片岡夏実のレビュー一覧
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タイトルからは、この二つがどのようにつながるのかがよくわからないまま読み始めることになった。前半では、植物がよく育つためには土壌の細菌が大切であって、化学肥料を加えさえしたらいいわけではないということを、筆者たちの庭での実体験から始まり、農業の歴史を振り返りながら解説してくれる。そして後半になると、おなじように腸内の細菌が大切であるということを解説してくれる。いきなり腸内細菌の話しから始まるよりは、前半の土壌の話があったからこそ後半がすんなりと理解しやすかったと思う。うまく構成されている。あまり読みやすい本というわけでもないが、読んでよかったと思う本。自分の生活も少し変わりそうに思う、食事と体調には気を付けようと思う。
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ネタバレ面白かったけど、後半に向かうにつれてちょっとタレた。先に『文明崩壊』を読んでいて、巻末の参考文献リストから飛んできて手に取った本でしたが、この本における主要なエッセンスはがっつり『文明崩壊』の方で要約されてしまっていたということが読み進めるごとに明らかに。
つまるところ、程度の差こそあれ、過去に崩壊した様々な文明や、現在進行形で消滅の危機にある地域の疲弊の原因は良質な土壌の流出によるものなんですよ、ということを一冊を費やして何度も何度も繰り返し論じている、というのがこの本の軸です。中盤あたりでそれが読み取れてしまうので、あとは章ごとに新たに出てくる各地の事例を各論として読むだけ、となってしまいます。
土のことだけ抜き出して詳しく知りたい、という方にとっては良質な参考書となるでしょう。土以外の要素も含めて文明の疲弊や崩壊について知りたいのなら、包括論になっている『文明崩壊』を読んだほうが参考になります。 -
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以前、新聞の書評で採り上げられていたので興味を抱いて読んでみたものです。
「ミツバチの会議」というタイトルは、何とも気になるいいネーミングですね。結構人気も出ているようです。
本書のテーマは、ミツバチが新しい巣を作る際の「集団としての意思決定プロセス」の解明なのですが、著者が発見したその仕組みはなんと「直接民主主義」ともいえるものでした。
そして、さらに興味深いのが、このミツバチの分蜂群の意思決定メカニズムと霊長類の脳の働きとの類似性の指摘です。そこでは、ミツバチは“ニューロン”に相当する働きを果たしているのです。
いつもながら「自然の創造の驚異」ですね。 -
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生物学者が蜜蜂の分蜂(6月頃女王蜂を中心に新しい巣作りのために分離する行動)の研究結果をベースに意思決定論へ展開。蜂の社会は脳の構成に類似しているとする。
8割は蜂の詳細な研究。数万匹のによる一発勝負の分蜂を成功させるために蜜を集める経験を積んだ数百匹の働き蜂が入り口の広さと体積をベースに周辺の穴をいくつも探して仲間の前でダンスをしてその回数でアピールする。そのダンスを受けて別の蜂も調べてダンスに加わり最終的に満場一致で移動を開始する。
目的を共有した構成員、豊富な選択肢、自由な議論、公平な判断、必要十分な定数での可決がポイントとなる。またリーダーは必ずしも必要ではなく、問題が明瞭である場合は議論と可決のファシリテーターとして動くべきである。 -
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ミツバチが次の世代の女王蜂に巣を明け渡すために、新しい巣を作るときに最適な場所を見出すときのミツバチの行動を観察し、その詳細を1冊の本にまとめたもの。
ミツバチは集団でしか生きられないので、次の巣を安全な場所に造らなければならない。しかし、この安全な巣の条件というのは結構複雑で、それを多くのハチたちがほうぼうを探しながら、最終的には1か所に決めて、みんなで巣つくりをする。新しい巣に移るのは1万匹。人間ではとても1か所には決まらない。著者のトーマス シーリーは、巣箱をつくるなどしてハチの行動を詳細に観察し、次の巣が決まるまでのプロセスを解き明かしている。研究はこうあるべきという見本のようなものだ。
副題にある「まぜ最良の意思決定ができるか」は、人間の意思決定と比べてしまいそうだ。本文でも、意思決定集団が複雑な問題に直面した時に、同様に幅広い選択肢から選べるようにするために、どうしたらいいか?という問いに対して、ミツバチの集団行動から基本的なメカニズムを参考にできると考えているのは興味深い。
