滝川さりのレビュー一覧

  • あかずめの匣

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    ネタバレ

     作中作品は緩めな不穏がずっと続いていて、あんまり進展してないな…という感じが凄くした。
     ここで伏線が張られているかもしれないぞという感覚はあるので、「あかずめ」に対してある程度見通しはできるかもしれない。

     でも、この本の最大の価値は、やっぱり最後の最後に訪れる仕掛けだと思う。映画や音楽と違って、読み進める、読み終えるという自分の能動的意思が強いほどゾッとする。いい仕掛けだった。

     この感想を洗面所で、歯磨きをしながら書いている。風邪をひいていて鼻が効かないはずだったのに、いつの間にか酷く嫌な臭いに包まれている。

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    2025年06月08日
  • あかずめの匣

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    過疎村にある廃墟「窒息の家」と人を閉じ込めて殺すとされる怪異「あかずめ」の言い伝え。

    「窒息の家」に入ったら呪われるのか、敷地に入ったら呪われるのか、村に入ったら呪われるのか、「あかずめ」の言い伝えを聞いてしまったらなのか…
    呪いの成立条件を推理していくと、遠いところにあったはずの呪いがヒタヒタと読み手側に近付いてくる怖さ。

    ホラーにミステリー要素も含まれており、確かに帯に書かれている通り「新感覚・体験型ホラー」だった。

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    2025年06月02日
  • あかずめの匣

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    ネタバレ

    高完成度ホラーの『ゆうずどの結末』を越えるのは難しいんじゃないかと案じて読み始めたが…余計な杞憂に終わる怖おもしろさ!
    時代がバラバラの四つの章に共通する怪異「あかずめ」の呪いが様々な登場人物たちに襲いかかる。人を閉じ込めて殺すという呪いの中身はシンプルで恐怖は薄かったけれど、誰が「あかずめ」の呪いの条件に気づいて生き延びるのかハラハラさせられる展開は非常にスリリング。
    エピローグの『扉』と「もう出られません」にはやられた~!感が半端なかった。喜んでいる場合じゃないのに、喜んでしまうのはホラー好きのサガかw

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    2025年05月11日
  • あかずめの匣

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    ゆうずどでも際立ってた「ミスリードへの誘導上手」が、ばれないぎりぎりまで攻めてきててどきどきしたあ
    読み返すときちんと気づくけど、初見では「ん?」と思ってもなんとなく流せてしまう、言葉の省きかたが本当にお上手。
    最後は「こわい!」よりも「うまい!」が先に来てにんまりしてしまったよ。次回作も楽しみ!

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    2025年05月02日
  • あかずめの匣

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    ゆうずとに続き、こちらも面白かった。
    因習、人身御供、呪い、村の廃墟、、好きな人は前情報なしで読みましょう。
    徐々に紐解かれていく呪いの謎。
    知ってしまったら回避不可能。

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    2025年04月30日
  • あかずめの匣

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    ネタバレ

    怖い呪いの背景には悲惨で哀しい出来事があったために最強の呪いが出来上がってしまった。色々な事情を抱える人たちの救いになっていたり、呪いを解くためにミステリー要素も入っていたりで面白かった。最後の最後で本が閉じられなくなった。

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    2025年04月15日
  • あかずめの匣

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    怖かった。そして面白かった。
    本自体に仕掛けのある作品で、没入して読めて良い読書体験だった。
    この作家さんの別の作品も読んでみたい。

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    2025年04月03日
  • ゆうずどの結末

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    半日程度で読める本格ホラー。
    2章では巧みな罠にひっかかり、3章では考えさせられ、最終章で自分が安全圏から突き落とされる。なんとも恐ろしい作家だと思った。
    演出もとても良く、体験型のホラー経験として唯一の作品。

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    2025年03月30日
  • ゆうずどの結末

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    ぞっとしました〜!一気に読み終わってしまいました!何がフィクションで何がノンフィクションか分からなくなる不思議な感覚に陥りました。

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    2025年03月20日
  • おどろしの森

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     新築一軒家を購入した家族に襲い掛かるお香のような甘い匂いや女の笑い声といった怪異の数々と何故か女性には見えない不可思議さ、霊能力者と怪異『おどろし』の戦闘描写などゾワゾワするホラー要素とエンタメが絶妙に融合していてまさに正統派ジャパニーズホラーとも言うべき作品だった。

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    2025年03月14日
  • ゆうずどの結末

    ネタバレ 購入済み

    鬱展開が良かった

    ホラーとしてだけでなく、人間の暗い部分もしっかり表現しており大変楽しめました。
    絶望的な鬱描写もよかったです。
    最後結局それから…?と個人的にはなったので、スッキリしたかった感は否めなかったのですが、ホラー好きにはたまらない作品だと思います。
    素敵な作品を読ませていただきました。

    #ドロドロ #怖い

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    2024年03月16日
  • お孵り

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    大変読みやすく、サクサク読める本です。
    オカルトものですので、ツッコミどころもあるとは思いますが、頭を使わずに本を楽しむことができました。
    残酷な表現はありますが、それを上回る面白さがあるので、軽く読みたい時におすすめです。

