に真っ直ぐ向き合う姿勢に涙が出そうでした。
誰もがハッピーエンドとはいかないのが、時代背景がしっかり反映された本作の特徴なのでしょうが、どうか幸せになってと思わずにはいられません。
下巻も読むのが楽しみです!

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

厳しい時代のフランスで主人公ジャンバルジャンが前科者から聖人に至るまでの人生の旅路を描いた作品。

ジャンバルジャンは何度も重要な決断を迫られる中で、ただ神の教えに従って、法に従って決断するのではなく、何が最善か苦しみを伴いながら葛藤する。何かに影響されて決断するのではなく何が善い行いか、自身が責任を負う事の恐怖に打ち勝つ覚悟が何よりも美しかった。

以下印象に残ったシーン意訳
他人の為に悪事を行うことについて
自分の事しか考えてないな、良心の呵責に苦しむことと神に見捨てられ地獄に落ちる事がそんなに怖いのか、それもまた自分可愛さなんじゃないか。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

初めて本作品を読むのに恐らく丁度良い量かと思います。
パンを一斤盗んだら…から始まり、司教に出会ったジャン・ヴァルジャンは善も手探りながら心得るようになり、しかし過去の悪を知る彼は悩み、葛藤する。
善と悪は紙一重であり、心得さえあれば…しかし難しい美徳の道へと一歩一歩進むことが出来る。
その道は、悪を知る者、だいたい小さな悪というものを人間は持っているけれど、美徳にまっしぐらとは到底困難と思える。
悪に落ちることは正反対に簡単だけれど、周りにとっても自身にとっても善人であることにの困難さ、司教の優しくも強い信念から始まる上巻は、どんどん読めてしまいました。

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2021年08月28日

Posted by ブクログ

 子供の頃に接した「ジャン・バルジャン物語」やミュージカル「レ・ミゼラブル」で分かったつもりになっていてはいけない。一度は原作を読んでみなければ…と思っていたが、文庫本4冊の完訳はやはり長すぎる。この「抄訳」で妥協したつもりだったが、これが面白い!!
 ユゴーの原作はさぞかしお固くて、重々しい社会派小説だと思っていた。しかし、読んでみると、解説にもあるように、冒険やミステリーなど様々な娯楽小説の要素に溢れ、ドラマチックな世界に入りこんでいく。
 だいたい、十五年間も服役していた男(ジャン・バルジャン)が、社会復帰してから、たった数年で市長になるなんて、いくらメディアで面が割れない19世紀でもあり得ない。そして、突然、ジャベール(ジャン・バルジャンをずっと追っていた警官)に見つかり、再び監獄に入り、半年ぐらいで脱獄してコゼットと何年も身を隠して暮していくなんて。それでも、そんな無茶な展開、実際フランス革命後の無茶苦茶荒れたフランス社会。極端に貧しい者達。王党派、共和派などの思想の対立。法の元の正義と神の御心にかなう正義の対比。ジャン・バルジャンの人生を物語るような風貌。怪力で犯罪者であるが底はかとない心の優しさ。彼らを見守る星の瞬き…。
 細かい所まで描写が丁寧で、舞台を見ているようである。ドラマチックで、頭の中、「民衆の歌」「夢やぶれて」や「One more day」などミュージカル「レ・ミゼラブル」の曲流れまくり。昔観て感動したのだが、原作の世界観と合っている。ユゴー自身も演劇を通じて大衆に対する社会的使命を果たそうとしていたらしいので、あのミュージカルを見ていたら喜んでいたのでは?と思いたくなった。
 ただ、ユゴーの原作は歴史背景や人物の背景を長く説明しすぎたり、物事の細かい説明が長すぎて本筋からそれることが多くて読みにくく、それで読者を遠ざけてきたらしい。そこで、1960年代にハーバード大学のペニシュー先生が、過剰な部分を削ぎ落とし、なおかつ辻褄の合うように調整し、元の半分弱のものに編集し直して抄訳版を英米で発表した。本書はその日本語訳である。こんな面白いのに敷居の高かった小説を皆が読みやすい所に下ろして下さった画期的な訳だと思う。
 この小説は今の私たちから見れば「歴史小説」だが、ユゴーの時代にとっては「現代」の小説だった。古い小説ってそういう面でも面白い。
 下巻に続く。
 

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2021年05月14日

Posted by ブクログ

舞台も映画も未鑑賞にて読み始める。
新潮のは長そうなので、角川版。
評判だけあってたしかに面白い。
元日に上巻を読み終えたので、元日中に映画を観る。
映画も良かった。なるほどこう物語は進むのね。
早く下巻を読まなくては…

