矢島暁子のレビュー一覧

  • プリズム

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    4人の男女の恋愛物語。読者は4人の内面を受け取ることで、本音でぶつかっているのか、建前で恋愛しているのかよく分からない展開に興が乗る。どこにでもあるような恋愛のようでも個人の性格や気持ちの動きは異なる。だからこそ人は恋で悩んだり、恋バナで盛り上がったり、人の恋愛にちょっかいを出したりするのだろう。それが人の営みであるかのように。胸がキリキリ痛むことはないが、少しの不幸や少し明るい未来を感じられる小説である。

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    2023年05月13日
  • プリズム

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    ネタバレ

    「アーモンド」、「三十の反撃」のソン・ウォンピョンさんの恋愛小説。四人の男女の心を繊細に描写している。イェジン、父親が子牛を売ったお金で買ってくれた大きなプレゼントボックスに入っていたピラミッドの形の三角プリズム、それを一番気に入っていた。光を虹にかえる魔法のおもちゃ。でも棚の上に置き忘れたそれを見つけて取るときに取り落とし、足の甲に落ちた時の痛さと脚についたひっかき傷。美しすぎるものはいつか傷を残すのか…。ランチタイムの休憩に外でコーヒーを飲んでいてよく見かける人がドウォンだった。ただそれだけだったのだが…。ドウォンの携帯にスミンのメッセージがもう九通目。返信がほしいというメッセージだ。ドウ

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    2023年04月14日
  • プリズム

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    表現が美しくうまく言語化出来ない気持ちを表してくれていた。
    恋愛中にしか感じることのない感情を思い出させてくれる良い本だった。

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    2023年02月23日
  • プリズム

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    4人の男女の季節と共にゆらめき移ろいゆく関係性を、繊細に、けれど明快に描き上げた作品です。

    それぞれの持つ個性、抱えていた過去、今も持つ秘密。それらが、芽生えた恋情を後押ししたり、邪魔をしたり影響させていく。「とにかく好きだから」でなんとかなった(かもしれない)十代ではない彼らは、だからこその選択をして、それは新たな悲しみや傷も生んでしまう。

    けれど、確実に未来へは進んでいく。
    そのうちに、受けた傷もいつか未来の日向にかざせばプリズムのように美しく光る、自分の糧になるのかもしれないと、ささやかに思わせてくれる温かみのある物語でした。

    簡潔だけれど柔らかな比喩や言い回しが巧い訳文が今回もと

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    2022年12月29日
  • プリズム

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    ソウルで働く4人の男女の恋愛模様の1年間。夏から始まって次の夏までに、簡単に言ってしまえば出会いや別れ、愛と友情などの記録なのだが、その揺れ動く心の中をとてもよく表現されていて、うまくいくのかどうか結果も気になりつつ、うまくいってもそうでなくても面白かった。
    ただ、彼らが好きかと言うと、誰も好きではなかったのが、少し残念です。

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    2022年10月14日
  • アーモンド

    購入済み

    「コンビニ人間」を想起させる

    「共感能力の低い主人公」と「"普通"を理解しつつ、そうは振る舞えない社会不適合者」との交流は村田沙耶香著「コンビニ人間」を想起させる。作者のソンウォンピョンが「コンビニ人間」の作者と同世代の同性であることも興味を引く。

     日本の「コンビニ人間」は、ああいった結末で芥川龍之介賞を受賞したわけだが、韓国の「アーモンド」はどういう結末を用意しているのか?

