【感想・ネタバレ】土と内臓のレビュー

あらすじ

肥満、アレルギー、コメ、ジャガイモ――
みんな微生物が作り出していた!
植物の根と、人の内臓は、豊かな微生物生態圏の中で、
同じ働き方をしている。
マイクロバイオーム研究で解き明かされた人体での驚くべき微生物の働きと、
土壌根圏での微生物相の働きによる豊かな農業とガーデニング。
農地と私たちの内臓にすむ微生物への、医学、農学による無差別攻撃の正当性を疑い、
地質学者と生物学者が微生物研究と人間の歴史を振り返る。
微生物理解によって、たべもの、医療、私達自身の体への見方が変わる本。

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Posted by ブクログ

この一冊を読んでから
今 庭で土作りに勤しんでいます
と言う人に
何人も出逢った

人間も 自然の中で
生息させてもらっている
一部に過ぎないのだ
と 改めて思わせてもらえる

土から離れた暮らしは
もはや 暮らしとは
言えない
暮らしの 豊かさとは
何だろう
指標の一つが 土との距離
なのだろう


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2025年05月10日

Posted by ブクログ

モントゴメリー 氏2冊目。
後半は専門用語が多く難関だったが、土壌の植物の根とヒトの内臓は微生物によって同じような働きをしている、と言う内容。土壌に肥料などを撒かないと植物の生育が良くない事は知識不足として知っていたし、ミミズなどの小動物が有機物分解の役割をしていた事も。しかし植物の根には微生物が生息しており、栄養素の仲介役の様な働きをしている事は初耳だった。ヒトの内臓にも多種の微生物がおり、似た様な働きをしている。タイトルは秀逸だなと感じた。
食べすぎる事が多いので、腸内細菌に負担がないように考えたい。

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2025年04月10日

Posted by ブクログ

土壌環境と腸内環境を結びつける微生物の働きに関して、著者の実体験と学術研究を交えながら迫っていく著作。
農学と戦争の切っても切れない関係の中で推進された化学肥料+農薬を重視した農業が土壌の微生物叢を破壊してきた。
他方、抗生物質を多用する医学界もまた、腸内の微生物叢を破壊するような医療を当たり前のものとしてきた。
それらの結果として、農産物は十分な栄養価を失い、大腸は免疫機能を失いつつある。
大腸の表と裏を逆にしたら植物の根と同様の機能を持っているようにみえ、両者はともにそれ単体では得られない機能を微生物との共生によって得ているというのは世界観の変わる指摘だった。
人間そのものの消化機能は多くの栄養素を処理することができず、植物の根もまたそれ単体では地中(ミネラル)や空中(窒素)の栄養素を処理できない。その処理できなさを仲介する、我々や植物の必須要素として微生物との共生関係があるのだと世界を捉え直すと、自らの体内と自然環境の捉え方が大きく変わる。

