佐藤淑子のレビュー一覧
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企業の長期的な企業価値の増大に取り組むために経営者サイドの視点で書かれた本である。2019年に書かれたものなので最新のコード改訂については触れられてないが、2014年と2015年に立て続けにスチュワードシップコードとコーポレートガバナンスコードが導入された背景から2017.2018年の改訂による企業を取り巻く環境の変化について書かれており、導入の意図や当時の環境について理解することができた。
また今後の日本企業の目指すべき姿について考えさせられた。今までの日本型経営システムの安定な環境下では経営戦略がなくとも過去の踏襲でなんとかなっていたが、激変する環境の中では、そうはいかない。
経営者にと -
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『サステナブル経営と資本市場』
【著書目的】
事業会社が資本市場に対して、どのように現状と未来を説明することが、投資家含めた資本市場からの信頼につながるのか?
※ビジネスモデルについての言及はなし。
※アニューアルレポートの重要性の高まりとそれを受けてのベターな対応方法の説明が中心。
【著書の魅力】
著者
元NRI,モルガン アナリスト
元IR協議会 事務局長
であること。
【結論】
事業会社がサステナブル(持続)にあたり、 投資家向に「価値創造プロセス 」の説明をすることは有効である。投資家が認知して、長期投資需要へと発展するため。
【財務の3つの役割】
企業価値↑(定量・定性) -
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SDGsという言葉を目にする機会が増えている。SDGsは、Sustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」と訳されたりする。2015年9月の国連会合の中で、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、その文書の中核をなす「持続可能な開発目標」がSDGsと呼ばれている。
具体的には17の目標と169のターゲットが設定されている。
地球環境や気候変動に配慮しながら、持続可能な暮らしや社会を営むための、世界各国の政府や自治体、非政府組織、非営利団体だけではなく、民間企業や個人などにも共通した目標 -
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”最近の親は子どもを叱れない”ということを聞くが、それにはこんなにも深い理由があるのかと考えさせられた。
まず、日本では”叱る母親”には悪い母親のイメージがあり、子どもをしかることを躊躇しているということ。そして母親は子どもが集団の中でルールを守れないことに敏感になり、子どもに原因や理由を聞く前に一足とびに謝らせたり、我慢させたりしていること。
親自身も我慢をしているので我慢できない子どもに対して暴言や暴力をふるってしまっていること。
それを解決するためには親も自分の意見を他人に言えるようにし、自己表現をつけていくことが現代の日本では求められていること。見本にできるのがイギリスの子育てであ -
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ネタバレとても勉強になった。佐藤淑子さんの本は二冊目。こちらは自尊心[セルフ・エスティーム]について。
日本人は海外と比べセルフ・エスティームをどれくらい持っているか、どのような環境や要因から醸成されていくかなど。
親が褒めるという行為はとても大きな影響があるようだ。日本人として内と外で自己表現を使い分けるというのはよく聞くが、その分析もとても細かくおもしろく読めた。
あと興味深かったのは最後の方にあったアメリカ人男性の老後の話。孤独だという。「アメリカ人の男性に、より強調して育まれる独立心と、心を許せる親しい仲間を持つことはそもそも相容れない」
"人が「達成」と「親和性」を同時に持てるか -
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ネタバレ自己主張が苦手で,まわりの雰囲気を見てガマンをする日本人。そんな日本人の性格が,どのようにして,いつ頃から形成されるのかを,イギリスと比べながら,幼児や母親を対象にした質問の回答をまとめて,明らかにしたものが本書の内容。比較教育学という手法らしい。
本書を一読しての〈目からウロコ〉は,自己主張と自己抑制は,相反する性質(この考え方を著者は「一元的尺度」と呼んでいる)ではないということを知ったことだ。日本人だけ見ていると,自己抑制するから自己主張できないように見えるが,イギリスでは,自己抑制もするけど自己主張もできる人間が多いらしい。ということは,これらの両方とも育てることができるということ -
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ネタバレ[ 内容 ]
優しい子に育ってほしいけれど、自分の意見を言えないようでは困る。
自分の意志を持ってほしいけれど、わがままなのはだめ。
子どもが育つとき、自己主張と自己抑制が共にできることが大切なのはわかっていてもそのバランスは難しい。
両者を等しく重視するイギリスと、自己抑制を尊重しがちな日本を比較教育学を用いて比べながら、子どもたちはどうやってこれらを身につけていくのか、親はそのためにどうすべきかを探る。
[ 目次 ]
第1章 自己主張と自己抑制
第2章 イギリスとアメリカと日本
第3章 幼児のしつけと教育の日英比較
第4章 日本とイギリスの子どもたち
第5章 日本人の対人関係と子どもの自