森毅のレビュー一覧

  • ベクトル解析

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    ベクトル解析のイメージづくりに読むのに向いた本。

    著者独特の言い回しが合わない方にはお勧めできないが、通常の教科書でたんたんと説明される前にこのような考えに触れておくのは有益だと思います。

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    2012年07月14日
  • 現代の古典解析 ──微積分基礎課程

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    全部をきっちり読むのはしんどいので拾い読み。
    なんやしらん、タバコ吸いながら教壇に寄りかかって斜に構えた話ぶりを思い出す。
    Calculusの全体の復習のためにはちゃんとした教科書にあたったほうがいいようだ。この本は、通好みのエッセンスだけが散漫に入っているような感触。それでもそこがツボなんだろうな。

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    2018年10月14日
  • 現代の古典解析 ──微積分基礎課程

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    ひと通り数学を学んだ人向き、と感じた。
    後半にいくにつれ内容は高度になるが、基本的に1章で話は閉じる。
    特にためになったのは、11章で積分のイメージを語る章だろう。
    これまで、積分は微分の逆演算、という以上の説明をしてくれることはなく、また、あったとしても面積を導出する計算、という以上には意味付けがなされていなかった。
    著者である森"一刀斎"先生は「気に入らない」とバッサリ切る。
    その後なぜ気に入らないかを説明し、新たな解釈として、測度と密度によるイメージ、というものを与える。
    測度のほうは私自身が過去にあまり学んでいないためいまひとつ分からないが、密度のイメージは、確率分

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    2010年09月06日
  • ベクトル解析

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    ベクトル解析は物理学における計算手段とみなされることが多く、純粋な数学としての扱いをされないことが稀ではない。

    事実多くの参考書はベクトルの演算のみを主に扱いその体系に触れることは無いし、私が受けた講義においても同様であった。

    しかし、ベクトル解析はれっきとした純粋数学の一分野であり、一変数の微積分の多変数の拡張であると同時に、一次の線形代数の多次元への一般化である。

    すなわちベクトル解析とは解析学の一般化という非常に重要な分野を扱う学問なのである。

    本書はこうした考えを基に、"解析学の一般化としてのベクトル解析"を例を交えつつ慎重に議論を重ねている。

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    2010年08月23日
  • 新版 数学プレイ・マップ

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    数セミに連載された本書タイトルの記事を集めた第I部と、他の媒体に出た5本の論文(エッセイ)を載せた第II部から成る構成だが、第II部が圧倒的に面白い。数学者の頭の中を垣間見た気持ちにさせる箇所があるし、旧制高校や大学紛争時代を生きた人たちの大人なセンスが堪能出来る。この人の文章は明快で迷いが無い。こういう先生が大学から居なくなって久しいような気がする。

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    2025年04月18日
  • 悩んでなんぼの青春よ ──頭がいいとはどういうこと?

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    ネタバレ

    青春か。青→春,朱→夏,白→秋,玄→冬。青→龍,朱→雀,白→虎,玄→武。一癖も二癖もある数学者の意見。一癖も二癖もあるけど本質は慎重でバランスを考えている人のようだ。いろいろ悩むのは当然。見えない未来だから。確実な世界,信頼できる存在,そんなのがあればありがたいが,そんなものがないのが世界の標準。であれば,自分が熱中できることを自分なりにやりきることだ。頭の良さ悪さはどの水準を使うかによる。表裏一体,左右上下,両極中庸,対となる考えを検討してみる。正しいこそ疑い,別の道を考えてみると意外と面白い。

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    2024年06月26日
  • 数学受験術指南 一生を通じて役に立つ勉強法

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    あっという間に読み終えた。受験技術を身につけるべきだという言葉には、説得力があった。特に答案は採点者との唯一のコミュニケーションツールだからこそ、ちゃんと書く技術を身につけるということと、採点者に思いを馳せることの大切さには納得。確かに。それは技術。テクニック。
    また自分の癖を知ること。計算間違いをするのは人間だが、どこで間違えたかにすぐ気づくようになるのもテクニック。自分を知るという、その捉え方は有益だった。あと解けない問題が出るのが受験問題。それも正論。ただドラゴン桜みたいな思わず前のめりになるアドバイスがなかったのは、残念か。

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    2024年06月09日
  • 数学受験術指南 一生を通じて役に立つ勉強法

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    肩の力が抜けたエッセイのような本。文体が面白いが、書かれていることは何十年たっても色あせない本質的なことが多く、長らく読み継がれているのも納得。文章術としても参考になる部分は多いのではないだろうか。

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    2023年06月25日
  • 数学の世界

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    本屋で横済みになっていたので、購入。

    ちょっと歯が立たなかった。加算の「寄せ算」と「足し算」の違いが判らず。
    基数と序数についても、真面目に考えたことがなかった。う~ん、何が問題なんだろう。主に数学教育を竹内先生が問題にしているんだけど、その指摘する問題点がピンと来ないんだな。つまりいい加減に数学を覚えてきたんだなあ。

    後半は数学の歴史。やっぱり学者の名前は聞いたことあるけれどやっぱりピンと来ない。
    ガリレイ裁判なれ合い説は驚いた。科学信念を主張し過ぎだぞと怒られて、少し日和れと云われ、じゃあ日和りますとなれ合ったとのこと。

    数学が絶対的に正しいものではないと云われてもなあ。三五歳からの

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    2022年07月02日
  • 悩んでなんぼの青春よ ──頭がいいとはどういうこと?