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2021年01月03日

Posted by ブクログ

これは大作。土壇場でチケットを購入できたミュージカルを鑑賞した後、何の予備知識を持たず鑑賞したことを悔い読んでみた。
舞台は19世紀のフランス。アコギな大人にこき使われる孤児と、それを不憫に思って引き取った前科のある紳士を中心に物語は進む。繁栄と没落、純真と汚れた心、追う者追われる者など、人間の生々しい内面に迫る。
これを読んでからミュージカルを見に行けば良かった…

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2019年05月05日

Posted by ブクログ

人の感情を揺さぶるエピソードが絶えず展開する、まさに娯楽小説。肩苦しいイメージの先入観はなく、時折挿入される名文に酔う。
さらさら苦なく読めるのは翻訳の良さからか。
ジャン・バルジャンと関わる人物達の群像劇の先が気になる。
細やかな状況設定も物語に深みを与えている。
下巻が楽しみです。
当時物の挿絵も掲載してもらいたかったです。

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2019年04月30日

Posted by ブクログ

さすがフランス文学の最高峰。一級の娯楽小説の側面もあり非常に面白く読むことができる。

上巻は、忍耐のときが、まさにああ無情といった現実が多く描かれている。ジャン・バルジャンに神の祝福を!と祈らずにいられない。表紙の女の子はコゼットなのかな?

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2017年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「世間は震撼せども、十字架は微動だにせず」

レ・ミゼラブルを読みやすくした本。新潮文庫こそレ・ミゼラブルだという人もいるが、読みやすいこちらから手をつけるのがいいだろう。面白いと思って、さらに詳しく読みたい人はそちらを読めばいい。

ジャン・ヴァルジャンは悪人だった。生きるために心を汚した。しかし、寛容な司祭に出会い、彼は変わり始めた。これは、彼の救済の物語である。ところどころ利己的な部分が出てくるが、彼は人のために自己を犠牲にできる人物になっていく。たとえ、築き上げた地位を捨ててまでも。

”レ・ミゼラブル”、ああ無情。それでも信念を捨ててはいけない。

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2015年11月15日

Posted by ブクログ

すごく読みやすい!
帝劇でやっている「レ・ミゼラブル」のミュージカルを今度観に行くので予習として読んでいたけど、まず読みやすさに驚いた。レビューでも「読みやすい」という声があったのでこの本を選んだが、すらすらと読める。
そして、続きもどんどん気になって、読んでないときでも「あの続きが気になる、どうなっちゃうんだろう!」とウズウズしてくる。
本を読んでウズウズしたのは初めてです。
レミゼと、この本に出会えてよかった!下巻もこれから読みます。

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2015年04月26日

Posted by ブクログ

まさに名作
『ああ無情』の邦題と共に、ロングラン演劇、映画でも有名な本書。
完全版はとにかく長くてなかなか手を出せないでいたが、コンパクトな新訳と言う帯の文句につられて購入。
上下二巻なのでかなり読みやすくなっているのではないかと思われる。

主人公、ジャン・バルジャンは刑務所を脱走し、神の説く「愛」に触れる。
銀の燭台。
それが彼を少しずつ変えていくきっかけだ。
一方、コゼットという少女は、彼が生涯慈しみ、愛しぬいた存在である。
彼女は幼い頃別れた母の姿を思いつつも、ジャンの愛を一身に受け、身も心も美しい女性となって、新たな人生のステージへと進んでいく。
彼女と結ばれるマリウスは悩みながらも自分の道を貫いた。
この三人の人物のそれぞれが困難を前にしながらも生きていく様に、感動を隠せない。

さて、ジャンを執拗に追いかけるジャヴェール警部。
またテナルディエなど、憎まれ役もまた魅力的だ。
やきもきし、怒りを覚えながらも彼らが登場するのを心待ちにしている自分がいる。
しかしながら好きではない人物もまた存在する。
前出のマリウス。
純粋といえば聞こえはいいが、世間知らずで理想ばかり追いかけているように私には思えた。

革命を舞台にしていたとは知らなかった。
バリケードをつくり、マスケット銃で応戦し、その中で人々は一瞬の輝きを放つ。
名もなき人々。
語られない人々。
美談の裏に巧妙に隠された戦いの恐ろしさ、国家の巨大さ、それに翻弄されながらも流れを変えようとする小さな努力.....
どれもこれも感じ入るところが多い。

悲しみや苦しみが続く中で、最後に出てくる一筋の希望。
これが本作を貫くものだったのかとわかる。
堅苦しい作品だと敬遠していたが、そうではなかった。
変わらぬものを丁寧に描いた一流の作品出会ったことに遅まきながら気づいた。
遅すぎることはない。
ぜひともこの著者の思いを受け取ってほしい。

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2015年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔に映画を見て感動。原作も読んでみようと。抄訳ですが。

