古屋星斗のレビュー一覧
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昔から「今の若いものんは」と先輩達が嘆いていたが、今も昔も「今の若者」の対応と育成には苦慮する。社会背景や生活歴の違いも大きく関与するだろうが、2020年代の若者の特徴を、リクルートワークス研究所主任研究員の古屋星斗氏が、統計資料等も含めて検証する。氏が指摘するのは、労働法制の変化も要因とする。2015年に「若者雇用促進法」が施行され、採用活動の際に自社の残業平均時間や有休取得率、早期離職率などを公表することが義務づけされた。2019年には働き方改革関連法による労働時間の上限規制が大企業を対象に施行された。他にも2010年代後半から現在に至るまで、非常に多くの職場に関する法令が改正された事が要
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今の若者は、ブラック企業だからやめる、のではない。
そういう企業は2010年代後半に淘汰されつつある。
今の若者は、ホワイト企業だからやめる、というのだ。
これを読んで、転職5回61歳現役ライン管理職の私、思い出した。
22歳、大手印刷会社のシステム部門に配属になって2年くらいたって、
急に不安になったことを。
最初の一念は見慣れぬPC、IBM5550と格闘していて無我夢中、ある意味楽しかった。
それがある程度落ち着き、同じ作業の繰り返しになってきたあたりで、
「この部、この会社の外に出たら通用しないのではないか」
と、この新書に書かれている若者同様、不安になったのだ。
父親が自営業者だった -
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■仕事の量的負荷は成長時間には関係がなく、質的負荷が高まると成長実感も高まり、関係負荷が高いと成長実感が低くなる。
・関係負荷(理不尽さ)をかけずに質的負荷をかけるアプローチが必要になる
・現状では質的負荷と関係負荷の間には強い正の相関が存在しており、切り離すのが難しい
■入社前の社会的経験は入社後の成長にプラスに効果がある
■企業が直面する若手育成上の難問は次の2点に集約される。
①仕事の関係負荷なく質的負荷だけをどう上げるか。通常質的負荷を上げようとすると関係負荷も上がってしまうが、どのように切り離すのか。
②(入社前から社会的な経験を持ち)自律的な姿勢を身に着けている若手の方が離職率が高 -
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この本を読んで、若手育成が直面している困難は、文化人類学や民俗誌研究が抱えてきた課題と構造的に似ていると感じた。
かつて民俗誌研究は、前近代社会を近代的な枠組みの中で語ろうとした。その結果、対象社会を正しく理解できていないのではないかという批判が生まれた。前近代を「近代の発展段階」とみなす進化論的な見方と、文化ごとの価値観を相対的にとらえる見方が対立し、研究の方向性そのものが問われた。
同じ構図が、現代の職場における若手育成にも見られる。選択回数の増える職業人生や法改正による「ゆるい職場」の登場、「成長しなければいけないのではないか」という機運の高まりにより、もはや世代で括れる共通の価値観 -
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人材不足だと言われている昨今。
どの産業やどの職種の人材が不足しているのかなどデータで示しています。
かたや、人材不足をネガティブに捉えるのではなく、前向きにも捉えてみようと著書の半ば以降には書かれています。例えば完全自動運転の車など。そのうち本当に民間に出回るんだろうなと思います。
人を介してサービス提供がなされていたものが人を介してではなく、機械を介してとなる、そうすると日本が世界に誇っている「おもてなし」という文化は廃れていくんだろうかと頭によぎりました。しかし、無駄やゴミとなるものも事実ある。
キャリアチェンジを視野に活動し、自分にできることを広げながらも情報のキャッチアップをし続け、 -
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変わったのは、若者じゃなくて職場の方。
Z世代の価値観の特徴は、
・人から羨ましがられるか、行動する際友人にどう思われるかが重要。
・「どちらとも言えない」みたいな中間回答が減ったこと=二極化したことで、平均値をとっても実態は見えない。
他人が幸せかいなかに関心があるかないか、地元思考かどうか、などの項目で、二極化が見られる
とか。
新しい視点だったのは、
管理職は、自分のチームの若手を育成できている、と実感している人ほど、ワークエンゲージメントがたかい、という結果。へーへー。
また、この職場が変わり、育ててもらえない今、若手は自立しなければならなくなっている。育ててくれない、育たないと -
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読んだきっかけ
以前新聞で紹介されており、今後のキャリア形成に不安を持っていたことから読んでみました。
概要
現代の日本社会では、社会情勢の変化により労働時間が減少し、相対的に会社が社員を育てる時間及び余裕が減少。
自分自身で主体的にキャリア形成を行なっていくには、寄り道(スモールステップ、コミットメントシフト)と近道(キャリアキャンペーン、センシング)を意識して行動することが重要。
詳細
•キャリア形成に関する選択の機会が多様化。会社で経験を積めば自ずとキャリアが形成される時代ではなくなり、職場の仕事以外での自発的な経験やスキルがキャリア形成及び転職等に影響してくる。
•現代の若手社会人 -
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ネタバレ入社してから5〜6年、2,3年目で一度辞めようと思ったけど、まだ職業習熟度が一定に達していなくて辛いだけ・仕事ができるようになったら楽しさややりがいを見出せるはずと、将来に希望を見出して働いてきました。当時より職業習熟度はあがっても以前見出したやりがいの希望は実現せず、別の道でやりがいを持てそうな仕事を探して、トライしてみて、転職することを決めました。
今の仕事の区切りがつく二ヶ月以内に選択しなければならない。
2,3年目の時点で、いやもっと早い入社当初かその前にこの本を読んでいたら、何も選択せず3年いても温まらないのに我慢して働き続けることはなかったかもしれない、スモールステップの積み重ね