『颶風の王』は読んだことあるのだけど、それ以来の河崎秋子。
決して甘くならないところは変わらないけど、意外に爽やかで後味も良い作品だった。
父が68歳、介護する娘が30歳とまだ若いから、そんなに悲惨ではない。これが78と40なら、88と50なら、もっと悲惨だ。悲惨と言っては老親を介護している人に申し
...続きを読む訳ないけど、しっかりしていた親が認知症で排泄もままならず、自分の体力も衰えてきていたら、他人に助けを求めなければ、どうしたって悲惨になると思う。
父は衰えたとはいえ、まだまだしっかりしている(ネットだって使える)し、自分の身の回りのこともどうにかできる。娘は非正規を辞めたとはいえ、次のステップに踏み出せる年齢だ。おまけに、お金に不自由していない。
娘がマイナーな女子アイドルを推しているのも、良いと思う。そう思わない人もいるのかな?登場人物栄子のように。大人の女性が若い女性アイドルを推すのは、レズビアンでないなら、変だと。そう思っている人が多いだろうという感じで書いてるようにも思える。
リアルだけど、悲惨ではない、幸せな家族の物語だと思う。父も娘も息抜きできてるし。会話も成り立ってるし。
それが出来ない家族もたくさんあるから。