【感想・ネタバレ】「働き手不足1100万人」の衝撃――2040年の日本が直面する危機と“希望”のレビュー

あらすじ

【内容紹介】
2040年には働き手が1100万人足りなくなる――
テレビ、新聞、ネットで大反響の衝撃の未来予測シミュレーション、待望の書籍化!!

2040年には働き手が1100万人足りなくなる――。

2023年3月にリクルートワークス研究所が発表した未来予測シミュレーションは、テレビ、新聞、ネットで数多く取り上げられ、大きな反響を呼んだ。

これまで「人手不足」は企業の雇用問題として報じられてきたが、これから起ころうとしている「人手不足」は、まったく様相が異なるという。

業種別にシミュレーション結果を見ると、2040年には
・介護サービス職で25.2%
・ドライバー職で24.1%
・建設職で22.0%
の人手が足りなくなる。

そうすると何が起こるのか?

宅配便の遅延が当たり前になり、ドライバー不足でコンビニやスーパーの商品の補充も毎日できなくなり、建設現場の人手不足で地方の生活道路が穴だらけになってしまう。注文したものの配送、ゴミの処理、災害からの復旧、道路の除雪、保育サービス、介護サービス……。
私たちは今、これまで当たり前に享受してきたあらゆる「生活維持サービス」の水準が低下し、消滅する危機に直面しているのである。

これから訪れる人手不足は「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という、生活者の問題としてわれわれの前に現れるのだ。

本書では、詳細なシミュレーションをもとに、今後われわれ日本人が直面する「労働供給制約」という不可避の社会課題を明らかにする。
もちろん、ただ危機を「座して待つ」だけではない。これから確実に直面する働き手不足の問題を解消するための4つの打ち手も提案する。
いずれの打ち手も机上論ではなく、すでに地域や個人、企業が実践しているもので、すでに芽が出ている取り組みである。

世界ではじめて人類社会の新局面に直面する日本において、働き手不足がもたらすのは「危機」だけではない。
じつは労働供給制約は、私たちに新しい働き方をもたらし、日本をまったく新しい豊かな社会に変えるための突破口になるかもしれない。
労働市場の研究者である著者が、「危機の時代」を「希望の時代」にするために筆を執った衝撃の未来予測。
【著者紹介】
[著]古屋 星斗(ふるや・しょうと)
リクルートワークス研究所主任研究員
一橋大学大学院社会科学研究科を修了後、経済産業省入省。産業人材政策、福島復興、成長戦略立案などに携わる。2017年より現職。労働市場や次世代のキャリア形成研究を専門とする。著書に『ゆるい職場―若者の不安の知られざる理由』(中央公論新社)など。
[著]リクルートワークス研究所
1999年1月に設立された、株式会社リクルート内にある「人」と「組織」に関する研究機関。「一人ひとりが生き生きと働ける次世代社会の創造」を使命に掲げ、調査・研究などを実施する。
【目次抜粋】
はじめに
第1章 働き手不足1100万人の衝撃
・生活維持のための労働力がなくなる
・20年で生産年齢人口は1428万人減
・日本の労働力率は先進国でトップクラス
第2章 都道府県別&職種別 2040年の労働需給予測
・ドライバーの不足率は24%【職種別シミュレーション】
・充足率75%以下は31道府県【都道府県別シミュレーション】
・人口67万人の島根県の需給ギャップが小さいワケ
第3章 生活維持サービスの低下と消滅
・人材確保は最優先の経営課題
・エッセンシャルワーカーが足りない
・顕在化する警察官、自衛官のなり手不足
第4章 働き手不足の最前線・地方企業の窮状
・【事例1】「地元の企業同士で若者の取り合いになる」
・【事例2】「人手不足で店を畳まざるをえない」
・【事例3】「閑散期のはずなのに毎日仕事を断っている」
第5章 働き手不足を解消する4つの打ち手
・労働供給制約は日本を豊かな社会に変える
・医療・介護分野は労働投入量が1.4倍に
・今、着手できる4つの解決策
第6章 解決策① 徹底的な機械化・自動化
・省人化は賃金上昇につながる
・AIやロボットに代替不可能な業務とは
・社内の自動化のカギを握る人材の共通点
第7章 解決策② ワーキッシュアクトという選択肢
・“本業以外の活動”が誰かを助けている
・動機は「楽しいから」「得をするから」
・地方のほうがワーキッシュアクトが盛ん
第8章 解決策③ シニアの小さな活動
・シニアの小さな活動が現役世代を助ける
・無償だとどんどん担い手がいなくなる
・高齢期の生活と両立する仕事・活動の3要素
第9章 解決策④ 企業のムダ改革とサポート
・週に6~7時間はムダな仕事をしている
・ムダの抽出と削減を徹底する企業が生き残る
・会社ができる労働供給制約の解決策
第10章 2040年の“新しい”働き方
・解決策に着手すれば“10年の猶予”が生まれる
・未来予測1「消費者と労働者の境目が曖昧になる」
・未来予測2「働き手が神様です」
・未来予測3「労働が楽しくなる」
・2040年の二つの日本