非常に刺激的な本だった。

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2025年01月11日

Posted by ブクログ

アン・ビクレーとデイビッドモントゴメリーの共著「土と内蔵―微生物がつくる世界」だ。初めて正式なタイトルで書いた。いつもは土と内蔵と呼んでいたが、正しくは微生物がつくる世界も含まれる。この二ヶ月の間、この本にすべてを費やしてきた。来る日も来る日も読書に励み、文脈と悪戦苦闘し、その末にようやくこうして読破したのだ。まあ、本当に読書に励んでいたらとっくに読み終えていそうだが。それではこんなことを延々書いていても仕方がないので、いよいよ感想文に入っていく。ちなみに今年の夏休みの宿題にも読書感想文が出ているので、今年はこれで書こうと思っている。まず、本書は微生物と人類の密接な関係と歴史を大まかに振り返る良書だ。太古に起きた共生化、微生物による動植物への干渉、現代化に伴う迫害の歴史、過度な抗菌と人体への影響。これらの事柄についての詳細を、当時の社会的背景も含めて如実に、かつ簡単に描いてくれている。まあ簡単にとはいえ、全く触れてこなかった分野の話であるから、当然知らない単語も多い。マイクロバイオームとかプロバイオティクスとかフォトケミカルとか。大嫌いな横文字が並んだときは思わず頭を抱えて、終いには眠くなってきたが、それでも読む価値はあるだろう。日本は抗菌天国と呼ばれるほどの清潔国として知られているらしい。確かに、言われて見れば自覚する点は多い。飲食店に行けば消毒液が必ず置かれているし、エスカレーターの消毒など頻繁に見る。テレビのリモコン、車のハンドル、プラスチックのスプーンに至るまで抗菌物質が含まれ、その社会形態はもはや微生物の生存を許さないものである。幼少期から手洗いうがいの重要性を叩き込まれ、不潔な場所で遊ぶことを禁止され、必要とあらば抗生物質の投与も容易にされてきた。そうした教育が、我々の微生物対人類という被害妄想をより強固なものにして来た。近年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、その風潮はより強固なものとなった。もはや我々は微生物に真の意味で目を向けることはない。しかし予想に反して、微生物の中には人類やその他の生命にとって明らかに有益なものも数多い。例えば動植物の栄養補給には微生物の分解が必要不可欠だし、土壌や大腸の健康は作物と命の状態を大きく左右する。このはっきりとした現実の究明は、近年の科学の発展によってもたらされた。過去の歴史において、我々は微生物を邪険に扱い、そのすべてを駆逐すべきだと考えていた。それこそ蛙は住む池の水を飲み干さないという諺に、嘲笑われる様な歴史である。そうした歴史の中で発展した医学と農業は、特に微生物に敵対的な方法を生み出してきた。医学の代表的な敵対として抗生物質が挙げられる。抗生物質は人類を悩ませた感染症への対抗薬として活躍したが、その隠れた代償として腸内細菌がいた。一度でも抗生物質を使用すれば約半年間、腸内細菌は再生できないという。農業においては化学肥料が挙げられる。第二次世界大戦で大規模な食料生産を考えた主要国は、化学の叡知を農業に持ち込んだ。化学は農業でも実力を発揮し、一時は爆発的な生産力を得たが、その後は右肩下がりというドーピングの様な結果となった。その右肩下がりも、化学肥料使用に伴う微生物の減少が最たる理由だ。このような文化は、現代社会においても影響を残している。だからこそ我が国は抗菌天国になってしまったのだ。もちろん、これらの歴史について無闇に批判するつもりは毛頭ない。俺もかつては抗生物質の服用によって命を救われた身である。抗生物質も化学肥料も、人類が編み出した叡知には代わりない。しかしそれによって起こる人体の損傷について、我々はもう少し自覚的であるべきだ。というか本当に面白い本だから是非読んでほしい。小さい頃に見た世界への好奇心と冒険への興味が掻き立てられる、そんな作品だった。しかし読書感想文に向いているかどうかは分からない。

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2024年11月27日

Posted by ブクログ

何回も読めたら読みたい。内容は難しかったけど(笑)

そんな中でも分かったことは、
植物は自身の根の周りに様々な微生物と共生していること。そして人間は自身の体内(主に腸)の微生物と共生していること。

前から思ってたけど何でもかんでも『除菌、殺菌』する事は、逆効果ではないかな。
みんな、くそメディアに洗脳されすぎ。

吉田俊道さんの『菌ちゃん農法』の本読んでるけど、『微生物と共生』これにつきますね

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2024年10月01日

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著者が庭付きの家を買って、殺伐とした庭の死んだ土を生き返らせようと奮闘することに始まる。そして化学肥料と有機物が植物に働きかける仕組みにおいて微生物が重要な鍵であることに気づいていく。
その後、著者のうちの一人がガンにかかってしまい、体や健康に注意を向けるようになると、食べ物と微生物の働きが非常に重要のだということになってくる。
この本を読むと、食事について真剣に取り組もうと言う気になる。