     純文学と、エンタメ小説との違いがあるから、どちらがどうとは言えないが、私はコンビニ人間の終わり方が好きだった。ただ、この本のような終わり方を好む人も多いだろうなとは思う。

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    2020年07月27日
  • ビスケット

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    ネタバレ

    読みやすい。自分の存在感や自尊心のなさ、独りよがりさに悩んだことがある人には高確率で刺さるお話だと思う。

    聴覚過敏で生きづらさを感じていて、そのせいで起こるトラブルの経緯に両親や大人は耳を傾けてくれず諦めムードの主人公。でもその耳のおかげで、存在感が希薄で人に気づいてもらえない・見えなくなってしまうビスケットに気づき助けようとする。ただ同時にやり返したい感情が抑えられず、ビスケット化の原因に嫌がらせ的な事もする。実はそれは、自身がいない存在になることを恐れ、存在を示すためやっているんだと、ある作戦に協力してくれた掃除のおばちゃんの「自分だけが正しいと思っていると悪い人になってしまう」というひ

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    2026年03月28日
  • ビスケット

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    ポケットのなかには
    ビスケットがひとつ
    ポケットをたたくと
    ビスケットはふたつ♪

    もひとつたたくと
    ビスケットはみっつ
    たたいてみるたび
    ビスケットはふえる♪


    ってあかんあかん!
    増やしたらあかん!
    粉々にしたらあかん!

    存在感を失い、誰からも相手にされなくなった人を「ビスケット」という
    ビスケットのように壊れやすいのが彼らの特徴だ
    もろくて、すぐに欠け、小さな衝撃でも粉々に砕けてしまう
    そうしてビスケットは目に見えない存在となり、自分だけの世界に孤立していく


    ビスケットの状態は三段階に区分される

    第一段階は半分に割れた状態
    見えないわけではないが、存在感があまり感じられない

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    2026年03月17日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    おもしろくて、中盤くらいから一気に読みました。韓国とのカントリーギャップもあるし、読みにくいかと思ったけれど、全然そんなこともありません。感情の表現ができないユンジェと、親と生き別れて不良となったゴニ。クリスマスの日に母と祖母が暴漢に襲われ、母は植物状態、祖母は亡くなります。そこから、ゴニに出会うわけですが、ゴニがユンジェを変えようと、ユンジェがゴニを救おうとするやり取りに目が離せませんでした。人は遠い不幸は他人事で、近い不幸も恐怖により何もできない。ならば、感情なんていらない。良い読書ができました。

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    2026年03月14日
  • 殺したい子

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    さらりと読める。ミステリーと言うよりも、ヤング・アダルト向けかな。若い。夏休みの課題図書にいいのでは?もう、こういうのにとらわれる年齢ではないのがさみしいねぇ笑

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    2026年02月06日
  • アーモンド

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    感情を感じられない主人公が見ている情景描写だけで進んでいくストーリー、文章が新鮮で面白かった。

    ゴニやドラがけっこう独特な人たちだったり、ユンジェを取り巻く環境がちょっとドラマチックすぎた気はする、読んでいる間フィクション感は強めだった。(小説はそもそもそうなのだけど。)

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    2026年01月30日
  • アーモンド

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    どんなことも、何度も繰り返してると意味がなくなるものなのよ。初めのうちはだんだん意味がはっきりしてくるように思えるけれど、しばらく経つとそれが変わっていったり色褪せたりしてくるの。そして最後には、意味が消えてしまうのよ。真っ白に


    例えば、こうやって君と私が向かい合って座って、しゃべってるみたいなこと。一緒に何かを食べたり、考えを共有すること。金のやり取りなしにお互いのために時間を使うこと。そういうのを親しいって言うんだ

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    2026年01月24日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    生まれつき感情を持たないユンジェのことを悪く言うとき、人は「サイコパス」と言う。けれど、いわゆるフツーの人の罪とは言えない行動の中に「サイコパス」的な無関心さと残酷さを感じる。無実の級友を疑っておいて誰一人自分は悪くないと言ったクラスメイト、地球のどこかで起こっている戦争のニュースを聞き流す人、目の前でおきた事件を傍観する人。
    人の心の中にある無関心と非共感は、生まれつき扁桃体が小さくて特別なユンジュとなんら変わらないんだなと思った。