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Posted by ブクログ

労働供給制約社会の到来とそれに対する対応策は、楽しい活動を仕事にでき、三方よしの社会建設へとつながる。全ての人がマクロな観点を持ちつつミクロな活動をする着眼大局着手小局を求められる時代になろう。

0
2025年11月05日

Posted by ブクログ

働き手不足が深刻化していくのに、今の仕事をしていて良いのだろうか。もっとやるべきことや、今の仕事でも変えていかなければと強く思う。

データや事例集などわかり易くまとめられているところも良い

0
2025年04月19日

Posted by ブクログ

人材不足だと言われている昨今。
どの産業やどの職種の人材が不足しているのかなどデータで示しています。
かたや、人材不足をネガティブに捉えるのではなく、前向きにも捉えてみようと著書の半ば以降には書かれています。例えば完全自動運転の車など。そのうち本当に民間に出回るんだろうなと思います。
人を介してサービス提供がなされていたものが人を介してではなく、機械を介してとなる、そうすると日本が世界に誇っている「おもてなし」という文化は廃れていくんだろうかと頭によぎりました。しかし、無駄やゴミとなるものも事実ある。
キャリアチェンジを視野に活動し、自分にできることを広げながらも情報のキャッチアップをし続け、新しいテクノロジーに柔軟に慣れておくことが大事だと思いました。

0
2025年09月01日

Posted by ブクログ

 いつか来る2040年に、日本がどうなっているのかをシミュレートした生活・労働事情の調査報告本です。

 今のまま、危機感だけはあるけれどどうしたらいいかわからないという状況で世の中が過ぎていき、2040年になったらどうなってしまうのかということを、様々な統計やデータをもとに読み解いていく一冊です。危機の時代を座して待った場合、ピンチはチャンスの思考で社会改革を推し進めて危機を希望に変えることができた場合で未来予想が書かれています。
 キーワードは、省力化産業と業務の効率化、賃上げと潜在労働力の活用、といったところでしょうか。
 とにかく、現在の日本は超高齢化社会で、かつ超少子化社会です。今後どんどん労働人口が減っていくことは目に見えています。今と同じ仕組みで、マンパワーにまかせた事業運営で世の中を回していくのは無理だということは、火を見るよりも明らかなことです。
 社会インフラや生活インフラが行き届かなくなり、どんどん不便な生活に逆戻りして、今まで便利で時間短縮できていたことに細々と時間を取られて可処分時間がどんどん減っていく、そんな未来はもう目の前に来ています。それを諾々と享受するのか、できることから少しずつ世の中を変えていくのかで、今後10年が変わってくるのだろうと思います。

