松井玲奈のレビュー一覧
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前作の「カモフラージュ」が好みだったので!プロポーズを受けた女性、パパ活をしている女性など、色んな顔を持つ女性が「生きている」のを感じる小説でした。帯には「恋愛小説集」とありましたが、恋愛という枠には当てはまらない感情と関係性と向き合う物語でした。
全体を通してずっとどこか薄暗くて、でも温かさはきちんとあって、不思議な気持ちになりつつ読み進めました。中盤で、なるほど!となる展開もあり、人間って色んな面があるよなぁと多角的な視点で見られるお話でした。ただ、最後がちょっとドラマチック過ぎるというか、今までの流れを踏まえると綺麗過ぎたなと感じましたが、今作も面白かったです…! -
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わー乾くるみのような、なんだろラストのオチがヒェーってのがおおいホラーに近い短編です。
雑誌か何かでおススメされてて読んだんだけど、表現力が凄まじい。なんかウキウキするなぁーとか眠いなぁをものすごいいろんな表現で表してて、しかも、それがなんというのか、言葉で表せない感覚が言葉でぴったり表せてる!!!!!!この感じ!
すご!!!!!!!
こんな風に日々の出来事綴れたら、私の日記も面白くなるのになぁ。と、思わずにはいられないほどの表現力で、
あとがきに、アイドル歌手で、俳優で、っていうのを見て、
え!この人!まさか!AKBの松井玲奈!?
ってあとがきで気がついて、今の今まで芸能人が書 -
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7編からなる短編集。
恋愛あり、ホラーあり、ヒューマンあり…盛りだくさんの7つの物語の共通点は自分の中の自分。
誰かが知る誰かには誰も知らない誰かが潜んでいる。いつもは影を潜めてる誰かもふとした瞬間に表に現れたり、ジッと耐えていたり…それは、誰もが持っている二面性という自分。
まさにカモフラージュ。
日常においても偽りの自分を繕いすぎると、どん詰まる。人目を気にしすぎたり、誰かの普通や常識に縛られたり、理想の自分を演じすぎたり…その先に待ち受けるのは幸せか。
カモフラージュの呪縛から解き放たれた時、フェイクではない自分と出会えるのかも知れない。
自分の中のカモフラージュのこと…ふと考えてしま -
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「
食」をテーマに、ほっこりしたお話から少し不思議なお話まで集めた短編集。生きていく上で、どうしても切ることが出来ない食と、それを絡めた人間模様が幅広い作風で書かれていて、1編ずつなるほど!と思いながら読みました。
空間の隙間の描写が上手く、かつ松井さんだから紡げた表現をいくつか感じて、読み進めていくのが楽しかったです。個人的に、全体的にどこか無機質っぽい冷たさがある空気感を感じましたが、悲しさなどをただ感じる冷たさではなく、温かさがあるからこそ浮き彫りになる冷たさだと思えたので、もっと他のお話も読みたくなりました。2作目から3作目の変化が良く、ダレずに読めたのも良かったです。 -
Posted by ブクログ
2021年、10冊目は、女優(アイドル?)、松井玲奈のデビュー短編集の文庫化。七編収録。
今回は、一言感想を添えて。
ハンドメイド:コレは合わなかった。端々に面白い表現あるも、「突出した何か」を感じられず。
ジャム:初期、遠藤徹的設定のホラー、ダークファンタジー的一編。
いとうちゃん:コレは、大好物。テンポも、会話回しも、ラスト、「ソッチかい‼️」のツッコミ展開も。
完熟:フェチもの。目覚めにあたる、前半は好みのタイプ。その分、尻すぼみ感も。
リアルタイム・インテンション:オーラスは好きな終わり方。ソコまでの流れは……。
拭っても。拭っても:違和感の正体は、そぅいうコトだったのね -
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歌にドラマに活躍するアイドルが書いた短編小説集。不倫をしている若い女性が弁当を持って会社に出勤するところから、2人の会話に胸キュンとする物語りなのだが、何となく不安定な感じを醸し出している点が凄いと思った。若い男子が主人公のお話も。メイド喫茶で働く自分の可愛い姿を想像して上京し働き始めた少女の話。夫が桃を食べる姿に異常に関心を持つというちょっとサイコな夫婦のお話。いわゆるユーチューバーのような3人の25歳男性たち。潔癖症の男性に振られたという30歳過ぎの女性のお話。この著者が間違いなく未経験の領域の物語りの数々には敬服する。AKB48時代から目がキラキラ光っていた賢そうな子だった!