河﨑秋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書備忘録759号。
★★★★☆。
ドキュメンタリーかと思うばかりの物語でした。
吉村昭を読んでいるのかと勘違いするくらい。笑
物語はエキノコックス感染症撲滅に人生を掛けた人々の戦いを描く。
時は大正。礼文島を山火事が襲う。森林の再生の為に苗木を植えるが植えたそばからネズミが食う。
ネズミを駆除するために千島からキツネを連れてくる。そして、キツネにはある寄生虫が巣食っていた・・・。
時は戦後の昭和29年。
北海道立衛生研究所の研究員土橋義明は礼文島に向かう船上にいた。
礼文島で度々患者が報告される奇病の調査の為だった。
奇病はエキノコックス感染症。肝臓に寄生虫が巣食い、最終的に死に至る -
Posted by ブクログ
エキノコックス症という言葉を昔どこかで聞いたことがあり、北海道に行ったときはよく意味も分からずキツネに触っちゃだめよという言葉だけが先走ったまま何も知らずに過ごしてきた。
この本を読んでようやくその寄生虫の存在と、キツネに限らず犬や猫にも存在することを知る。利尻島は有名でよく聞く名前だが、礼文島はわき役でその歴史も知らなかった。この小説は礼文島を郷土愛のように書かれており懸命なエキノコックス撲滅に多くの犠牲を払い、いつしか”清浄島”という称号を手にするも、決してエキノコックスは絶えず、現在も日本の全土に存在する不治の病となっていることに驚いた。
研究員や、役所担当者、議員や島の住人達、そして次 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んで楽しい話ではありません。しかし北海道に住むものとしては知らないことにはできない話でした。なかなか終焉しない感染症に見舞われている今、かつて謎の感染症と思われていた寄生虫による病との闘いの物語が世に出てきたのは自分には時代の要請だったのでは、という気がしました。
河﨑先生がこの物語をいつから構想されていたのか存じ上げませんが、よくぞこの重い話を書かれたなと尊敬の念を覚えるとともに、北海道にはまだまだ日本の他地域にはない物語の素材が未発掘のままあるのではないかとも考えました。この物語をどの時代まで描き、どのようにまとめるか、終わらせるか悩まれたのではないかなぁと勝手に想像しました。今も現実 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昭和29年北海道の離島、礼文島の出身者から相次いで発見された「エキノコックス」。
腹が膨れて死に至る感染症を撲滅すべく、北海道立衛生研究所の研究員である土橋が奮闘する。
流行拡大を防ぐためにキツネ、野犬、野猫のみならず飼育されてる犬猫までも処分という決断に至るまで。
まるで映像を見てるかのような描写だと思った。
それほどの熱量が、ガンガン伝わってくる。
生死に関わることを追求し、やるべきことを恨まれながらもやるからには覚悟が必要。
土橋とは性格が合わないのか…と思っていた役場の山田、議員の大久保、大学生の沢渡は礼文島を離れた後も交流するほどになるのは、彼らが土橋の気持ちをよくわかっていた -
Posted by ブクログ
ネタバレハンターを目指す女の子の成長。
それなりに面白かった、という感じでした。同じ狩りを描いた作品でも以前読んだ「ともぐい」とは全然毛色が違って、女の子がひょんなことから狩猟を知りハンターとして熊と対峙していくことそのものが素直に描かれています。混乱するような心理描写とかひねた表現は一切なし。
でもうーん、ちょっと、マチの成長の過程がちぐはぐな感じがしました。初めて銃を手にするところや初めて撃つところ(は当然狩場でなく練習場でしょうが)などの場面は飛ばされていて、気づいたらもう鹿を打っている。クマを打つにはライフルが必要で10年たたないとと思っていたら結局散弾銃で行くんかい、など。
その辺は、