■なぜ手に取ったのか
会社管理職、地域組織役員などしており、マネジメントではなく、
「ガバナンス」の本質を知りたくて手にした本です。
■何が語られていたのか
本書は、難しい用語が用いられている専門書ではなく、「教科書」と記載の
あるとおり、会社のミドル層が初めて出会う「ガバナンス」について、平易か
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どこかが「肝」なのかといった視点で記載されています。
内部統制、マネジメントは海外から輸入されており、その原書は主に英語で記載されており、日本語に訳されています。
しかし、海外と日本における背景が異なるため、原書を読んでもなかなか理解に欠けることも多いです。特に資本市場を取り巻く考え方は海外と日本では、現在でもまだまだ隔たりが大きいように思います。
しかし、著者は海外で発展し、日本人はなかなか理解しがたい「ガバナンス」という
概念について、様々な言葉の置き換えや、大事ポイントを明確にすることで、その本質について語っています。
取締役会、内部統制、開示、人的資源管理、資本市場との関係性などまさにコーポレートのガバナンスについて俯瞰して記載されているものです。
決して、コーポレートガバナンスコードの細部についての対応については、記載されておらず、どの様に捉えることが正しいベクトルなのかといったことを示してれています。
■何を学んだのか
日本人は、人から批判されることに弱く、嫌います。ガバナンスは、批判とは少し異なりますが、様々な関係者による「仕組みで組織をコントロール」する手法です。
その仕組みのなかで、継続的な浄化が発生しり、企業理念・目標の達成を長期的に担保しつづけるまさに「仕組み」だということです。
本書は「コーポレート」、会社に関するガバナンスです。
利益を生み続け企業価値の際高を目指すためといったものになっています。
その対極です非営利についてのガバナンスの研究はコーポレート程、あまり進んでいません。NPOなどの非営利組織には適用できないことも多いですが、しかしその考え方は十分に準用する事も多く、対比することより分かりやすくなるのでないかと思いました。そういった書籍や資料があれば是非とも読んでみたいと思いました。
■どう活かすのか
「仕組みでコントロールする」とは、昭和世代の根性マネジメントとは対極的にある全く異なるものです。多様性、インクルーシブな社会が望まれる中、価値の擦り合わせをするためには、この日本人になじみの薄い「ガバナンス」はとても重要な考え方だと思っていおり、私の様々な活動で意識しながら活かしたいと思っています。
また、古き良き日本にはおそらく「ムラ社会」といったことが、少し違うかもしれませんが似たような考え方なので、日本の組織論についても触れていきたいという気持ちにさせてくれる本でした。
■どんな人にお勧めなのか
「ガバナンス」の本質を知りたい方、組織のリーダー・役員、コーポレートガバナンスやESG経営に関係する人にお勧めの本です。