フランス革命後の世界観。
"ああ、無情"のタイトルから、まあ基本報われません。そんな中、みんなどう思い悩み生き抜くのか。その生き様が描かれています。
ジャン・ヴァルジャンとコゼットを追うジャヴェール。「またジャヴェールが来てしまった」と何度思ったか。
その逃げて追ってが気になるのに、急にマリウス。このマリウスにまた惹き込まれる。
ただピュアなストーカーにもなりかけてて心の中でマリウスに待て待てと呼びかけてしまいました。
ジャン・ヴァルジャンが心入れ替えて真っ当に生きていく...のではなく、その都度保身や誘惑との間で葛藤しつつ生き抜いていく。そんなジャン・ヴァルジャンだからこそ応援したくなるのかもしれない。
下巻も読み終わったら映画を観返したいです。

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

フランス革命との関連を詳しく調べた方がいいと思った。
ワーテルローとナポレオンの影響
マリウスは父の戦歴を調べる中で、ナポレオン時代の歴史にのめり込み、「ボナパルティスト」(ナポレオンを理想とする人)になります。
この思想の変化は、彼が家を出て、自分の信念で生きようとするきっかけになります。

☆時代背景☆
1. フランス革命(1789〜1799)
•民衆がルイ16世を倒し、絶対王政を終わらせた。
•「自由・平等・博愛」を掲げたけれど、内部で対立が起き、**恐怖政治(ロベスピエール)**など混乱が続く。
•結局、「自由な社会」はうまく作れなかった。



2. ナポレオン時代(1799〜1815)
•ナポレオンが登場して独裁的な帝政を始める(皇帝ナポレオン1世)。
•革命の理想をある程度実現しようとしたが、戦争が多く、ヨーロッパ中を巻き込んだ。
•1815年にワーテルローの戦いで敗れて完全退場。



3. 王政復古(1815〜1830)
•革命前のブルボン王家が戻ってきて、ルイ18世→シャルル10世が即位。
•「また王様の時代か…」と民衆は不満。
•特に労働者や貧しい人々は、自由も平等も手に入っていないと感じていた。



4. 七月革命(1830)→ ルイ=フィリップの時代
•1830年、再び民衆が暴動を起こし、シャルル10世を追放。
•新しい王「ルイ=フィリップ」が即位し、「市民王」と呼ばれる。
•でも、結局この時代も金持ち優遇、貧しい人は苦しいまま。

→レ・ミゼラブル


P377 若い時期の苦労は、、、

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2025年05月12日

Posted by ブクログ

ハインリヒ。夢で見た青い花に憧れる。さまざま人々との出会いや経験をつうじて、詩・愛・無限(青い花)への理解を深めていく▼愛とは、人間という謎に満ちた独特の存在が不思議に融けあうこと▼自分自身を超えることが生の原点であり創生である。ノヴァーリスNovalis『青い花』1802
〇マティルデ。美しい娘。死んでしまう。
〇ジルヴェスター。老医師。
※「ノヴァーリス」はペンネーム、
※主人公が体験を通して内面的に成長する姿を描く教養小説

ペーター・シュレミール。ある日、灰色の服の男(悪魔)に出会い、影を失う代わりに、金貨が無限に出てくる袋を手に入れる。しかし、影がないため、周囲から嘲笑されるように。灰色の服の男に「影を返してほしい」というと、男は「返してもいいが、代わりにお前が死んだら魂をもらう」と言われたため断念。金貨が出てくる袋を捨てる▼その後、ペーターは一歩で七里(28km)進める魔法の靴を手に入れ、世界中を歩き周り、植物学の研究に没頭する。アーデルベルト・フォン・シャミッソーChamisso『影をなくした男』1814

ゼルペンティーナ。娘。父ザラマンダー(火の精)の過去の罪により、蛇に変えられている。詩を愛する純情な男と結婚すれば、蛇から元の姿に戻れる。また、嫁入り道具の黄金の壺により理想郷で幸せな生活が送れる。ある日、ゼルペンティーナは、詩を愛する青年アンゼルムスに出会い恋に落ちる。が、魔女によって青年はガラス瓶に閉じ込められてしまう。火の精により魔女は打ち滅ぼされ、ゼルペンティーナと青年は結婚、俗世間から脱し、理想の世界で幸せに暮らす。エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンHoffmann『黄金の壺』1814

ナターナエル。男。大学生。「きれいな目玉!」と叫びながら、高い塔から飛び降り、地面に叩きつけられ、頭を砕く。エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンHoffmann『砂男』1815 ※怪奇・幻想
●コッぺリウス。老弁護士。
●スラパランツァーニ教授。自動人形オリンピアを作り出す。
〇オリンピア。娘。自動人形。目には光がない。
〇コポラ。眼鏡売り。
〇クララ。娘。ナターナエルの婚約者。
〇ロータル。クララの兄。

