能條純一のレビュー一覧
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現在の国際情勢との相似
最近の国際情勢や国連の機能不全を見ていると、この巻で当時の日本が置かれた状況や国際連盟とのやりとりに色々考えさせられる。全ては同じではないにしても、政治家と軍の闘争、軍の中での争い、国民感情、国家間の思惑など現在の状況の相似形に見えるところが多々ある。昭和天皇の思いとは別の方向に情勢が否応なしに進んでいってしまう様は本当に読んでいて辛い。
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戦争に向かう緊迫感
昭和天皇が悩みもがいている姿が伝わってくる。立憲君主国の体制下で天皇のあるべき姿を求めて悩み続けていたのだろう。昭和天皇の思いとは別に、軍部が勝手な行動を起こし、戦争がどんどん近づいてくる緊迫感がすごい。
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歴史ドラマ
人間としての昭和天皇が漫画で生き生きと描かれていて、テレビや写真で見たことのある昭和天皇の超然とした雰囲気とはギャップがあり、そこが面白い。活字や切り取った映像では分からない心の機微などが漫画でよく表現されている。ベースとして日本史の知識がないと辛いかもしれないが、少し歴史をかじっていれば、教科書に出てくるような著名人達が人間味をもって動いているのを読むだけでも興奮する。
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当時の時代背景が結構リアル
陛下の婚約者事情に薩摩と長州の事情が入り込むとは思っていなかった。陛下は眼鏡の印象深いけど、大正時代、眼鏡はあまり上に立つ者が身に付けるものではなかったのかな。今では当たり前のものも100年前は全然違ってその差異が勉強になる。
タカと陛下の掛け合いが好きだったがこんな早くに離脱するとは…。婚約者候補、ええ人そう。 -
Posted by ブクログ
能條純一『昭和天皇物語 (9)』小学館。
昭和という激動の時代に若くして天皇となった裕仁の苦悩が描かれる。時代と共に皇室の形は大きく変わったが、国民の模範であろうとする天皇は変わることが無いようだ。天皇、政府、陸軍とそれぞれが相容れない願望と信念で異なる道を模索する。若き天皇の下した決断は……
昭和6年。中国大陸で日本の陸軍『関東軍』が暴走し、溥儀を担ぎ上げ、満州国の建国を画策する。陸軍の暴走を食い止めようと決断を下した天皇だったが……
最近の皇族の結婚騒動を見ると、皇室というよりも宮内庁のインテリジェンスの質の低下が招いた騒動であるように見える。皇族の結婚相手の本質も見極められない宮内 -
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歴史教育で欠落している時代
昭和世代の私が子供の頃は戦前の歴史は教科書で学ぶことが殆ど無かったように記憶してます。本書は私が知らなかった大正昭和の時代を天皇目線で書かれているので、一番の当事者から見た時代の変遷を知ることが出来る最高の教科書です