 興味深い話題は多くありましたが、今の日本が直面しているのは、世界のどの国もいまだ経験していない大きな危機であるからこそ、世界中が日本の動向を注視しているということは、ひしひしと感じます。これからの日本がどうやってこの大波を乗り越えるのか、初めのモデルであるこの国は、ある意味ではセオリーに囚われず自由に動けるということでもあります。
 10年先、または20年先に、『あの頃は今とは全然違ったんだよ』なんて若い人に話すことができるような革新が起きることを期待しています。いざ起きたら、自分も遅れず乗り込めるように、色々なアンテナを建てることは忘れずにいたいものです。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

単なる人手不足論ではなく、
私たちの生活にはどう影響してくるのか、
そしてその対策までが示されています。

宅配便が届かない、生活道路が穴だらけ
救急車を呼んでも来ない...。

言われてみれば、その通りですが、
人手不足と普段の生活の事を
繋げて意識してはいませんでした。

2024年1月に出版と
比較的新しい情報ながらも
現実ではさらに数年進んだ
状況で進んでいると思われます。

本文より~

・かつては「お客様は神様です」という言葉があったが、
労働供給制約社会においては、「働き手が神様」になる。
お客様と働き手の数が不均衡になるわけだから、
働いている人が大事になるのは当然のことだ。


・突拍子もないことを言うようだが、
労働や仕事は楽しくなると考える。単純な話で、
楽しくないと労働供給が増えないからだ。
企業発で、事業展開に必要な人員を確保するために、
自社の仕事を楽しくしようとするインセンティブが
強くなっていくのは間違いないと考える。

~ここまで。

雇用側の機械化やムダ改善に加えて
労働需要を満たした普段の行動や
無理のない仕事との組み合わせ。

その上に都市計画や
税制設計などで
人口動態の変化に対応していくことが
展望として述べられていました。

少子高齢化の事実に向き合い
どれだけの解決策に
それぞれが取り組めるか
課題が浮き彫りになりました。

0
2025年02月18日

Posted by ブクログ

このまま行くと、2040年に人手が1千万人足りなくなること、ワーキッシュアクトやシニアの働き方の事例などは学びになった。これからはお客様が神様ではなく、働き手が神様になる現実も、確かにその通りだと思った

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

人手不足に対する危機感がひしひしと伝わる内容。勤務先の業種はまだマシな方なのに結構ヤバいんだよなぁ…悲観せずに各々が取れる対策を講じるのみですね。

0
2025年01月05日

Posted by ブクログ

健康的な生活リズムにプラスで、無理のない仕事。定年後に働く人は利害関係のある人との強固な関係を作らない方がいい。同意。アーレントの仕事 活動 労働、労働 活動で対応する。現場仕事の省力化と先端技術化で労働集約型の生活維持サービスを成長産業にする。うーん、でもできないと詰む。

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2024年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルがショッキングです
。しかしもうすでに業種によっては「人が足りていない」という現実を感じることがままあります。
話にも聞くし報道でも目や耳に留まることは増えていると思います。(本書にあるように特に医療・介護現場、建築や運送関連業態など)このまま何も変えていこうとしなければ2040年には生活するだけで精一杯の毎日を送る人だらけになる…。衝撃すぎます。

本書に提示された、この危機を最小限にするための方策というかアイデアは、たしかに有効そうではあります。でも全部実行することは出来ないんだろうなと読んでいて私は悲観的でした。何とかしなければと思ってはいても、実際にすぐに動く企業や自治体はどれだけあるだろうと思います。

確かに一部地方自治体で、公務員でありながら農業や漁業などの一次産業へ働きに出ることを勧めているところなど見かけるようになり、これは本書でいうワーキッシュアクトそのものだと思います。それ自体はいいことなはず、なのですがやはり問題はあるわけで。
例えば来てもらえるところには感謝され、実質そこの仕事は進むわけですが、その地域の全農家や漁師宅へ人が入れるわけではないから不公平感もあるし、入る側も行く人は結局若者に限られることや、行かない人は目に見えないプレッシャーがあったりするけれど職場ではそれは言いにくいという話も聞きます。
不公平感や負担感がないように、「楽しんで」できれば確かに良いのですが、実際にやってみないとわからないこのような問題というのは出てくるでしょう。(だからといってやはり何もしないわけには行かないのも確かですけれど…)