恋に昨日と明日は存在しない。恋は今日という日だけを求める▼ 世界が木っ端みじんになったとしても、その残骸の破片から炎となって恋の想いは燃え上がる。ハインリヒ・ハイネHeine『歌の本』1827

愛は立ち込める霧に包まれた一つの星だ。ハインリヒ・ハイネHeine『新詩集』

“恋に狂う”と言うのは意味が重複している。恋はそれ自体狂気である。ハインリヒ・ハイネHeine『シェークスピアの女たち』

学費は安くないが、経験は素晴らしい学校だ。ハイネ ※革命詩人

ドン・ホセ。軍人。ある日、妖艶な人妻カルメンに出会い、夢中になる。カルメンの愛を独占しようと、ホセはカルメンの夫を決闘の末に殺害。ホセはカルメンと結婚するが、自由を求めるカルメンは別の男と密会。カルメン「たとえ殺されても、あんたとはもう一緒に暮らせない」。カルメンが結婚指輪を投げ捨てると、ホセは激高し、カルメンを刺し殺してしまう。プロスペル・メリメMérimée『カルメン』1845
※ジョルジュ・ビゼーBizet のオペラ「カルメン」
※カルメンはスペイン人のジプシー。
※ファム・ファタール。男を破滅させる魔性の女。

ダルタニアン。田舎貴族の青年。銃士隊の見習い。仲間の三銃士と共に窮地に陥った王妃を助け、正規の隊員となる。アレクサンドル・デュマDumas『三銃士』1844
〇アトス。三銃士。冷静沈着。
〇ポルトス。三銃士。ほら吹き。
〇アラミス。三銃士。繊細。
●ロシュフォール。剣客。
●ミレディー。妖婦。

ダンテス。マルセイユの商船の乗組員。若くして船長に出世。婚約者(メルセデス)がいる。順風満帆。しかし、ダンテスの出世や結婚を妬む人たちから、あらぬ罪を着せられ、逮捕・投獄されてしまう▼囚人ダンテス。同じ刑務所で囚人になっていた神父と会話する中で、自分が罠にはめられたことに気付く。犯人の目星もついた。ダンテスは神父から、あらゆる学問を教えてもらい、さらにある島(伊モンテ・クリスト島)に眠る財宝のありかを教えてもらう。15年後、刑務所から脱出したダンテス。財宝を回収。伯爵になる。金と名誉を得たダンテスは自分を破滅させた男たちへの復讐をはじめる。策略を張り巡らし、ぬくぬくと暮らす男たちから金・家族・名声をことごとく奪っていく▼復讐を果たしたダンテス「死ぬほどの苦しみを味わうことで、生きることの素晴らしさを知ることができる。待て、そして希望せよ」。アレクサンドル・デュマDumas『モンテ・クリスト伯』1845
〇メルセデス。女。ダンテスの婚約者。
●ダングラール。男。船の会計士。ダンテスの出世を妬む。大銀行家に出世。
●フェルナン・モンデゴ。男。漁師。ダンテスの婚約者メルセデスに恋。ダンテスに嫉妬。ダンテスを終身刑に追い込み、メルセデスと結婚する。陸軍中将に出世。
●ヴィルフォール。検察官。保身のためにダンテスを終身刑に追いやる。検事総長に出世。
〇ファリア。神父。
〇モレル。金持ち商人。投獄されたダンテスを救おうと尽力。しかし借金を負い、破産寸前のところを伯爵になったダンテスに救われる。
〇マクシミリアン。モレルの息子。ダンテスが実の息子のように可愛がる。ダンテスはマクシミリアンに莫大な財産を残して姿を消す。
※ボナパルティスト。反革命分子。ダンテスは「ボナパルティスト」だとして終身刑になる。
※『椿姫』のアレクサンドル・デュマ・フィスは、同名の息子。フィス=息子の意味。ペール=父

