森毅のレビュー一覧
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本屋をウロウロしていたら、京大の森毅先生が書かれた本書を偶然見つけました。1980年代ごろの大学入試の数学とどう向き合うのか、大学教員の立場から俯瞰したエッセイです。
第2章「入試採点の内幕」は興味深い内容でした。私が受験した1990年頃も「京大の入試は余白欄までちゃんと見て採点している」という噂がありました。本書によると、受験生がどの程度まで問題の本質を理解しているか等を見極め、減点の点数を決めるために、余白や消しゴムで消した跡までもチェックしていたそう。また、同じ計算違いでも”計算違いの質(確率がマイナスとか、場合の数が少数とか)”によって減点が変わったのだそうです。
国立大学二次試験 -
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森毅先生の数学書は魅力的だが、やはり難しいのですぐには読めない。数学科の人や数学オタクに向いていると思う。
ジ
パラパラとぺージをめくっていたら、p37にこう書いてある。
<これがfのランク(階数とか位数とか訳す)で、「線形代数の難しい概念」ということになっている。それについては、あらためて触れることにするが、これは「次元の弟分」ぐらいのもので、実のところ真に難しいのは、すでに使いまくっている次元の方で、使いまくっとるうちに感じがつかめるだろうと、ボンヤリしたままで使っとるわけだ。それでも、ランクになると、部分空間やら商空間がからんでくる。そのところを、ここでさしあたり論じてみたわけだ。>
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数学技術書の側面より、勉強本として自分の専攻領域に当てはめて読んだ
もう筆者の優しく丁寧な言葉と、キリッとした指摘に筆者が大好きになってしまった。本当に優しい
これが40年以上前に書かれたものだと言うからびっくりする。
軒並みの受験術書物、勉強本を凌駕します
受験を控える人、仕事の勉強に悩める人、学ぶことが苦手な人の心の指南書になるでしょう
私の2022年ベストに入るだろうし、恐らくバイブルになる
個性を知り、個性を活かした勉強法を身につける(数学受験術指南
#目的、到達時の状態、理想100%達成時のイメージ
どうなりたいか
どんなことができることを望むのか
#傾向と対策
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大学数学における最大の鬼門ともいえる「位相空間論」。教科書では、3つの単純な公理で与えられる開集合系が天下り的に定義され、その後、近傍やコンパクトに関する議論が無味乾燥に繰り広げられるのが普通である。学生は、極めて抽象的で、直観的な理解がまったく及ばない世界を、演繹だけを頼りに各々の定理と証明を「理解」し、訳がわからないまま先に進んでいかなくてはならない(それはそれで楽しいのだが)。
本書では、位相空間論という学問が発達した歴史的背景や、位相空間の定義が多くの数学者によって洗練されていく過程を描きつつ、開集合・閉集合・近傍・コンパクト・全有界などの基本概念により、順序や距離を用いることなく極限 -
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野矢茂樹著『哲学な日々』に本書の解説が掲載されていたことから本書を知り、読んだ。
森毅の存在は知っていたが著書を読んだのは初めてだ。1981年発刊の本書はベストセラーになったという。
肩の力が抜けた独特の文体で面白い。
そして、一刀斎の別名の通り、所々で鋭い視点が展開される。
特に最後のエッセーは目が覚める内容を含んでいる。
「他人に迷惑をかけない」というのは障害者への差別に通じる。人は誰しも迷惑をかけずには生きられない。お互いが迷惑をかけていくものだ。
人間の心の底にある「寂しさ」への思いが「優しさ」である。人間が生きていくには装ったり、争ったり、何かを思い詰めたりしなければならず、その -
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数学者森毅(1928-2010)による受験数学にまつわるエッセイ、1981年。
この本に最初に出会ったのは浪人時代、その頃通っていた予備校の数学講師が「京大受験生の必読書」と言っており手に取った。当時は中公新書に入っており、こんな説教臭い副題はついていなかったように思うが、新書版がどこへ紛失してしまったのかいま手元にないので確認はできない。
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当時の読後感がやや苦いものであったことを、この度読み返しながら思い出した。森が称揚する「反‐秀才・反-完全主義・反-強迫・反-画一」などの姿勢が自分の気質とは正反対であって、まるで自分は頭が固いだけのつまらぬ人間だと否定されたような気持ちになって