河﨑秋子のレビュー一覧

  • 介護者D
    「介護」と「推し」。大事件は起こらないのですが、主人公の心の動きや鬱屈に共感しました。最後は清々しい気持ちになり、良かったです。
  • 介護者D
    30歳で未婚、東京の派遣社員を辞めて父の介護のため札幌の実家に戻った琴美。

    雪かき要員として戻ったが、愛犬の散歩や病院の送り迎えに毎日の家事で日々は過ぎていく。
    唯一の救いは、アイドル「ゆな」だったが、ライブへ行くことも叶わず閉鎖的な環境に埋もれて過ごすことに膿んでいた。

    元塾経営者だった父の真...続きを読む
  • 介護者D
    2021/09/28予約 7

    初読み作家さん。★4.5。
    アルティメットパレットのアイドル・ゆなの推し活が生きがいになっている、琴美。
    母亡き後も札幌で一人暮らしを続けてきた父親から「雪かきに来てくれないか」とのメールがくる。
    雪かきにかこつけて、帰ってきてほしいと素直に口に出せない父親。
    学校の...続きを読む
  • ともぐい
    明治時代猟師の熊爪が熊と対峙し時代と向き合う話。熊との対峙は緊迫感に息を飲む。そして熊と対峙するだけではないところが面白い。時代の移り変わりにその後の話。結末がどうしてこうなったのか、その後淡々と紡がれる後日談に飲み込まれる。犬、めちゃくちゃ好き、いぬぅ。
  • ともぐい
    私には合わない作風だった。因縁ある熊の狩りして終わるかと思ったら、主人公熊爪の三大欲求本能が剥き出しになってハンターに育てられた山の野生ハンターから、女を知り家族を持ち弱くなる人並みの人間になった時熊爪は終わったのかなと。

    熊討った後の「野生の本能」はびびったし、まさかって感じだった。何故に?性的...続きを読む
  • ともぐい
    生々しい。
    文章なのに鮮明な映像が見えるよう。著者の表現力が素晴らしすぎる。動物ドキュメンタリーを観ているような錯覚。

    映像化されたら凄そうだと思ったが、物議を醸すこと間違いないので厳しのかなと思う。

    自分の好みとは違うのだろうと分かって読んだが、それでも内容は重く、グロく、しんどかった。。

    ...続きを読む
  • ともぐい
    熊文学って帯に書いてたから
    くまくましいやつ
    熊VS人間の血で血を洗う戦い
    そんなの想像してた

    ちょっと違った
    なんというか
    生きるが濃い話だった

    熊との死闘を期待してたけど
    人生を戦い抜いてるのも
    なかなかおもしろかった

    すごく濃い味に感じたので
    印象には残るけど
    読み返すことはないと思うし...続きを読む
  • ともぐい
    圧が凄い。特に後半ほど重苦しくなり、ページか進まない。自分には重々し過ぎて。覚悟して読む本だと思いました。
  • ともぐい
    読む人を選ぶ作品だなというのが、率直な感想

    ケガを治療する場面などの描写は血圧下がってしまい、座っていられなくなるぐらい
    ケガや血などに同調してしまう体質の方は、気をつけて下さい

    明治時代を描いたからだろうか、私にはこの作品が太めの彫刻刀で彫った版画のような粗さを感じた

    人里離れて狩猟生活をし...続きを読む
  • ともぐい
    直木賞受賞作ながら、これまた強烈な1作
    いわゆる、マタギの小説
    読む人を選びそうな内容でした

    最初は興味深く読みはじめましたが、どこからか死にたがりの話になってしまって・・・
    人も生物の一種以外の何者でもないというのは分かるのですが、個人的にはどれだけ無様でも生き続けてほしかったかな
  • ともぐい
    クマとともに生き、クマを屠り、生きる一人の男。
    山の王を倒した時、彼の何かが変わった。

    第170回直木賞受賞作品。
    命のやり取り、そして死。
    狩りの場に自分の身を置き、その姿を想像してみた。

  • ともぐい
    森と共に生きる熊爪の生き様が生々しく描かれている。血の臭いがしてくるような生々しさ。前後半でタイトルの意味合いも変わってくるのが特徴的だが、個人的には前半が好み。
  • ともぐい
    「小説讀物」の直木賞特集で2章まで読んでいたので、やっと最後まで読めた。最初の印象では猟師である熊爪が動物の解体している姿が細かく描写され、凄いなという印象。熊に襲われた猟師を助ける時に眼球を処理するのも、ここまで女性作家が描けるのだと驚く。2頭の熊との闘いもそう。
    眼の不自由な陽子との生活は壮絶。...続きを読む
  • ともぐい
    物語自体はアイヌの生き物に対する価値観、明治から大正への時代の変化、、命の円環などであろうが、目を引くのはやはり見出し。
    リズムとつながりから、もしかしたら作者は物語と同じぐらいの熱量で考えたのではなかろうかと思うぐらい思いを見出しから感じる。
    あと犬せつない
  • ともぐい
    人間と動物の狭間に生きる男の物語
    自分以外の人間や物に感情移入していくようになる主人公の姿が楽しめる
  • ともぐい
    猟師として人里から離れた山の中で一人で狩りをする熊爪の話。山の主である赤毛の熊を仕留める際に自分も熊に殺され死のうとしていたがその思いは果たせず人でも獣でもない半端者に成り下がってしまった熊爪。そのご村の取引先にいた片方の視力を失った陽子を引き取ることとなる。最終的な陽子によって殺されひっそりと山の...続きを読む
  • 鳩護
    この本のテーマは、人間と飼われている動物の関わりだと思う。そこには明確な主従関係があり、人間側が幸せになるように使われる動物の姿がある。それが人間社会で善悪かどうかや、その動物自身にとって幸か不幸かは関係ない。主人がやりたいことが善であり、そうでないことが悪になる。飼ったから大切にするというのは、主...続きを読む
  • 清浄島
    ・エキノコックス症
    潜伏期間が長く、寄生虫の卵が体内に入って10年以上経ってから発症し、ようやく自覚する場合が多い。ひとたび発症すればそこからの進行は速く、肝臓肥大、肝硬変、それに伴う皮膚の黄疸などが見られるようになる。妊婦のように腹が膨れる。
    孵化した幼虫が寄生する場所は肝臓が多い...続きを読む
  • 介護者D
    思ったことを口に出せない主人公に
    少しもどかしさを感じたが、それは
    ある意味彼女の優しさと受け止め、
    ストーリーを追っていくことができた。

    ペットの世話や家族のケアは経験がない
    だけに大変さは分からないが、この
    物語を通じて当事者の立場が多少なり
    とも理解できた。
  • 介護者D
    家族の介護に少しでも携わった人なら、ここに描かれる主人公の揺れる心や絶望に琴線を振るわせられるはず。日常の些細な出来事は読み手には面白くもあり、ちょっとつらくもある。最後にささやかなカタルシスがあって、良かった。