ヒースクリフ。孤児。嵐が丘という場所にある裕福な家に引き取られるが、その家を継いだ跡取りの息子ヒンドリから虐待され、使用人以下の扱いを受ける。ひそかに想いを寄せていた家の娘キャサリンも、上流階級の男と結婚してしまう▼数年後、裕福になったヒースクリフは復讐を開始する。跡取りの息子ヒンドリを賭博で騙して破産させ家を乗っ取る。さらに跡取りの息子ヒンドリが亡くなると、その子供をひきとって虐待。また、想いを寄せていた娘キャサリンの夫の妹を誘惑して妻にして虐待、さらにキャサリンに言い寄ってキャサリンの夫婦関係を悪化させる▼しかし、ヒースクリフは復讐が虚しくなり、生きる気力を失う。ある雨の夜、笑みを浮かべながら死んでいるヒースクリフが発見される。エミリー・ブロンテBrontë『嵐が丘Wuthering Heights』1847 ※ブロンテ三姉妹の真ん中。
〇ヒンドリ。アーンショー家の長男。跡取り。
〇ヘアトン。ヒンドリの息子。キャサリン(子)と恋仲に。
〇キャサリン。アーンショー家の娘。
〇エドガー。キャサリンの夫。上流階級。リントン家。
〇イザベラ。エドガーの妹。ヒースクリフと結婚。
〇キャサリン(子)。キャサリンとエドガーの娘。ヘアトンと恋仲に。

マルグリット・ゴーティエ。若い娼婦。結核を患っている。ある日、真面目に愛してくれる青年アルマンと出会い、一緒に暮らし始める。が、アルマンの父によって、二人の仲は引き裂かれる。その後、マルグリットは結核が悪化、死去。アレクサンドル・デュマ・フィス『椿姫』1848
※真の愛が人間を気高くし、魂を救う。
※アベ・プレヴォの「マノン・レスコー」から影響

シルヴィネ。男。神経質。体が弱い。双子の弟ランドリーはしっかり者。ある日、弟は若い娘ファデットと結婚。シルヴィネは、弟をファデットに奪われたと感じ、心を病み、姿を消す。ジョルジュ・サンド『愛の妖精』1849 ※女性作家

「私」。ある女優に恋。毎晩、劇場に通っている。その女優は、昔、一緒に遊んでいた村娘アドリエンヌに似ている。同一人物かと思ったが、現実のアドリエンヌはすでに亡くなっていた。故郷の村には別の女の子シルヴィもいた。シルヴィに会いに久しぶりに故郷の村に帰ると、シルヴィはすでに結婚して子供もいた。「私」はたまに故郷を訪れては、シルヴィの子供たちの遊び相手をしている。ジェラール・ド・ネルヴァル『シルヴィ』1853

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ジャン・ヴァルジャン(20代半ば)。男。貧しい家の生まれ。幼い頃、両親を失う。庭師。独身。恋する暇もない。離婚した姉とその子供たちの面倒を見る。ある日、貧しさから、パン1斤を盗んでしまい、罪に問われて服役。脱獄を繰り返し、刑期が追加、19年後、ようやく自由の身になる。46歳。修道士が運営する元囚人のための学校に入る。ある日、ヴァルジャンは司教の家から銀食器を盗んで逃亡、警察に捕まる。しかし司教は「これは私が彼にあげたものだ」と警察に説明、司教から助けてもらい、諭される。しかしその直後、今度は道行く少年から銀貨を盗む。ヴァルジャンは自分が情けなくなり、涙を流す▼数年後、ヴァルジャンは商売で大成功。儲けたお金で地域の病院にベッドを寄付したり、学校を建てたり。地域への貢献が認められて市長に。ヴァルジャンが経営する工場には、貧しいフォンテーヌという女性が働いていた。3歳になる娘がいる。しかし他の従業員と揉めて、工場を辞めさせられる。フォンテーヌは極度の貧困の中、娼婦となり自分の前歯や髪の毛までも売りボロボロに。その姿を見たヴァルジャンは、自分がフォンテーヌとその娘の生活の面倒を見ると約束。しかしフォンテーヌは体調を崩して死んでしまう。ヴァルジャンは彼女の幼い娘コゼットを託される▼10年後、コゼットを町で見かけた青年マリウスは、コゼットに一目惚れ。コゼットもマリウスに惹かれていく。青年マリウスは革命を目指して、六月蜂起に参加するも失敗して負傷。負傷したマリウスをヴァルジャンは助け出す。その後、コゼットとマリウスは結婚。二人の門出を見届け、ヴァルジャン、安らかに天に召される。「彼は生きた。自然の摂理のもとで。昼がきて、夜がくるように」。ヴィクトル・ユゴーHugo『レ・ミゼラブル(惨めな人たち)』1862
〇ジャヴェール警部。少年から銀貨を盗んだとして、ヴァルジャンを執拗に追跡。仕事に忠実、融通が効かない。反乱軍にスパイとして捕まってしまい処刑されることになるが、ヴァルジャンに助けてもらう。気(け)高いヴァルジャンの姿を見て、唯一の心の支えだった「法律遵守」が崩れ去り、絶望の中、川へ飛び込む。「道は1本だと思い込んでいた彼にとって、道が複数見えるのが恐ろしかった」
〇テナルディエ夫妻。宿屋を経営。いじわる。貧しいフォンテーヌの娘コゼットを預かり、こき使う。
〇ミリエル司教。銀食器を盗んだヴァルジャンをさとして改心させる。
〇マリウス。青年。正義感。
〇エポニーヌ。マリウスに恋。
※挿絵エミール・バヤールBayard

