矢島暁子のレビュー一覧

  • アーモンド

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    ネタバレ

    物語の終盤で「感情を取り戻すかもしれない」示唆が出てくる構成は、少しきれいすぎるし、
    物語として“回収”されすぎているようにも感じる。
    でも、それを予感として提示するだけで、
    完全に説明しきらないところは、この作品の良心だとも思った。

    語り口が一貫して淡々としているのも良かった。
    泣かせようとしないし、
    感情移入を強要しない。

    この本を読む前私は
    「共感って意味あるのかな」という疑問を持っていた。

    人はそれぞれ違う世界を生きていて、
    不幸に見える人が不幸とは限らないし、
    無口な人にも、豊かな内面世界がある。

    それを知ってしまうと、
    手を取り合って生きること、分かり合うこと、
    共感し合う

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    2025年12月15日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    誰かに愛され、そして愛した。「愛」っていいなと実感した本

    内容は、感情が生まれつき乏しい少年ユンジェの話。良かった所としては感情が豊かで持ちたくなかったと思う問題児ゴニとの対比がとてもいいなって思ったし、2人の友情がよかった。
    1度、刺されて「感情がないユンジェ」は死んだけど目を覚ました時は「感情のあるユンジェ」に生まれ変わったのかなと読んでて思った。

    あと個人的な話だけどこの後に「ライ麦畑でつかまえて」を読む予定だったから話にでてきて「え!」となった。少し楽しみが増えた笑

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    2025年12月04日
  • アーモンド

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    愛を持って生きていきたい、誰かを惜しまず愛したいと感じる作品だった。

    実際に感情を持ちにくい人などは、ソン・ユンジェのように誰かと関わりたいと思うことがないかもしれないけれど、誰かに愛されたり、愛を伝えられたりしたらいいなと思った。

    著者が映画にも関わる人だと知って、文章がより映像的に頭に浮かんでくることに納得した。

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    2025年11月28日
  • アーモンド

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    2020年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位作品
    当時話題になっていた作品でしたが、読まず嫌いで放置していました。もっと早く読んでおけばよかったと、今更後悔してます。
    これは一気読みでした。とても良かった。
    読んでいる間の自分の顔、どうなってたんだろう?
    感情の置き場がむずかしくて、素直に読めばいいだけなのに、どうしても気持ちが入ってしまう。そんな作品です。
    こんなにも愛おしい物語って、そう多くないと思う。
    人は誰かしらから愛されていて、誰かに触れられることで、ようやく“自分”が輪郭を持つ。
    登場人物それぞれの存在が、それを静かに、深く教えてくれる。
    読んでいて何度も胸が締め付けられる。気づけば突

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    2025年11月26日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    物語が面白く、一日で読み切ってしまうほどぐいぐい読めた。

    主人公・ユンジュは感情がない。感情に大切な脳の偏桃体(アーモンド)が小さいから、らしい。
    そのため淡泊な描写で主人公の幼少期から学生までの成長の過程を描いていく。
    ゴニが蝶を苛めるシーンは読んでいてつらかった。主人公となかよくしたいだけなのに、うまくいかない。
    ゴニは愛をもらったことがないから、そういったコミュニケーションしかできないのだ。
    最後はやや駆け足であり、ある種のご都合主義感が否めなかったが、そういうラストであってもいいか、と思えるほどには彼らの幸せを祈って読めていた。

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    2025年11月19日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    脳の扁桃体が小さく感情が分からない少年ユンジェと、怒りと暴力の塊のようなゴニ。
    二人が出会い、対話を重ね成長していく話。
    文章が読みやすく、ユンジェの行く末も気になってあっという間に読み終えてしまった。

    ユンジェの淡々と現実を受け止める姿は全くおかしくはなく、むしろ素直で微笑ましいし、シム博士とのやり取りでは知性も感じられてすごく好感が持てる。
    その真っ直ぐさがあるからこそ、ゴニのことも偏見なく受け入れることができた。
    一方、その無表情や無反応ゆえ人からは「怪物」と言われるユンジェ。
    彼を何とかしようとする母の気持ちも痛い程わかる。
    「平凡」「普通」であることがある意味めちゃくちゃ尊いってい

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    2025年11月06日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    ユンジェとゴニ…真っ直ぐすぎる愛でお互いが成長していく姿が…何ていうんだろう…それこそ運命の出会うべくして出会えた2人だったんだなと思った。
    ゴニはいい子だと思う。やりたくないような蝶の出来事とか、ユンジェのために教えようとしていたし、それも自分が傷つき?(辛い思いし)ながら。
    最後はそれぞれの想像にお任せだけど、ゴニもきっとユンジェに再開して、2人はこれからも大切な友達同士として生きていくんだろうなと思ってる。

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    2025年10月01日
  • ビスケット

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    虐待等受けた子供達が人の目から見えなくなる。
    すごくわかりやすい描写だった。
    話の展開も早く興味深く読めました。

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    2025年09月30日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    ずっと読みたかった本。
    思った以上に読みやすかった。
    感情がわからない主人公が、これは恋?という異変を見つけたところで感動してしまった。

