滝川さりのレビュー一覧
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夏なので、がっつりホラーを読んでみた。
どストレートに怖かった!!
「ゆうずど」という角川ホラー文庫発の作品に纏わる話。
しかしそんな本は角川から出版された事実がないという…
その本を一文字でも読むと、ゆうずどに呪われた末、亡くなってしまうという恐ろしい設定。
呪われたものには、体中が神で覆われていて、異常に足が細い「ゆうずど」が見え始め、次第に耳元で死に方を囁かれてるシーンは絶望感に押しつぶされそうでした。
呪われた登場人物達は呪いに対し色々と策を講じるのですが、結局呪いから逃れることはできず…
どの話もバッドエンドが過ぎます笑笑
ゆうずどに挟まれた黒い栞がどんどん進んでいく恐怖は、そのまま -
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「ゆうずど」、まさにその通りの言葉でした。
怨嗟?穢瘁?呪縛?どれも違う。時系列が異なる短編は、「ゆうずど」の呪いのヒントを置いている。
1 「ゆうずど」は手放すことができない
2 黒い栞の経過に伴い「ゆうずど」が近づく
3 本を読んだ人にだけしか「ゆうずど」は見えない
4 結末は「ゆうずど」が任意に変えられる
5 「ゆうずど」の示した結末前でも死ねる
発動条件は中身を見ること。
そこからは死ぬまで強制苦行。
なぜか親切に現れてくれる「ゆうずど」。
これ、何か気づきませんか?
そう。概念です。
概念には勝てません。つまり、ホラー界隈では「どんな呪いでも祓える」一方で「概念は摂理に住 -
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さて、この怖さをどこから語ればいいのかと迷う作品である。
どこまでがフィクションなのかが本当に疑わしい。
本作は、タイトルにもなっている「ゆうずど」という、1冊のホラー小説に纏わる作品。
この「ゆうずど」を読んだ者に襲いかかる、とんでもない「呪い」が描かれており、一つ一つの話にリアリティを感じる。
ただ、ここまで読めば「よくあるホラー小説」だと思われる方もいるかもしれない。
が、私は「あるページ」を見た瞬間、震えが止まらなくなった。
(さらには、夜に読んでしまったことを本当に後悔している)
この「あるページ」については、手に取って探して欲しい。
「ゆうずどの結末」の本当の恐ろしさに痺れそ -
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ネタバレ友人から呪われたかもしれない、と考える大学生の男性。本屋で、情報を得られそうな本を見つける。
タイトルは、「あかづめ」。
ー閉じ込めて窒息させて殺すー
その本は4章立てで、3章まではあかづめの呪いと関わった人達の話。
第1章は、離婚した後、母親の介護のために娘を連れて田舎に帰った女性の話。そこには、「窒息の家」と呼ばれ恐れられている廃墟があった。
第2章の主人公は、後輩たちと廃墟に肝試しに行った大学院生、友貴。一緒に行った後輩たちが次々に不審な"窒息死"を遂げてしまい‥。
第3章では、父親に死んで欲しい女子中学生が、教師から「ある呪い」を教えられる。それは、条件を満た -
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めちゃくちゃ面白かった。
青井克生の章分かりづらかったから勝手に整理する。
克生の祖父が30年前に知人から呪いの本を貰って土蔵に封印、
18年前、青井克生が6歳頃に青井父が土蔵内で地震に見舞われて偶然本を読んでしまい呪われて、そこから籠城戦(呪いの成立条件は妻と克生の死)
そして青井克生本人も同じく18年前に土蔵で偶然ゆうずどを読んで呪いを発動(呪いの成立条件は青井克生の妻と子供の死)
6歳だから妻と子供はまだ居ないし、だからめちゃくちゃ人生を賭けた長い呪いが発動したのか。
そんな牛歩で進行していく呪いのバリエーションは手前までの章では一切なかったから、読んだら割と短期間に決着がつくのかと思 -
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滝川さりさんの本は、ゆうずどの結末に続いて2冊目。ホラーはあまり期待しないで読むようにしているのですが、滝川さんの本は前作がとても良かったので期待して読み始めました。
最初から引き込まれて一気読み。流石の牽引力。やっぱり書き方が上手い!物語の構成や演出、登場人物の心理描写や風景の描写とか全て。そしてしっかり怖い。どの章も怖かった…。
エピローグでしっかり解説してくれるのでその点も親切。分かった上でもう一回読み返したくなるなあ。オチもいい。読後感は最悪だけど、ホラーはこうでなくてはと思ってしまう。他の作品も読んでみたくなりました。おすすめです。