世界をただ一人の人物に縮減し、神にまで拡大する。これが愛である▼いたるところにこれほどの悲惨さがあるのを見ると、私は神はお金がないのではないかと思う▼子供の苦しみは母の心を動かし、若い男の苦しみは若い娘の心を動かすが、老人の苦しみはだれからも顧みられない。

力量が足りないのではない。意志が足りないのだ▼四十歳は青年の老年期であり、五十歳は老年の青年期である。

1848.2 二月革命でウィーン体制・七月王政崩壊
1848.4 四月普通選挙で社会主義勢力が惨敗
1848.5 国立作業場、閉鎖
1848.6 怒った労働者たちが蜂起(六月蜂起)、鎮圧

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陽を好むすべてのものは戸外にあり、空は朝の始まりに歓喜し、草は雨滴に輝く。荒野では野兎が喜々として駆けめぐり、その足でもって水を含む大地から靄もやを蹴り上げる。靄は陽を浴びて駆けめぐる、野兎の行くところどこであれ。ウィリアム・ワーズワース『抒情歌謡集』1798 ※湖水地方
※詩人ワーズワース。J.S.ミルと親交。

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わが故郷(ふるさと)、わが望み、わが青春は去った。しかし、恋は去らず、ただひとりを恋し続ける。ジョージ・ゴードン・バイロンByron『ハロルドの旅』1809

すでに最悪を知り尽くしたと思うことが、残された慰めなのだ。私を憐れむなら、たずねてはならない。ただ微笑んでほしいのだ。人の心をさぐって、その底の地獄をのぞいてはならない。ジョージ・ゴードン・バイロンByron『イーネスに』1812

佳き古き時代。すべての歳月は古くなるとよくなる。ジョージ・ゴードン・バイロンByron『黄金時代』

逆境は真理への第一歩である。ジョージ・ゴードン・バイロンByron『ドン・ジュアン』

※バイロン。ギリシア独立戦争で戦死。

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永遠にめぐりくる春よ、あなたは三つの宝を忘れずに届けてくれる。年ごとに咲くライラックの花と、西の空に沈むあの星と、そして愛するあの人の想い出を。ウォルト・ホイットマン Whitman『草の葉』1855 ※庶民の生活や感情。

寒さに震えた者ほど、太陽を暖かく感じる。人生の悩みをくぐった者ほど生命の尊さを知る。ウォルト・ホイットマン Whitman

タチヤーナ。田舎貴族の娘。素朴で慎ましい。ある日、都会からやってきた貴族の男オネーギンと出会い恋に落ちる。タチヤーナはオネーギンに情熱的な恋文を出すが、冷たい返事が返ってくる。「不仕合せな妻がただひとり、昼も夜も彼女に価(あたい)しない夫を思って憂(うれ)うる家庭より悪いものはありません。そういう家庭ではわびしげな夫が、妻の値打ちは認めながら、運命を呪いつつ、いつも眉根(まゆね)を寄せ、黙りこくり、ぷりぷりして、冷ややかな、嫉妬深い気持でいるのが常です。僕はそういう男です」▼無気力・倦怠・冷淡・厭世。オネーギンという悲しげな変人は、地獄の産み落とした子か、天の作った子か。天使なのか、傲慢な悪魔なのか。また単なる模倣、つまらぬ幻影、ハロルドのマントを着たモスクワ人なのか。他人の気まぐれの注釈者、言葉の辞書なのか。要するにパロディに過ぎないのか。アレクサンドル・プーシキンPushkin『エヴゲーニイ・オネーギン』1833 ※チャイコフスキーのオペラ

グリニョフ。17歳。男。へき地の要塞の守備隊に入ることに。要塞に向かう途中、吹雪の中、ある男(プガチョフ)が道案内をしてくれたので、お礼に革のコートをあげる。男はグリニョフに言う「この御恩は一生忘れません」▼要塞での生活が始まり、ある日、要塞の同僚の男シヴァーブリンと口論になり、二人で剣で決闘した結果、グリニョフは大怪我を負ってしまう。グリニョフを看病をする18歳の娘マリア(大尉の娘)。二人は互いに惹かれていく。グリニョフは自分の父親に「マリアとの結婚に同意してほしい」と手紙を書くが、父親はグリニョフが決闘をして怪我をしたことにご立腹、結婚は許可しないとの返事が来る▼その頃、エカテリーナ2世が農奴制を強化し、重税に苦しむ農民たちが反乱を起こしていた。指導者プガチョフは、武装騎馬民(スラブ人とモンゴル人の混血)コサックたちを従えて略奪を繰り返す。プガチョフの軍はグリニョフが勤務していた要塞を占領、要塞の司令官も殺される。グリニョフも殺されかけたが、プガチョフはグリニョフが革のコートをくれた恩人だと気づき、グリニョフとマリアは解放してもらう▼その後、プガチョフの反乱は鎮圧。グリニョフは「プガチョフと通じていた」との容疑で告発されるが、マリアがエカテリーナ2世に直訴し、許してもらう。グリニョフとマリアは結婚。アレクサンドル・プーシキンPushkin『大尉の娘』1836
※プーシキンは妻に言い寄る男と決闘、死亡

