野宮有のレビュー一覧
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『殺し屋の営業術』を読み終えたが、一気読みしてしまうほど最高にエキサイティングな一冊だった。真面目な営業マンが殺し屋の営業に転職し、無慈悲で賢いライバル女と命がけの知恵比べを繰り広げる設定からして面白い。だが何より痺れたのは、主人公自身も実はどこか冷酷で病的な部分を秘めている点だ。まともな倫理観を超えた者同士の騙し合いが、物語の緊迫感を一気に跳ね上げている。
また、脇を固めるキャラクターたちの絶妙なバランスが、この作品のエンタメ性をさらに高めている。アホで暴力的な上司や、「そこそこの殺し屋、おじいちゃん、引きこもり」という一見頼りない凸凹な仲間たち。ライバル側の精鋭に比べると心もとない彼らが -
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殺人がビジネスとして成立しているとしたら、そのビジネスには営業という行為が必要であろう、という着眼がいっちゃってます。確かにゴルゴ13ぐらいになるとひっきりなしに依頼はあるのでしょうが、殺しが発注で行われるなら受注を作る働きかけがあるかも…そして競合する存在もあるかも…PLみたいな年間の予算もあるかも…なるほど!と思った段階でもうこの作者のペースに巻き込まれてしまっていました。異常な設定と普通のビジネスノウハウのマリアージュに振り回され、次から次に出てくるダークかつコミカルなキャラクターたちに引き込まれ、なんとも言えないブラックでシニカルなユーモアとテンポを楽しみながら一気読みです。そうそう、
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営業成績第1位の凄腕営業マン・鳥井が、偶然目撃した殺人現場をきっかけに、殺し屋たちと関わることになる物語。命を狙われる状況の中、彼が武器にするのは暴力ではなく、相手の心理を読み切る“営業術”。2026年本屋大賞第6位、第71回江戸川乱歩賞受賞作。
面白かった。まず、営業マンが口で殺し屋を翻弄するという設定が秀逸だった。普通なら、殺し屋側がどこか間抜けな立ち位置になり、コメディ寄りになってしまいそうな構図だと思う。けれど本作はそうならない。殺し屋たちはきちんと“仕事ができるプロ”として描かれている。だからこそ、鳥井が言葉だけで相手の思考や行動をずらしていく場面に、しっかりした緊張感がある。
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ネタバレ「営業術」を具体例(殺人の依頼)を交えて解説してくれるビジネス書としても、非常に優秀な一冊。
いわゆる「お仕事小説」の枠にも入れてもいい気がするほど、中身は「営業術」というビジネス書の要素も色濃く出ている。
殺人を請け負うプロの世界で、一般的な「営業」のノウハウがどう転用されているのか。
そして、心理術や人身掌握術がどのように展開していくのかを、サスペンスのハラハラ感と一緒に味わうことができる。
実用書としての学びと、エンタメとしてのスリル。この2つが絶妙なバランスで完璧に融合している、非常にユニークで貴重な作品。
営業術としての学びもあるし、実践できそうなテクニックも随所に散りばめ -
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ネタバレ殺し屋の営業術は、営業マンだった主人公が、ある出来事をきっかけに“殺し屋”へ転身していく物語。
作中には実践的な営業テクニックや心理誘導の描写が数多く登場し、「営業」という仕事の本質を別の角度から見せてくれるのが印象的だった。
特に気になったのは、“鳥”のモチーフが繰り返し使われている点。主人公の苗字が「鳥井」であることに加え、他の登場人物の名前にも鳥に関する要素が含まれており、さらに主人公自身も鳥を飼っている。営業トークの中でも鳥が例えとして使われていて、単なる偶然ではなく、物語全体のテーマや主人公の内面を象徴しているように感じた。
また、主人公は殺し屋として生きる中で、それまで見ないふ -
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ネタバレ3年後の5月に直径1.2kmの小惑星が地球に衝突する。
人類滅亡の危機が発表されてから2年が過ぎた夏休み。最後になるかもしれない夏を生きる少年少女たちの物語を描いた連作短編。
タイトルの”どうせ、”がすごく意味を持つ内容だった。高度に発達した文化かつまだたくさん人が生きている現代にありながら、どうせもうすぐ世界は終わるという絶望が横たわっている終末モノ。そんな中を生きる普通の高校生たちがどのようなことを思って行動するのか。どの短編でも”どうせ”世界は終わるのだからやっても無駄だという思考から、前を向く人たちに触れるうちに”どうせ”終わるなら、最後にやってやろう!みたいに前を向けるようになってい -
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ネタバレ小惑星の衝突で人類が滅亡する未来が迫る最後の夏に長崎の高校に通う5組の高校生たちの5篇の青春物語。
いやあ、この設定が絶妙に上手い。
そんな状況に追い込まれた時、人はどんなことを考えどう生きようとするのかをいろんなパターンで見せてくれる。
もう次の夏は来ないかも知れないのに部活を頑張る幼馴染の少女に夢を諦め劣等感に苛まれる少年。
ゲームセンターで気になっていた少女に思い切って話しかけ勝負を挑む少年。
転校してきた暗い少女がなぜか気になってよせば良いのに彼女に近づこうとする少女。
彼氏がいるのに自分だけ地球の裏側に逃げることを気に病む少女。
映研部長の少女に弱みを握られ映画作りを無理矢理手伝 -
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ネタバレライトめな終末ものSF風味が交じった,高校生たちによる青春・恋愛劇。
かつ連作短編形式での群像劇ということで,自分の好みの要素がこれでもかというくらい,ふんだんに詰め込まれていた作品。
それは当然のように熱中して読んでしまうし,大好きですわなという感じでしたw
刊行自体は去年(2023年)末のようですが,今年(2024年)読んだ小説の中では,今のところ1番面白かったし,自分の好みに合致しているなと感じました。
電撃文庫の作品を最後まで読み切ったのなんて,ひょっとしたら20年近くぶりなんじゃないか?というくらいには遠ざかってしまっていたのですが,やはり自分の思春期の根幹を形成してくれたレー