あらすじ
<h2>韓国で共感の嵐!</h2>
「自分は存在感がない」と
感じたことのある
すべての人へ贈る1冊です。
十代の投票により出版され、全世代に反響!
2024年韓国の全図書館の司書が選ぶ「今年の1冊」に選定!
世の中には誰からも相手にされなくなり、
存在感が消えて、
目に見えなくなってしまった人たちがいる。
ぼくには、
彼ら「ビスケット」が見える。
存在感を失い、誰にも気づかれずに生きる“ビスケット”。
壊れやすく、かすかな音や気配だけを残して、ひっそりと息をひそめている。
過敏な聴覚を使ってビスケットを見つけられる少年・ジェソン。
ある日、かすかな気配を感じ取り仲間たちと救出作戦を開始するが……。
見えない存在との不思議な交流と冒険の物語。
韓国ウィズダム・ハウス社 第1回ファンタジー文学賞・青少年分野大賞受賞
<審査にあたった十代の声>
☆ いつ自分の存在感が薄くなってしまうかわからない現代社会で、傷ついた人たちに慰めと希望のメッセージを伝えている。イ・チェユン、ナヌ中学校
☆ 私の周りにもきっとビスケットはいる。ビスケットを見つけ出して話を聞いてくれる人、その存在をみんなに気付かせてくれる人が、現実にもいたらいいなと思った。キム・ジンソ、金海中央女子高等学校
☆ 消えてしまいそうになっている子を、簡単に崩れてしまうビスケットと表現しているのが面白いと思った。彼らに差し出す小さな手が大きな力になることがあると気付かせてくれる本だった。ワン・ソヒョン、大田ハギ中学校
☆ 自分と自分の周囲の人たちに関心を持つことの大切さを教えてくれた。イス、ハンシン小学校
☆ 誰でもビスケットの段階を一度は経験するのかもしれない。
ビスケットを救い出す奮闘に、私も一緒に自分の中の自尊心を呼び起こしてもらった。ヤン・ヒョンジ、チャンアン中学校
☆ 存在感について悩むことが多い私たち若い世代の力になってくれる本。ハン・アヒョン、ヨッコク中学校
☆ どこにでもいそうな主人公と友人たち。後半、私もビスケットを助け出すヒーローになったような気分で、本から手が離せなかった。チョン・スアン、ソハ高等学校
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
韓国の小説。
タイトルのビスケットの意味は存在感を消した人間に、主人公の少年がつけた呼び名。いじめられたり、虐待し続けられると、被害者は、自分に注意か向かないように存在を消すようになる。
韓国でもきっといじめや虐待の問題は、深刻なんだろう。今まで読んだことのない設定の物語だった。
Posted by ブクログ
ラジオのニュース・情報番組で韓国文学特集を聞いて、そのあとたまたま本屋で見かけたので購入した。
訳者の言う通り取り上げてるテーマは古くて新しいが、自分が若かった頃との世代の違いや、国の違いによってどれだけ違和感や新感覚があるかと読み進めた。
ネタバレになりそうなので多くは書かないけど、若い世代の方には特にオススメしたいな。
Posted by ブクログ
新しい形の青春小説、と言うと大袈裟だろうか。これが滅法面白い。爽快という言葉がピタッとハマって外れないのだ。
壊れやすくてすぐに砕けてしまうビスケット。
社会的弱者の事をそう呼ぶアイディアがとても面白い。
本作は純粋すぎるのかもしれないが、その純粋さにこそ胸が激しく撃たれた。先行きが不透明な世界だからこそ突っ走るしかないのではないか? そんな言葉は欠片も出てこないがそんな風に言われた気がした。単に青春小説なだけでなく、クリフハンガーなどもあって楽しませる趣向、物語の芯の強さを感じた。
Posted by ブクログ
韓国の小説デビュー
韓国の名前に慣れていないので、男性女性もよくわかんないし、これ誰?的に前に戻ることもあるけど、文句無しにいい小説です
自分の存在意義がわからなくなると、他人からは見えなくなるというのはある意味衝撃でした
是非本を手にとって、読み進めてほしいです
Posted by ブクログ
自分がまず自分を肯定すること。そして、誰かの、のばしてくれる、その手をつかむこと。
結局、誰かのために動くこと、動いてしまう衝動が、真の人間らしさなのだろう。こんな人がひとりでも多くいる社会であるといいなと思う。
イラストがとてもいい。読み終わったあと、さらに魅力が増しました!