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    2025年09月23日
  • アーモンド

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    表紙の少年の顔から、冷徹で暴力的な主人公なんだろうなと感じ、読み始めた。
    冒頭からささやかに暮らす家族の不幸が描かれていくけど、失感情症ながら観察力が鋭くて、読書家で、自らを切り開いていく力のある子だと感じた。でも最終的に人を変える力があるのはやっぱり人なんだと思わせてくれる作品だった。主人公はみんなの深い愛情で変わっていくけどゴニだって、ドラだって、ユン教授だって主人公によって変わって行けたから。

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    2025年09月21日
  • ビスケット

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    韓国の小説デビュー
    韓国の名前に慣れていないので、男性女性もよくわかんないし、これ誰?的に前に戻ることもあるけど、文句無しにいい小説です

    自分の存在意義がわからなくなると、他人からは見えなくなるというのはある意味衝撃でした
    是非本を手にとって、読み進めてほしいです

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    2025年08月21日
  • ビスケット

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    自分がまず自分を肯定すること。そして、誰かの、のばしてくれる、その手をつかむこと。

    結局、誰かのために動くこと、動いてしまう衝動が、真の人間らしさなのだろう。こんな人がひとりでも多くいる社会であるといいなと思う。

    イラストがとてもいい。読み終わったあと、さらに魅力が増しました!

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    2025年08月18日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    韓国作家さんの作品を初めて読んだ。
    泣いてしまいました。ゴニは良い子です。に。あと最後のゴニの手紙に。
    ゴニに泣かされてるな私。
    感情に振り回される事が多々ある中で、感情が無くなれば人生楽なのにと思った事があるけれど、他者と共感が出来なくなるという事は孤独な事。
    でも感情が無ければ孤独という事も哀しくはないわけで。
    ただこの作品を読んで、恐怖心が無くなるのは生きてはいけないのだなと。
    ゴニが蝶々の羽を掴んで、それじゃダメだその痛みを自分のことのように感じないとみたいなことを言った時に、あー最近簡単に人に危害を加える犯罪者達はこの感覚がないんだろうなと。
    最後本人生きてて母も目覚めてちょっとうま

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    2025年08月12日
  • アーモンド

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    100文字感想
    ユンジェが生きていて、素敵な人たちに囲まれていて良かった。
    人と人が違うのは誰もが同じで、そこを結ぶのは結局は「愛」。
    簡単に語られる、どんな形の、どんな大きさの愛だって、
    育むのは容易ではないんだろう。

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    2025年08月04日
  • アーモンド

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    ソン・ウォンピョンの才能に、ただただ惚れ惚れしながら読んだ。
    とにかくテンポが良く、ユンジェの世界が可視化されるように読み進めてしまった。
    感情のないユンジェの世界は、ネット社会で生きる私たちの環境と何ら変わりないと筆者は表現したかったのだと思う。そのモノクロの世界から恥肉臭のゴニに共感を覚えた瞬間、読む速度がヒートアップした。もっと共感したい。そういう欲求が読書で心が走った。

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    2025年07月27日
  • ビスケット

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    ネタバレ

    私自身、「自分の存在感はないのではないか」と日々、悩みながら生きている。
    そんな時に、書店で見つけました。
    表紙に、「自分は存在感がない」と感じたことのあるすべての人へと書いてあった言葉に惹かれ、読んだ作品です。

    この話を読みながら誰もが、ビスケットになる可能性があると感じた。

    無視や仲間はずれにされたら、自信をなくし、存在感がなくなってしまう。
    (=これが、この本でいうところの"ビスケット"の状態)

    現代の「生きづらい社会」に生きている私たちは、共感できる部分も多くあるように思う。

    「存在感のない人なんていない。
    誰もがこの世界にとって大切な人だ。」
    ということを

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    2025年07月23日
  • アーモンド

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    韓国作品に初めて触れた小説でした。文化の違いから読みにくそうな印象がありましたが、かなり読み易く驚きました。なぜタイトルがアーモンドであのインパクトのあるイラストなのかすごく納得がいきました。
    どうすることもできない苦い状況をうまく表現し、いつのまにか本の中に惹き込まれていました。読み終わった後はどこか優しい余韻に浸れる不思議な感覚になりました。
    SFが好きなので韓国SF作品も読んでみようと思います。

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    2025年07月22日
  • アーモンド

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    感情を持てない主人公の成長を描く物語。
    感情を持ってないー、非行少年と思われているーいわゆる足りていないと思われている人こそ、意外と人として大事なものを持っているのかもしれない…。人として1番大切なものって何だろうと考えさせられる。良い作品だった。

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    2025年07月08日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    ずしっと重たい
    どこか傷を負った、傷つけられてきた人たちの
    というかみんな何かしら傷を負ってて
    傷ついてて。
    それに抗おうとしたり受け入れてみたり
    目を背けてみたり諦めたり。
    それでもどこかで誰かと繋がっていたいと思う。
    無謀なことだけど、確かに、何よりも大事な繋がりがあることを知っている。
    誰にも邪魔されない確かなものが
    そこにある。

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    2025年06月29日
  • TUBE(チューブ)

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    失敗を繰り返し自死を試みたおじさんが人生を取り戻そうとする話

    下手な自己啓発本よりよっぽど自分を変えたくなる

    ぴったりはまるパートナーとの出会いは大きいんだろうな

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    2025年05月09日