あらすじ
右肩上がりの成長が望めず、不確実性の高い現代を乗り越えるための立案で悩ましいのが経営戦略。従来ならば売上と利益を伸ばすことに注意していればよかったものの、現在はSDGs、ESGなどのサステナブルな対応も検討する必要があります。本書は、チャンドラー、アンゾフに始まる経営戦略論の基本的なところから、事業戦略、全体戦略まで幅広いテーマをわかりやすく解説。これからの時代を生き抜くための必須知識が理解できる一冊です。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
経営戦略論の歴史から、コーポレート・ガバナンスやESGの潮流、ファイナンスにまで触れた一冊です。ビジネスパーソンであれば知っておきたい知識が網羅されていると感じました。特に元コンサルタントらしく、図表がとにかくわかりやすいです。
【メモ】
・ミンツバーグによる戦略の5類型
①計画(プラン)
②策略(プロイ)
③パターン
④ポジション
⑤視座(パースペクティブ)
・バックキャスティング
最初に目標とする未来像を描き、次にその未来像を実現する道筋を未来から現在へとさかのぼって記述するシナリオ作成の手法⇔フォアキャスティング
・2006年:国連責任投資原則(PRI)→ESG投資の潮流
・VRIOフレームワーク
①Value
②Rarity
③Inimitability
④Organization
★模倣を困難とする要因
①歴史性
②因果関係不明性
③社会的複雑性
④特許等による制約
・ポーターの3つの基本戦略
①コスト・リーダーシップ戦略
②差別化戦略
③集中戦略
・TCFD→企業が気候変動に関するリスクや機会の情報を、シナリオ分析とともに投資家などへ一貫した枠組みで伝えることを提言
枠組みの骨子は
①経営戦略
②リスク管理
③指標と目標
④ガバナンス
・企業価値=負債と資本のコストを勘案後の、その企業が生み出すキャッシュフローの現在価値の総和
・企業価値向上
①キャッシュベースの利益を増やす(事業戦略)
②キャッシュベースの利益が投資家に対するコストよりも小さいような事業はやらない(投資戦略)
③投資家に対するコストを引き下げる(財務戦略)
・本社の役割
①見極める力(事業ポートフォリオマネジメント)
②連ねる力(事業シナジーマネジメント)
③束ねる力(企業アイデンティティマネジメント)