和ヶ原聡司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「聖☆おにいさん」という漫画があります……なんて、今更説明の必要性も無いかもしれませんが、仏陀とキリストが現代日本でバカンスを過ごしていたら、そんな「あり得ない設定」を元に魅力的なギャグ漫画に仕立て上げた傑作です。
ただ、そんな世界観が受容されるのは、世界広しといえども日本くらいでは無いか、そんなことを思います。特に「信仰」の問題は、神道の信仰を持っているワシが言うのもなんですが難しいもので、神であろうがモノであろうが社会的価値であろうが、信仰の対象を笑い飛ばされるのは結構、噴飯ものなのが人の心情でしょう。
相容れない価値観のすり合わせ。それは、現実社会においても、物語の世界においても、常 -
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Posted by ブクログ
冒頭の展開の緩さから、インターミッション的なお話になるのかとちょっと思っていたのですが、全然そんなことはなく、前巻に引き続いてのターニングポイントを感じさせる一冊でした。前回がキャラ名鑑としての転換点なら、今回は大枠の物語としての転換点、とでも申しますか。
魔王が魔王たる所以と言いますか、魔王らしいところが描写されると、通常描かれている「日常」とのギャップが特に顕著になって、面白みが増す気がします。本巻は、久々にその「らしい」見せ場があったので良かったです。
そして、この作品の「設定」が、徐々に煮詰まりつつ、伏線も多様に張られてきました。そこに見えてきたのは、実は物語としては普遍的なテーマ -
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Posted by ブクログ
詰まるところ、一番恐ろしいのは宗教でも国家でもなく、それを運用する人間そのものである。太古の昔より、歴史を学べば必ず突きつけられてきたその命題を、設定の妙とテンポの良い文章で軽妙に描いています。
一見脳天気なコメディタッチの物語ですし、一巻で表された世界観もそれに沿うものですが、この二巻で提示されている課題は、深く昏い、ヒトの病巣を感じさせます。
ワシの安っぽい表現でいうなら、正義とは何か、ヒトは誰のために(あるいは何のために)行動を起こすのか、そういった普遍的な物語におけるテーマを、面白おかしく表現する手法は見事です。さらに、一見複雑化した問題を、ある一言(会話)によって解決にもっていく -
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購入済み
実はかなり王道
王道、と一言で言ってもいろいろなパターンがあります。
でも
仲間を大切にする、
共通の敵を倒すために力を合わせる、
誰かのために戦う、
これはそんな王道を行っています。
やっているのが魔王ってなだけで。
これを書いた現在出版されているのは9巻までで、状況的に言えば、過去に自分たちがのこしたケリをつけに行く?てきなじょうきょうです。
タイトルに偽りはないですが、だからと言ってタイトルだけで食わず嫌いをするのは惜しいシリーズです。
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