本書p126 女性の非正規労働者のうち「不本意だが非正規労働者である」割合が7.9%しかいなくて非正規労働者でありたくてなってる女性が大半であるという話が出てきますが、私はこのデータだけでは必ずしも「非正規労働者でありたい女性が多い」といえないのではないかと感じました。
「そうありたい」の中には扶養範囲でしか働けないという家庭の事情があり「状況が許さずそうありたい」というしかないという人がかなり多いのではないかと思うからです。少なくとも私はそうです。今の職種で正規で働けるなら本当はもっと働きたい。しかし採用がないのです。
このようなアンケートでは私は「非正規を望む」と答えますが(実際そう答えたこともあり)それは「事情」からであり「意思」ではないからです。
今の制度の中で扶養を超えて非正規のまま正規並みに収益を得られるくらい働こうとすると、休みもとれないくらいに「みっしりと」働かないと収益は得られないし(それでも正規には追いつかない)、中途半端に働けば「働き損」になるので結局扶養範囲に抑えるしかなくなるのです。(じゃあ正規の仕事を探せばいいじゃないかという意見はあると思いますがそれはまた別の話になります)
今扶養についても税制が大きく変わろうとしていて、扶養範囲で抑えるという働き方もいずれは出来なくなるだろうと思いますが、本書のこの個所については大変引っかかりました。
自分がその立場だからそう思うだけかもしれないですが、これは非正規について真実を認識できてないままのデータなのではと感じました。

p136 オレンジの線がひかれている箇所ですが「これまで10人で行っていた仕事が8人でできるようになれば支払い賃金を従来水準の1.25倍に増やすことは可能だ」というようなことが書かれています。理論的には、ときちんと断わりもつけてます。期待も確かにできます。できますが実際そうなるかな、というのはかなり疑問に思いました。
人件費として浮いた分をいる人員に配分するという事業主も確かにいるでしょうが現状ではそういうことをする事業所は少ないんじゃないかなと思いました。これからそうなるといいねとは思うけど理想が過ぎる…という気が。

と細かいところに結構突っ込みどころを感じ(最終章も)自分は悲観的でした。
でも一番悲観しているところは、そもそも本書に書かれているような現状に、社会の意識がまだそこまで危機を感じてないのでは、と思えてならないことです。

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2024年09月08日

Posted by ブクログ

リクルート研究員の力すごい!
人口動態ベースの未来予測図。超高齢化社会がどうやって浸食してくるのか私でも想像できました。
経済が落ち込んだら生活困窮者が増加して犯罪リスクは上がるし、そこに警官・自衛官などの公安職が不足すれば今以上に深刻な事態となる。そそ、そうだね。「いつになったら人手不足は解消するんですか?!いや永久に解消しないよ」という事実はサラリーマンにとってもツラいっす。後輩が永久にできないんだ。

膨大なデータまとめの大変さは体験したことあるけど、敢えてね!ツッコむと(うざw)分析以外の所見が煽りすぎな気もする。「物が届かなくなるだろう。」「経済が成り立たなくなる恐れがある。」とアバウトな悲観。良質なデータがもったいない。後の章では地方経営者の声や労働力不足の解決案も提示しているので、そちらのアイデアを持ち上げたいんだろうけどーと邪推もした。

不足解消のカギは省力化産業!AIプラスアルファで女性・高齢者・外国人の力を引き出す。日本は世界最大のマーケットになる!ピンチはチャンスだ!!
ってやっぱりこの人、自分に酔いやすいたちなんだろうなー、なんてどの口が言っとるかと我が身を反省したりもするけど、海外投資を呼び込むアイデアを練るのは純粋に楽しいよね。


