森毅のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひと通り数学を学んだ人向き、と感じた。
後半にいくにつれ内容は高度になるが、基本的に1章で話は閉じる。
特にためになったのは、11章で積分のイメージを語る章だろう。
これまで、積分は微分の逆演算、という以上の説明をしてくれることはなく、また、あったとしても面積を導出する計算、という以上には意味付けがなされていなかった。
著者である森"一刀斎"先生は「気に入らない」とバッサリ切る。
その後なぜ気に入らないかを説明し、新たな解釈として、測度と密度によるイメージ、というものを与える。
測度のほうは私自身が過去にあまり学んでいないためいまひとつ分からないが、密度のイメージは、確率分 -
Posted by ブクログ
ベクトル解析は物理学における計算手段とみなされることが多く、純粋な数学としての扱いをされないことが稀ではない。
事実多くの参考書はベクトルの演算のみを主に扱いその体系に触れることは無いし、私が受けた講義においても同様であった。
しかし、ベクトル解析はれっきとした純粋数学の一分野であり、一変数の微積分の多変数の拡張であると同時に、一次の線形代数の多次元への一般化である。
すなわちベクトル解析とは解析学の一般化という非常に重要な分野を扱う学問なのである。
本書はこうした考えを基に、"解析学の一般化としてのベクトル解析"を例を交えつつ慎重に議論を重ねている。 -
Posted by ブクログ
本屋で横済みになっていたので、購入。
ちょっと歯が立たなかった。加算の「寄せ算」と「足し算」の違いが判らず。
基数と序数についても、真面目に考えたことがなかった。う~ん、何が問題なんだろう。主に数学教育を竹内先生が問題にしているんだけど、その指摘する問題点がピンと来ないんだな。つまりいい加減に数学を覚えてきたんだなあ。
後半は数学の歴史。やっぱり学者の名前は聞いたことあるけれどやっぱりピンと来ない。
ガリレイ裁判なれ合い説は驚いた。科学信念を主張し過ぎだぞと怒られて、少し日和れと云われ、じゃあ日和りますとなれ合ったとのこと。
数学が絶対的に正しいものではないと云われてもなあ。三五歳からの -
Posted by ブクログ
小学生の子供に算数を教える材料になれば。。。と思って読んでみるが、当然ながらさすがに算数のレベルの話は全くない。
著者の生徒、学生への愛情は感じられる。ただ、解説にはそうではないとあったが、それなり以上に数学が得意な受験生に、より高みを目指すことを指南する内容に感じられた。
それでも、自分が高校生の頃に本書を読んでいればもっと数学を楽しめたかもしれない、という気持ちもする。
・数学はゲームのようなもので、ゲームとして問題解きに興じているうち、大切なものが身についてくる
・数学はもっと多様になるべきで、工学部の技術者が考える数学像、経済学部や生物学者の考える数学像、それらが入り混じるものとし -
Posted by ブクログ
「生きていくのはアンタ自身よ」3
著者 森毅
出版 PHP文庫
p172より引用
“自分のために他人を大事にし、
自分のために社会を大事にする、それでもいいと思う。”
数学者である著者による、
人生の生き方について著者独自の方法を紹介する一冊。
後悔しない生き方からヘリクツについての事まで、
左保利流と名づけられたいろんな考えや方法が目白押しです。
上記の引用は、
自分の人生を楽しむ事についての一文。
なさけは人の為ならずと言う事でしょうか、
自分の居場所を居心地良くするのには、
他人を大事にすることで環境を整える事が良いらしいです。
全体的にゆるりとした雰囲気が漂っていて、
気軽に読 -
Posted by ブクログ
「寄り道して考える」3
著者 養老孟司、森毅
出版 PHP文庫
p72より引用
“人にはそれぞれ、いろいろな考え方、行動があるということを
前提にしていれば、いじめなどは起こらないような気がします。”
解剖学者と数学者である著者二人による、
対談をまとめた一冊。
著者達の戦中戦後の体験から、
現在の世の中の出来事までを語りあわれています。
上記の引用は、
みんな同じでなければならないと言う意識と題された項の、
現在のいじめに対しての一言。
大勢の人間達と少し違う所を目ざとく見つけ、
そこを取り掛かりにしていじめが始まる。
少し違う所位、
そっとしておいてあげればいいのにと思いますが・・