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2024年05月30日

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自然とのつながりに目覚めることで地球と生き物たちは健康になる。
土の中の大自然と身体の中の大自然は繋がっている。

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2023年04月13日

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ネタバレ

ずっと気になってた本がブックカフェで見つけました。

土壌にも人体にも同じ構造と機能があることを発見して
双方の生態系復活を行っている科学者夫婦の理論⇔実践リアルドキュメンタリーです。

自分たちも、都内からだいぶ田舎に引っ越してきて
コンクリートのような畑を少しづつ手を掛けているので
一層共感。

土壌も人体も社会も繋がってる事を実感させる一冊です。

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2022年09月02日

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感染症と同じように、自己免疫疾患と慢性疾患が近年多発しているのは、やはり微生物に原因があるかもしれないと、今では思われている。

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2021年11月21日

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この本のことは、数年前から知っていた。
分厚さと値段の高さから敬遠してたが、
今、感染症が広がっている、
このタイミングで読んで良かったと
思える一冊。

家庭菜園的な畑をやっていて、
自然栽培風にやりたくて苦戦していた理由と
土の中の微生物と野菜の共生、人間と常在菌や
腸内微生物の関係が同じような働き方を
している不思議感。

個人的に畑での野菜のお世話で
元気になれるのは、自然の癒やし効果かと
思っていた。

でも、微生物も関係していたのだとわかった。
畑の土の中の微生物は、私にとっても常在菌として
良い方向に働いているのかもしれない。

慣行農法で育った野菜と、
有機的な資材を投入して、
微生物が野菜と矯正して育った野菜では、
微量栄養素の含有量があきらかに違うとのこと。

近年、メンタル疾患の一部やアレルギーが急増してるのは、
微量栄養素に含まれるミネラル分が
野菜に含まれにくくなったからではないかということも
具体的な研究結果に基づいて書いてあった。

めったに★5つはつけない私が5つけた理由は、
巻末にキーワード解説と参考文献と索引があったから。

これが無ければ、★は4つかな?

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2021年08月15日

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ネタバレ

世界は、なんとフラクタルにできているんだ!
分厚いけれど飽きさせない導入部、そして研究者の歴史も読み応えあって「へぇー」の連発。
植物の根≒人間の腸
であり、
土壌環境≒腸内環境
なので、肥満もアレルギーも癌もうつ病も、栄養満点の有機的な土壌で作られた野菜を食べれば、ほぼOKということらしい。
植物が健康的に育つには、土が大事。
お茶の出涸らしや動物の糞といった自然のものを土に混ぜば、微生物が勝手に育ててくれる模様。
農薬を使うと植物の根が張りにくく、土の栄養価も激減する。
微生物は、土にも内臓にもいて、よき働きをしてぅれるので、味方にした方がいい。

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2021年05月16日

Posted by ブクログ

すごい!おもしろい。
はじめの岩だらけの庭の土づくりのところからどんどん引き込まれた。
人間の消化管と植物の根の働きが似ているって、ひゃー。
自然界の様々な微生物のはたらきの話はちょっとややこしいけど、歴史的に微生物を人間が見つけてどうやって理解してきたかという話は興味深いし、共著者がガンになってしまってから食事を見直す話もなるほど、であった。食生活を変えることは腸内環境を整えること、豊かな土壌を作ることと同じなのだ!
人間も自然の一部だということをあらためて実感した。このコロナの時代に、またちょっと違った目でウイルスとか微生物を捉える視点を得た感じ。

