矢島暁子のレビュー一覧

  • アーモンド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    感情が分からない&表現できない少年がいかに生きていくか…。ユンジェの周辺、若干物騒過ぎませんか?!と思ったけれど、極端に不安を煽ってくるわけでもなく、それらも淡々として伝わってきました。

    『僕の頭の中のアーモンドは、どこかが壊れているみたいなのだ。刺激が与えられても赤信号がうまく灯らない。だから僕は、周りの人たちがどうして笑うのか、泣くのかよく分からない。喜びも悲しみも、愛も恐怖も、僕にはほとんど感じられないのだ。感情という単語も、僕にはただ実感の伴わない文字の組み合わせに過ぎない。』

    韓国文学を読んだのは初めてでしたが、日本語訳が素晴らしいものあって、読みやすかったです。

    2025.4

    0
    2025年10月25日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    ある出会いをきっかけに、各人の心の中に愛と孤独と後悔が吹き荒れる。自身の不甲斐なさに打ちひしがれつつも、向き合えず目を背けてきたことに仕舞いをつけて少しずつ進んでいく様子が丁寧に描かれている。移ろう季節の描写もまた美しい。

    0
    2025年04月04日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    愛や恋の気付きに触れられる作品。
    この作者の季節の表現はとても繊細で好きです。
    まるで登場人物たちと一緒の空間にいるような気持ちで読めるくらい。

    人を好きになることやそれを伝えて結ばれやがて終わりを迎えてしまう恋愛の儚さがそれぞれの視点で読める点が面白い
    大人同士の恋愛ならではのすれ違う男女がリアルに描かれていて、少女漫画のようなキラキラとは違うけどなぜか憧れてしまうもどかしい恋愛模様だった。ホゲとイェジンの今後が気になる。
    アーモンドや30の反撃とはまた違う柔らかいストーリーだった

    あとがきにあるコロナ禍のことをあえて描かないという選択は大正解
    マスクがないからこそ輝く物語。
    コロナ禍か

    0
    2025年03月06日
  • TUBE(チューブ)

    Posted by ブクログ

    この本は、アーモンドの作者からの中年男性への贈り物。失敗してもまた始めればいい…。事業に失敗ばかりして、とうとう家族にも見放され、漢江に飛び込んで死のうと思ったキム・ソンゴン・アンドレアは、自殺の名所の大橋の上に立っていた。そして今回の自殺からからくも現世に後戻りをしたのは、あまりにも寒い漢江に吹く風だった。

    0
    2025年01月19日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    大人の恋愛、って紹介があったけど、確かに好きって気持ちだけでは前に進めない、それ以外の理由を作らないと関係構築できない不自由さが、大人というか歳を重ねた人たちの恋愛、という感じがした。

    空気感がすきな作品。

    2025.1.11
    9

    0
    2025年01月11日
  • TUBE(チューブ)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人生を意味づけることはできない。もし意味づけられるとすれば、一時的なものでしか無い。長期的な人生では誰にもどうなるのか分からない。
    だから、今日も明日も頑張ろうと思う

    0
    2024年10月13日
  • TUBE(チューブ)

    Posted by ブクログ

    冴えない中年男性のキム・ソンゴンは何もかも上手くいかず命を絶とうとするがそれすらも失敗。そんな彼がある日、過去の自分の写真を見て小さなことから自分を変えていこうと奮闘が始まる。

    藁プロジェクトという発想は面白かった。
    タイトルの意味は読んでいると分かって気持ちが高まるが、盛り上がりがったところでまた落としてくるところや登場人物の人物像にリアリティがある。
    帯文に書いてある心温まる物語ではないと思ったが、失敗と成功、喜びと挫折を繰り返すのが人生で一筋縄ではいかないけど僅かな希望も感じ、著者は世知辛さをユーモアを交えて書くのが上手いから軽やかに楽しく読めた。

    0
    2024年09月10日
  • TUBE(チューブ)

    Posted by ブクログ

     何事もコツコツができない主人公、ある男との出会いをきっかけに生まれ変わろうとする。
     主人公へのある男のアドバイス、
    「仕事をしているときは、仕事をやること以外のことを考えない。」
    これって名言だと思う。仕事をするとき、何でこんなことを、、、とか何で私が、、、。と考えながらやるとホントにめんどくさくなるときがある。
    でも、無心にやれば、精神的には疲れない。こういう考え方のクセをつければと思ったが、なかなか難儀で、すぐ雑念がよぎってくる。1冊の本でこれほど影響を受けたのは、最近なかったので新鮮だった。

    0
    2024年09月04日
  • TUBE(チューブ)

    Posted by ブクログ

    50歳で事業に失敗し、金も家族も失ったキム・ソンゴン・アンドレアの再生への道のりを描いた作品。
    プロローグで入水自殺をしようとする彼だが、2年前にも同じ漢江で自殺を企てようとしていた。彼の転落人生が具体的に書かれているわけではないが、「一言で言えば、めちゃくちゃだった。」そうだ。それでも自殺を思いとどまり、日銭を稼ぐための仕事をする気力はあるのだから、まだ幸運なのかもしれない。そんな彼の日々の行いが実を結び、やがて成功への道が開けるのだが……。
    若かった頃の自分に戻りたい気持ちは痛いほどわかる(-_-;)。

