河﨑秋子のレビュー一覧

  • 清浄島

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    戦後数年という時代背景、北海道の離島ならではの島民の価値観、昆布漁など漁業の島の生業なども感じられる作品。史実に基づいて取材した作品なのだあろう、エキノコックスという厄介な病の調査・対策に地道に奮闘する主人公の使命感や周囲の人々との心の交流には引き込まれる部分がある。出版年が2022年なので、コロナの渦中に執筆した作品なのだろう。当時治療薬もない病との戦いの中、孤島に閉じ込められず広がっていく新たな病を想起して恐怖する主人公たちは、コロナに翻弄された私たちの姿でもあると言える。

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    2025年05月27日
  • 森田繁子と腹八分

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    題名のイメージと違い過ぎて、いい意味で裏切られた。
    あまりの面白さに一気読み。
    すごいな、何者なんだ!森田繁子。
    重機も動かすスーパーウーマンっぷりは、「ハケンの品格」の篠原涼子ばり。
    経歴が謎過ぎるし、娘も訳アリっぽい。
    でも問題解決能力は絶妙。
    さらにアルバイトの山田君がいい味出してる。
    「日本農業新聞」に連載していた、というのもオドロキ。
    続編もあったらいいな。

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    2025年05月06日
  • 鳩護

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    出版社に勤務し一人暮らしをしている椿のアパートのベランダに、ある日白い鳩が飛び込んできた。怪我をしているのか飛び立たない白鳩に椿ははと子と名付け、世話をしていた。そんな折、公園で鳩に餌をまく謎の男に「お前、白い鳩を飼っているな?」と声をかけられる。男の話によると「鳩がお前を選んだ」「お前は次の鳩護になる」という。いきなり訳の分からないことを言われ思考が追いつかない椿だったが、その日から不思議な夢を見るようになって…。
    とても不思議な世界観だった。戦場や報道で活躍した伝書鳩のこと、競走馬のことも興味深かった。表紙絵からは一見ほのぼの系に見えるけど、実際はダークでホラー味も感じた。でもだからこそ、

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    2025年04月28日
  • 森田繁子と腹八分

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    「ともぐい」を書いた直木賞作家。
    楽しい小説。肩凝らずに読める。豊満な腹!を持つ繁子、大好き❤農業コンサルタントという仕事は初耳

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    2025年04月17日
  • 森田繁子と腹八分

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    この作家さん初読み。軽いタッチで、今の農業問題を鋭く捉えている。出てくる食材が、美味しいそうでたまらない。森田さんの経歴も知りたいので、是非続編が読みたい。

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    2025年02月25日
  • 森田繁子と腹八分

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    ちょっと今までの作風とは違って土の匂いや動物たちの息遣いが聞こえるような作品である。こんなスーパーコンサルがいたら、MAで騙されたりしまうんやろうなー。登場する食べ物美味しそうで買いに行きたいです。次作にも期待です。

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    2025年02月21日
  • 鳩護

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    テーマから不思議な感覚がずっと続く物語でした
    結末も予想外で良かったです

    解説の川上和人先生も良かったです

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    2025年02月02日
  • 森田繁子と腹八分

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    "農業コンサルタント"森田繁子が、農家さんのお悩みをずばずば解決していく物語。
    上手くいきすぎ感はあるけれど、森田繁子のキャラが際立っていて、爽快で読んでいて気持ちがいい。
    そして、全てがパーフェクトな彼女自身にも"向こう脛"があるというところをチラ見せくるあたりも、話の展開が上手いと思う。
    続編に期待したい。

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    2025年01月28日
  • 清浄島

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    パンデミック系のお話が好きで手にとってみたけど…思ってた内容とは全然違った…。特にペットを飼ってる人には辛い内容だと思う。自分なら…と考えてしまう。

    特に派手なシーンもない、大事件が起こるわけでもない、それでも読んでいて退屈だとは感じなかったし考えさせられる内容だった。

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    2024年11月18日
  • 鳩護

    ネタバレ 購入済み

    河﨑秋子さん、こういうカジュアルなのも書くんだ〜、と思いながら読みました。
    舞台が東京で、出版社勤めの女性小森椿が主人公。
    部屋のベランダに白鳩が迷い込んできて、好きでもないのに面倒をみていたら、「お前は次の鳩護だ」と先代の鳩護の幣巻という男に言われ。その後、初代や何代かの鳩護の夢を見て、最後、「ヤバい男」の鳩護をぶん殴って終わる…。
    と、書き出すとよくわからない話になってしまったけど、なかなか爽快だった。
    スピンオフの短編もついていて、ちょっとオトク感もあったり。

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    2024年11月13日
  • 清浄島

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    エキノコックスを題材にしたストーリーで、この内容で最後までどのように展開されるのか気になってはいたが、読み終わると、そこには人間模様、人間臭さがありとても良かった。
    他人に不利な判断をしても、誠心誠意付き合えば最後はわかってくれる。

    今の時代もエキノコックスは報告されており、毎年、全国で20〜30名新規感染者が報告されることには驚いた。

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    2024年10月31日
  • 鳩護

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    鳩を擁護する役割という曖昧な事柄だけで物語を作る作者の筆力に感心する。最後まで謎の部分が多いが最後まで楽しく読むことができた。

