滝川さりのレビュー一覧
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ネタバレ序章からゾクゾクっとなって怖かったです。第三章の話が特に印象に残りました。同時に考えさせられたこともありました。
復讐のために「ゆうすど」の本を使って呪いで人を殺すっていうことを小学生の青年が考えてしまうことには衝撃を受けました。「人を呪わば穴二つ」と言う諺も改めて学びました。
全体を読んで怖かったけど読んで良かったと思う作品でしたし、面白かったです。
ホラー小説に対する考え方が少し変わったかもしれません。作者は「確かにホラー小説は怖い。しかしこういったホラー小説を読んで読者はもっと強く生きろ」というメッセージを伝えたかったかもしれないですね。 -
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本を媒介にした呪い、マジで本読みとして嫌すぎる設定
勝手に読みすすめられて呪いが進行するの怖い。本を読むことになれているとだいたいあと何ページって言われると全体のどのあたりかというのは想像できると思うのだが、それが想像できてしまうがゆえに、もうすぐそこじゃん!となってしまう
連作式で話が進んでいくけど、ちょくちょく黒い栞のイラストがあってビクついてしまう。ひぃ!ってなった
最後まで結局この呪いの本がどこからきて、どこへゆくのかはわからないのだけど、本であることで自分のもとにもきてしまうのでは…という余地が残されているのがアイテムとしての使い方がうまいなあと思ったんであった
滝川さん、デビュー作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むと呪われてしまう角川ホラー文庫から刊行されているという『ゆうずど』。本を読んだ者にだけ黒い栞が見えて、勝手に栞が結末へと移動していく。と同時に不気味な女の霊が現れ、その者の結末(死因)を告げる……様々な年代の読者が呪いに恐れ慄き、結末に抗おうとする連作短編。
非常に恐ろしかったです。ある場面であまりにゾッとして読むのを中断してしまった位。久々でしたね、こんな読書。各章が人名になっていて、その主人公が『ゆうずど』に呪われ、なんとか逃れられないかと足掻く中で、『ゆうずど』のことが少しずつ明かされていく構成。とはいえ全部で四章で、プラス最終章として作者の滝川さりさんが『ゆうずど』を書いた経緯と -
Posted by ブクログ
良質なホラーミステリー。久しぶりにホラー小説でアタリの作品に出会えたぞ。
滝川さんの作品は初。前情報なし。最近B級系ばかり続いていたから今回もそのつもりで読んでたら、第二章からしっかりとしたミステリー要素が入っていてびっくりw ホラー小説に対してハードルが下がりまくっていたので、いい意味で裏切られました。
第三章の本を読まされる所の演出も良かった。ゾワッってなりました。当事者になったかのような新感覚を味わえました。オチもいい。
第四章のオチも残酷。これは嫌な死に方。
最終章の終わり方もいい。所々黒い栞が挟まっている演出も良かったです。
滝川さりさん初読みでしたが面白かった!他の作品も読んでみた