あとは頭の悪い想像話。
とはいえ日本人の土着性でいったら女性>高齢者>外国人の活躍が望まれるんだろうけど、しかし現実は真逆でくるんじゃないかしら。日本人は海外へ脱出するし、足腰弱いボケ老人は増えて日雇い外国人に頼るしかない。外国人にはいい人が多いのに、米軍基地のように悪い人だけがクローズアップされる。それを怖がる。
AI登場は真っ先にマスコミに直撃してほしい。日本人の特技のがんばろうぜってムードを壊さないでほしい。

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

人口動態をはじめとした統計などから将来の労働需給予測の結果、2040年に日本では、1100万人の働き手が足りなくなるとして、その対策を論じた一冊。
このような人口問題を扱った書籍は、『未来の年表』シリーズが知られますが、それよりもデータを精緻に分析している印象ですが、ただ人口減少するということだけではこれまで語られていたとおりなので、それ以外の部分を中心に読み進めました。
すでに日本の労働力率は先進国でトップクラスとのことであり、単純なシニアや女性の活用といった考えだけでは対応できません。
そんな中、対応策として紹介されていた「ワーキッシュアクト」というものが興味深い内容でした。いくつか事例も紹介されているのですが、例えば、お話好きの人が、仕事と好きと趣味の間くらいの関係で、介護施設で話をしたり聞いたりすれば、介護福祉士の負担を軽減できるかもしれない、というような話です。
これをどのように実施していくのかは難しい面もあるかもしれませんが、このような活動が広がることで、労働供給制約の社会にも何らかの光明が見えるかもしれませんし、こういった活動を通して豊かな人生につながるような社会ができれば、決して悲観するばかりではないと感じます。今後ともこういった分野に関心を持っていきたいと思っています。


▼2040年に日本では、1100万人の働き手が足りなくなる
▼これから訪れる人手不足は、デジタル人材の不足といった産業・企業視点から語られてきたが、これから訪れる人手不足は「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という、生活者の問題としてわれわれの前に現れるのだ。

▼労働供給制約
 社会を維持するために必要な働き手の数を供給dけいなくなる、構造的な人手不足のこと

▼”労働供給が世界的にもパツパツな状態”が日本のスタート地点である

▼労働供給制約社会に向けた打開策
①機械化・自動化
②ワーキッシュアクト
③シニアの小さな活動
④仕事におけるムダ改革
▼「機械化・自動化」は人の「仕事」「労働」の可能性を単関する可能性
①長時間労働から人を解放することにつながる
②仕事・労働の身体的な負荷が下がる
③タスクが機械へとシフトしていくことで、人はその仕事が本来必要とする業務に集中することができる
・必要な発想は、「人間がいないから機械に」とか「機械か社員か」という二者択一というより、「人が機械の力でもっと活躍できないか」という”拡張性”の思考なのだ

▼ワーキッシュアクト
 コミュニティ活動や趣味、娯楽といった本業の仕事以外の活動のうち、「誰かの何かを助けているかもしれない活動」
▼ワーキッシュアクトが持続的なかたちで広がっているポイント
①”結果的に”誰かの何かを助けていること
②何らかの”報酬”があること
③片手間でできること
▼企業が労働供給制約社会でできることの一つの具体的な手は、働き手を職場で独占しないこと
▼労働供給制約社会は人間の本質的な社会性、つまり生きていると、なんとはなしに誰かのためになっている性質を強調するのではないか

▼労働供給制約を乗り越えるために、今後の日本に不可欠な発想は、高齢期の小さな仕事、小さな活動である。個々人の体力や気力などとも相談しながら、無理のない範囲でできる仕事や活動をはじめ、続ける人が増えていくことが重要になっていく。それが結果として、誰かの何かを助け、自分のためにもなる。シニアが小さな仕事、小さな活動をすることを促すような仕組みづくりが、求められているのだ。

