矢島暁子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公は生まれつき偏桃体が小さく、怒りや恐怖を感じることができない16歳の男子高校生ユンジェ。通りがかりに袋叩きにあっている少年を見ても、無差別通り魔事件に巻き込まれ、目の前で祖母を殺されても、何も感じることがなく、自分自身が殴られ蹴られた時でさえ、痛みこそ覚えどそれ以上の感情はない。そんなユンジェを周りは異常者扱いする。母は、ユンジェの障がいを他人に知られないための独自教育をユンジェにするが、通り魔事件で植物状態となってしまう。唯一、祖母だけが「可愛い怪物」と呼んでユンジェのそのままを受け入れてくれていた。
通り魔事件によって独りぼっちとなってしまったユンジェだったが、母が営んでいた古書店の -
ネタバレ 購入済み
話題のヤングアダルト……ということで読むのを後回しにしていたが読み出すと止まらず、遅読な私には珍しくあっという間に読了。感情を理解出来ないという主人公の語り口が淡々としており、不必要な描写がなく、結果的にかなり読みやすく仕上がっている。
いやあ……海外文学を読んでいると度々遭遇する理不尽な暴力に、誰も彼もがぶち当たって、そのたびに涙が溢れて止まらなかった。主人公は愛が理解出来ないというが、母や祖母の愛でもってよほど人間らしく育っていると思う。
偶々愛情と疎遠になってしまったゴニが周囲の人々によって怪物になろうとするのはどうにも痛々しく、悲しい。よくある事なんだけど、本来はとても素直な子供が環