清水勝彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦略の実行について語られている本
そして、その実行の根っこはコミュニケーションとのこと
本書はとても共感できる!
戦略を立てても、実行できなければ何にもならない
その実行がどれだけ難しいかはビジネスマンなら、そうそうって思うはず。
戦略の実行には、理論ではなく、コミュニケーション。
それも、情報の伝達ではなく、意味や価値観の共有がポイント。
結果、合意はしないけれど、納得して全力を尽くす状態を作り出す。そのために、情熱、想いをもって伝えること。
といった内容でした。
戦略実行の失敗の原因が語られていますが、これが耳の痛い話ばかり(笑)
最後、組織の実行力を測る10の質問
1.あなたは、相手が話を聞かないのは自分の責任だと思っているか?
2.あなたは、会社のビジョンを「絵」に描けるか?
3.あなたは、Planにどれだけの資源をかけているか知っているか?
4.あなたは、Checkをした「つもり」になっていないか?
5.あなたは、制度を作って「できた」と思っていないか?
6.「成功」と「失敗」の二元法で様々なことが語られていないか?
7.あなたは、「和気あいあい」が「コミュニケーションがよい」ことであると思っていないか?
8.「根負け」したり、させられた経験を、社員がもっているか?
9.あなたは、現場での「発見」を奨励しているか?
10.あなたは、「コミュニケーション」に効率性ばかりを求めていないか?
とても良書です。
繰り返し読みたい本です -
Posted by ブクログ
会社に限らず、何らかの組織にかかわると必ずといっていいほど出会う「なんでこうなの?」という疑問の数々。
それらに対して、様々な書物や論文と著者の経験を交えて、論点を提示してくれる一冊。
各トピックに対して、読者が自分で考え行動するための素材やその探し場所を紹介する構成になっている。
自己啓発本などのように“答え”を教えてくれるわけではないため、それを期待して読むことはおすすめしない。
自分の関わる組織の課題に関して着想を得たり、そのためのレファレンス集として使ったりするのに有用と思われる。
なお、すでにこの世にある論点の紹介となるため、それらを知っているor気づいている人にとっては、気づきを得るというより自分の考え方を補強するものとなるだろう。 -
Posted by ブクログ
慶應ビジネススクールの清水先生によるある種の「経営(学)談義」。世界の著名な経営学者や経営者による著書や論文の中から、実際の会社経営の本質や矛盾、違和感、不思議を紐解く内容になっていて、内容は比較的専門的だと思うが楽しく読める。取り扱われているテーマは、人材教育、グローバル化、リーダーシップ、取締役、組織的コミュニケーションなど20個。タイトルにある通り、合理的であるはずの会社経営に理不尽なことが多いのはなぜか、それをわかっていながら正せないのはなぜかなど、膝を打つものばかり。「何億円の失敗よりタクシー代にうるさい」「なぜ愛は急速に失われる?」などなど。これを苦笑いで終わらせるのではなく、自分の行動にも生かしたい。
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Posted by ブクログ
組織におけるリーダーの役割を掘り下げていく。
キーワードは「あたりまえ」。
わかっていて当然、言うまでもないようなことでも、実は人によって「あたりまえ」のレベルが異なっている。
「あたりまえ」だと思っているから思考停止に陥る。
そして、本当の「あたりまえ」を見落としてしまっているかもしれない。
豊富な引用を元に、ハッと思わされる事例が次から次へと展開され、読み物として面白い。
話題は多岐にわたるが、実は同じことを違う側面から語っているところが多く、相互に関連し合っている。
ポイントをまとめてみよう。
まず、合理性・正論では人を動かすことはできない。
言葉ではなく、その背景にある気持ち・感情・高揚感、言い換えれば「ビジョン」「価値観」が共有されなければ人は動かない。
そして、目的や価値観が受け手に理解されなければコミュニケーションは本当の意味で成立しない。
表層的なコミュニケーションにとどまり、正論と正論がぶつかりあって対話が成立していないのではないか?
組織のメンバーがお互いに関心を持ち、自分の弱さを曝け出し、反対意見を言っても聞いてもらえるという信頼感を抱いていなければ、よい組織にはなれない。
一般論に頼ったり、専門家の意見に任せたり、周囲に合わせたりしていれば楽。
だが、楽をした瞬間に潜在力は失われる。
一般論に逃げずに、自らをよく知ること、メンバーが何を思っているのか、兆しに気づく観察力がリーダーには求められる。
人が成長するのは、成功の味を経験すること、「面白い」「はまった」という経験を通じて。
そのような経験をするチャンスを与え、「失敗しても諦めない自信」をメンバーに育むことこそリーダーがやるべきこと。
リーダー自信に「やりたい」という気持ちが根本になければならない。
責任体制や報酬体系などの制度の整備を、「やりたい」気持ちがないことの体のいい隠れ蓑にしてしまってはいないか?