    0
    2024年08月25日
  • 殺したい子

    Posted by ブクログ

    国は違えど世論が形成されていく過程は同じだ。
    人間は信じたい真実を信じる。
    それ以外のものは排除する。
    自分はどんな真実を期待して、この本を読み進めただろうか。

    またこの著者には、他人の印象を変えることなんて簡単なのだ、と言われているような気がした。
    章が変わるたびに登場人物への印象が変わる。
    これも作者の想定通り、ということだろう。

    0
    2024年08月17日
  • アーモンド

    匿名

    購入済み

    初っ端で衝撃的な展開で、一瞬置いてけぼりになったけど翻訳?がすごく丁寧で、普段小説読まない人でも読みやすいと思います。今の時代にもあってる。

    #怖い #タメになる #深い

    0
    2024年07月20日
  • 殺したい子

    Posted by ブクログ

    いろんな人の意見が沢山出てくる度に、「真実」とは何なのかをすごく考えさせられた。

    信じることの意味を深く考えさせる1冊で、非常に読み応えのある作品だった。

    0
    2024年07月19日
  • 殺したい子

    Posted by ブクログ

    語り手によって、被害者、容疑者の一面がどんどん暴かれていき見方が変わる。手が止まらなくなり一気読みした。

    0
    2024年07月19日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    この作者の特徴なのか、韓国の小説一般に共通している特徴なのかわからないけれど、登場人物たちが自分の気持ちを相手に伝える言葉がわかりやすい。人間関係はわりと複雑だが、自分自身の気持ちの向き合い方がストレートで、相手にも上手く伝えられているから(不器用で上手く伝えられないときもあるけれど)、読んでいてもやもやせず面白い。

    0
    2023年11月29日
  • 殺したい子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ある日ソウンという女子高校生が殺害された。容疑者は彼女の親友とされるジュヨン。
    クラスメイトや、塾の先生など様々な人の証言、ジュヨンと弁護士の対話などを通して物語が進んでいく。
    ある人は彼女たちが奴隷と主人のような関係であったといい、ジュヨンがソウンをいじめていたと証言する人もいる。ジュヨンはお金持ちでソウンは貧しい家庭。ジョウンの激情的な面も作中を通して語られ、世間はジュヨンがソウンを殺したのだという意見を強めていく。
    しかしジュヨン本人はたしかにソウンを親友だと思っていて、好意を持っていた。ジュヨンは絶対に自分はソウンを殺していないはず。でも殺していないと断言することが出来ない。当時の記憶

    0
    2023年11月03日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    それぞれ恋愛をしている4人の心の中を写した作品。恋愛はタイミングか、運命か。好きな人への嫉妬心から心を吐き出してしまい、深く周りを傷つけてしまう。自分の気持ちを抑えても苦しい、気持ちを伝えても、辛い結果になることもある。
    このあと、4人の恋模様はどう変わるのか、20年後の彼らをみてみたい。

    0
    2023年09月04日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    ソン•ウォンピョンさん4冊目。今回も表現が美しいなぁと思った。4人の中では、ジェインに感情移入したかな。後半イェジンにはイライラ。ドウォンも好きになれなかった。大人って色々抱えていて、一筋縄ではいかなくて、面倒だね。私も大概な大人だけど。あと、この本を読んで、私は恋愛小説あんまり好きじゃないことに気付いた

    0
    2023年05月19日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    4人の男女の恋愛物語。読者は4人の内面を受け取ることで、本音でぶつかっているのか、建前で恋愛しているのかよく分からない展開に興が乗る。どこにでもあるような恋愛のようでも個人の性格や気持ちの動きは異なる。だからこそ人は恋で悩んだり、恋バナで盛り上がったり、人の恋愛にちょっかいを出したりするのだろう。それが人の営みであるかのように。胸がキリキリ痛むことはないが、少しの不幸や少し明るい未来を感じられる小説である。

    0
    2023年05月13日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「アーモンド」、「三十の反撃」のソン・ウォンピョンさんの恋愛小説。四人の男女の心を繊細に描写している。イェジン、父親が子牛を売ったお金で買ってくれた大きなプレゼントボックスに入っていたピラミッドの形の三角プリズム、それを一番気に入っていた。光を虹にかえる魔法のおもちゃ。でも棚の上に置き忘れたそれを見つけて取るときに取り落とし、足の甲に落ちた時の痛さと脚についたひっかき傷。美しすぎるものはいつか傷を残すのか…。ランチタイムの休憩に外でコーヒーを飲んでいてよく見かける人がドウォンだった。ただそれだけだったのだが…。ドウォンの携帯にスミンのメッセージがもう九通目。返信がほしいというメッセージだ。ドウ

    0
    2023年04月14日
  • プリズム

    Posted by ブクログ

    表現が美しくうまく言語化出来ない気持ちを表してくれていた。
    恋愛中にしか感じることのない感情を思い出させてくれる良い本だった。

    0
    2023年02月23日