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    2024年08月03日
  • 清浄島

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    ネタバレ

    重い話でなかなか読み進められず…
    礼文島、道東に行ったときのことを思い出しながら少しずつ読み進め、
    約1年かけて読み終わった…。
    ちょうど先日NHKの北海道道で礼文島のトド撃ち猟師が、昔エキノコックスの際に繋いだ犬を撃ったら大層苦しませてしまい、それ以来、獲物が苦しまないように一発で仕留めているというドキュメンタリーが放送されて、島民の苦しみや歴史の生々しさを感じた。

    木の実をつまんで食べることができないとか、本州では聴いたことなかったので…登山のときキイチゴとかそのまま食べていた。札幌に親が遊びに来て、そのへんにはえてたグミの実を取って食べていて、ダメ❗️といったらポカンとしていたので観光

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    2024年05月25日
  • 清浄島

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    ネタバレ

    大正末期、ネズミ被害に頭を悩ませる人間が
    天敵であるキツネを礼文島の野に放った。

    P258
    〈良いことだと思ってやったことが
    後の世で悪いことを引き起こしちまう〉
    寄生虫による感染は、どのように起こったのか。
    昭和29年、解明するため島へ派遣されたのは道立衛生研究所の土橋。
    研究を進める間に下されたのは
    終宿主となる可能性のある動物、キツネ、イヌ、ネコを全て処分すること。
    島民、土橋にとって過酷という他ない決断だった。

    エキノコックス撲滅のためとはいえ
    飼っているイヌ、ネコを供出し処分させるなんて。

    河﨑さんが描くのは今回も命について。

    驚いたのが、P387
    おわりに書かれていること。

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    2024年05月20日
  • ともぐい

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    ネタバレ

    前半の描写が生々しく、とても惹き込まれた。自然界に1人で生きている逞しさに、尊敬の念があったんだと思う。熊爪が負傷して徐々に弱々しくなったあたりから、胸の高まりも静かになっていった。復活することを期待していたが、どんどん人間らしくなる姿にがっかりした。人間は一度傷付いたらそこで終わりなんだろうと。熊爪も結局はオスで、自分よりうんと弱いメスに殺されて終わり。金は必要な分だけあればいいという熊爪だったけど、そういうところは本能の赴くままなんだなと。結局は人間だった。

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    2026年01月24日
  • 鳩護

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    河﨑秋子さん初読み『鳩護』の感想と概要になります。

    概要です。
    パッとしない日常を過ごす小森椿は、今日も通勤を邪魔する鳩の糞に苛立ちながら出社する。まともに仕事をしない先輩の不満を胸に抱きながら帰宅したある日。ベランダに白い鳩が落ちていた。奇妙な白い鳩との出会いから椿は鳩護の存在を知っていく。

    感想です。
    初読み作家さんですが読みやすくて、椿の心の中での愚痴や白鳩と次第に仲睦まじい関係に変わっていく様を読んでいると、何度か笑みが零れてしまう癒しの作品でした。起承転結という面では物足りなさがあったものの、クスッと笑いたい方にオススメです♪

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    2024年04月05日
  • ともぐい

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    圧倒的なリアリティ 話の展開としては現実離れした要素が結構あるにもかかわらず、その場の空気感や匂いまで感じるようなリアリティがあり、かつ力強い書き振りの独特な作品。

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    2026年01月12日
  • 清浄島

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    大正末期、増えすぎたネズミの対策で千島から天敵たるキツネを礼文島に放つ。

    戦後、腹が膨れる奇病が礼文島にだけ発生。
    エキノコックス症という寄生虫由来の病気。

    道立衛生研究所の土橋は単身、調査に礼文島に行く。

    実話がベースの小説。

    寄生する宿主(動物)を絶てば根絶できるので、礼文島内の終宿主をすべて解剖し感染状況を調査することになる。
    終宿主とはキツネ、ネコ、イヌ。
    当然、飼いネコ、飼いイヌも含まれる。

    次郎の飼いイヌ「トモ」の部分は落涙必須。

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    2024年02月22日
  • 清浄島

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    ネタバレ

    礼文島、増えたネズミ対策に導入されたキツネによるエキノコックス症を無くすために闘う人々の姿。犠牲を強いられる島の人々、犬や猫を殺される場面では言葉もない。ちっぽけな条虫との闘いは北海道から本州まで広がる被害の中でまだまだ続くようだ。

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    2024年01月30日
  • 清浄島

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    寄生虫感染症なのに礼文島の風土病とも言われた「エキノコックス症」に対する公衆衛生学者と町議、役場職員の闘いを描いた作品です。
    河崎秋子さん。私はこれまで「次から次に強い文章でたたみ込んで来ます。」「なにせ河崎さんの作品は構えてしまいます。重くて暗い。」などという感想を書いてきましたが、今回はかなり印象が違います。柔らかくなった。良い意味で力が抜けてきた感じがします。
    まだ正体も定かでないエキノコックス症に誠実に立ち向かった人々、主人公の若手研究員・土橋、役場職員の山田、村議の大久保、土橋の上司・小山内、そして学生の沢渡。それぞれ見事な造形です。みんな柔らかく影を引きずっていて、その分深みがあり

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    2023年09月22日