▼豊かな人生が、持続可能な社会をつくり、そして、さらに豊かな人生につながる。そんな好循環を起こすことが最終目的地となるだろう。

▼未来予測
①消費者と労働者の境目が曖昧になる
②働き手が神様です
③労働が楽しくなる

<目次>
はじめに
第1章 働き手不足1100万人の衝撃
第2章 都道府県別&職種別 2040年の労働需給予測
第3章 生活維持サービスの低下と消滅
第4章 働き手不足の最前線・地方企業の窮状
第5章 働き手不足を解消する4つの打ち手
第6章 解決策① 徹底的な機械化・自動化
第7章 解決策② ワーキッシュアクトという選択肢
第8章 解決策③ シニアの小さな活動
第9章 解決策④ 企業のムダ改革とサポート
第10章 2040年の〝新しい〞働き方
おわりにー発明の時代ー

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

あまりに暗い未来予測本です。

しかし、それは確実に日本に訪れる現象である説得力のあるものでした。

これから今からでも人材が不足する前に機械化、自動化などの省力化できるものを国が上げて投資していかなければならないでしょう。

郊外から日々のインフラが維持できなくなる世界がそこまできています。

ても読み進めるのが辛い本ですが現実を直視してできることからやっていくしか道はなさそうです。

これからは省力化産業がキーワードとなってくるそうです。

私も現場で直面している課題をどのように自動化できるか、ここがこれから大事になってきそうです。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

公的データを活用した精緻なシュミレーションにより、2040年の日本の未来に、ほぼ確実に来るであろう「労働供給制約社会」にクローズアップした大作です。

確かに、最近のニュース報道でも、ひしひしと人手不足であることを感じます。
それが、何の対策もしなければ、あと16年後にはとんでもない事態になっているというのですから、驚きしかないです。

本書においては、「労働供給制約社会」における独自の解決策が4つ、提示されているのですが、その解決策の一つである「ワーキッシュアクトという選択肢」は、非常に興味深かったです。
この「ワーキッシュアクト」という言葉も初めて耳にしましたし、紹介されている事例自体が新鮮でした。なお、紹介されている事例は、今現在も進行中の事例です。

「ワーキッシュアクト」と、もう一つの解決策である「シニアの小さな活動」とを組み合わせれば、日本に全く新しい事業が創造できるのではないか・・・
そんなことをうっすらと思いました。
と同時に、日本の未来に希望も持てるような気がしてきました。

ちなみに私は、本書を読んで、日本の個別株長期投資に関し、一つのアイデアを得ました。これから、それを実践していきたいと思っています。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

・2040年に労働人口が不足する事により、労働に対する構造的な変化を求められるようになる。
・むしろ変化をしない限り日本は立ち行かなくなる。
・労働主役的な業務は省力化・機械化を促進し、人間にしかできない仕事の価値に回帰する

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

募集してもずっと人が来ない
この今の状態が一番人が来てくれる状況でこれから益々来なくなるんだよ
ってゾッとする

ではどうすれば良いのか?
まで踏み込んでいくつかの成功例とそれを踏まえた提言もなされていてなかなか読ませてくれた

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

2040年に直面する働き手1100万人不足に対して、実例を交えながらその不足を遅らせる解決策を整理して示した本。

①機械化・自動化
収益性を向上し、労働環境の改善・賃上げを達成するために迅速に抜本的に行うべき。
コンソーシアムによる開発、購入で最新技術のコストを下げる取り組みも
コミュニケーションワークを重視、よりやりがいのある仕事に人を移動。
②ワーキッシュアクト
一人の人間が色んな場面で活躍する社会へのパラダイムシフト。
動機は何でもいい。楽しいから、お金がもらえるから、その評価が進路に役立つからなど。やりがい搾取では持続しない。企業が福利厚生の充実や効率化による可処分所得の増加に取り組み、ワーキッシュアクトへの動機づけを行うことも必要。
③シニアの活用
無理のない範囲で小さい仕事が行えればいい。
小さい仕事を多くの人が行うことがで労働需要に貢献する。社会参加を促し、幸福や孤独の解消に貢献する
④会社の取り組み。
無駄を省く。機械化、自動化。社員のケア等。

