松田千恵子のレビュー一覧
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企業の長期的な企業価値の増大に取り組むために経営者サイドの視点で書かれた本である。2019年に書かれたものなので最新のコード改訂については触れられてないが、2014年と2015年に立て続けにスチュワードシップコードとコーポレートガバナンスコードが導入された背景から2017.2018年の改訂による企業を取り巻く環境の変化について書かれており、導入の意図や当時の環境について理解することができた。
また今後の日本企業の目指すべき姿について考えさせられた。今までの日本型経営システムの安定な環境下では経営戦略がなくとも過去の踏襲でなんとかなっていたが、激変する環境の中では、そうはいかない。
経営者にと -
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■なぜ手に取ったのか
会社管理職、地域組織役員などしており、マネジメントではなく、
「ガバナンス」の本質を知りたくて手にした本です。
■何が語られていたのか
本書は、難しい用語が用いられている専門書ではなく、「教科書」と記載の
あるとおり、会社のミドル層が初めて出会う「ガバナンス」について、平易かつ、
どこかが「肝」なのかといった視点で記載されています。
内部統制、マネジメントは海外から輸入されており、その原書は主に英語で記載されており、日本語に訳されています。
しかし、海外と日本における背景が異なるため、原書を読んでもなかなか理解に欠けることも多いです。特に資本市場を取り巻く考え方は海外と -
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『サステナブル経営と資本市場』
【著書目的】
事業会社が資本市場に対して、どのように現状と未来を説明することが、投資家含めた資本市場からの信頼につながるのか?
※ビジネスモデルについての言及はなし。
※アニューアルレポートの重要性の高まりとそれを受けてのベターな対応方法の説明が中心。
【著書の魅力】
著者
元NRI,モルガン アナリスト
元IR協議会 事務局長
であること。
【結論】
事業会社がサステナブル(持続)にあたり、 投資家向に「価値創造プロセス 」の説明をすることは有効である。投資家が認知して、長期投資需要へと発展するため。
【財務の3つの役割】
企業価値↑(定量・定性) -
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ネタバレ筆者の本は何冊か読んだが、相変わらずフランク且つハッキリしたモノ言いで読みやすかった。また、読む度に新しい学びがあり、筆者の知識・理解の深さを感じた。
本書では例えば、特別委員会の役割/内部監査部門のデュアルレポートライン/執行役と執行役員の違い等、実はなんとなくしかわかってなかった用語について理解を深められた。
非財務情報開示のパートでは、今後はダブルマテリアリティよりシングルマテリアリティがスタンダードになるという主張があったのは、新しい気付きだった。結局、社会的価値も経済的価値に収斂するということであれば、評価軸をより長期にするだけで、評価指標は変える必要はないということなのだろうか? -
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SDGsという言葉を目にする機会が増えている。SDGsは、Sustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」と訳されたりする。2015年9月の国連会合の中で、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、その文書の中核をなす「持続可能な開発目標」がSDGsと呼ばれている。
具体的には17の目標と169のターゲットが設定されている。
地球環境や気候変動に配慮しながら、持続可能な暮らしや社会を営むための、世界各国の政府や自治体、非政府組織、非営利団体だけではなく、民間企業や個人などにも共通した目標 -
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経営戦略論の歴史から、コーポレート・ガバナンスやESGの潮流、ファイナンスにまで触れた一冊です。ビジネスパーソンであれば知っておきたい知識が網羅されていると感じました。特に元コンサルタントらしく、図表がとにかくわかりやすいです。
【メモ】
・ミンツバーグによる戦略の5類型
①計画(プラン)
②策略(プロイ)
③パターン
④ポジション
⑤視座(パースペクティブ)
・バックキャスティング
最初に目標とする未来像を描き、次にその未来像を実現する道筋を未来から現在へとさかのぼって記述するシナリオ作成の手法⇔フォアキャスティング
・2006年:国連責任投資原則(PRI)→ESG投資の潮流
・VR -
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経営戦略というジャンルは経営学の中では怪しげな領域で、抽象的なあるべき論か、現実の後追い的な解釈か、一見、もっともらしく見えても、本当のところはよくわからない。
それでも、事業戦略はそれなりの議論の蓄積があるわけだが、全社戦略になると怪しさも極限だ。結局、これは経営者の直感とか、好み、経験の問題で、筋の通った議論はあまりない気がしていた。
そんな全社戦略をここまで明確に体系化し、学問的にも、実務的にも、まとめることができるとは、本当に驚きだ。
内容的には、これまでバラバラに読んできたもの、経験からなんとなくそんなことだなと思ってきたことがすっきり綺麗にまとまっている。そして、それぞれのパ -
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コーポレートガバナンスに苦手意識があって、
いつかは勉強しないと…と思っていましたが、
あまりやる気になれず。。
そんなときに、手に取ったこの本。
取締役と執行役員の違いもよく分かっていない
コーポレートガバナンス初心者ですが、
初心者でも(完璧ではないにしても)十分理解できた!(とても嬉しい!笑)
この本を読んでみて、コーポレートガバナンスという概念が
結構幅広いことに驚かされました。
いわゆる会社の戦略を立てることもコーポレートガバナンスの一部分なんですね。
読みながら疑問に思ったのは、日本の大企業のコーポレートガバナンスに対する実務。
ほとんどの企業は、取締役と執行役員が同じメンツ