あらすじ
今も売れているベストセラー『土と内臓』の著者による最新作!!
内臓にある味覚細胞、健康な土、
身体に良い脂肪・悪い脂肪から、コンビニ食の下に隠された飢餓まで、
土にいのちを、作物に栄養を取り戻し、食べものと身体の見方が変わる本。
前著に続き、目からうろこが落ちる記述が満載!
◎相乗的に作用しあうファイトケミカル、ミネラル、脂肪。
◎植物は、体外に胃袋を持つ。
外部の胃袋としての根圏マイクロバイオームによって、体外で消化を行うのだ。
◎非菌根型菌類は有機物を分解し、植物が吸収できる形で栄養を放出する。
◎育種のベクトルを、収量から菌根菌、細菌との協力関係にシフトさせる。
◎農業政策は、公衆衛生と医療の重要な一分野。
[ 推薦文 ]
免疫システム、つまり土壌と人間のマイクロバイオーム(細菌叢)は平衡する。
土井善晴(『一汁一菜でよいという提案』著者/料理研究家)
健康に育った食を選ぶ、この当たり前のことができない現実を知ろう。
金子信博(土壌生態学者)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
うすうす感じてはいたけれど、たくさんの科学的根拠と実例を挙げられると、ああやっぱりという落胆の気持ちと、具体的にどういう選択をすれば、これから世界が良い方向に向かうのかがわかる。少しだけ希望が持てる。
Posted by ブクログ
「土の文明史」「土と内臓」を読んですっかりデイビッド・モンゴメリーのファンになってしまったので、邦訳の中では一番新しい「土と脂」を読んでみた。
原著のタイトルは「あなたの食べ物は何を食べて育ったのか」であり、植物は土、動物は植物や飼料を、そして人間は動物・植物を食べるという食の連鎖に注目することがが公衆衛生において強い意義を持っていることを本書は提示している。
「野菜は健康にいい」「脂の多い食べ物は健康に悪い」と考えていたり、栄養学の勉強をかじって、「ピーマンにはこれぐらいの栄養が含まれている!」という理解の仕方をしている人は、本書でその見識を改めることになるだろう。
どんな肉も魚も野菜も、その育ち方(何を食べて育ったか)によって栄養の組成は変わり、脂肪だけをとっても様々な脂肪分の構成比が大きく変化する。
慣行農業で作られた食品の栄養素がどのように偏ったり、減ったりしているかを様々な研究や事例から指し示し、慢性疾患が増加する現代の病理を土と食のつながりから解明していく本書は、過去の著作と同じく世界の認識を一転させてくれる。