野宮有のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説なり漫画なり、その作品を連想させる事件が起きたとして、果たしてその作品を生み出した作者に責任があるのかという話は、凶悪事件の犯人が何かしらのオタクだったときによく取り上げられる話題かと思う。
この物語は、それに対する一つの答え……正確に言うと、実際に模倣されてしまったこの作者が出した解答の物語である。
それが一般論かどうかはおいておく。
あくまで、拝島礼一という作者が出した答えである。
まあ次から次へと事件が起きるし、常に犯人がその上を行く形なので、どうなるんだと手に汗握って読んだ。
手掛かりに近付いたと思ったら、合間を擦り抜けて先に行ってしまうもどかしさというか。
それでも進んでいくのが先生であり、彼のファンであり相棒である新米記者なのである。
途中コンビ解消かと思う危機はあったけれども。
実行犯が分かってやれやれと思っていたのも束の間、本当の黒幕の登場で最後まで飽きさせない展開だった。
個人的には意外な人物による、実にどうでもいい理由からの殺人だったので、別の意味で驚いたが。
あれだけの人数かけた割に、しょっぼい理由!
それで殺された側も操られた側もたまったものではない。
ただ頭は凄く切れる人だったので、その人をどうやって追い詰めるのか、先生の禁じ手な展開にご期待あれ。 -
Posted by ブクログ
身も蓋もないことをいうと「相棒が美少女でヒロインがティーンエイジャーになったされ竜」。
ギャングやマフィアや殺し屋がドンパチやってる裏社会ものが好きなので、世界観に惹かれてまずは電撃文庫の公式で試し読み。
その時から違和感もとい既視感がすごかったんですが……あれ、これされ竜……?
キャラクターの会話のセンスやテンポに地の文から、とにかく既視感が強い。主人公の一人称が「俺」でニヒルな性格ということで、名前を隠して文章の一部だけ抜粋されたら、浅井ラボが書いたと思ってしまいそうです。
異能と現代の先端技術(インターネットやCDショップなど)が混在する世界観も似てるんですが……
作者はされ竜を読んで育った世代なんだろうと思いました。
20年近く前の小説ですし、もちろん「そんなの知らねェよ!」って可能性もありますが、され竜既読の読者が読むとデジャビュが凄くて、似てる分優劣を付けてしまいます。
ぶっちゃけ邪道な読み方なんで、前知識なしで超好みだった!楽しかった!って人が正しいと思います。変な先入観ナシで堪能できるならそれが一番です。
内容は娼婦や麻薬、マフィアやギャングがのさばる背徳の街が舞台の異能アクションなんで、成田良悟のそっち系作品が好きな人は波長合いそうです。 -
Posted by ブクログ
ビジネススキル×殺し屋稼業! 裏社会の出世レース、営業テクニックと軽妙なテンポで切り開く娯楽犯罪ミステリー
■あらすじ
殺人を請け負う会社の営業マンである鳥井。彼は次々と営業成績を上げ、裏の世界で順調に売上を伸ばしていた。しかしある日、上位組織である暴力団〈巣ヶ谷一家〉の鷹見に拉致されてしまう。
今後も殺し屋稼業を続けるためには、彼よりも〈巣ヶ谷一家〉に貢献しなければならない。果たして鳥井は、殺し屋の出世レースに勝つことができるのか…?
■きっと読みたくなるレビュー
営業スキルで殺し屋業界を切り開いていくというトンデモ犯罪小説の第二弾。今回はタイトル『殺し屋の出世術』にもあるとおり "出世" がキーワードです。いわゆる暴力団の世界で、どうやってに出世していくのかってのが本作のメインストーリーになります。
まず本作の強みは、ビジネススキルと裏社会を掛け合わせながら物語が展開するところですよね~。今回 "出世" がテーマですから。経営だったり、教育だったり、さらに一歩進んだビジネススキルが組み込まれているのです。
もちろん現実にはありえないんだけど、営業マン鳥井が語ると妙にリアリティがあっておもろい。個人的に大好きだったのは社内営業に対する考え方ですね。私もサラリーマンだからよくわかる、表社会でも全然あること。上の立場に行けば行くほど政治力や諜報力がものを言い始めるのは同じですね。
そして今回のライバルはヤクザの鷹見。彼とは殺し屋稼業の社長の座を争うことになる。鷹見というキャラクターが分かりやすくていいんだよね~、これぞ極道って感じ、野心の塊で極悪非道なんすよ。
また彼につく戦闘員の翼もクールでカッコイイ、この二人は映像で観たくなりますね! 彼らとのアクションシーンは健在、やるかやられるかのヒリヒリしたシーンも読みごたえがありました。
果たして、彼に勝つことができるのでしょうか? これがまたプロットが二転三転、色んな登場人物が思いもよらないことをしてくるから油断ならないんですよ。かなりのエンタメ度に仕上がってるから、楽しく読み進めることができますよ。
まだまだ続きそうですよね、次はどんなビジネススキルが展開されるのか期待しちゃいます!
■ぜっさん推しポイント
毎日会社に行っては同じような作業の繰り返し、上司や顧客には頭を下げ続ける。少しでも給料をあげるためには出世や転職をするしかなく、休みの日はビジネススキルをあげるための勉強に時間を使う。
仕事をテーマにした小説って、こんな風にネガティブな背景で語ることが多いと思うんだけど、本作はポジティブなのがいいですよね。営業スキルという現実感のあるネタを、こんなにもコミカルにアレンジできるのは才能だと思いました。楽しませていただきました!