河﨑秋子のレビュー一覧

  • 清浄島
    うーん・・・
    コロナ禍もそうだけど、ウィルスというものは改めてやっかいで、なかなか収めるのは難しいなと考えさせられる一冊でした。
    エキノコックスを撲滅するため、こんなに心身を削り、頑張られた方達がいたこと、なお今も少ないけれど撲滅していないエキノコックスが、まん延しないことを祈りたいです。
  • 介護者D
    本の雑誌・年間ランキングから。でも個人的には、”締め殺し”の方が好きかな。推しと介護、それぞれのリアルが上手いこと融合的に語られていて、どっち方面の満足度も得られる感じ。
  • 介護者D
    『颶風の王』は読んだことあるのだけど、それ以来の河崎秋子。
    決して甘くならないところは変わらないけど、意外に爽やかで後味も良い作品だった。
    父が68歳、介護する娘が30歳とまだ若いから、そんなに悲惨ではない。これが78と40なら、88と50なら、もっと悲惨だ。悲惨と言っては老親を介護している人に申し...続きを読む
  • 清浄島
    キタキツネから感染するというくらいの何となくな知識しかなかったエキノコックス症。潜伏期間が非常に長く、発見された時は手遅れになっていることが多い恐ろしい病。未だに効果的な治療薬も見つかっていないという病気に、昭和中期にその防疫に人生を捧げた研究者の物語は、寄生虫とウイルスという違いはあれど、未知の感...続きを読む
  • 介護者D
    主人公の琴美をはじめこの家族、なんだか自分勝手で好きにはなれなかったのに、読後はまぁどこにでもいる普通のいい人、いい家族だったのだ。

    しかし、介護するには設定が少し若すぎる気もするし、金銭的にも余裕があり悲壮感はなく・・・タイトルだけでは推し量れない、これからの時代の家族の物語なのかもしれない。
  • 介護者D
    私は介護者「D」ランクなのだろうか──東京で派遣社員として働く30歳の琴美。父親の体調のため札幌へ戻ることを決意したが、慣れない父子生活、同級生との差異に戸惑う。現代的な問題を軸に描く著者の新境地。

    親の介護、自分にはまだまだ先のことだと思っているけれど、いつ琴美と同じ状況になるか分からない。
    ...続きを読む
  • 介護者D

    私小説の流れ

    宇野浩二・川崎長太郎などの私小説と同様の読後感がわずかにあった。著者の他の作品にも触れてみたいと思った。