【感想・ネタバレ】イギリスのいい子日本のいい子 自己主張とがまんの教育学のレビュー

あらすじ

優しい子に育ってほしいけれど、自分の意見を言えないようでは困る。自分の意志を持ってほしいけれど、わがままなのはだめ。子どもが育つとき、自己主張と自己抑制が共にできることが大切なのはわかっていても、そのバランスは難しい。両者を等しく重視するイギリスと、自己抑制を尊重しがちな日本を比較教育学を用いて比べながら、子どもたちはどうやってこれらを身につけていくのか、親はそのためにどうすべきかを探る。

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Posted by ブクログ

 ”最近の親は子どもを叱れない”ということを聞くが、それにはこんなにも深い理由があるのかと考えさせられた。
まず、日本では”叱る母親”には悪い母親のイメージがあり、子どもをしかることを躊躇しているということ。そして母親は子どもが集団の中でルールを守れないことに敏感になり、子どもに原因や理由を聞く前に一足とびに謝らせたり、我慢させたりしていること。
親自身も我慢をしているので我慢できない子どもに対して暴言や暴力をふるってしまっていること。

それを解決するためには親も自分の意見を他人に言えるようにし、自己表現をつけていくことが現代の日本では求められていること。見本にできるのがイギリスの子育てであること。

 日本での子育てがうまくいかない理由の研究結果についてその深さに自分としては感銘を受けた。

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2011年12月07日

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自己肯定感が高い子を育てることが一番。精神的に余裕があれば、自分も他者も尊重し、向上心高く強く生きれる。

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2022年04月10日

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イギリスのいい子日本のいい子―自己主張とがまんの教育学。イギリスでは自己主張と我慢の両方をきちんと出来る子供がいい子とされる。日本では自己主張が軽視され、我慢が出来る子、自己抑制が出来て協調性がある子がいい子とされる。だから日本人は大人になっても最低限の自己主張が出来ない未成熟な人間になってしまう。自己主張軽視、我慢重視の日本の教育に警鐘を鳴らす良書です。

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2018年08月13日

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日英のコミュニケーションに対する気持ちについてのレポートのため読んだ
いくつかのアンケート、例を掲げて幼少時代の育て方による自己主張・自己抑制のバランスについて英・日・米を比較
子育てに興味のある人におすすめ

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2010年01月19日

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自己主張と自己抑制のバランスを見直さないと、いまの経済社会で日本人は不利益を被る。
が、日本国内にいる限り、世界の他文化に比べて日本社会が特異な存在であることに気づかない。
本書を読むと、そうした点に気づくことができる。
なお、日本社会では子育て中の主婦等に冷たい人が多いという話は、日本人は内には配慮するが、外には無関心という「内と外」で説明すべきだと思う。

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2023年10月14日

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書店で見つけたときは、単にイギリス人と日本人の価値観の違いがわかるのかな?という程度で手にとりましたが、子育て面にウェイトが置かれているとはいえ、かなり奥の深い本だと感じました。
読んでいて特に感心したのは分析の切り口です。単に言葉で延々と説明するのではなく、分析を例えば2軸で行い(例:日本人の特性をオモテ・ウラの軸とウチ・ソトの軸に切り分析する)、図示しながら説明しているなど、コンサルティング・ファームがやりそうな方法で説明していることです。
その意味で日本が抱える問題点はかなりクリアーに説明されていると感じました。

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2023年04月24日

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ネタバレ

 自己主張が苦手で,まわりの雰囲気を見てガマンをする日本人。そんな日本人の性格が,どのようにして,いつ頃から形成されるのかを,イギリスと比べながら,幼児や母親を対象にした質問の回答をまとめて,明らかにしたものが本書の内容。比較教育学という手法らしい。
 本書を一読しての〈目からウロコ〉は,自己主張と自己抑制は,相反する性質(この考え方を著者は「一元的尺度」と呼んでいる)ではないということを知ったことだ。日本人だけ見ていると,自己抑制するから自己主張できないように見えるが,イギリスでは,自己抑制もするけど自己主張もできる人間が多いらしい。ということは,これらの両方とも育てることができるということだ。
 そこで,筆者は,どのようにしたらこの両方を身につけていくことができるのかを提出しようというわけだ。「円滑な対人関係がとれ,その中で自己の要求を実現できるたくましい社会性」を育むことができれば,仲間からも受容され,自己有用感も高まる生活ができる子どもになるだろう。
 固定された集団の中で上手く生きていくことだけを重要視してきた日本社会のしきたりは,グローバルな流れの中で時代遅れになりかけている。やはり,ここぞというときには,わがままに見えない形で自分の意志を出せる人であってほしい。そう考えたときに,それができているイギリスの子育てが参考になると著者はいう。

 幼児期の自己主張を育むには,まず何よりも大人たちが自己主張を捉え直し,かつ伝統的な自己抑制も見失うことなく,自己主張と自己抑制のバランスをうまくとる生き方を構築する必要がある。それが基本にあってこそ大人が子どもの自己主張を受容することが可能になる。自己主張しても大丈夫だというメッセージを環境から読み取ることができたとき,子どもは自己主張を始める。(本誌,p.179)

