河﨑秋子のレビュー一覧

  • ともぐい

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    熊爪は猟師だ。鹿を狩り、熊を狩る。近くの町の白糠へ出て、狩った獲物や山菜を売り、米や銃弾を買う。まだ熊が冬眠しているような季節、物音を聞いて行ってみると、男が熊にやられたところだった。男は目玉をやられていて、小屋に連れ帰って洗ってやった。そこから熱を出し、落ち着いたところで町に下ろした。あの熊は冬眠しなかった穴知らずで、さんざん釧路の町を荒らしまくった上に、家に入り込んで物を食べるような熊だった。人を傷つけることを知った熊はどうしても狩らねばならない。また繰り返すからだ。でも熊爪はあまり気乗りしない。

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    2025年12月18日
  • 介護者D

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    河崎秋子さんが描く現代劇は
    介護がテーマ。

    教育者だった父。
    昔から覚えがめでたく、今は遠くアメリカで暮らす妹。

    主人公は東京暮らしで推しを見つけたが、
    介護のために北海道に移住する。

    コロナ禍も重なって、
    価値観と価値観が交差し、
    ときに衝突し、ときに混ざり合い、ときに和解を生む。

    決して“できた娘”ではない。
    優等生ではない“評価D”だからこその
    行き詰まりとこれからの物語。

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    2025年12月08日
  • 森田繁子と腹八分

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    農業コンサルタント森田繁子が、その型破りな行動で、悩めるクライアントを救うという物語。

    森田繁子のキャラが良すぎて、物語が進むにつれ、どんどん好きになってしまった。基本は農業に似合わない濃いメイク、派手な服装で戦闘力高め。ただTPOにあわせてスタイルを変える柔軟性もある。そして謎の経歴と人脈。

    ご飯を凄いスピードで、且つ美味しく食べるところが好き。食べることに真摯に向き合う姿勢が更に人を惹き付ける。

    彼女の謎が深まったところで、その謎に迫る「森田繁子の向う脛」が、絶妙なタイミングで入る。

    キャラ一本だけと思いきや、獣害問題、後継者問題などの本質にも切り込む。

    彼女のモットーは食べるこ

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    2025年11月14日
  • 森田繁子と腹八分

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    河崎秋子の作品にしては異色。
    豪快な見た目に、繊細な計画性、仕事が丁寧で何でもできて、人の心もうまく読む、スーパーウーマン森田繁子が主人公。

    森田繁子はフリーの農業コンサルタントで美味しいもの好き。
    事務所のアルバイトの山田くんが一緒にいるとドタバタコメディになってる。
    依頼人の幸せ願って100%の解決じゃなくて、腹八分がちょうどいいらしい。

    楽しくてよき。
    農業ってところも気に入った。
    河崎秋子氏にとっては得意分野ですね。
    シリーズとして続いてくれたらいいのにな。

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    2025年08月12日
  • 森田繁子と腹八分

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    森田繁子と腹八分。河﨑秋子先生の著書。森田アグリプランニング社長で農業コンサルタントの森田繁子。森田繁子が獣害問題、後継問題、夫婦の問題まで解決するのが心地よい。森田繁子と腹八分というタイトルに目を惹かれます。食事は腹八分が健康的なことはわかっていても腹八分でストップすることはむずかしいですよね。私はいつも腹八分ではなくてお腹一杯食べてしまう。

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    2025年08月11日
  • 森田繁子と腹八分

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    森田繁子さん、最高です!巨体にしっかりメイクとファッション、そして頭は滅法切れて、尚且つ素晴らしい食べっぷり、そして真の意味で優しい。お互いの腹八分の満足を目指して問題解決していく様は痛快!バイトのヤマダ君への接し方も上司として素晴らしい。私もこういう人のもとで働きたいと思った!シリーズ化されるのを楽しみにします!