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    2025年12月14日
  • ビスケット

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    ビスケットとは、周りの人から無視され続け他人から見えなくなってしまった人の事。高校生のジェソンは聴覚過敏で入院を繰り返しているが、他人には見えていないビスケットの姿が見える。
    ジェソンの叔母さんの家の上の部屋には、ビスケットの子どもが隠されているらしい。それに気づいたジェソンは、幼なじみといっしょにビスケット救出作戦を実行する。

    ビスケットという存在が、突飛でありながらも、現実の世界にまったくないとは言えないところがミソかも。奇想天外でありながらも、ちょっと考えさせられてしまう。

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    2025年12月10日
  • アーモンド

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    扁桃体が小さい故に失感情症の青年が主人公の物語。
    一人称の心理描写がほとんどなく、感情移入・共感の余地なし。そこが良い。

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    2025年11月19日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    扁桃体(アーモンド)が人より小さく感情を感じることができない 16才の高校生ユンジェの喪失と再生、そして成長の物語。
    感情を感じない主人公が周りの人々と関わりを持つなかで少しずつ感情らしきものが芽生える。特に、激しい感情を持つ少年ゴニとの出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく。残酷さの裏には愛がある…韓国文学特有なよい物語でした〜


    「ばあちゃん、どうしてみんな僕のこと変だって言うの」
    「人っていうのは、自分と違う人間が許せないもんなんだよ」
    扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
    そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通

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    2025年10月17日
  • ビスケット

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    ジェソンには存在感が無くなって人から見つけられない人を見つける能力がある。そんな風になってしまった人をビスケットと呼ぶ。誰からも自分の存在を気にされず、自分でも小さくなっていたら本当に姿が見えなくなってくるのだ。存在が時々薄くなっていく第一段階。時々そこにいたんだねと気付かれる状態だ。姿かたちが薄っすらとしてきて、気を付けないと見えない時がある第二段階。そして本当に誰からも見えなくなる第三段階。第二段階になった女の子を何とか元に戻そうとジェソンと幼稚園からの幼馴染のヒョジンとドクワンの三人組が活躍する。「見えない誰かがあなたの側で泣いている。」

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    2025年10月14日
  • ビスケット

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    タイトルの“ビスケット”とは、なんぞや?と思ってページをめくると、次のように定義づけられていました。

    「世の中には、自分を守る力を失ってほとんど他人に目に見えなくなってしまった人たちがいる。何らかの理由で存在感が消え、誰からも相手にされなくなった人」

    主人公ジェソンは、男子高校生。聴覚過敏があります。何でもかんでも音を取り込んでしまうと、毎日がへとへとだと思います。そんな彼には特別な配慮が必要なのに、なぜか両親の対応は今ひとつ。家庭において寂しさを抱えています。

    心に形があるなら、彼の心を取り出すと繊細なガラス細工のようで、ちょっと触れるとパリンと割れてしまいそう。

    そんな彼が“ビスケ

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    2025年10月09日
  • ビスケット

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    ネタバレ

    めっちゃよかったー!とは思わなかったけど面白かった。
    3人組のバランスがとても良かった。こんな友達がいたら楽しいだろうなと思うし、この人たちがいたら、見つかったビスケットたちは安泰と言える。実際そうだったけど。

    ビスケットかぁ。
    存在感が消えちゃう時は、もしかすると誰にでもあるのかなぁ。
    わたし自身にはその時間は必要だった。
    自分の意識を徹底的に内向きにする時間。

    だけど問題は、子供たちがそうなったとして、自力で出てくる強さを、育つ過程で身につけてもらえているかどうかなんだよな。

    そのまま消えちゃう人も、大人でもいっぱいいそうな気がする。

    途中から説明の部分はすっ飛ばしてしまった。

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    2025年09月15日
  • ビスケット

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    いろんな理由から世界から消えかかっている脆くて壊れそうな人。ビスケット化現象。ビスケットが見える少年を主人公としたYA小説。ビスケットになりたくなる時もあるかもしれない。

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    2025年09月15日