河﨑秋子のレビュー一覧
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出版社に勤務し一人暮らしをしている椿のアパートのベランダに、ある日白い鳩が飛び込んできた。怪我をしているのか飛び立たない白鳩に椿ははと子と名付け、世話をしていた。そんな折、公園で鳩に餌をまく謎の男に「お前、白い鳩を飼っているな?」と声をかけられる。男の話によると「鳩がお前を選んだ」「お前は次の鳩護になる」という。いきなり訳の分からないことを言われ思考が追いつかない椿だったが、その日から不思議な夢を見るようになって…。
とても不思議な世界観だった。戦場や報道で活躍した伝書鳩のこと、競走馬のことも興味深かった。表紙絵からは一見ほのぼの系に見えるけど、実際はダークでホラー味も感じた。でもだからこそ、椿が真っ白なはと子に癒される気持ちがよく分かった。胸糞悪い内容も多かったけど、最終的には癒された。何より主人公の椿が鳩護の恩恵によって得をしようと思わない無欲な所に好感が持てた。唯一のあったらいいなと思う幸運がベネディクト・カンバーバッチに街で遭遇すること、とか。そんな幸運あったらいいなと私も思いますよ。(笑) -
ネタバレ 購入済み
河﨑秋子さん、こういうカジュアルなのも書くんだ〜、と思いながら読みました。
舞台が東京で、出版社勤めの女性小森椿が主人公。
部屋のベランダに白鳩が迷い込んできて、好きでもないのに面倒をみていたら、「お前は次の鳩護だ」と先代の鳩護の幣巻という男に言われ。その後、初代や何代かの鳩護の夢を見て、最後、「ヤバい男」の鳩護をぶん殴って終わる…。
と、書き出すとよくわからない話になってしまったけど、なかなか爽快だった。
スピンオフの短編もついていて、ちょっとオトク感もあったり。 -
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河﨑秋子さん初読み『鳩護』の感想と概要になります。
概要です。
パッとしない日常を過ごす小森椿は、今日も通勤を邪魔する鳩の糞に苛立ちながら出社する。まともに仕事をしない先輩の不満を胸に抱きながら帰宅したある日。ベランダに白い鳩が落ちていた。奇妙な白い鳩との出会いから椿は鳩護の存在を知っていく。
感想です。
初読み作家さんですが読みやすくて、椿の心の中での愚痴や白鳩と次第に仲睦まじい関係に変わっていく様を読んでいると、何度か笑みが零れてしまう癒しの作品でした。起承転結という面では物足りなさがあったものの、クスッと笑いたい方にオススメです♪ -
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十勝で畑作を営む家族と周辺の人々の点描。
するりするりと読みやすい文章で苦痛なく読めました。200ページちょっとでもフォントが大きめで、ボリュームもそこまでではないのだと思います。
章ごとに各家族や周囲の人々の視点で仕事や将来、人生の振り返りといったそれぞれの抱える思いが、丁寧に語られていきます。面白いっちゃ面白い。しかし、全体を通したなにか訴えかけてくるテーマ、というのは特にないような。私にはわかりませんでした。
家族それぞれの葛藤や、向き合う姿も、劇的な何かとかはなく本当に「そうなるだろうな」という感じのものです。現実的ではあるが面白みがあるわけでは…。
要するに「すっと読めたけど、でもこれで作者は何を訴えたかったのか、はちょっとわからない」という感じです。別に訴えたい何か、というより、北海道の農家の生活をただ描きたかった、という感じなのかもな、と思いました。
でも、それにしては「北海道らしさ」は文面からは特に感じなかったかな…どこの地方でもこんなもんかな、という。 -
Posted by ブクログ
各章で主人公を変えながら、十勝の一地域に暮らす数軒の家族を描いた作品です。
何代か続く畑農家、やり手のメガファームの社長一家、移住してきたカフェの夫婦など、畑農家の仕事や農村特有のコミュニケーションに鬱屈を抱えた人々が主人公です。
確かに舞台は河崎さんの地元・十勝です。しかし時代小説が、舞台が過去であるというだけで、テーマ的には現代小説と変わらない事が多いように、この小説の中で起きる問題も、少し色を変えれば、都会の例えば商店街でも起きる内容です。ですから、読みながら「これは河崎作品である」という事を強く意識する事は有りませんでした。
最終的に主人公たちは変わります。でもそれは、全てのしがらみを振り切る様な力強い一歩ではなく、しがらみを負いながらもかろうじて前を向くと言った調子です。リアルと言えばリアルだけど、爽快さは余りありません。
悪くは無いのですけれど。河崎さんの特長だった力強さは影を潜めた作品でした。