Posted by ブクログ
私自身、「自分の存在感はないのではないか」と日々、悩みながら生きている。
そんな時に、書店で見つけました。
表紙に、「自分は存在感がない」と感じたことのあるすべての人へと書いてあった言葉に惹かれ、読んだ作品です。
この話を読みながら誰もが、ビスケットになる可能性があると感じた。
無視や仲間はずれにされたら、自信をなくし、存在感がなくなってしまう。
(=これが、この本でいうところの"ビスケット"の状態)
現代の「生きづらい社会」に生きている私たちは、共感できる部分も多くあるように思う。
「存在感のない人なんていない。
誰もがこの世界にとって大切な人だ。」
ということを改めて認識する作品。
韓国文学だが、かなり読みやすかった。
是非、おすすめの作品です!
Posted by ブクログ
ジェソンには存在感が無くなって人から見つけられない人を見つける能力がある。そんな風になってしまった人をビスケットと呼ぶ。誰からも自分の存在を気にされず、自分でも小さくなっていたら本当に姿が見えなくなってくるのだ。存在が時々薄くなっていく第一段階。時々そこにいたんだねと気付かれる状態だ。姿かたちが薄っすらとしてきて、気を付けないと見えない時がある第二段階。そして本当に誰からも見えなくなる第三段階。第二段階になった女の子を何とか元に戻そうとジェソンと幼稚園からの幼馴染のヒョジンとドクワンの三人組が活躍する。「見えない誰かがあなたの側で泣いている。」
Posted by ブクログ
タイトルの“ビスケット”とは、なんぞや?と思ってページをめくると、次のように定義づけられていました。
「世の中には、自分を守る力を失ってほとんど他人に目に見えなくなってしまった人たちがいる。何らかの理由で存在感が消え、誰からも相手にされなくなった人」
主人公ジェソンは、男子高校生。聴覚過敏があります。何でもかんでも音を取り込んでしまうと、毎日がへとへとだと思います。そんな彼には特別な配慮が必要なのに、なぜか両親の対応は今ひとつ。家庭において寂しさを抱えています。
心に形があるなら、彼の心を取り出すと繊細なガラス細工のようで、ちょっと触れるとパリンと割れてしまいそう。
そんな彼が“ビスケット”を助けようと奮闘する姿が健気で、彼自身の心の叫びも感じられて辛かったです。自己肯定感を持てない少年が、何とか自分の存在意義を見出そうとしているようにも思えました。
学歴社会やいじめのことも、韓国と日本は似たりよったりだと感じます。小学校高学年から中学の間、“昨日の友達が、明日の敵”みたいなことがありました。女子の場合は特に、友達関係がほんの些細なことで変わるので、恐ろしい。
家庭が心安らぐ場所であるの一番だけれど、それが無理なときどうしたらいいか?学校は?地域は?
子どもであれ大人であれ、気持ちを許せる存在は必要で、それが人であるのが一番なのだけれど、物でも植物でも動物でも。
自分のことを最後の最後まで、見捨てずに生きていきたいと思います。そして周りの人の気持ちの変化に気づける、寄り添える自分でありたい。
思春期の子が本書を読めば、何かしら心に響くことは確かで、大人が読んでも、ふと立ち止まって自分のこと、周囲のことを見つめられるような気がしました。
Posted by ブクログ
めっちゃよかったー!とは思わなかったけど面白かった。
3人組のバランスがとても良かった。こんな友達がいたら楽しいだろうなと思うし、この人たちがいたら、見つかったビスケットたちは安泰と言える。実際そうだったけど。
ビスケットかぁ。
存在感が消えちゃう時は、もしかすると誰にでもあるのかなぁ。
わたし自身にはその時間は必要だった。
自分の意識を徹底的に内向きにする時間。
だけど問題は、子供たちがそうなったとして、自力で出てくる強さを、育つ過程で身につけてもらえているかどうかなんだよな。
そのまま消えちゃう人も、大人でもいっぱいいそうな気がする。
途中から説明の部分はすっ飛ばしてしまった。
夢中で読めるほどにはわたしには刺さらなかった。
けど韓国のヤングアダルトは好き。
Posted by ブクログ
いろんな理由から世界から消えかかっている脆くて壊れそうな人。ビスケット化現象。ビスケットが見える少年を主人公としたYA小説。ビスケットになりたくなる時もあるかもしれない。
Posted by ブクログ
誰しもあるんじゃないかなぁ
存在感が薄いという言葉で流されていた時代もありましたが、今はそんな軽い言葉ではなくなってきているように感じますね
誰からも相手にされず、存在感が消えて、目に見えなくなってしまった人たち…「ビスケット」
少し力を入れると、ボロボロと簡単に崩れてしまう彼ら…
そんなビスケットが見えるのは自分だけ?
どうすれば、そこにビスケットがいるのを伝えられるのか…