昭和29年北海道の離島、礼文島の出身者から相次いで発見された「エキノコックス」。
腹が膨れて死に至る感染症を撲滅すべく、北海道立衛生研究所の研究員である土橋が奮闘する。
流行拡大を防ぐためにキツネ、野犬、野猫のみならず飼育されてる犬猫までも処分という決断に至るまで。
まるで映像を見てるかのような
...続きを読む描写だと思った。
それほどの熱量が、ガンガン伝わってくる。
生死に関わることを追求し、やるべきことを恨まれながらもやるからには覚悟が必要。
土橋とは性格が合わないのか…と思っていた役場の山田、議員の大久保、大学生の沢渡は礼文島を離れた後も交流するほどになるのは、彼らが土橋の気持ちをよくわかっていたからだろう。
決して、ひとりでは出来ないことだから。
そして、彼らは強いと感じた。
今なお、「エキノコックス」を耳にするのはまだ感染することがあるからだろう。
生きている限り、終わりではないのかもしれないが医学は進歩していると信じている。
どんな感染症であれ、日々治療薬を開発している研究者や医療従事者の方々に、心よりご尊敬の念を申し上げます。