柳田國男のレビュー一覧
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背伸びして岩波文庫の原書から読まなくて良かった。これが率直な感想です。
今月末に遠野に旅行しようと思いたち、実は通読したことがなかった遠野物語に手を伸ばしました。
昔話といえば、遠野。そのくらい有名と思っていましたが、あまり読んだことがある人は多くないようです。
実際読んでみると、あれ?聞いたことがあるなと言う話がいくつも登場します。座敷童子の話、死んだ妻があの世で別の旦那さんを見つけている話。
人の皮をかぶった山姥の話なんかは、私が好きなマンガ、「うしおととら」そのままです。
明治時代に書かれながらも、こうした異郷の物語、異形の話の根底になっているのですね。アメリカではクトゥルフ神話という -
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民俗学に造詣の深いミステリ作家の京極夏彦が、柳田國男の『遠野物語』を再構成した作品です。
現代の文章で書きなおされた本書を通して原作の魅力に触れることができるという意味では、評価されてよいのではないかと思います。
解説を担当しているのは民俗学者の赤坂憲雄で、民俗学と文学の境界を侵犯する『遠野物語』のテクストに秘められた現代的な可能性が本書によって解放されることになったと述べられています。もちろん民俗学的な想像力をミステリに引き入れるという仕事は、著者や三津田信三、佐藤友哉らによっておこなわれており、さらに山岸凉子の少女マンガなども同様の試みとみなすこともできると思いますが、そうした方向から -
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京極夏彦が遠野物語を現代語訳(と言うと少し大げさな気もするが)するだけでなく、序も含めて順番を大幅に入れ替えてまさにRemixしている。もとの遠野物語も佐々木鏡石の語りを柳田が語り直しているようなものなので二重の語り直しであると。
原典に沿って淡々と訳している箇所もあれば、怪異譚の性格が強いような章は、原典にはない心理描写を思い切って盛り込んで小説風になっている。京極の他の作品は読んだことないのだが、なるほどと思わせる独特の文体。
風邪で熱に軽くうなされつつ読むのにちょうど好適であったか。柳田はまさに同時代のことだと強調しているが、いくら田舎でも明治も終わりの時代にどこまでこれらの話が真剣 -
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日本民族学の大家の4人の作品集
南方熊楠・柳田國男・折口信夫・宮本常一
南方熊楠は、『神社合祀に関する意見』
各地の神社が廃止されていくことに強い危機感を
もって意見書として書いてあるもの。神社をはじめ
日本における宗教的施設の役割や重要さ、もしくは
それが亡くなってしまう場合の民族として失う
ものを体系だてて整理して書かれてある。
少し難解ではありますが、とても趣のある内容で
あると思います。
柳田國男は民族史や古代からの日本の成り立ちに
ついての考え方や意見、考察がのべられている。
『海上の道』『根の国の話』『何をきていたか』
『酒ののみようの変遷』
折口信夫は、『死者の書』貴族の生活と仏