時間があるときにじっくり読むことをお勧めします。 -
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地質学者と生物学者による共著だが、かなり深く調べられた微生物の働きに関する本。
微生物に関する研究がどのように行われてきたのかの歴史、そもそも微生物がすべての生物の根源である事実、化学肥料が与えたインパクトなど、あらゆる観点で書かれている。
最も面白い示唆は「人間の大腸の働きは、実は植物の地中の根と同じような働きをしている」という内容。
植物の根:光合成により炭素を炭水化物に変えて滲出液を出し、無害な細菌・土壌微生物を引き寄せることで根の周辺にはびこらせ、有害な細菌を寄せ付けないようにする。
人間の大腸:大腸の微生物が消化されなかったセルロースなどの植物質を食べることで薬効のある単鎖脂肪酸(SCFA)を作り出す。
この表現は秀逸だなと思った。
その他、土壌微生物に関する研究で面白かったところ。
農作物の収穫量と土壌の健康に関する異なるアプローチを解説。
まず、ハーバーボッシュ法という革新的なアンモニア合成技術が、化学肥料を通じて食料生産を劇的に倍増させた功績をあげている。一方で、植物の成長が最も不足している栄養素に左右されるという最小律の法則を紹介し、土壌や大気から得られる元素の重要性を説いている。
これに対し、農学者のアルバート・ハワードは化学肥料を一時的な薬物に例え、土壌微生物の活性化による堆肥の活用を提唱。最終的に、植物の真の健康は単なる化学組成だけでなく、生きた土壌の生態系を維持することにあると結論付けており、この考え方が昨今は重視されるようになってきている。
こういった微生物の働きがわかると、より私たち人間も共生していかなくてはならないと感じる。 -
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ネタバレ短文の書籍紹介に、近年着目している菌根菌というキーワードが見えた気がしたので読んでみることにした。
結果からすると菌根菌を特筆した内容ではなく、期待した知識を増やしてくれるものではなかった。
オーガニックというキーワードに読み手は若干ナイーブなところがあり、読書中にそれが敏感に反応して辟易させられたが、本書の立場は概ねニュートラルといって差し支えなかろうと思われる。オーガニック農法と、オーガニック農法でないことを示すために命名された"慣行農法"とを、環境再生型(リジェネラティブ)農法という天秤に乗せてはかろうという趣旨の内容に読める。ややオーガニック寄りではあるように見えるにせよ。
34ppmと41ppmを比較する表現として「28%高い」と書いたり、「50パーセント増加」と書いた次の行で「五分の一以上増え」と書くなど、学術というよりはジャーナリズムまたは人文的な臭跡があり、フラットな心持ちを維持するのが困難であったにせよ。 -
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土が好き。だから、土という言葉が入ってるこの本を書棚で見つけ、つい手に取った。学生時代、土壌微生物の授業を受けてたから、新しい知識ではない。
庭づくりと土壌微生物との関係、我々の体と体内の免疫と微生物の関係、そして土と植物と栄養素の関係。
読んで、すぐにベランダの、毎年ゴーヤを育てているプランターの土づくりに着手。
身体も、免疫性の皮膚炎を持ってるから、色々納得しつつ読み進め、納豆とヨーグルトの食べる頻度を増やしたり…。すぐに行動変容が起きる本。
ただ、ちょっとくどいところもあり、読むのがストレスに感じるところも多く、そして同じことの繰り返しだったりで、読み飛ばしも多め。
このシリーズ、もう読むことはないな。 -
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ミツバチ好き向け。
ミツバチの意思決定を直接民主制か間接民主制と比較して自社のマネジメントに活かそうなどと考えている目がギラギラしているビジネスマンには向いてない。
引越しの際、複数の選択肢から新しい巣をどこにするかをミツバチがどのように決定しているかを研究した内容。理想の巣の姿は事前に決まっている。複数の候補のうちどれが理想に近いかを効率的に選んでいることを発見した功績はすごいと思う。しかし引越し意外の事例の紹介はほぼ無い。
実際の人間社会における意思決定はハチの巣選びと比較して不確定要素が多く本書を参考にするには無理があると思う。ハチの生態を勉強してハチすげーなーと感心するための本。