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2020年10月10日

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土を肥沃にしているのは微生物、我々の内臓である大腸を効果的に動かしているのも微生物、こんなところに共通点があるとは気付かなかった。そして植物や動物という目に見えるところに重要なものがあるのではなく、RNAや微生物という目に見えないところに重要なものがあるという考え方は”星の王子さま”からも教わった。非常に知的好奇心のそそられる宝物のような1冊に巡り合えた気がした。我々の食べているものも精白した糖類は健康のためにも控えよとのこと、細菌は有益、16SrRNAはリボソームを作るのに必要、全ての植物にはマイクロバイオーム、根、葉、芽、果実、種子を覆う微生物の集合体である、SCFA(酢酸、酪酸、プロピオン酸)には薬効ある、微生物の凄さを再度感じてみたいと思った。

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2020年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

土壌に植物が根を生やす。有機物があればそこにいる微生物が植物の根の周りに共生関係を作り、植物を健康にする物質を発する。

それと同じ仕組みが人間の腸内でも起こっている。栄養の豊富な食物は腸内の細菌との共生関係を作り出す。腸内を良い環境に保つために、ただヨーグルトを摂るだけでなく、全ての食べ物に目を向けていきたい。

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2019年11月30日

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土壌と大腸,その中で大切働きをする微生物に驚き,認識を新たにした.養分や栄養を与えるだけでは駄目でそれを助ける微生物が重要なのだとよくわかる.医学細菌学などの歴史も含めてとてもよくわかる.そして何よりこれから健康のために何をすべきか何を食べるべきか考えさせられた.

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2019年11月17日

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知らなかった、マイクロバイオームの世界。土も内臓も、いや世界中も、微生物があふれている。私たちは微生物とともに生きている、というより元々微生物の世界に私たちが住まわせてtもらっているだけなのd。マイクロバイオームが安定することが、私たちが健康に生きられること、そのために何をしたらいいかを考えたい。

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2019年07月22日

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根圏と大腸という、これまで省みられることの少なかった「世界の隠れた半分」における、驚くほど精巧なフィードバックループ。本書は両者における微生物たちの役割に光を当てるとともに、利便性と快適性を重視するあまりこの豊潤な小宇宙を軽視してきた現代人の生活に警鐘を鳴らす。地質学者と環境計画学者の夫婦の共著だが、それぞれのアネクドーツが生化学という専門外領域への関心を呼び覚まし、本書の執筆に繋がったというのが面白い。

本書は微生物の発見の歴史や、進化の過程における「シンビオジェネシス(共生)」の解説を経たのち、人間の農作物への関与の歴史の詳述に入る。モンゴメリーは、植物の生長に必要な窒素・カリウム・リンの供給を重視する「最小律」に過度に傾斜してきた19世紀以降の欧米農学を批判し、自身の庭づくりの体験から、サー・アルバート・ハワードが提唱した、化学成分に加え細菌類と植物の相互作用である「肥沃度」を重視すべきと説く。

ここで紹介されるのが農作物と土中微生物の共生により形作られる「根圏」。微生物は作物の根が化学成分を吸収しやすくするタンパク質やホルモン等を提供し、見返りに農作物は炭素やフィトケミカルを分泌し有益な微生物を呼び寄せる。殺虫剤の多用はこのような共生関係を破壊し、結果的に植物の抵抗力を損なっていると警告する。

ここまでが本書のいわばA面。盤面をひっくり返してB面に針を落とすと、共著者のもう片方であるA・ビクレー自身のガン罹患体験が語られる。慢性的な炎症がDNAコピーミスを惹起し、ガンの遠因となることを確認した後、GALT(消化管を取り巻く免疫組織)における腸内細菌・セグメント細菌が、免疫抑制/促進のバランスをとる役割を果たしていることが紹介される。もちろんここでの記述は「根圏」におけるのと同様、人体とこれらの非病原性細菌を含むマイクロバイオームの共生(commensalism)にフォーカスが当てられたものとのなっている。

ここから感染症の原因としての微生物に人間がいかに対処してきたが語られる。微生物を一掃することで感染症が撲滅できるというパスツールの信念、治療とは病原菌の特定であり、培養できない微生物は研究の埒外としたコッホのスタンスは、人類への重要な科学的貢献ではあったが、副作用として「理解するより撲滅せよ」という短絡を生み、その後の抗生物質の多用に繋がったことが指摘される。