ペチョーリン。男。25歳。都会育ち。洗練。色白。華奢。ある日、娘ベーラに恋をするが、すぐに気持ちは冷めてしまう。ベーラが盗賊にさらわれて死んでしまうのを見て、ペチョーリンは不気味に笑う(第1話)▼平穏に暮らしている他人の秘密を興味本位で暴き平和を乱す(第3話)▼好きでもない女メリイに言い寄り、メリイが好きだった男を決闘の末に殺した上で、女メリイの求婚を拒否する(第4話)。ミハイル・レールモントフLermontov『現代の英雄』1840 
※オネーギン≒ペチョーリン
※プーシキンの死を悼み「詩人の死」を書く

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※ロマン主義。人間の個性と感情。歴史と民俗文化。

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2025年02月27日

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まんがで読破シリーズで読んだ。
あっちゃんのYouTubeより視聴。
映画で号泣した記憶もあるし、小説も読みたいなあ。
愛にまっすぐに生きる人って素敵だよね。

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2024年11月22日

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ネタバレ

不変のテーマ。

芝選書で紹介されていた、2冊で完結するレミゼ!
いつか読みたいなぁ〜と思っていたので、読みやすいというこちらを。

200年前のフランスが舞台なのに、共感できるところがたくさんあるのが非常に面白い。
人は更生できるのか?真なる善とは?考えさせられる。

主人公:ジャン・ヴァルジャンがとっても魅力的で、気になる存在。
司教に出会って親切にされたことがきっかけで、心を入れ替えて他人のために生きている姿がかっこいい。
人は、誰と出会うか、誰と出会わないか、が大切なんだね。(©MIU404志摩)
市長としての地位を確立していたとき、全くの他人がジャン・ヴァルジャンと間違われて処刑されそうになった状況で、どう動くべきか、一人ひたすらに悩んでいるシーンが印象的。
p.131〜p.148まで悩んでる。

自分が言い出さなければ、他人がジャン・ヴァルジャンの代わりに処刑されてしまう。一方、言い出せば市長としての地位は無くなり、昔の酷い囚人生活に元通り。そして、気にかけて心配していた女性がひとりぼっちになってしまう。

わたしだったらどうするかな、と考えながら読んだ。
懺悔することや告白することは、主に自分のための行為だと思っている。逆に懺悔せず、告白しないことは自分の健康に悪影響を与えると思う。考えすぎて便秘になりそう。
きっと、表に出すことでストレス発散してるのよね。
例えば、仕事でミスっちゃったな〜ということを、全く仕事に関係していない家族に話すだけでも気持ちが晴れる。

自分だけの問題だったら、この考え方で告白するを選択するけど、相手がいて、告白することで相手が不利な状況になる場合は、自分の中で閉じ込めておく、を選択するような気がする。
ジャン・ヴァルジャンが陥っている状況は、どちらを選択しても相手が不利な状況になってしまうので、どちらの選択をするか結局は自分の中で答えが出ないまま、先が気になって読み進めてしまった。

偽ジャン・ヴァルジャンの裁判に乗り込んだ時点で、きっとジャン・ヴァルジャンの心は決まっていたんだね。
目の前で有罪判決を下される自分の身代わりを、黙って見過ごすような人ではないはず。
偽ジャン・ヴァルジャンが有罪判決を下されそうになる瞬間、ジャン・ヴァルジャンが発言するシーンはとてもかっこよかった。
下巻でのジャン・ヴァルジャンの活躍も楽しみ。

宿敵:ジャヴェールの、権力に従い、罪人は許さず更生も信じないという角張った考えは、この物語の中に出てくると、なんでもっと柔軟性を持たないの?と思うけど、果たして普段の自分はジャヴェールになっていないか?と、考えさせられる。

教会に通うおじいさんマブーフの考えも印象的だった。
世界にはたくさんの異なるものであふれていて、それが普通であるにも関わらず、主義主張が違うからって憎しみ合うのは理解できない、と。
言われてみるとたしかに。違うが当たり前なのに、なんでそれを人々は受け入れられないのだろう。
これまた永遠のテーマ。

