トンケ・ドラフトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたしにはとても面白かったが、子どもウケするかというと、なんとも…。
子供にはちょっと肩透かしの印象になりそう。
冒険ではなく、冒険に辿り着くまでを冒険にした物語。
やや不思議な小学校についてもあんまり説明はない。
日本でいえば、フリースクールみたいなものか。
あのトンケ氏がこんな不思議なガイド役の女性になって、物語に登場しているということが、私には大きなことだった。
主人公とパパのことも、一応は好転してホッとしたけど、日本社会から見ればこれってけっこう酷い状況なのは変わりないし、モヤモヤしないとは言えない。
それでも、こういう小さなものを積み重ねる物語が私は好きだし、物語は良いものだ -
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Posted by ブクログ
2024年読書感想文課題図書 高学年
このお話は、実話を元に作られています。
1978年、作家を夢見る19歳のリンデルトは、有名な児童文学作家だったトンケの家を訪ねます。
トンケは児童養護施設で過ごしたことがあり、また、教育に困難を伴う子どものための学校に通った経験がありました。
また、1982年にパスポートそっくりの本が社会問題となって、法務省が本の回収に乗り出したとき、二人は実におもしろい対応をしたのです。
さあ、現実と空想とユーモアが入り混じる本の世界へ行ってみてください。
普通の異世界へ行くお話とは一線を画す設定がよかった。あとは、このお話のもとになった実話のエピソードがすごく楽しか -
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Posted by ブクログ
そっくりな二人は、でも別人だからいつかは別れていく。
ラウレンゾーは貴金属職人として大成していくが、ジャコモはいろいろな職業に就くがなかなか続かない。しかし、器用で弓矢も楽器も何でもそこそここなしてしまう。
二人で何かするのが楽しいふたり。お互いを思いやり、誠実なのだ。ある時は旅に出て、海で嵐に遭い、別々の場所に打ち上げられたりしながら、結局は、二人で問題を解決していく。
命をかけてお互いを助け合う姿は、周りの人をも変えていく。美しい真珠のようだと。
最後の話で、ジャコモがようやく自分に合った仕事を見つける事ができる。
二人を仲違いさせようと嫌な事を告げる人もいるが、そんな事に全く惑わされない -
Posted by ブクログ
楽しい(^^)そっくりなふたごに対する世間の期待ってこれなんですよね。でも、中身は全く違うというのは本当は疑問。
ラウレンゾーとジャコモは仲良しで、頭がよく、多分正義を愛するふたごの兄弟。
ラウレンゾーは貴金属職人に、ジャコモはたまたま泥棒の親方に師事する。そして、どちらも素質を認められる。ジャコモは泥棒にはなりたくないが親方には認められたい。ジャコモの卒業試験はとあるお城から美しいジョッキをひとつ盗んでくること。それが出来たら認めてもらえるし、泥棒にはならなくて良い事となる。ジャコモは上手くやったが、ラウレンゾーは困った事になってしまう。
上下巻とも二人が巻き込まれたり、引き起こしたりした事 -
Posted by ブクログ
これぞ、岩波少年文庫と思える作品。 ☆4.5
バビナ国で生まれた双子の兄弟、ラウレンゾーとジャコモの成長物語が、上巻に8話、下巻に
4話収められている。
双子といえば私の高校の同級生にもいた。姉妹だったけれど二人とも音楽が好きで、弟ジャコモのように歌も作っていたことを思い出す。
「さあ、みなさん!いいですか。・・」
アンデルセン「雪の女王」からの引用で始まる
第1話は「ふたごの誕生」
靴屋のもとに子犬と子猫が2匹ずつ、鳩が2羽やってきた。そして奥さんが双子の元気な男の子を産む。幸運が舞い込んでくる書き出しは、昔話のようで読みやすい。二しずくの水のようにそっくりな兄弟が、仲良く並んでいるさ