先日、日本を代表する総合商社の副社長を務めた人物の講演を聴く機会があったのだが、この本で語られている内容と重なるところも多かった。
本書の中で宮崎駿の口癖が紹介されている。
「大事なことって、だいたい面倒くさい」
ビジョンや価値観をメンバーに響くまで伝え続け、価値観の異なるメンバーとも対話を通じてその違いを克服し、メンバーをよく観察し、成功を味わえるようなチャンスを与える。
一般論・正論に頼らずに地道な取り組みをやり続ける。
確かに「面倒くさい」。
が、リーダーとはそういうものなのだろう。 -
Posted by ブクログ
●社員に危機感を伝えるためには。
「船をつくるなら、材木の切り方や鉋のかけ方を教える前に、海への情熱を伝えよ」
自分がこの会社をどうしたいか、自分がやりがいを持って充実した仕事をしている姿をイメージできるか、経営者が社員と将来像を共有できているかどうか、問題の本質はそんなところにある。
●新規事業のアイデア
あったらいいなとなくてもいいなは紙一重。
あったら便利だろうと思えるようなサービスはあまり成功しない。
ゴールドラッシュで儲けた人は金鉱掘りではなく、ツルハシ商人。
●リーダーシップ
任せると放任は違う。
任せたから勝手にやれではなく、陰ながら見守る態度がリーダーに必要。
放任は罪悪。
リーダーは自然体(増田弥生)
KBS 組織マネジメント 中間テスト
「自分の勝ちは何か」を自らに問いかけることが大事。
起業家が必ず聞かれるのが、市場があるのかではなく、なぜ君たちでなくてはならないのかという指摘。
ファシリテーターの役割は会議を仕切ることではなく、参加者全てが会議の結論について自分たちが出した結論だと納得し自らその結論にコミットできるような会議にすること。会議において、なるべく自分自身の姿が見えないほうがいい。影が薄ければ薄いほど成功だと思っている。
本質的な質問をするときは、相手と対峙して詰め寄るように効くのではなく、できれば横に並んで同じ柄を見ているような感じで質問する。私達を守護にして、自分たちに対する質問に一緒に応えるような姿勢になれる。
リーダーシップは自分の中にしか無い。
「思い」から一歩進めて、小さくても「行動」にすることが必要。
●クリエイティブ人事
サイバーエージェントの人事制度
制度は細かく作り込んではだめ。
しっかりした軸は必要だが、制度自体はなるべく軽めに作り、現場が運用しやすいようにしたほうがいい。
運用しやすい制度は社内に浸透する。逆にいくらよくできた制度でも現場でうまく運用されなければ長続きしない。
制度は計画2割、運用8割。(サイバーエージェント人事本部長)
結局、さじ加減はやってみて初めてできるという当たり前のことが大事。
新しいことをやろうとするときにはいくらでも問題を指摘することができるし、やらない決断をするのは簡単。
しかし、それでは決してさじ加減をすることはできないし、その難しさを経験することも出来ない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名の通り、「戦略とはなんぞや」という代物ではなくて戦略を「実行すること」に主眼を置いた著書です。
「戦略」が無い企業など聞かないようになった一方で「戦略がうまくいかない」ことばかりを見聞きする昨今の懸念点を出発に、戦略の実行について掘り下げています。
戦略の立案には途方も無い時間と費用をかけるけども、PDCAのDCAは疎かになっているのではないか、つまり、いくら立派な戦略を掲げても、現場からのフィードバックがないことには新たな戦略立案の乱立に終始してしまうだけだということです。
そこでポイントとなるのは「コミュニケーション」だそうです。
飲み会でもない、和気あいあいでもない、"価値観を伝え理解すること"で"意味を共有すること"がコミュニケーションの本質だと。そのためには部門間の対立も不可避である(実行できないことの言い訳にはならない)し、100%合意できなくても「総論賛成、各論反対」を前提に実行されていくしか無い。
あとは各論反対について「合意はしないけれど、納得して全力を尽くす」状態に組織を持っていけるかどうかが重要だそうです。
そのためには、ロジカルで詳細なデータにあふれた人間味のない戦略をただ伝えるだけでは意味がなく、どれだけ情熱や想いを持って、組織に戦略をコミュニケーションしていくかにかかっているということです。
企業においてなぜ戦略が機能しなかったのかという議論をする際には、戦略の中身ばかりに目がいきがちと思いますが、この本では「そもそも伝わっていない、理解されていない」ことに主眼を置いたところに面白さがあります。
