セルバンテスのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
創作である騎士道物語を現実にあった存在だと思い込み、自身も遍歴の騎士となった狂人ドン・キホーテの最後の冒険。
従士サンチョ・パンサと共にその狂人ぶりを周りから揶揄われ、笑われながらの旅。当人たちはいたって真面目に旅を続けているつもりでも、その滑稽さはやはり可笑しく、しかし少し虚しさも感じた。
前編の出版が1605年、後編が1615年と、およそ400年前に出版された本作だが全く古臭さを感じない。メタ的な表現が多数盛り込まれていたり、一見喜劇として書かれている中にも登場人物に当時のスペイン国民の精神性がよく表されており、現代でこれほど評価されているのも頷ける作品だった。
-
Posted by ブクログ
『ドン・キホーテ後編』最終巻。
セルバンテスは『ドン・キホーテ前編』で終わるつもりだったのだが、贋作が出回ったために反論のためもあり『後編』を書いた。そのため後編では贋作を否定する供述も多い。
さらに『後編』では「『機知に富んだ郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』(つまり『前編』)が出版されて世の中に出回っている」ということになっている。そのためドン・キホーテが会う人々は、ドン・キホーテは今出版されている本の主人公だと知っていて、本当にドン・キホーテは狂気と教養を持っているのかを確かめたり、騎士道舞台を設置してドン・キホーテをからかったりする。
この後編は「本の主人公のドン・キホーテは実在し -
Posted by ブクログ
『ドン・キホーテ後編』は、『ドン・キホーテ前編』が実際に出版されているという設定で、ドン・キホーテ主従は人に知られた存在になっている。
❐読者と登場人物の対面!?
そんな『ドン・キホーテ』の読者である侯爵夫妻(名前は不明)は、ドン・キホーテとサンチョ・パンサと出会って「本で書かれている本人だ!果たしてあのなりきりコスプレ旅が本当の出来事なのか、そしてドン・キホーテは本当に狂人なのか」と興味津々、城に招待する。城では侯爵夫妻も使用人たちも彼らを本物の遍歴の騎士として歓待する。前編でのドン・キホーテは、宿屋を「城だ」と妄想していたんだが、その妄想が叶ってしまったわけだ。
ここでサンチョ・パンサの -
Posted by ブクログ
ドン・キホーテが冒険を他の騎士の冒険だと自ら納得させてすんなり諦めたり、サンチョを置いて逃げ出して、後ろから銃で撃たれたらどうしようと冷や汗をかいたりと、これまでの遍歴の騎士関連の行動ではあまりみられなかった危機感を抱くようになっていて、狂気が薄れているのを感じる。
ドン・キホーテとサンチョで旅に出てからの経過年数の時間軸が異なったり、「前篇のドゥルシネーア」についてドン・キホーテが言及したり、原作者(という設定の)シデハメーテが読者に文句を言ったりと、これまで以上にメタ構造を利用した一冊になっている。
大半が、前篇を読んでいる公爵と公爵夫人が、騎士と従士を面白がるためにからかい倒す話で、