午鳥志季のレビュー一覧
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膠原病は最近テレビなどでも取り上げられるようになり、少しは認知度が増えてきたように思います。そんな膠原病内科の医師、漆原光莉と医学生の戸島光一郎が接する患者達との物語の二巻目です。
相変わらず、診察以外は自堕落な漆原と、血嫌いの光一郎のコンビがいい仕事をしていました。治らないからこその治療に向き合う2人と患者や家族とのやりとり、そして緊迫した場面もあり、夢中になって、あっという間に読んでしまいました。
「医者は、本当の意味で患者と同じ目線にたつことは出来ない」
この漆原の言葉を聞いて、光一郎はまたひとつ進歩したように思いました。
私としては、激務の漆原先生の健康が心配です。患者のために何か出来ないかと考え行動する光一郎は、これから先どんな成長をしていくのか楽しみです。
続編が待ち遠しいです。
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医師でありながら小説家でもある9人の短編小説が詰まった作品でした。あんなに忙しそうなのに、いつ小説書いてるんだろうって不思議に思う凄い方々。
医師であるからこそのリアルな感じが伝わってきて、とても面白かったです。
特に空中テントは、認知症の家族を介護したことある人なら誰しも共感出来る部分がたくさんあると思いました。施設の入所は、家族を見捨てることではなく、プロがみてくれる安全な場所にいれるという考えが広がったらいいな。
私も主人公のお母さんにとても同情しました。介護する人は、自由が奪われて当然なのか、当事者じゃない人達から見捨ててるなんて文句言われる筋合いはほんとにない。文句を言うなら1週間でいいから、在宅での介護を経験してみたらいいと思う。どれだけ大変かはやったことのある人にしか分からない。
あとは救いたくない命も面白かったです。医療従事者であれば、色んな患者がくる。犯人であろうと、被害者であろうと、どんな人であろうと病院に来たら、全力で治療をしなければならない。そこに差別はあってはならないけれど、医療者も人間だから色んな考えが浮かぶよなと改めて考えさせられました。たくさんの人の命を奪った人を救うことは、正しいのか。でも真相解明のためには、犯人に生きててもらって動機を聞き、罪を償ってもらうのがいいような気もする。難しい問題だと思いました。
こんなにたくさんの医師が書いた作品をたくさん読めて楽しかったです。
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医師でありながら作家でもある方々の医療小説9編。
私の知っている作家さん以外にこんなに多くの医師作家さんがいることに驚きました。どれも医師であるだけに小説の内容は臨場感が溢れていて迫力がありました。
中山祐次郎さんの『救いたくない命』は救急で運ばれてきた患者が犠牲者15人以上を出した通り魔事件の犯人と知り、葛藤をしながらも必死に命を救う姿に京アニ事件を思い出しました。
南杏子さんの『空中テント』は家族の介護の経験がある人は共感出来るはず。
どれも本当に良い作品ばかり。若手医師の過酷な労働時間、医療ミスの隠蔽、不都合な論文を闇に葬る等、医療小説が好きな人なら興味のある内容ばかり。でも朝比奈秋さんの『魚類譚』はちょっとホラーぽくて異色でした。 -
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ネタバレ9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
1〈研修医ヒナノの洞察〉
上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
2〈魚類譚〉
封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
3〈パイナップルのある光景〉
同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
4〈救いたくない命〉
救急外来に運び込まれてきた瀕死の男はとんでもない犯罪者。しかも、手術助手を務める医師には憎むべき理由があった。救急救
命手術場面の描写がすごい
5〈春に綻ぶ〉
コロナ病棟で働く内科医の日常と苦悩をリアルに描く。苦闘の果てに主人公はかすかな希望を見出だす
6〈闇の論文〉
がんを見極める生検の際、傷ついた血管からがん細胞が侵入し、転移を招くことを証明した論文。これが世間に知れた場合の混乱を避けようと医療界の重鎮は論文を闇に葬る。現実世界ではどうなっているのか気になる
7〈言葉が消えるまえに〉
過去に同じ脳神経外科の医局員だった男の裏切りで医局を追放された主人公。そこへ、その男がグリオーマ患者としてやって来る。主人公のヒューマンな姿勢が光る
8〈空中テント〉
唯一、医師の視点ではなく、女性看護師を主人公にした作品。肉親が認知症になった時の介護を巡って、エゴむき出しの親族や主人公に訪れる修羅場、介護サービスを考えるまでの経緯がリアルに描かれる
9〈峠を越えてきた命〉
伊豆半島にある産科救急に特化した病院の若手医師が主人公。切迫早産の妊婦が救急車で揺られながら険しい天城峠を越えて病院に向う様子、待機して万全の体制を取る医療スタッフ、分娩室での対処の様子が実に生々しく描かれる。危険にさらされる新しい命を懸命に救おうとする産科スタッフの努力と救急隊との密接で的確な連携が読み手の心を打つ。秀逸で感動的な人間ドラマだ
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午鳥志季 プロフィール
1993年神奈川県生まれ、東京大学卒、内科医。第25回電撃小説大賞“最終選考作”『AGI‐アギ‐バーチャル少女は恋したい』(電撃文庫)にて作家デビュー
「医者にとって大切なのは、自分の力と責任を自覚することだ。なら、アレルギー・膠原病内科医に大事なのはなんだと思う」
「患者から逃げないことだ」
「自己免疫疾患は治らない。一度発症したらずっと外来に通い続けるんだ。私たちがちゃんと治療をすれば、完治はしないまでも寛解には持ち込める。逆に見当外れな治療をして病気を抑えられなかったら、患者の人生を破壊してしまう」
「膠原病内科は、患者の人生を背負う科なんだよ」
医者に一番必要なものとは? 現役医師が描く感動の医療ドラマ!
血が怖いという致命的ハンデを抱える医学生・戸島光一郎。落第にリーチが掛かった彼は、救済措置として人手不足のアレルギー・膠原病内科の手伝いを命じられる。
免疫が己の身体を傷付けてしまう難病患者を診療する、膠原病内科、通称アレコー。その外来医長・漆原光莉は、歯に衣着せぬ言動に加え、人として残念な面が多々あるものの、どんな些細な症状も見逃さない名医として大きな信頼を得ていた。そんな彼女の下で戸島は様々な患者と出会い、多くのものを学んでいく。 -
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ネタバレ2023/06/21予約3
現役のドクターが書いた本だとのこと。珍しい膠原病内科を取り上げたことがとても嬉しい。自分も20年近く通院している。専門のドクターも少ないのでもっと増えてほしい。
『自己免疫疾患は治らない。医者がちゃんと治療すれば完治はしなくても寛解に持ち込める。
逆に見当はずれの治療で患者の人生を破壊する。
膠原病内科は患者の人生を背負う科だ。』
このように考えて診察してくれるドクターにぜひ診てほしい。
『医学部では死に行く人にどう接するか、なんて教えてもらわなかった。』
本当にこの分野、医学部で学ぶべきではないのか。
緩和ケアだけに任せるものでもないだろうし。
確かに膠原病は似た症状の別の病気が多いのだろう。
戸島が幼なじみの式崎京を全身性エリテマトーデスだと思い込む。実は別の病気だった。
毎回開けるのが血を見ただけで倒れる戸島。無事に医師免許を取れるといいけど。