河﨑秋子のレビュー一覧
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若い女性が狩猟雑誌を見かけて興味を持ちハンター(女性なのでハントレス)になる、というとライトな表現だけれど、主人公のマチがしっかりしすぎてだいぶただものでない。
北大のシーンなど読みながら景色が浮かんできて、主人公の家が円山の極太で(親が老舗菓子店の専務やらオリンピアン)できた親だし、自立心のあるよい子だけどどこかドライなのが、北の厳しい大地で育つサラブレッドなんだろうなと読み進めた。
マチと共に狩猟免許の取り方をまなび、ハンターの心得を学べた。今後、無理解にクマの駆除にクレームつけたりするようなことがなくなり、良識あるハンターが増えるといいなと思った。続編読みたい。 -
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裕福な家庭の育った女子大生がふとしたきっかけで狩猟に興味を持ち、ハントレス(女性ハンター)として一人で熊に立ち向かうようになるまでを描いた作品。
河崎さん、何だか雰囲気が変わってきましたね。デビュー当時はとても重苦しく暗いけど力強い作品と言う印象が強かったのですが、最近は『森田繁子と腹八分』など随分と軽快になって来ました。本作も、狩猟を扱いながら、やや軽めの爽やかなエンタメ作品です。さすがに力のある作家さんで面白いのですが、どこか読み始めに当たってちょっと躊躇するような「河崎さんらしさ」が失せてきたような気がします。動物を殺すことについてはニュートラルの立場ですけどね。 -
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ネタバレ第170回直木三十五賞
血生臭く、力強い作品だった。
タイトルの「ともぐい」の意味、ラストの展開をどう受け取るのかを言葉にできず、色んなレビューを読んでみた。
そんな中、「己が負けた相手に食われ死ぬのが自然の摂理」という内容の一文を見つけて腑に落ちた。
太一を助けたくだりから
→1人で生きてきたつもりが熊爪自身も負傷し人の世話になる
→赤毛との対決で死ねず自分は獣でも人間でもない半端もんだと思う
→温もりを求めて陽子と生活を始める
→陽子は母として生きる決意をし、熊爪を殺して出ていく
の流れが秀逸だと思った。
ラストで殺す必要があったのか?と思わなくもないけど、人にも獣にもなれず遺伝子を -
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私の父は82歳、認知症はないけれど、同じく年老いた母がおり、現在、独身の弟が両親と同居している。
弟は高卒で、事あるごとに大卒の私と比べられ、両親からD評価を受けて来た。
そんな弟は現在契約社員でVチューバ―とやらを推している。書店で帯を見た瞬間、吸い寄せられるように手に取った一冊。
今年、ベスト3に入る本だった。
最後は、泣けた。自分がどの人物に共感して泣いたのだろうかと思えば、きっと「家族」として共感したのだ。
それは、老いを受け入れる父であり、推しに救いを求め先の見えない不安と戦う主人公であり、また、娘達の未来を見届けることなく突如命を奪われた母であり、姉にすべてを押し付けておきながら、 -
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河崎秋子『介護者D』朝日文庫。
これまでの河崎秋子の小説とは風合いの異なる小説であった。タイトル通りの介護小説である。読んでみて、閉塞感を感じるばかりで、余り良い思いはしない。
実家に住み続け、両親と暮らすためには公務員か開業医、自営業を選択するしか無い時代である。自分の離れて暮らす父親も大腿骨を骨折してから急速に衰え、要介護4と認定され、母親の負担も大きくなり、特別養護老人ホームに入所させるという選択をした。しかし、新型コロナウイルス感染禍でなかなか会いに行けず、面会はガラス越しかタブレットという状況だった。そんな父親は昨年末に老衰で亡くなった。母親は父親が生きているうちはと気を張ってい -
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これを本当に『ともぐい』と同じ人が書いたのか?
まったくテイストの異なる世界観でびっくりです!
『日本農業新聞』に一年にわたり掲載されていたものを書籍化した本書。
まず、タイトルと表紙から森田繁子さんが美味しいものを食べ過ぎないように気をつけているお話?と思ってしまいますが、森田繁子さんは美味しいものは際限なく食べる!出されたものは遠慮せずすぐに全部食べる!
腹八分というのは、農業コンサルタントである森田繁子さんの持論、片方がゼロ割で損をして片方が十割で得をするよりも、さらにはお互いが五分五分で我慢するよりも、ちょっとした譲歩で八割対八割にした方が実りが多い、ということ。
困っている農業従事者