AIやロボットなどの最先端技術で人の仕事を省力化し楽しく、豊かで多くの人が参加できるものに作り変えていく作業のこと。

先端技術×現場の仕事の課題の観点が必要になる。
省力化産業に酔って労働集約型の生活維持サービスを成長産業にする。

まずはここに資本と人材を投入。

以下コンパクトシティの問題点↓
効率性を追求した画一的なサービス
そのサービスが提供できる県庁所在地にのみに人々が集住することを促進する都市計画

一国一城令
文化多様性が失われ、日本が潜在的に持っていた文化力がしぼみ、外貨を稼げる数少ない産業だった観光の魅力も低下させる。

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

人材不足の解消の一つの手段としてワーキッシュアクト(社会に対して機能している本業以外の活動)がある。つまり有償無償のボランティアやプロボノ、副業、趣味の延長など。たとえば派手な色の服を着てランニングがてらパトロールするなど。しかしそれってある程度生活にゆとりがある層(収入だったり、時間だったり)ができることで、本業や子育てや介護が忙しい人たちは難しいだろうな。だったら趣味やバイトや自己投資の勉強したいと思うだろう。何かメリットや楽しいことがないと。
他の手段は機械化・自動化、シニア、ムダ改革。客が店員にすべてを任せっきりにせず、自分でもやる(セルフレジ、配膳ロボットの調整)。

ここでも出てきたドイツの哲学者ハンナ・アレントの『人間の条件』(『仕事なんか生きがいにするな』で著者の泉谷が紹介していた)。人間の活動は労働・仕事・活動に分けられる。活動として行っていることを労働に代替していく。。→遊びが労働になる仕組みは、現実的には難しいのでは・・・例えば私にとっての遊び、ドラマ・マンガ・アニメ鑑賞やスポーツ、音楽を聴くこと、食べること、旅行などが誰かの役に立つとは思えないし。消費者としてお金を落とすことはできるけど。

生活維持サービスが2040年も充足しているのは首都圏3県と大阪府だけ。事務・技術者・専門職のデスクワーカーは多少の不足は発生するが他の職種に比べれば軽い。ドライバー、物流、薬剤師、学校の先生、介護職など。
人と直接触れ合う対人業務やロボット・システムを管理する業務は増えていく。自動化がしやすいのは生産工程、運輸、事務・営業、しにくいのは医療、介護、建設。

高齢者の生活と両立する仕事・活動の3要素は現役世代にも当てはまる。
自分はそんなに無理したくないから。
①仕事を通じて健康的な生活リズムを整えられる
②過度なストレスがない
③利害関係のない人とゆるやかにつながる

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

これから日本が人口減少社会になることを示し、どのように進路をとっていけばいいかと論じている。本書でいうところの「労働供給制約社会」を打開するために提言されているのは「機械化・自動化」「ワーキッシュアクト」「シニアの小さな活動」「仕事におけるムダ改革」ということなんだけど、これらの手立てを講じても人手不足の進度を10年ほど緩めることにしかならない(2032年までの人手不足の上昇を一定程度抑制できる)。確かに不十分な補完策でしかない印象。でも、個々の人のウェルビーイング向上にはなりそう。
人が、若手がどんどん減っていくことは変えられない事実だから、前述の打開策で延命を図りながら根本的な対策を打ち出していかないといけない。労働法制の改正とか外国人の積極的な受け入れとか制度政策や人々の意識の根本からの改革が必要になるわけだけど、マイナンバー制度の停滞や消費税ひとつに有権者の顔色うかがっているような政治と国民の関係性においてはちょっと難しいんじゃなかろうか。日本の人々が己が衰退にあることを受け入れ、サービスに対する需要を減らしミニマムに生きていく覚悟しないとどうにもならないと思う。
生活維持サービス(エッセンシャルワーク)の重要性やここに人が割かれている現状は示されているけど、今後の方策の突っ込みがいまひとつな感じ。もっと具体的にどうすべきか、どうあるべきか論じてあるとよかった。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

