伏見つかさのレビュー一覧
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“ぱしゃっ。
「…………………………」
俺と桐乃は、取り出し口から出てきたツーショットプリクラを眺め……なんとも言えない切ない表情になるのであった。
実妹とツーショットプリクラ。
しかもカップル御用達のハートフレームで。
プリクラという実物を見たことによって、現実を客観視してしまった俺たちは、悪夢じみた証明写真を捨てることも叶わず、プリクラを律儀に半分こして、お互いに持った。
「…………行くか」
「…………うん」
生命力をすべて吸い取られたかのような顔色で、機械の外に出る。
そこで黒猫と遭遇した。
「…………え?」”
恋愛関連たっぷりと。
妹の言動の種明かしはちゃんとされるのかな。
俺と -
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“「なんか用か?」
「おう。高坂、おまえ次の休みってヒマ?」
「まあ、いまんとこ予定はない。家で勉強するくれーだ」
「そっか、んじゃあよ。付き合って欲しいとこがあるんだけど」
「ふむ」
そういや俺、最近オタク友達やら妹やらとばかり遊んでいて、こいつと連む機会が減っていたな。ついこの前だって、メルルのイベントに行ったばかりだったし――たまには一般人の男二人、アキバ系じゃないところに遊びに行くのも悪くはない。
「了解。んで、付き合って欲しいところってのは?」
「秋葉原だ」
「……………………」
どうやら俺は、どうあっても、オタク業界の呪縛から逃れることのできない運命らしかった。”
赤城のキャラが -
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“「私のことが心配なのはウソじゃない――以前、あなたそう言ってたわね?」
「おう。ウソじゃないぞ」
「あらそう。……ええ、分かっているわ。ウソではない、ウソではない、ウソではないのでしょうね。でも……その気持ちがどこから来ているのか、考えたことはあるのかしら?それとも……気付いているのに気付いていないふりをしているの?」
何を言いたいのだおる、こいつは。
俺は奇妙な迫力に圧され、彼女を見つめることしかできなかった。
「……これは言わないでおいてあげようと思っていたのだけれど、たびたびこんなことがあると迷惑だから、この際教えてあげるわ」
階段の上から、俺を傲然と見下して、真っ直ぐに指を指す。
「 -
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“い、いや、違うんだよ!俺が集めたコレクションに眼鏡かけた女の子が多いのは、たまたまっつーか!気付いたらそうなったっつーか!
とにかくそういう性癖じゃないんだって!
そう沙織に弁明しようとしたら、
「フッフッフ……やはり京介氏が眼鏡フェチだというタレ込みは正確だったようですな……。しかし――だとするとこれはいったいどういうことなのでしょうか?京介氏的に、いまの拙者はストライクゾーンど真ん中のハズですが?」
「萌えねえ――っつってんだろうが!いまのオマエは脳天狙いのデッドボールだ!……だいたいだなァ……オマエがかけているのは眼鏡などではない!ぐるぐる眼鏡だッ!この二つは全然違うもんなんだよ!分か -
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“「なんでおまえん家に泊まり行くのに、いまさら緊張しなくちゃなんねーの?」
「えー?しないの~?」
「しねーよ」
なんでちょっぴり不満そうなんだ。
「むしろ、自分の家よりゆっくりできるくらいだよ」
なにしろ妹がいねーからな、と、心の中で付け加える。
さっきまで不満そうにしていた麻奈実は、俺の台詞を聞くや、くるりと態度を翻して、
「……そっか」と微笑んだ。
「あんだよ……なんか言いたいことでもあんの?」
「ううん……?そっちの方がいいかなぁって、思っただけ」
幼馴染みの言動は、やはり、よく分からなかった。”
なんと悪質な手口とつくづく思った。
これ、実際にある手口なのかね。
Thanks t -
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“「はっはっは――ですがまぁ、お二人の場合、そういった心配はまったくの無用でしょうな!大丈夫!ここは我らにとって宝の山です!ナビは拙者にどんとお任せくだされ!」
言葉どおり、沙織はどんと胸を叩いた。
「……桐乃はともかく、俺はオタクじゃねえぞ?」
「あたしだってオタクじゃないしぃ」
桐乃は白々しいウソを吐いた。それを聞いた沙織が呵々と笑う
「ははは。では最後まで何一つ楽しめなかったなら、お二人はオタクではないということで」
ほーう、面白いじゃねーか。その挑戦、受けて立ったぜ。
沙織の言い草に触発されて、俺の気分はやや上向いた。(後から考えると、これは沙織の計画だったような気もするのだが、本当の -
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兄と妹の関係から始まったシリーズももう6巻。
なんか、最初とはすごくテイストが変わってきたなあ。
京介がすっかりオタクになっちまったのはまあいいとして(笑)
なんだかエピソードやキャラの扱いがすごくテンプレ的になった気がする。
どっかで見たような、と言うか、ねらってる感ばりばりで、なんか落ち着かない。
このシリーズは本来もう少し心に響く展開がウリだった気がするんだけど。
たぶんあれだな。
物語の基本のはずの妹との関係が今回けっこうおざなりだったからだろう。
それとこの巻はある意味短編集みたいで、個々の話にあまり深みがなかったからかな。
そう言う意味で”作者の意図通り”笑えるお話だった