そして、リポ多糖(内毒素)を産生する細菌を優遇し、炎症増、代謝低下を惹起する欧米的食生活へのカウンターとして、中国の細菌学者趙立平により提唱されたWTP(全粒・伝統的食材・プレバイオティクス)が紹介される。全粒穀物などの多糖類(食物繊維・セルロース等)はその消化しにくさのため小腸で吸収されるのではなく大腸発酵細菌により発酵され、SCFA(短鎖脂肪酸…酢酪酸・酢酸・プロピオン酸)という人体に有益な物質に変換されるというのだ。欧米系の、特に精白された穀物中心の食事が、早すぎる消化により糖分が急速に吸収されるため、余分な糖分が脂肪として蓄積され、内毒素の存在の下ではIL-6の放出により炎症を誘発してしまうのとは対照的だ。有益な生きた細菌をそのまま取り込む「プロバイオティクス」とともに、慢性的炎症を抑え免疫系を調整する細菌との共生を前提とした食生活への転換が提唱されている。

現在流通している食品の中には、本書で紹介されているアイデアが反映されたものがすでにある。それはもちろん一部の動きでしかなく、未だに農業の現場では消毒薬が爆撃のように使用されているし、畜産や医療においても抗生物質が使用されなくなることは当面ないだろう。しかし結局のところ、地表の上と下は、人体の表と裏をひっくり返したのと相似形なのだ。そう考えてみると、「世界の隠された半分」にいるのは微生物などではなく、通常彼らの宿主とされている我々人間の側なのではないかと思えてくる。人間は、豊潤な生物世界の片隅での部分最適にとらわれるあまり、ロングランでの有益性に対してブラインドでありすぎたということなのだろう。

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2019年12月02日

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「微生物の目から見れば、わたしは生きている丈夫な格子垣で、そこに無数の微生物がからみつき、はい上がり、生長する。(略)わたしは彼らの故国だ。わたしは自分で思っていたようなものではなかった。読者もそうだ。
わたしたちはみんな、別の生物の生態系の寄せ集めなのだ。」

近年健康へ及ぼす影響などが解明され始め、注目を集めるヒトマイクロバイオームについて、少し掘り下げて知りたい人に大変お勧めです。
原文の著述を損ねない素晴らしい訳で、引き込まれるように読み進められました。

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2018年12月29日

購入済み

労作、菌の世界の奥深さを知った

論文ぽくないように、実例をあげて分かりやすく書かれています。教科書には無くても、その内に世の中の常識になり得るお話でした。最近の遺伝子解析技術はすごいですね。

#癒やされる #切ない #深い

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

 ちょうど読み終えたところ、今日の「クローズアップ現代」が「腸内細菌の知られざる力」とあったので、先を越してご紹介(この本が紹介されるかはわかりませんが…)。

 植物も動物も如何に微生物との共生が重要かということを教えてくれる書籍です。人間の身体には数キログラムのマイクロバイオーム(≒微生物)が棲んでおり、ヒトの皮膚1平方インチに約50万個もの微生物がいるとのことです(著者はこの面積に住む微生物の数は、「ワイオミング州の人口とほぼ同じ」と表現していますが、自分流には、故郷の「鳥取県の人口とほぼ同じ」と思いました)。

 植物は根から微生物が喜ぶ物質を放出し、代わって微生物は必要な養分を根(植物)に供給するそうですが、腸も植物の根と同様の役割を果たしており、「免疫系の約80パーセントは腸、特に大腸に関係している」ということを実証しています。全粒穀物を推奨していますが、精白した穀物は、単純糖質となって身体への吸収が早いのに対して、全粒穀物の場合には糖成分をゆっくりと吸収するので腸(身体)に良いのだという部分はなかなか読ませる内容でした。