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2024年02月15日

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こちらの本は最近でたと思うのだが、
以前に文庫本4巻を読んだので、こちらの方がコンパクトにまとまっているのかもしれない。
ミュージカルも観に行った大好きな作品。
まだ本田美奈子が出ていた頃。

文庫で読むレミゼは、当時の時代背景の中で、力強くも優しいジャンバルジャンの人柄に涙した。

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2023年09月09日

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まずは登場人物の名前や特徴を覚えるのに苦労しました。当時の時代背景の描写がはっきりしているので、貧富の差などが明確だった。

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2023年02月10日

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百年以上も前に創られたこの物語が、今もなお色褪せることなく読まれている理由がよく理解できる。
現代のあらゆる物語が出し尽くされた飽和時代においてでさえ、王道な構成、緻密に練られたプロット、丁寧に張られた伏線、回収タイミング、またその手法、すべてが秀逸に感じた。
正直、下巻の展開は王道らしく、ある程度予想はできてしまうものの、頁を繰るのは楽しみである。

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2022年08月09日

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フランス革命後の混乱期、貧しさがその人本来の善良さも蝕んでいく。とにかく主要人物が不憫。
前半の人生の辛さが、ジャン・バルジャンがコゼットと一緒にいることで幸せを感じられたのがどれだけ救いになったかを際立たせてる。

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2021年08月12日

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美しいファンテーヌとその子コゼットが何とも不遇な人生で悲しくなる。お金がないだけで、こんな人生を歩むことになるのだろうか。
ジャン・ヴァルジャンが宿屋の意地悪夫婦からコゼットを救い出した時は、本当に良かったなと思ったが、彼自身もまた戦い続けている。

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2021年08月12日

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初めて読んだ。自分に正直でいる事の大切さ。一度罪を犯しても失敗しても人は変われる。
果たして自分は正直に生きているのかな。改めて自分について考えようと思う。

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2021年08月09日

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個人的に初めてのフランス文学。
悲しみを抱えつつ司教との出会いで生まれ変わったジャン・ヴァルジャンを中心に描かれる登場人物一人一人が個性を持っていて興味深く自然と読み進めてしまう作品でした。
下巻も早く読みたいと思える作品だと思います。

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2021年02月01日

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フランス史を感じる。元囚人であり孤独と闘う老人と親族のいない孤児である少女。年齢や血筋は違えど2人はお互いを必要としているようでどこかダブった。

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2021年01月20日

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短縮版。完全版は助長というほどに長く、挫折者が後を絶たないことからこうしたものが生まれたんだとか。小学生の頃途中までは確実に読んだ覚えがあるんだけど、最後までの記憶がないのはやはり挫折したんだろうな。

冒頭が、有名な銀の燭台のエピソードからであったとは意外。

少年のお金を踏んづけてしまう場面、描き方がにくいなあ。これ、ヴァルジャンの心境を思うと「うわああ」ってなるし、物語の最後まで彼が彼である証として重要なファクターとなっているし、一連の描写が上手いしで、かなり印象的なシーンだ。

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2015年07月15日

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数年前の映画を観て、とても良かったので原作に挑戦。海外小説の翻訳版は苦手なものが多いけど、これは読みやすかった。
心を入れ換えることのできる人、できない人の違いはどこにあるんだろう?

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2015年01月04日

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某芝選書に影響されて買ってみた。外国文学の翻訳は、文体がどうにも苦手で、これもやはり変わらず。面白いと思うところと、読みにくくて辛い、と思うところがある。
最後にもうひと盛り上がりして、ここでレミゼラブルか!で終わったので、続きが結局気になる。

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2024年01月21日

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ネタバレ

罪と罰から、一瞬、デジャブかと思った(笑)。
罪人がさまようところから始まる。

でも、読み進めてみたら、そんな内心を描写しまくるどろどろ系ではなくて(笑)、精神的な善に溢れていて大分読みやすい話でした。
相変わらず、古典ならではの生死をかけたガチストーリーではあるけど、でも、読んでてそこまで辛くない感じです。
ミュージカルだとこんな感じかなぁ、と、つらつら想像しながら読む感じ。

子どもを/が拾う拾われる、というのが普通な世界に驚きつつ、パン1枚で生きていくそのすごさに驚きつつ、弁護士になろうともものすごい貧困な世界に驚きつつ、なんか、時代って不思議だなと思う。

あとは・・・犯罪を犯したことがある人が市長になることが、どれだけ悪いことなのだろう、って。
「すばらしい市長」として皆が評価しており、本人も真に悔い改めていて、かつ刑期を全うした人なら、よいのではなかろうか、とか、少し思ってしまう。

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2016年10月16日

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