あらすじ
線型代数は大学教養課程で学ぶ数学の柱のひとつだが、もう一方の柱、解析学ほど学生には定着していない。これは、線型代数がどういう世界を語り、どのような生態なのか、長い歴史のある解析学と較べ、見えにくいことによる、と著者は言う。物理学や工学、化学、経済学、情報系など多くの分野で有効な武器として使われている線型代数をイメージや意味のセンスを大切にしながら、根本的な概念からひとつひとつ丁寧に説明する。「基礎」の骨格をくっきり際立たせた一味違った入門書。
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Posted by ブクログ
森毅先生の数学書は魅力的だが、やはり難しいのですぐには読めない。数学科の人や数学オタクに向いていると思う。
ジ
パラパラとぺージをめくっていたら、p37にこう書いてある。
<これがfのランク(階数とか位数とか訳す)で、「線形代数の難しい概念」ということになっている。それについては、あらためて触れることにするが、これは「次元の弟分」ぐらいのもので、実のところ真に難しいのは、すでに使いまくっている次元の方で、使いまくっとるうちに感じがつかめるだろうと、ボンヤリしたままで使っとるわけだ。それでも、ランクになると、部分空間やら商空間がからんでくる。そのところを、ここでさしあたり論じてみたわけだ。>
理工系のボンクラ頭の私には難しいが、こういう大局的な見通しを、ユーモアを交えて語ってくれる森先生の数学本は魅力的である。
お終い