 プレートの半分を野菜・果物、残り半分の多くを植物性タンパク質、残りを全粒穀物で構成する「ハイジの皿」という図柄も紹介されますが、やおら微生物にとって棲みやすい食事にしようと思わせてくれる1冊です。

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2022年06月20日

Posted by ブクログ

土と腸は本質的には同じ。 庭づくりとガン治療。
一見全く違うものだが、本質的には同じことをしている。
肥沃な土も、健康的な体も、
どちらも有機物を分解する微生物の育成ゲームなのだ。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

高温多湿の夏という季節をもつ日本において、腐敗・発酵・微生物の作用はけっこう身近なものだと思っていた。
北米在住の著者にとっては、そうではなかったらしい。自分をとりまく庭などの環境、そして病を患った自身の体の感覚を経験的に綴りつつ、科学的検証も同時に併記している。著者夫妻はもともと研究畑だが、微生物については対象外とのこと。複雑に絡み合う自然界、ヒトも含めてその繋がりは分野以外となると、科学的根拠に基づいて話すのは難しい。経験をもとに科学的リテラシーを持って推敲された文章と訳文は説得力がある。
人と微生物、人と自然の共生について、改めて問い直す文章は、コロナ真っ只中の現在に非常に響く内容だ。

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2021年05月14日

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植物の根と人間の内臓が、同じことをしていたとは!

土壌を整えるように、大腸の微生物たちを育てる。食べるという行為の本当の意味がわかった気がする。

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2020年09月12日

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 タイトルからは、この二つがどのようにつながるのかがよくわからないまま読み始めることになった。前半では、植物がよく育つためには土壌の細菌が大切であって、化学肥料を加えさえしたらいいわけではないということを、筆者たちの庭での実体験から始まり、農業の歴史を振り返りながら解説してくれる。そして後半になると、おなじように腸内の細菌が大切であるということを解説してくれる。いきなり腸内細菌の話しから始まるよりは、前半の土壌の話があったからこそ後半がすんなりと理解しやすかったと思う。うまく構成されている。あまり読みやすい本というわけでもないが、読んでよかったと思う本。自分の生活も少し変わりそうに思う、食事と体調には気を付けようと思う。

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2020年03月07日

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ネタバレ

うーん。英米の著者の効能を述べていく口調が気に障らなければ、とてもよくできている。微生物圏のフロラの話の前がたいへん。

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2019年08月01日

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ながらく人々は、農地に堆肥などの有機物を与えることでその肥沃さを保ってきた。しかし近年、その有機物の栄養が、実は作物の成長にあまり寄与していないことが分かった。そこで代わりに与えられるようになったのが、化学肥料であった。作物の成長に必要な栄養を直接まく効果は絶大であり、収穫量は増大した。ところが、それは一時的だった。やがて、作物は病気や害虫に悩まされることになったのだ。あらためて分かったのは、堆肥の有機物の栄養は、農地に住む小動物、微生物の栄養となっていたことだった。そして、その小動物、微生物が、作物の栄養の吸収を助け、病気の発症や害虫の繁殖を防いでいたのだった。また、作物の方も、光合成した炭水化物を、そんな小動物、微生物に与えていた。植物はただ土壌から、直接に栄養や水を吸収していたのではなかったのだ。植物と土壌との間には、これまで知られていなかった生態系「根圏」が存在していたのである。さて、実はそれと同じものが人間の内側にもあるという。植物の根の外側を内側にひっくり返してやると、それは人間の腸に対応する。人間の細胞の数は、およそ37兆だが、人間の身体に棲む微生物の数はゆうに100兆を越える。とくに、大腸はその多様性のもっとも豊かであるという。「根圏」がそうであったように、人間の腸内細菌叢「マイクロバイオーム」もまた、自分たちの消化吸収を助け、免疫に多大な影響を与えている。いや、それだけではない。今日では、そんな腸内微生物のバランス異常が、増加している生活習慣病、肥満、糖尿病他、アレルギー、うつや自閉症などにも影響している可能性が示されているという。筆者は、昨今の人間の食生活の変化をあげたうえで、自分たちもそろそろ微生物の恩恵に与るだけでなく、その声に耳を傾ける必要性を説く。自分たちは一個の人間であるまえに、幾多の生態系の寄せ集めでしかない。食べることとは、己が腹を満たすことよりも、自らを耕して微生物とともにある営みなのだ。

