河﨑秋子のレビュー一覧

  • 清浄島

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    なんと言っても主人公の土橋義明が魅力的だ。

    時は昭和29年初夏。
    島の出身者から相次いで発見されたエキノコックス感染症を解明する為、北海道礼文島に赴任した土橋の生き様が描かれる。

    救える命があるならば諦めてなるものか、その強い信念の元、未知の感染症に一人果敢に立ち向かう姿に感動する。

    だがエキノコックス根絶の為に、上司から告げられたのは島で生きる全ての動物達の殺傷命令。
    動物を愛する土橋にとって、どれ程の心痛を伴ったか想像に難くない。

    時代が変わっても感染症との闘いは続く。

    研究者への感謝と共に命の軽重が問われる読後。

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    2023年02月18日
  • 清浄島

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    エキノコックス症という言葉を昔どこかで聞いたことがあり、北海道に行ったときはよく意味も分からずキツネに触っちゃだめよという言葉だけが先走ったまま何も知らずに過ごしてきた。
    この本を読んでようやくその寄生虫の存在と、キツネに限らず犬や猫にも存在することを知る。利尻島は有名でよく聞く名前だが、礼文島はわき役でその歴史も知らなかった。この小説は礼文島を郷土愛のように書かれており懸命なエキノコックス撲滅に多くの犠牲を払い、いつしか”清浄島”という称号を手にするも、決してエキノコックスは絶えず、現在も日本の全土に存在する不治の病となっていることに驚いた。
    研究員や、役所担当者、議員や島の住人達、そして次

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    2023年02月05日
  • 清浄島

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    史実を元にしたフィクションです。という一文にヒヤリ。現代に至ってもまだ戦いは終わっていないのか。コロナ禍だから尚更ウイルスや病原菌の話に引き込まれた。

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    2023年01月27日
  • 清浄島

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    ネタバレ

    読んで楽しい話ではありません。しかし北海道に住むものとしては知らないことにはできない話でした。なかなか終焉しない感染症に見舞われている今、かつて謎の感染症と思われていた寄生虫による病との闘いの物語が世に出てきたのは自分には時代の要請だったのでは、という気がしました。

    河﨑先生がこの物語をいつから構想されていたのか存じ上げませんが、よくぞこの重い話を書かれたなと尊敬の念を覚えるとともに、北海道にはまだまだ日本の他地域にはない物語の素材が未発掘のままあるのではないかとも考えました。この物語をどの時代まで描き、どのようにまとめるか、終わらせるか悩まれたのではないかなぁと勝手に想像しました。今も現実

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    2023年01月02日
  • 清浄島

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    ネタバレ

    昭和29年北海道の離島、礼文島の出身者から相次いで発見された「エキノコックス」。
    腹が膨れて死に至る感染症を撲滅すべく、北海道立衛生研究所の研究員である土橋が奮闘する。

    流行拡大を防ぐためにキツネ、野犬、野猫のみならず飼育されてる犬猫までも処分という決断に至るまで。

    まるで映像を見てるかのような描写だと思った。
    それほどの熱量が、ガンガン伝わってくる。
    生死に関わることを追求し、やるべきことを恨まれながらもやるからには覚悟が必要。

    土橋とは性格が合わないのか…と思っていた役場の山田、議員の大久保、大学生の沢渡は礼文島を離れた後も交流するほどになるのは、彼らが土橋の気持ちをよくわかっていた

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    2022年12月05日
  • 清浄島

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    礼文島のエキノコックスの話。
    いささか冗長に思えた。
    登場人物がみな良い人過ぎた感が。
    もう少しハラハラする展開ならと思う。

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    2022年12月01日
  • 夜明けのハントレス

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    すっっこく爽やかだった。
    狩猟を通じて、主人公の女性が自分と向き合う話……というと少し違うけど、自分自身のほか、社会や人間関係、仕事含めてを狩猟を中心にして見据えていく、みたいな話。成長譚でもあり、同時に周りの年長者たちからの見守りと優しさが心を温めるようでもあり、良いフィクションだった。ジュブナイル小説と言っても通るくらいには読後が爽やかだった。

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    2026年03月07日
  • ともぐい

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    ネタバレ

    (良)山の緑、川の冷たさ、自然の匂い、季節の移ろい、音や風がとても美しく広がっていて、癒されました。人が便利さと引き換えに手放してきた五感が刺激されましたが、もう戻ることはできない。明治、北海道、山で生きる猟師大男の名前は熊爪!弱肉強食、食物連鎖の世界。熊との死闘に圧倒され、冬の厳しさに震えた。主人に従う犬の姿がとても可愛かった。最後は熊爪が子を成したから自然界隈ではもう役目を果たした、ていうことなのかな。

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    2026年03月07日
  • ともぐい

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    血の匂い、糞尿の匂い、精の匂いがページから立ち上ってくるような文章表現は素晴らしい。しかし、それぞれの人物の行動に肯首できない部分も多く。人は論理で動くわけではないのだろうが。

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    2026年02月23日
  • ともぐい

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    なんか凄い話だった。
    出てくる人だれの気持ちも理解できなかったが、熊爪は陽子に殺されて良かったような気がする。
    ともぐいとは???