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    2025年08月02日
  • 森田繁子と腹八分

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    ネタバレ

    美味しそうに食べさくさくと仕事をし礼儀正しく人の機微にも通じている森田繁子さん。
    ビジュアルには圧倒されそうだけれどこんな人好感持たずにはいられないでしょう。
    どんな人生を歩んできたのかもさることながら、ちょっとワケアリそうな娘と孫の話が向こう脛(泣き所ってことでしょうね)という章でチラ見せされているのがとっても気にかかります。
    それにしてもでてくる食べ物がみんな美味しそう。読後装丁を見返すと繁子さんのようにお腹が鳴りそうです。
    続きが楽しみな一作が登場しましたね。次はどんな人たちが出てきて、どんな風に手腕を振るうのか、モリシゲさん2作目早くも待ち遠しいです。

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    2025年06月24日
  • 森田繁子と腹八分

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    鳩護いらいのライトによめる作品でした。
    スローライフ、酪農、兼業農家、外来種、
    森田繁子がさまざまな難題にどう落としどころをつけるのか
    ワクワクしながらあっという間に読み終えました。
    帯によるとシリーズ化するようなので続編楽しみに待ちます。

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    2025年06月11日
  • ともぐい

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    熊文学という響きから連想するイメージや期待を裏切らず物語が進行していく
    猟師としての行動や思考の過程は、人として生きる我々の範疇からずれているが、本来の動物の一員として生きる姿だろうとも思う
    そして物語は熊文学のジャンルを越えた何かに変容していき、想像していた狩人と獲物との関係といったものとは異質な展開に引き込まれた
    これは昇華とも違う、いわば沼の中に沈み込んでいくような感覚だった

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    2026年04月06日
  • 森田繁子と腹八分

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    ネタバレ

    この本の作者って「愚か者の石」の河崎秋子やんな?と思ってしまった。こんなコミカルというかユルめの作風もできるんや。

    派手目の化粧とスーツパンプスに深紅のBMWで登場する、50代農業コンサルタント森田繁子の目線で現代日本の第一次産業の問題をテーマにした連作短編小説。

    シカの駆除問題から、スローライフブームを皮肉る1作目、ヤギ牧場経営を描いた2作目、Uターン帰農の若い夫婦と祖父のすれ違いから農家の後継ぎ問題をテーマにした3作目。

    後半の作品になるにつれて、テーマが身近になってくる。それが意図されたものかはわからないけど、読んでて引き込まれていく構成にもなっていた。

    連作短編の魅力である、登

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    2025年05月07日
  • 森田繁子と腹八分

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    現場に駆けつけ、重機を巧みに操縦、農機具修理も難無く熟す。泉のような農営知識を駆使した上に、人間をも診断できる女、森田繁子。彼女の『アメリカ国防総省につてがあるので衛星写真を入手』発言…只者ではない。彼女の私生活や過去が興味深すぎる。放っておけない。是非とも続編を。

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    2025年03月17日
  • 森田繁子と腹八分

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    圧倒的な外見とそれに似合わない細やかな気遣い。
    強靭なメンタル、旺盛な食欲、仕事の的確さ。
    何をとっても魅力的で目が離せなくなる森田繁子。
    バイトの山田くんもいい味で、ぜひ続編を!

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    2025年03月02日
  • 鳩護

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    単行本で読んで、文庫本で2度目です。
    見た目は表紙のようにかわいい白い鳩。しかしその鳩には・・・という、河崎さんならではの動物感のある物語。
    それだけでなく、日常の女子のリアルな、甘すぎない生活も描かれていて、これまでの作者の小説とは別の分野を切り拓いたエンターティメント小説になっている。ゾワっとさせるところは変わらないのでご安心を。

    中身のことは単行本で書いたので、なぜ川上和人さんが解説をしているのかを書いておきたい。
    川上さんは鳥類学者で、フィールドワークに重きを置いている、つまり実際に海鳥の調査のために孤島に赴く。ハエが大量に口に入ってきても、ネズミが海鳥を全滅させる様子を目の当たりに

