滝川さりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
異様な熱気を孕んだ因習村ミステリー。山奥の村で守り続けられてきた「タイサイ様」という信仰、そして「子供は死者の生まれ変わりである」という独特の死生観が物語の核となっています。
里帰り出産をした妻と我が子を救い出すため、村へ足を踏み入れた主人公。しかし、彼を待っていたのは凄惨な結末でした。妻は「何か」に憑依され、村人を惨殺した末に命を落とします。命からがら赤ん坊だけを連れ帰り、日常に戻ったはずの自宅で聞こえた「ただいま」という声。それに思わず「おかえり」と応えてしまう主人公。そのやり取りに、逃げ場のない恐怖を感じました。
実際に起きた凄惨な事件をモチーフに、信仰や輪廻転生の要素を織り交ぜた構成が見事です。因習の恐ろしさとホラー的演出が融合した、背筋が凍る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一晩で一気読みしました。
「すみせごの贄」(このシリーズ好き)を読み終えて、次は何を読もうかなーと本屋をぶらぶらしていたら、都市伝説がテーマのゲームキャラクターが表紙になってる本を見つけました。
ゲームの方はだいぶ前にクリアして、今でも好きな作品です。
こうやって拡がっていっているのは嬉しいなぁなんて思いながら手に取りました。
私はとにかく文体が合わないと読めないので、通常盤の封をされていない方をパラパラとめくって確認。
体験型ホラーというのが決め手で購入しました。
それが夕方で、ついさっき読み終えました。
ちょうど良い長さでした。
短篇形式なんだから日を分けても良さそうなものですが、これは一気に読んだ方がいろいろ繋がって面白そうだなって…あと早く安心したくて読みました。
「Another」を読んだ時を思い出しますね。
結果として全く安心はできませんでしたが、たぶん大丈夫……なはず。
本当に揃いも揃って悲惨な末路を辿るとは。
ホラーの重要な要素として「理不尽さ」と「ルール」があると思うんですが、そこを絶対に外さない、逃がさないという強い意志を感じて怖かったですね。
しかも解決策は全く無し。お手上げです。
お父さんと同じ死に方をすることになった彼は本当に可哀想でしたね。
残されたお母さんも…生きていけるんでしょうか…。
星4にするか迷ったんですが、何となく納得できないところがあったので3にさせていただきました。
自分こそが女子高生ではなかったことへの伏線とか。
あとは奥さんは仕込みとしても本物の人間の精神を弄ったとかではなく、本人(?)かぁ〜、とかですね。
元々ミステリが好きな質なので、細かいことが気になってしまいました。
なので遺書の件はニヤリとしちゃったり。
第一犠牲者の彼には悪いですが、お母さんには是非復讐をやり遂げて欲しいですね。
全体の仕掛けも含めて、充分怖くて楽しませていただきました。
他にも体験型ホラーを執筆されているとのことなので、是非読みたいと思います。 -
Posted by ブクログ
この本を読んでいる途中で、鼻が詰まって息ができず、夜2〜3時間おきに起きるという不調が出ました
何かのアレルギーが酷くなったそうですが、何のアレルギーが要因になっているかは不明
結局12月に手術が決まったのですが
この本の呪いの死因は全て窒息です
本気で呪われたのかと震えました
ミステリー要素のあるホラーとの前情報で読み始めました
逆のホラー要素のあるミステリーはとても面白い作品が多く、好んで読んでいますが
ミステリー要素のあるホラーは、今まで中途半端で残念だった作品が多く
今回もあまり期待しないで読んだのですが
ちゃんとミステリーだったしホラーでした
犯人を探すミステリーではなく
どんな条件が揃ったら呪われるのかを、読者が共通点を探すミステリー
ちゃんと怖いです
理不尽な呪われ方
没入できる感じではなく、さらりと読めます
偶然に私生活とリンクしてしまったのも相まって面白かったです -
Posted by ブクログ
ネタバレ「人を閉じ込めて」窒息死させる“あかずめ”なる女怪とその呪いに纏わる連作ホラー。ある人物が「あかずめ」というホラー小説を書店でふと手に取るという枠(匣?)物語の構成を取っている。
作中作「あかずめ」はある地方の小さな村、冠村にある“窒息の家”と呼ばれる廃墟と“あかずめ”という怪異の言い伝えを巡る4編が載る。それぞれ、認知症の母の介護のため地元の冠村に戻ったシングルマザー(第一章)、“窒息の家”に肝試しで入った大学院生とその仲間(第二章)、異常な行動を繰り返す引きこもりの父親を呪い殺そうとする女子高生(第三章)、“あかずめ”の呪いを代々受け継いできた赤頭家の女(第四章)という内容で、“あかずめ”の呪いで命を落とす人々が描かれながら、呪いの実態や呪われる条件、回避する方法、呪いの正体等が少しずつ明らかにされていく。
「呪いによって人が次々と死ぬ」この手のホラー作品の場合、登場人物が呪いの発動条件や回避法、呪いの起源などの謎を解くことがメインとなる。本作は連作短編であって舞台と呪い以外登場人物も時系列もバラバラだが、各編を読み進めていくうちにその辺りが浮かび上がってくると云う趣向。その点では呪いテーマのホラー作品の正統派といえるが、各編の終盤にかけて明かされる登場人物たちの別の顔や隠れた本心が明らかになるという、いわゆる“人怖”な面でも読み応えがある。
この著者の前作『ゆうずどの結末』以上に“本”という形式をメタ的な仕掛けに用いているのも面白い。 -
Posted by ブクログ
読みやすくてサクサク読めてしまった。捨てても捨てても手元に戻ってくる辺り、理不尽さが意味不明でホラーみを強く感じる。呪いの正体ははっきりとわからない、◯◯の怨念とか古びた本とか曰く付きとかそういうんじゃなくて、身近な角川ホラー文庫…ライトな都市伝説レベルに見えるのが今っぽい。
呪いの本、動画とか音とかじゃない、意志がないと読めなくない…?トリガーは地味めか、そこまで怖くはないかな?て思っていたのだけど、第3章で突然本文を読まされるハメになったり、黒い栞が挟まっていたり、ブツっと切れたりするのじわじわとくる。
呪われた者にしかみえない「結末」とか白いアイツとか、他の人には見えてないのか!ってわかった時の絶望感…絶望感といえば4章の、実はちょっと前から心の片隅にあったモヤモヤ、見ないようにしていたのが明確になってきて信じたくない嘘だろ…ぉおーいやっぱり!なのも怖かったな。それぞれの結末がそれぞれの心理や状況と連動してるところ。これこそホラーなんだよなぁ。
1つだけ、第2章、叙述トリックうまいなぁと思ったけど(冒頭で強く印象にのこった)、呪われて殺されるの逆なのでは…なぜ彼は助かったんじゃ?