昨今実感するようになった「人手不足」の現状と未来予測、解決策まであげた労作。しかしここまで実施しても、なんだか「乾いた雑巾からさらに水を絞る」ような悩ましさが伝わってきた。外国人労働者の人たちに日本で働きたい、と思わせることも必要だろうが、現状の結婚と子育てが罰ゲーム化している社会の仕組みを変える必要があるだろう。いざとなったら国外へ逃げ出せる人ばかりではないし、世界はだんだん不寛容になりつつあるのだから。ネットで分断を煽って小銭を稼ぐのではなく、寛容さの普及と、不寛容さへの不寛容という意識変容を目指さなければならない。

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2025年05月04日

Posted by ブクログ

すでに人手不足となっている業界からの生の声はリアリティがあり、より具体的に危機感を持つことができた。
ただその解決策として提示されているものが、①徹底的な機械化・自動化、②ワーキッシュアクト(本業以外で何かを助けているかもしれない活動)、③シニアの小さな活動、④企業のムダ改革とサポートなのだが、本当かなあと思ってしまう。
①それが浸透するのにどれだけの時間とお金がかかるのか、②③それ自体は良いがエッセンシャルワーカーの仕事が補えるとは思えない、④資本主義社会において企業はそんなことしてくれるだろうか(ムダ取りすれば他の仕事を作るのでは?)
それだけ難しいテーマということなんだろう。

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

データが多いので現状把握には最適。
色々と解決案は書かれているものの、具体的に想像できないことも多い。(労働が楽しくなる、仕事と趣味の境目がなくなるなど)
各人は逃げ切るために画策しておくのが良かろう。首都圏に住む、お金を貯める、人付き合いをしておくなどなど。

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2025年01月24日

Posted by ブクログ

働き手が少なくなる。
この本の、はしがきを読めば、結論は分かる。
あとは、データが書いてある。
都道府県別のデータなどは興味深い。

しかし、今後の考察は浅い。
20年後、「20年前はこんなこと書いてる人がいたんだ」とネタにされるレベルの考察の浅さ。

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2024年12月15日

Posted by ブクログ

労働者不足が叫ばれすぎて茹でガエル状態になっている昨今、まあいつかは解消されるだろうという無根拠な楽観主義を叩き潰す理論的な説明は非常に面白かった。その前半に比較して、後半の解決策は薄く(若干著者らの言い訳も記載されている)、読後感が良いとは言いづらいが、今読んで良かったとは言える。
後半の説明にもあるが、人は誰かの役に立てば無償で良いといった理想論では動かないので、そこに対する抜本的な思考転換と施作がいるのだが、まあそれを本に書けるぐらいなら自分で事業化して成功してますよ、という話なのだろう。

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2024年11月07日

Posted by ブクログ

労働供給は2040年には1100万人不足する。
先端分野への供給が後回しになり、イノベーション余力がなくなる。
徹底的機械化・自動化、ワーキッシュアクトを広げ打開する。
労働需給の著しいギャップ「労働供給制約社会」

「お客様は神様」から「働き手が神様」の時代へ。

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2024年05月24日

Posted by ブクログ

働き手不足が確実に来る時代の中で、生活維持サービスの提供が行き届かなくなる。どのように生産性を高めるのか。ワーキッシュアクトという、一人の人間がいろんな場面で活躍する社会を作ること、それを企業が後押しすることで労働をカバーできる部分もある。
働き手は希少な資源。無駄な仕事に働き手を回す余力はない。

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2024年04月26日

Posted by ブクログ

今のペースでの業務を継続すると2040年には1100百万人の労働不足が生じる。すでに起きている人不足を取り上げながら豊富なデータで分析している

無駄な仕事をやめる
コミュニティでの仕事を受ける

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2024年02月28日

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