 集団の中でガマンしたあげくに,キレル若者も多い。自分を集団の中で上手く活かしてあげるためにも,もっともっと自己主張のしかたを学ばねばなるまい。そのためには,まずは大人が学んで手本を示す必要があるというわけだ。

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2020年03月12日

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ネタバレ

[ 内容 ]
優しい子に育ってほしいけれど、自分の意見を言えないようでは困る。
自分の意志を持ってほしいけれど、わがままなのはだめ。
子どもが育つとき、自己主張と自己抑制が共にできることが大切なのはわかっていてもそのバランスは難しい。
両者を等しく重視するイギリスと、自己抑制を尊重しがちな日本を比較教育学を用いて比べながら、子どもたちはどうやってこれらを身につけていくのか、親はそのためにどうすべきかを探る。

[ 目次 ]
第1章 自己主張と自己抑制
第2章 イギリスとアメリカと日本
第3章 幼児のしつけと教育の日英比較
第4章 日本とイギリスの子どもたち
第5章 日本人の対人関係と子どもの自己の発達
第6章 新しい幼児教育の方向性

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年03月29日

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英:自己主張すべき場面では主張し、抑制すべき場面では抑制する。

日:自己主張すべき場面でも抑制し、抑制すべき場面でも抑制する。

米:自己主張すべき場面では主張し、抑制すべき場面でも主張する。

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2024年01月12日

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自己主張の強いアメリカ人、自己抑制の強い日本人、両方に長けているイギリス人を比較し、今後の日本における子どもの教育(主張できる、かつがまんができる子どもへの教育)を模索する。

本書で、著者はイギリスの文化が良いと言っているのではなく、例として提示している。
自己主張もできなければ自己抑制もできない最近の日本人の傾向に警告し、周りの者の気持ちを配慮しながら自己主張(自分の考えを伝える)できる人間育成、環境づくりを提示する。

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2023年08月04日

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2017.10.2
文面論文らしく固いので読み物としては読みづらいところもありましたが、育児中の身としては気づかされる部分も多々あった。
親が揺らいでは子も揺らぐ。
私は外国人の友達や、海外で生活した経験がないので、アメリカとイギリスと日本の比較がおもしろけった。

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2017年10月02日

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ネタバレ

著者によると、日本人は教育の結果、自己主張が弱くて、自己抑制が強いとのこと。確かに、自分の意見をはっきり言う人はなかなかいない。

また、日本人は自己主張を、単なるワガママだと勘違いしているらしい。でも、著者が言う自己主張とは、相手の意見を尊重した上で自分の意見も述べるというもの。うん、これまあまりいない気がする。

それと気になったのは、日本人は外と内とでは、パーソナリティが一貫していなとのこと。確かに、内では凄く規則正しいのに、外にいったら何でもアリな人いるもんな。

勉強になった。

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2011年10月23日

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「常識って何だろう?」という事を考えさせられる1冊でした。
国が変われば常識も変わる。日本で非常識だと思われる行動も国が変われば当たり前の事かもしれない。例えば、目の前に地図を持って困った顔をしている人がいたとする。そこで声を掛けようとするといつも友達に「知らない人だょ!やめときなょ!」といつも止められそうになる。けど、海外に行くと周りの友達の方が率先して声を掛けている。大切なのは、「これは常識的に考えて...」と考えて行動をするよりも自分が「正しい」と思う信念に基づいて行動をする事の方が良い事もあるのだと思わせてくれる一冊でした。

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2011年03月13日

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こどもの教育における自己主張と自己抑制について日本とイギリス、アメリカについて比較考察している

日本では「思いやりのある子ども」を育てたいという親が多いにもかかわらず、電車で席を譲る、困った人がいたら助けるといったことが欧米に比べて自然にできない。外国人からは冷たい国とうつるらしい

これは日本人が状況主義であるということ
また思いやりを実際に行動にうつすことが苦手というところがあるようだ

対人関係にやたらに気を使うわりには「他人に迷惑をかけない人間に育てる。」という部分が揺らいできている

子どもの社会性の発達の歪みや屈折、学級崩壊や引きこもり、「キレる」現象などの問題が顕著化している今幼児期から社会における対人関係のルールを教えたりすろことが必要

日本人は我慢を美徳としてきたが、現代のライフスタイルにはそぐわなくなってきている。抑圧が続いた結果攻撃的な態度にでることにつながる

子どもがあいさつや人づきあいのマナーを学べるような機会を持つことも親の大切な役目

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2010年12月08日

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自己主張・自己抑制の観点から
アメリカ・イギリス・日本を比較していて
わかりやすかったです

特に他人に対する認識というのが興味深く

日本人は他人にはすごく気を使うのに
見知らぬ人にはまるで存在しないかのような態度になる

これは電車の中で化粧する女性が増えていることにもつながり
今後も継続・発展させて考えていきたいと思いました

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2009年10月07日

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「いい子」に対するイギリス人と日本人の考え方の違いを知る。国や文化が違えば「いい子」の定義も違うことを認識して、自分の「しつけ」について改めて考える。

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2009年10月04日

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