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    2026年02月03日
  • ともぐい

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    「ともぐい」な世界が最後まで貫く。弱肉強食。
    熊爪の生き方もさることながら、陽子(はるこ)の強さに慄く。牧歌的にエンディングを迎えると思いきや⋯。

    誰もが抱くだろう陽子の印象と、その実態には皆騙される。

    ある意味、「ともぐい」世界の頂点に君臨したのは彼女だ。女傑。

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    2026年01月16日
  • ともぐい

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     熊男「熊爪」が野生の熊とバトルする話、だけかと思って読み進めると、後半からぞわぞわする展開で、ページをめくる手が汗ばんですごかったです。

     ちょっと安部公房『砂の女』を思わせるところもあったりして、そこも良かったです。

     熊が話題になる昨今、こういう話もまた読まれていくのだろうなと思いました。

     熊爪よ、永遠なれ。

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    2026年01月03日
  • 森田繁子と腹八分

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    ネタバレ

    森田繁子さんはとても魅力的だとは思います。謎の履歴をお持ちだし。よくあると言えばよくある内容のような。「ハケンの品格」的なスーパー人間みたいで。だけど、そこに引っ張られ過ぎないように書かれていたのかな。

    腹八分は、ちょっと説明しきれてない感じがしました。中庸を具現化したいのか、単に食欲なのか。

    とはいえ割とおもしろかったですね。

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    2026年01月03日
  • ともぐい

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    直木賞受賞作を読むシリーズ。山の中で一人で暮らす猟師の話なので、独白部分多かったです。熊との戦いのシーンなどは見応えありましたが、人間と関わっていく後半部分は必要だったのかな、、?

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    2025年10月22日
  • 鳩護

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    会社での同僚とのやりとりや口に出さない本音の部分がリアル。それとは対照的にハトや競馬のパートはファンタジーもありつつ、生き物と人間の欲のようなものを感じるある意味においてのリアル。

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    2025年10月10日
  • ともぐい

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    熊との闘いの話だと思っていたけど、熊爪が孤独な生き方を脱し家庭を持つ話?かとも思ったけれど、そうでもないようで。話の主旨が分からないが、グロテスクな場面も多く、目を塞いだり、首を抑えながら読破。

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    2025年09月14日
  • ともぐい

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    ネタバレ

    明治時代、山で熊や鹿を狩り生活している男の生きざまを描く。
    熊との死闘、仕留めた鹿や兎の解体の様子のが生々しい。
    自分自身も自然界の獣のひとつのように死を受け止める熊爪の最期を覚えているのは名をもたない犬だった

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    2025年09月10日
  • 森田繁子と腹八分

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    北海道由来かつ重厚な作風で定評のある川﨑秋子だが、本作は一転してライトなヒューマンドラマ。
    悪くはないけど向いてない気がする。極厚の赤身ステーキを期待したら豚冷しゃぶだったくらいの肩透かし。

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    2025年05月14日
  • 森田繁子と腹八分

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    豪快な『森田繁子』が繊細に人を繋いで先に連れて行ってくれる
    そんな感じで楽しみながら読んでいけました
    農業に関しては昭和生まれやし田舎生まれなので
    そこそこ接触する機会もあるけれど
    それでも実際のところは知らない事だらけ
    畜産だとほとんど分からない
    というそういう実際のところも知ることもできた

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    2025年04月21日
  • 森田繁子と腹八分

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    農業=スローライフとは限らない・・・
    3つの短編で森田繁子(農業コンサルタント)が活獣害問題や経営改革や後継問題などを解決していく物語。

    農業=スローライフと一般的に考えてしますけど、そんなに単純ではない。
    そして、農業関係を通していろいろな悩みを抱えて生きているのだと感じます。

    森田繁子のちょうどいい落とし所を模索するのも良かったです。
    お互いが8割(腹八分)納得いく形を見つけるのにも感心しました。

    誰もが憧れる、スローライフも完璧ではないため、どこまで許容できるか考える必要がありますね。

    続編も出ても面白い小説だと思います。
    森田繁子の半生も気になりるところです。

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    2025年03月14日