矢島暁子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトルの“ビスケット”とは、なんぞや?と思ってページをめくると、次のように定義づけられていました。
「世の中には、自分を守る力を失ってほとんど他人に目に見えなくなってしまった人たちがいる。何らかの理由で存在感が消え、誰からも相手にされなくなった人」
主人公ジェソンは、男子高校生。聴覚過敏があります。何でもかんでも音を取り込んでしまうと、毎日がへとへとだと思います。そんな彼には特別な配慮が必要なのに、なぜか両親の対応は今ひとつ。家庭において寂しさを抱えています。
心に形があるなら、彼の心を取り出すと繊細なガラス細工のようで、ちょっと触れるとパリンと割れてしまいそう。
そんな彼が“ビスケット”を助けようと奮闘する姿が健気で、彼自身の心の叫びも感じられて辛かったです。自己肯定感を持てない少年が、何とか自分の存在意義を見出そうとしているようにも思えました。
学歴社会やいじめのことも、韓国と日本は似たりよったりだと感じます。小学校高学年から中学の間、“昨日の友達が、明日の敵”みたいなことがありました。女子の場合は特に、友達関係がほんの些細なことで変わるので、恐ろしい。
家庭が心安らぐ場所であるの一番だけれど、それが無理なときどうしたらいいか?学校は?地域は?
子どもであれ大人であれ、気持ちを許せる存在は必要で、それが人であるのが一番なのだけれど、物でも植物でも動物でも。
自分のことを最後の最後まで、見捨てずに生きていきたいと思います。そして周りの人の気持ちの変化に気づける、寄り添える自分でありたい。
思春期の子が本書を読めば、何かしら心に響くことは確かで、大人が読んでも、ふと立ち止まって自分のこと、周囲のことを見つめられるような気がしました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ予防線を張って最初から言い訳を作る。失敗するともともとうまくいくと思わなかったことにする。気にいらない結果にヤキモキする。そんな中年が啓発書を読みはじめたとき、悪手だ、読み手が求めてることより難解で複雑で単純すぎる、明快に書いてあることが叶う世の中ではないのにと思った。そして彼は理想を見ていた。理想的で優しい社会を夢見てしまった。それで儲かることはないと思う事業に手を出し、事業者としての経験も足らず失敗。教えてもらったこと、目の前のことを感じるという些細なことができなかった。まあ人生はそんなものだし、もっとこうすればいいのにと意見を言える立場に私はいない。ただ現実を知り、現実を見て、周りの人を幸せにしてからじゃないと何も見えないはずだ。先づ隗より始めよということだ。