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    ネタバレ

    2021年に逝去した数学者の森毅氏の1990年の著書を再編集したもの。
    『こんなに親が子を捨てず、子が親を捨てずというほうが、むしろ特殊な現象だと思う』という記述にとても納得させられました。

    関西弁の話し言葉で書かれていて、親戚のおじさんの話を聞いている感覚で楽しく読めますが、親戚のおじさんの話なんか聞かない思春期の青少年にはまったく響かない本なのだろうと思います。

    159.7

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    2022年04月14日
  • 異説 数学者列伝

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    30人の数学者の人物像について語ったエッセイです。

    著者は『数学の歴史』(講談社学術文庫)という本を刊行していますが、そちらがまさに「数学」を主役にした本であるのに対して、本書は「数学者」にスポットライトをあてています。それも、いわゆる天才として数学者たちの横顔をえがくのではなく、歴史のなかを生きた人間としての彼らのすがたにせまろうとしているところに、著者らしさが感じられます。

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    2020年08月09日
  • 数学受験術指南 一生を通じて役に立つ勉強法

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    小学生の子供に算数を教える材料になれば。。。と思って読んでみるが、当然ながらさすがに算数のレベルの話は全くない。

    著者の生徒、学生への愛情は感じられる。ただ、解説にはそうではないとあったが、それなり以上に数学が得意な受験生に、より高みを目指すことを指南する内容に感じられた。
    それでも、自分が高校生の頃に本書を読んでいればもっと数学を楽しめたかもしれない、という気持ちもする。

    ・数学はゲームのようなもので、ゲームとして問題解きに興じているうち、大切なものが身についてくる
    ・数学はもっと多様になるべきで、工学部の技術者が考える数学像、経済学部や生物学者の考える数学像、それらが入り混じるものとし

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    2020年06月07日
  • 寄り道して考える

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    解剖学者の養老孟司と数学者の森毅氏の対論本です。

    明快な議論で人間社会を論じる養老と、自由闊達な境地に遊ぶ森では、その思索のスタイルに大きなちがいがあるように感じられますが、そうしたちがいを含みながらも、たがいに相手の議論を包み込むようなかたちで議論が運ばれていくところが興味深く感じられました。簡潔に両者のちがいをまとめるならば、養老が「都市化」の限界を内部から批判するのに対して、森はその限界を感性によって飛び越えようとしているといえるでしょうか。

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    2019年08月19日
  • 現代の古典解析 ──微積分基礎課程

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    勝本先生の「量子の匠」の参考図書に入ってて買った。

    ポイントポイントでは面白いことが書いてあること少なくないけれど、口語体(かつ単語が古い)なのが災いして、どこまで分かってて新たに何を示したのかが分かりにくい場面が多い。

    他の教科書で分かりにくいときにあたってみる、くらいにしておくべきなのかな。

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    2014年03月05日
  • 生きていくのはアンタ自身よ 佐保利流「人生」と「勉強」トラの巻

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    「生きていくのはアンタ自身よ」3

    著者 森毅
    出版 PHP文庫

    p172より引用
    “自分のために他人を大事にし、
    自分のために社会を大事にする、それでもいいと思う。”

    数学者である著者による、
    人生の生き方について著者独自の方法を紹介する一冊。
    後悔しない生き方からヘリクツについての事まで、
    左保利流と名づけられたいろんな考えや方法が目白押しです。

    上記の引用は、
    自分の人生を楽しむ事についての一文。
    なさけは人の為ならずと言う事でしょうか、
    自分の居場所を居心地良くするのには、
    他人を大事にすることで環境を整える事が良いらしいです。
    全体的にゆるりとした雰囲気が漂っていて、
    気軽に読

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    2012年07月26日
  • 寄り道して考える

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    「寄り道して考える」3

    著者 養老孟司、森毅
    出版 PHP文庫

    p72より引用
    “人にはそれぞれ、いろいろな考え方、行動があるということを
    前提にしていれば、いじめなどは起こらないような気がします。”

    解剖学者と数学者である著者二人による、
    対談をまとめた一冊。
    著者達の戦中戦後の体験から、
    現在の世の中の出来事までを語りあわれています。

    上記の引用は、
    みんな同じでなければならないと言う意識と題された項の、
    現在のいじめに対しての一言。
    大勢の人間達と少し違う所を目ざとく見つけ、
    そこを取り掛かりにしていじめが始まる。
    少し違う所位、
    そっとしておいてあげればいいのにと思いますが・・

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    2010年12月17日