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    2022年12月14日
  • お孵り

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    主人公の佑二は、結婚の挨拶のために婚約者・乙瑠の故郷の村を訪れ、そこで異様な儀式を目撃する。その村は、生まれ変わりの伝承があり、独自の神を信仰している閉鎖的な場所だった。
    以降村からは距離を置いていた2人だったが、乙瑠の出産の為やむを得ず村を再訪。だが、生まれた子供は村の神、「タイタイ様」として囚われてしまう……。

    生まれ変わりの伝承と独自の神を信じる閉鎖的な小村を舞台に、その伝承にとらわれた妻と妻子を守りたい夫の悲哀と惨劇を描くホラー小説。
    民俗学×信仰×ホラーと個人的に好きな要素が詰め込まれており、楽しんで読めました。
    作中の村では、生まれ変わりを信じているが故、死というものがかなり軽く

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    2022年07月20日
  • おどろしの森

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    ネタバレ

    尼子家→夫婦、長女、長男
    尼子家が家を購入。住み始め、旦那と長男を襲う怪異。
    この怪異は、キスにより伝播する。
    異変を最初に感じたのは夫。
    家族を大切に思う夫…頑張る…
    しかし、家族に呆れられる夫…
    それでも、諦めずに家族のために…
    家族愛、溢れていました。

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    2022年07月05日
  • お孵り

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    第39回 横溝正史ミステリー&ホラー大賞・読者賞受賞



    帯に、ジェットコースター・ホラーと書いてあるとおりに、

    読み始めたら止まらなくて一気読みでした。



    橘佑二は、結婚の挨拶のために婚約者・乙瑠の故郷の村を訪れて、

    そこで行われていた異様な儀式に言いしれぬ恐怖を覚える。



    村には生まれ変わりの伝承があり、

    村人が崇拝する神もまた、誰かの身体を器として生まれ変わるというのだ。



    その後、出産は、この村でしなければならないという決まりに従って、

    男の子を出産したが、そのまま母子とも囚われてしまう。

    果たして、佑二は家族を取り戻せるのか?!



    横溝正史の「八

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    2022年04月07日
  • お孵り

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    ネタバレ

    そういう展開かな?と途中から勘付いてしまったけど、独特の風習はやはりぐっときます。
    ハッピーエンドでよかった。

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    2022年03月07日
  • おどろしの森

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    ネタバレ

    ホラーだけど怖くない。面白いには面白い。
    禁足地の森がある。村が廃村となり、そこの樹木が建築材として使用されてしまう。
    森は江戸時代の岡場所の娼婦が捨てられた場所で、そこで怨霊(呪い)と化した娼婦が森から出るために呪いを拡散していく。
    幼少期にその森の入っていった美女の外見を持つミヤという青年が呪われている。キスをすると呪いが感染する。
    恋人のアキラも霊能力者。この二人の関係が普通の男女と思ったら、BL的なものだった。アキラが女だという仕掛けがあるのかな?と思ったらそうではなかった。
    そうすればいいのに。
    ただ、このキャラがよく立っていたと思う。
    物語は、禁足地の森から伐採した木材で作った家を

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    2021年05月05日
  • お孵り

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    ネタバレ

    彼女の実家へ結婚の挨拶に赴いた祐二。嫌がる乙瑠を不審に思いながらも、これからの未来に希望を抱いていた。挨拶も無事に済み、宴会で酷く酔った祐二は、ふと深夜に目を覚ます。そして、親族に誘われるがままに、異様な儀式に参加させられてしまった。
    ***
    「おどろしの森」の作者の前作「お孵り」卵を抱いた虚ろな目の女性の表紙に惹かれて購入。あらすじは読まずに買ったが、閉鎖的な村、そこで脈々と受け継がれる信仰、そして過去に起こった悲惨な事件など大好物のオンパレードで読んで大興奮。さらに、その信仰に伴う狂気的な儀式やそれに支配されている村人など兎にも角にも素晴らしい。生まれ変わり信仰という超常現象部分もあっ

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    2020年12月08日
  • お孵り

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    横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞受賞作。因縁深い閉ざされた村、謎めいた儀式、そして起こる惨劇。こういう要素が大好きなら一気に取り込まれてしまうこと間違いなしのホラーです。
    冒頭からいきなり「津山三十人殺し」のような過去の事件が語られ、これだけでもうわくわく。そして期待にたがわず進む不穏すぎる物語。うわー、もうこういうの大好きとしか言いようがありません。ハイスピードでぐいぐい読まされました。「生まれ変わり」の伝説があることによる死生観の違いは、当事者にしてみれば穏やかにも思えるのかもしれませんが。部外者からしてみればとんでもなく不気味な部分もあって。主人公と村人たちとの温度差が実に切実に怖さを

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    2020年11月23日
  • お孵り

    購入済み

    好き

    土着信仰とか儀式、とか田舎のホラー、とか好きな人は好きだと思います。展開は読めると思います。楽しめましたよ。

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    2020年10月17日