古屋星斗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ここ数年、「転職」や「早期退職」という言葉をよく耳にするようになった。企業側が何を考え、若手をどのように育てようとしているのか知るために、本書を手に取った。
特に印象に残ったのは、会社には若手を育てる機会が少なくなっており、つまり「会社は私を育ててくれない」という現実だ。若手は、自分が掲げる目標やキャリアのために、現在地と目標との間にある機会しか成長の場として認識できず、会社側はそれを提案して最短で導く。しかし、その方法では、自分が予想もしなかった未来には出会えない。
転職意識についても、会社で終身雇用として活躍するのではなく、市場価値を高めるために業界で通用するスキルを身につける手段とし -
Posted by ブクログ
2年前の本ですが、ゆるい職場と言われる状況を的確に指摘していて、若手の育成に即した有益なアドバイスも多く、とても良い本だと思いました。
自分自身がそうだったように、その会社だけでなく他所でも活躍できるような人材になってもらえればと思い日々奮闘している中で、本書は大変参考になりました。
世間では人材と言う話になるとまだ「意識高い系」と言う言葉は死んでいないように思えます。
スタバでMacで仕事してます!から、副業して活躍してます!に変わって、より中身が伴うようになった点などは違うかと思いますし、教育の影響などもあるようですが、とにかく世間の人と違う何者かになりないと言う気持ちがより強くなってい -
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働き方改革により「ゆるく」なった労働環境下で、いかに充実したキャリアを積み上げていくかを、体系的に示した本。
心に響いた文章を以下に記載。
・「キャリアの成功は心理的成功である」(プロテアン・キャリア)
・外を知っているからやめるのではなく、外を知らないから辞める(コミットメント・シフトの文脈)
・職場で高いパフォーマンスを発揮し、様々なアクションを起こしている若手ほど不安感が強い。自分が行動を起こすことで見える範囲が広がり、自分の至らなさが認識されるからでしょう。(ダニングクルーガー効果)
・頑張っている仕事が自分にとって「近道」なのか「寄り道」なのか、考えて組み合わせながら安定させていく -
Posted by ブクログ
法改正やその影響を受けて企業も就労環境も変わった、と宣言するところからはじまる本書は、以前読んだ『ライフ・シフト』と合わせて今後のキャリア選択を考える上で非常に参考になるものだった。
・キャリアをキャンペーンの集合で考える
・スモールステップを積みながらコミットメント・シフトを実施する
この2点が特に役立ちそうだと感じたが、実現できるような就労環境を探すというのも選択の上で重要な要素となりそうだと感じた。
熱意と仕事のパフォーマンスの複雑な関係性についての記述は、意外でもあり、一部周りの人の様子をみていても腑に落ちる部分があった。この考えが一般的にももっと受け入れられていけばもっと働きやすい世 -
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ネタバレメンバーマネジメントにおける、年代間および職位間における、意識の差が言語化されているように感じました。
キャリア形成に迷うメンバーへのマネジメントや、組織の行き詰まりへのヒントになる一冊。
以下、ネタバレ
・「ありのまま」と「なにものか」
引き裂かれているメンバーが目に浮かんだ。
・willが先か、スモールステップ=小さな行動が先か
↑will
探索者 動機ある実行者
モヤモヤとした不安 漠とした夢みがちな人
→スモールステップ
モヤモヤ、夢みがち、探索者、動機ある実行者の顔がそれぞれ浮かんだ。
・キャリアにおける寄り道と近道
キャリア自律による近道だけでは、独自性のないキャリアになり -
Posted by ブクログ
人材育成においてはZ世代という特別な世代が存在するわけではないというのは確かにその通りあと思う。最後に紹介されていた1992年の記事を読んでも、また自分が20代だったころを考えても、若者が考えていることの根本は大きく変わっているわけではないという点はとても理解できる。大きく変わったのは職場環境であり社会の方なのかもしれない。
本書で特に目から鱗だったのは「キャリア安全性」という概念。3つの視座はとてもわかりやすい。
時間視座:このまま所属する会社の仕事をしていても成長できないと感じる。
市場視座:自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる。
比較視座:学生時代の友人・知人と比べ -
Posted by ブクログ
ネタバレ変わったのは、若手ではなく、「法律」
→「若者雇用促進法」 : 情報開示の義務化によって、職場環境を改善するために努力するインセンティブが企業に生まれた
→「パワハラ防止法」: ハラスメントへの監視が厳しくなり、居心地が良くなった
若手を育成できるマネージャーのポイント
→年齢層が比較的若い
→若手とのコミュニケーション頻度が一定以上ある
→社員同士の職場を超えた「横断的な繋がりを生み出す」ルールを作れる
→自らも転職経験がある
→若手に対する「呼び方」は無関係
→入社した手の若手に多くの社会的経験を求め、また期待をしている
→フィードバックの形式よりも、指導内容の明確性や内容の充実に注力し