「微生物の目から見れば、私は生きている丈夫な格子垣――が裏返しになったもの――で、そこに無数の微生物がからみつき、はい上がり、成長する。細胞の一つひとつに、少なくとも三個の最近細胞が棲んでいる。それは私の身体の内外いたるところ——皮膚、肺、膣、爪先、ひじ、耳、目、腸――にいる。私は彼らの故国だ。」

「私は自分で思っていたようなものではなかった。読者もそうだ。私たちはみんな、別の生物の生態系の寄せ集めなのだ。しかし、私たちの身体に加わるのは微生物そのものだけではない。微生物は人間の遺伝子レパートリーを増やしているのだ。細菌だけで約二〇〇万個の遺伝子を人間の体内に持ち込んでいる。ヒトゲノムにあるおよそ二万のタンパク質コード遺伝子の一〇〇倍だ。マイクロバイオームのほかの構成品――ウイルス、古細菌、菌類――のゲノムを合わせると、私たちの体内にある微生物の遺伝子は六〇〇万にものぼる。たいていの場合これはいいことだ。微生物の遺伝子のおかげで、人間は免疫、消化、神経系の健康に重要な何十種類もの必須栄養を吸収できるのだ。」

「私たちの身体にあるすべての生物生息地で、量と多様性においてもっとも豊かなのは、長さ七メートルの消化管だ。特に最後の一.五メートル――大腸――には、腸内マイクロバイオームの四分の三、何兆個もの住人が入っている。腸の最下部に棲む顕微鏡サイズの生物が、地球そのものの目に見える生物多様性に匹敵するなどと誰が思うだろう?
さらに驚くべきことに、私たちの腸内に棲む微生物の大多数は、培養されたことがない。人間の身体の外では生きられないのだ。」

「免疫系の約八〇パーセントは腸、特に大腸に関係していることを知って、私はやはり驚いた。免疫学者は免疫系のもっとも大きな部分に、あまり面白みのない名前――「腸管関連リンパ組織」あるいはGALT――をつけている。」

「人間が微生物のまったくいない無菌の身体を持ったことはない。もしそんな状態が実現したとすれば、不健康この上ないことになるだろう。人体内部に棲む微生物群衆は、敵の撃退を助けることから、人間の健康維持に役立つ代謝副産物の供給まで、数知れぬ役割を果たしている。たとえば私たちは、神経系が正しく機能するために必要なビタミンB12、血液凝固と骨の健康に関係するビタミンKといった、健康に欠かせないビタミンを作る腸内細菌相に支配されている。だがそれらは、人間が生きるために必要な数ある分子や化合物の中の二つに過ぎない。微生物は、私たちの血液中にある代謝産物の三分の一までも作りだしているのだ。」

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2019年02月19日

Posted by ブクログ

そこ(大腸)では数多くの微生物が生態系を築き、人体と共生して、食物を分解し人間に必要な栄養素や化学物質を作り、病原体から守っている。それと同じことが、土壌環境でも起きている。腸では内側が環境だったが、根では裏返って外部が環境となる。そこに棲息する微生物は植物の根と共生して、病原体を撃退したり栄養分を吸収できる形に変えたりしている。

病原体としての微生物という考え(細菌論)にもとづいてさまざまなワクチンや抗生物質耐性遺伝子が作られ、おかげで多くの人の命が救われたことも確かだ。しかし抗生物質の乱用は薬剤耐性菌を生み、また体内の微生物相を改変して免疫系を乱して、慢性疾患の原因になっている。

