河﨑秋子のレビュー一覧

  • 鳩護

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    この本のテーマは、人間と飼われている動物の関わりだと思う。そこには明確な主従関係があり、人間側が幸せになるように使われる動物の姿がある。それが人間社会で善悪かどうかや、その動物自身にとって幸か不幸かは関係ない。主人がやりたいことが善であり、そうでないことが悪になる。飼ったから大切にするというのは、主人義務ではない、責任の範疇までなのだ。そして、この物語で主人公が学んだのはその責任の大きさなのだと思う。

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    2024年04月01日
  • 清浄島

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    うーん・・・
    コロナ禍もそうだけど、ウィルスというものは改めてやっかいで、なかなか収めるのは難しいなと考えさせられる一冊でした。
    エキノコックスを撲滅するため、こんなに心身を削り、頑張られた方達がいたこと、なお今も少ないけれど撲滅していないエキノコックスが、まん延しないことを祈りたいです。

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    2023年04月30日
  • 清浄島

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    キタキツネから感染するというくらいの何となくな知識しかなかったエキノコックス症。潜伏期間が非常に長く、発見された時は手遅れになっていることが多い恐ろしい病。未だに効果的な治療薬も見つかっていないという病気に、昭和中期にその防疫に人生を捧げた研究者の物語は、寄生虫とウイルスという違いはあれど、未知の感染症に対する防疫の困難さという面において、現在の新型コロナ感染症を思い出させる。

    礼文島という小さな島で広がった感染症ということで取られたある方策。これはひどい。元々動物が好きで生物学者になったような研究者にはさぞかし辛い選択だったろう。
    この過去の方策に対して20年後に大久保が語った「人に飼われ

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    2022年12月02日