あらすじ
この春大学を卒業し研修医となった志葉一樹。過酷な労働環境に辟易していた彼は、難病で入院中の女子高生・湊遥の自殺を思い留まらせたことをきっかけに、彼女と打ち解ける。しかし手術は失敗し、遥は死亡してしまう。
ところが志葉が目を覚ますと、日付が手術の前日に戻っていた! 遥を救うために奮闘する志葉。だが何度繰り返しても遥の死は防げない。絶望的なループの中で志葉が見出した真実とは? 現役医師が医療現場の現実と“希望”を描いた感動の医療ドラマ!
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Posted by ブクログ
誰かを救うために必死に奮闘する研修医の姿に心打たれました。医学部を目指している私とって心に残る作品になりました。医療系を目指す方、ぜひ読んで頂きたいです。
Posted by ブクログ
単なるタイプリープものかと思いきや、途中からガラリと空気感が変わったり、医療の裏側の部分を扱ったりと一言では語りきれない内容に意外で面白かったです。
主人公は、研修医の志葉。最初は過酷な医療現場に辟易していたが、その状況下で、ある患者を担当している。湊遥。高校生で難病を抱えていて、近日中に手術を控えている。主治医は名医で、難なく成功するかと思いきや、手術は失敗し、亡くなることに。その直後、志葉は激しい頭痛に襲われ、目覚めてみると手術日の前日に。わけも分からないまま、その後は死亡しては戻り、死亡しては戻りの繰り返し。果たしてこのタイムリープから脱出できるのか?
作者は現役の医師ということで、医療に関する言葉や現場での臨場感が経験者だからこそ描ける雰囲気を醸し出していました。
ストーリーとしては、今後原因を見つけて、ハイ救えました!と単純な想像で読んでいたのですが、原因が分かった瞬間、急にSFからミステリーに変わったので、自分の中の雰囲気がガラリと変わりました。油断していました。
他にも医療が抱える問題や世間と現場との思想の違いなど社会問題にも扱っていて、グッと奥行き感が増していました。
また、主人公の心理描写も楽しめました。最初嫌々だった医者の仕事が、段々とタイムリープを重ねるごとに患者を救いたい思いが強くなります。連鎖を脱出したいだけでなく、それ以上に遥を何が何でも救いたい思いが伝わってきて、心が揺れました。それを通り越してのラストは、感動を誘いました。医療現場での「現実」は変わらないけれども、医者として頑張る姿に応援したくなりました。