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    2023年08月13日
  • 鳩護

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    河崎秋子『鳩護』徳間文庫。

    『鳩護』に選ばれた者の数奇な運命を描く不思議な小説。これまでの河崎秋子の小説とはテイストが異なり、中村文則の『掏摸』に雰囲気が似ている。

    主人公の小森椿という女性会社員の漏らす仕事の不満がどこか滑稽で、やや深刻なテーマの中で一服の清涼剤になっている。


    ある日、マンションに独り暮らすアラサー会社員の小森椿が外の物音にベランダを見ると、真っ白な鳩が蹲っていた。鳩は怪我をしているらしく、飛び立つ様子もなく、仕方なく暫くの間、面倒を見ることにした。白鳩は椿に懐き、椿もハト子と名付け、可愛がる。

    そんな中、椿は会社の帰りに幣巻と名乗る怪しい男に「お前は俺の次の『鳩護

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    2023年07月17日
  • 夜明けのハントレス

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    ハンターになった女子大生の話。

    娘の友人が狩りのサークルに入り鹿を追い掛けているらしい(男ではなく)。なにゆえそうなった??(中高ファゴット吹いていたのに)。娘も分からないらしく、この本を読めばわかるかと思ったが、やはりわからない。熊の居る山に入って行くなんて怖すぎる〜〜!

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    2026年06月08日
  • 夜明けのハントレス

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    ダヴィンチプラチナ本から。著者の作品の中でも好きな方。タイムリーな熊害の話題のせいか。ただ、早々に仲違いしてしまう親友はまだしも(終盤での登場もあるし)、恋人を登場させたのは何のためだったのか、自分的にはちょっとよく分からず。

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    2026年06月01日
  • 清浄島

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    寄生虫×河﨑さんとか買うしかない。
    エキノコックス、小説の素材にするには地味ではないかと思っていたが、そこはさすが河﨑さん。登場人物の苦悩や葛藤、人間臭さがうまーいこと書かれており、エキノコックスの地味さをカバー。いやぁ、すごい。

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    2026年05月25日
  • 夜明けのハントレス

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    お金かかるんですね〜。そりゃそうですよね。
    学生が狩猟始めるならお金持ちの家の子じゃないとキツそうですね。

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    2026年05月20日
  • ともぐい

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    ネタバレ

    第170回直木賞受賞作。明治後期、山中で犬を相棒にひとり狩猟で暮らす猟師の熊爪。シカを仕留めて肝臓を食べたり、冬眠しない熊穴持たずにやられた男の処置をする話に息を呑んだ。穴持たずと赤毛の熊の戦い、熊爪が巻き込まれて腰を痛めた箇所は熊を近くに感じ怖かった。熊爪は外の世界との接触もあり盲目の妻陽子を得た。熊爪は人間かと自問し己の欲望で子どもを殺すことを考え始めるのを見て陽子は熊爪を殺した。色々グロテスクな場面は出てくるが、主人に忠実な犬に救われた。熊爪の命が消える最後に「行け」と犬を自由にしたこともよかった。

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    2026年05月20日
  • ともぐい

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     「ともぐい」は2023年下半期の第170回直木賞受賞作品です。
     舞台は明治後期の人里離れた北海道の山中。熊のような猟師と熊との壮絶な闘いの物語かと思いきや、読み進めるほどに「人間とは何か」「獣と人の境界はどこにあるのか」を問いかけてくる作品でした。
     読んでいる途中で何度か「作者は本当は男じゃないのか?」と確かめたほど、男の欲望や死生観、生理感覚の描写が生々しかったです。雪深い自然の中で、生きるために獣を殺しその肉を食らう。そんな営みが淡々と描かれることで、人間もまた自然界の一部に過ぎないのだと感じさせられました。
     河崎秋子さんの作品は、北海道の厳しい自然と共に生きる人間を描くことが多い

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    2026年05月15日