河﨑秋子のレビュー一覧
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ネタバレ美味しそうに食べさくさくと仕事をし礼儀正しく人の機微にも通じている森田繁子さん。
ビジュアルには圧倒されそうだけれどこんな人好感持たずにはいられないでしょう。
どんな人生を歩んできたのかもさることながら、ちょっとワケアリそうな娘と孫の話が向こう脛(泣き所ってことでしょうね)という章でチラ見せされているのがとっても気にかかります。
それにしてもでてくる食べ物がみんな美味しそう。読後装丁を見返すと繁子さんのようにお腹が鳴りそうです。
続きが楽しみな一作が登場しましたね。次はどんな人たちが出てきて、どんな風に手腕を振るうのか、モリシゲさん2作目早くも待ち遠しいです。 -
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ネタバレこの本の作者って「愚か者の石」の河崎秋子やんな?と思ってしまった。こんなコミカルというかユルめの作風もできるんや。
派手目の化粧とスーツパンプスに深紅のBMWで登場する、50代農業コンサルタント森田繁子の目線で現代日本の第一次産業の問題をテーマにした連作短編小説。
シカの駆除問題から、スローライフブームを皮肉る1作目、ヤギ牧場経営を描いた2作目、Uターン帰農の若い夫婦と祖父のすれ違いから農家の後継ぎ問題をテーマにした3作目。
後半の作品になるにつれて、テーマが身近になってくる。それが意図されたものかはわからないけど、読んでて引き込まれていく構成にもなっていた。
連作短編の魅力である、登 -
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単行本で読んで、文庫本で2度目です。
見た目は表紙のようにかわいい白い鳩。しかしその鳩には・・・という、河崎さんならではの動物感のある物語。
それだけでなく、日常の女子のリアルな、甘すぎない生活も描かれていて、これまでの作者の小説とは別の分野を切り拓いたエンターティメント小説になっている。ゾワっとさせるところは変わらないのでご安心を。
中身のことは単行本で書いたので、なぜ川上和人さんが解説をしているのかを書いておきたい。
川上さんは鳥類学者で、フィールドワークに重きを置いている、つまり実際に海鳥の調査のために孤島に赴く。ハエが大量に口に入ってきても、ネズミが海鳥を全滅させる様子を目の当たりに -
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河崎秋子『鳩護』徳間文庫。
『鳩護』に選ばれた者の数奇な運命を描く不思議な小説。これまでの河崎秋子の小説とはテイストが異なり、中村文則の『掏摸』に雰囲気が似ている。
主人公の小森椿という女性会社員の漏らす仕事の不満がどこか滑稽で、やや深刻なテーマの中で一服の清涼剤になっている。
ある日、マンションに独り暮らすアラサー会社員の小森椿が外の物音にベランダを見ると、真っ白な鳩が蹲っていた。鳩は怪我をしているらしく、飛び立つ様子もなく、仕方なく暫くの間、面倒を見ることにした。白鳩は椿に懐き、椿もハト子と名付け、可愛がる。
そんな中、椿は会社の帰りに幣巻と名乗る怪しい男に「お前は俺の次の『鳩護 -
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若い女性が狩猟雑誌を見かけて興味を持ちハンター(女性なのでハントレス)になる、というとライトな表現だけれど、主人公のマチがしっかりしすぎてだいぶただものでない。
北大のシーンなど読みながら景色が浮かんできて、主人公の家が円山の極太で(親が老舗菓子店の専務やらオリンピアン)できた親だし、自立心のあるよい子だけどどこかドライなのが、北の厳しい大地で育つサラブレッドなんだろうなと読み進めた。
マチと共に狩猟免許の取り方をまなび、ハンターの心得を学べた。今後、無理解にクマの駆除にクレームつけたりするようなことがなくなり、良識あるハンターが増えるといいなと思った。続編読みたい。 -
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裕福な家庭の育った女子大生がふとしたきっかけで狩猟に興味を持ち、ハントレス(女性ハンター)として一人で熊に立ち向かうようになるまでを描いた作品。
河崎さん、何だか雰囲気が変わってきましたね。デビュー当時はとても重苦しく暗いけど力強い作品と言う印象が強かったのですが、最近は『森田繁子と腹八分』など随分と軽快になって来ました。本作も、狩猟を扱いながら、やや軽めの爽やかなエンタメ作品です。さすがに力のある作家さんで面白いのですが、どこか読み始めに当たってちょっと躊躇するような「河崎さんらしさ」が失せてきたような気がします。動物を殺すことについてはニュートラルの立場ですけどね。 -
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ネタバレ第170回直木三十五賞
血生臭く、力強い作品だった。
タイトルの「ともぐい」の意味、ラストの展開をどう受け取るのかを言葉にできず、色んなレビューを読んでみた。
そんな中、「己が負けた相手に食われ死ぬのが自然の摂理」という内容の一文を見つけて腑に落ちた。
太一を助けたくだりから
→1人で生きてきたつもりが熊爪自身も負傷し人の世話になる
→赤毛との対決で死ねず自分は獣でも人間でもない半端もんだと思う
→温もりを求めて陽子と生活を始める
→陽子は母として生きる決意をし、熊爪を殺して出ていく
の流れが秀逸だと思った。
ラストで殺す必要があったのか?と思わなくもないけど、人にも獣にもなれず遺伝子を