同じことは土壌でも起きている。人類は有機物と土壌の肥沃度の関係に気づき、農地に堆肥や作物残滓などを与えてきた。科学者が、有機物に含まれる栄養分は植物の成長に寄与していないことを発見すると、化学肥料がそれに取って代わった。当初、化学肥料の使用で爆発的に収穫が増大したが、やがて収量は低下し、病気や害虫に悩まされるようになった。実は、土壌中の有機物は植物そのものではなく土壌生物の栄養となり、こうした生物が栄養の取り込みを助けて、病害虫を予防していたのだ。

訳者あとがきより抜粋。

いいけどちょと長い。

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2018年10月23日

Posted by ブクログ

尊敬する上司2名からの課題図書、何度も心が折れながら一応読み切ったという感じ。作者の奥様がちょうど私と同じ病気を患っていてびっくり、でもそれだけ多い病気なのだと謎にホッとするなど…最初は農薬に対する徹底批判なのかと思って震え上がったが、バイオ信者というより微生物の働きや土の重要性を説いた「慎重な環境楽観主義者」でよかった。ヒトが口に入れるものに影響を大いに与える商品を売っているのだと身の引き締まる思い。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

地質学者と生物学者による共著だが、かなり深く調べられた微生物の働きに関する本。

微生物に関する研究がどのように行われてきたのかの歴史、そもそも微生物がすべての生物の根源である事実、化学肥料が与えたインパクトなど、あらゆる観点で書かれている。

最も面白い示唆は「人間の大腸の働きは、実は植物の地中の根と同じような働きをしている」という内容。
植物の根:光合成により炭素を炭水化物に変えて滲出液を出し、無害な細菌・土壌微生物を引き寄せることで根の周辺にはびこらせ、有害な細菌を寄せ付けないようにする。
人間の大腸:大腸の微生物が消化されなかったセルロースなどの植物質を食べることで薬効のある単鎖脂肪酸(SCFA)を作り出す。
この表現は秀逸だなと思った。

その他、土壌微生物に関する研究で面白かったところ。

農作物の収穫量と土壌の健康に関する異なるアプローチを解説。
まず、ハーバーボッシュ法という革新的なアンモニア合成技術が、化学肥料を通じて食料生産を劇的に倍増させた功績をあげている。一方で、植物の成長が最も不足している栄養素に左右されるという最小律の法則を紹介し、土壌や大気から得られる元素の重要性を説いている。

これに対し、農学者のアルバート・ハワードは化学肥料を一時的な薬物に例え、土壌微生物の活性化による堆肥の活用を提唱。最終的に、植物の真の健康は単なる化学組成だけでなく、生きた土壌の生態系を維持することにあると結論付けており、この考え方が昨今は重視されるようになってきている。

こういった微生物の働きがわかると、より私たち人間も共生していかなくてはならないと感じる。

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2026年02月27日

Posted by ブクログ

土が好き。だから、土という言葉が入ってるこの本を書棚で見つけ、つい手に取った。学生時代、土壌微生物の授業を受けてたから、新しい知識ではない。

庭づくりと土壌微生物との関係、我々の体と体内の免疫と微生物の関係、そして土と植物と栄養素の関係。

読んで、すぐにベランダの、毎年ゴーヤを育てているプランターの土づくりに着手。

身体も、免疫性の皮膚炎を持ってるから、色々納得しつつ読み進め、納豆とヨーグルトの食べる頻度を増やしたり…。すぐに行動変容が起きる本。

ただ、ちょっとくどいところもあり、読むのがストレスに感じるところも多く、そして同じことの繰り返しだったりで、読み飛ばしも多め。

このシリーズ、もう読むことはないな。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

堅めだがロングセラーということで読んでみたが、植物や微生物に興味がないと科学系読み物をたまに読む人には辛いかもしれない。
化学肥料はステロイドなど、興味をひく項目もあった。

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2020年06月30日

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