また、「コミュニケーション」という言葉も戦略と同様にこれほど企業内で叫ばれているものもないはずですが、これも「コミュニケーションしているつもり」で取り組んでいるのではないか、コミュニケーションの本質や前提を理解しないまま改善活動だけが叫ばれていることが問題ではないか、と書かれています。
コミュニケーションとは本質的に非効率(お互いを理解するのは疲れるし時間がかかる)であるという前提を改めて見つめ直す必要があるというわけです。
さらに著者は「現場の力」に頼り切った現在の日本企業に対しても非常に危惧されています。
戦略に迷走し、コミュニケーションもままならない状態のトップの方針に、見返りのないコストカットばかりで搾取される疲弊しきった現場を見ていると、「そろそろ限界なのでは」と感じているようです。
現場の力こそが多くの日本企業の強みだという私の認識の中、これはなかなか危機感を煽られる話です。
以上の内容を含め、自分の会社に照らし合わせてみても、この他に書ききれないほど示唆に富む内容が盛り沢山でした。
本著が3部作の最後とのことですので、ぜひ1部、2部も読んでみたいところです。 -
Posted by ブクログ
戦略がコモデティー化している。
どこの会社も同様であり、ほとんどが「計画」と同じ意味で使われている。
戦略という言葉がが十分理解されてないまま使われている。
戦略の実行は、立てた計画を粛々とこなすのではなく、基本的な方向性として合意した「核」をもとに、行動を通じて完成させ、差別化をする事が戦略の実行。
その為には「強い現場」は不可欠。=実行させる「資源となる。
しかし、日本の現状は、強みの現場を酷使「競争相手より少ない人数で量をこなす」事が中心になっており、現場は疲弊している。
この会社は何の為にあって、社長はどのようにしたいのか、なぜそうなのかという「経営の気持ち」=「夢」を共有化する。
実際の戦略とはとっても簡単なことだ。大まかに決めたら、とことん実行する事。それ以外に何がある?
戦略の本質は、「競争相手が行っていあにことを行う、あるいは違ったやり方で行う」
組織のトップの力量とは、「好きなことは好き」「嫌いなことは嫌い」と言い切れる力、自分を信じる力。
実行の得意な企業は、すべての点で合意するからでなく、対立があっても、決まれば腹をくくって取り組むところにある。
大切な事。
経営層が、「当社のビジョンを絵に書けるか」=どれだ共有しているか?
そのビジョンの中で、社員一人ひとりが「居場所」をイメージできるか。ビジョンが自分にとってはどういうことなのかがイメージできるか。
自分の会社の存在意義、強み、目標をはっきりさせ、それを組織として共有化する為には本当の意味での「コミュニケーション」が必要。
本書では、組織の実行力にはコミュニケーションが大切という裏側は、組織メンバー間の「関心」「知っている」ことこそが必要。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦略は単なる仮説であり、「実行」を通してフィードバックを得ることで始めて検証しつつ練り上げていくもの。その課程で、新たなやり方に挑戦しなければいけなかったり問題を解決していく営みこそが競争優位につながる。
それを実行にうつしていくためには、人の気持ちに重点をおいた組織内のコミュニケーションのマインドが重要。
ハッとさせられたのは、戦略が実行されない問題要因を構造化したあとに、その要因を1つずつみていくと当たり前のことに気づくが、ではなぜ当たり前を実行出来ないのか?という問に対して「前提が間違っている」と指摘していること。
そもそもその問題意識に対する暗黙的な前提、例えば「戦略が不明確」という問題の前提には「具体的な戦略が明示されていれば実行も成功する」という前提が眠っている。その組織の無意識の思考様式がそこには存在しているということ。
ここには哲学的思考、つまり「前提を問う」ことが求められるのかなと。これは本当にハッとさせられた。
結局、重要と成るのはリーンの概念で、戦略の核となる目的はぶらさず、あとは仮説を検証していき学びを得ることで戦略を創っていくという姿勢が重要。
後半はそれをするためにはコミュニケーションが必要だということを述べていて、目的に対しては合意しつつ、実行の際には合意できないこともあるので納得を形成するためのコミュニケーションを行うこと。「納得」というある種の諦め、を目指すことにはなるほどなと腹落ち。その納得をつくるために対話を重ねることとそこに対しての熱意がリーダーに求められるのだろう。
それぞれの意見の土台には、個々人の価値観があるために、それをはっきりさせて何が同じで、何が違うのか?を対話しつつ意味を共有していく。それには「人の理解はかんたんにできるものではない」という認識から生まれる「関心」をもち「まず聞く」という姿勢が必要。
資本主義社会をにはびこる効率化という考え方は大企業に於いてなどは特に顕著だと思うが、コミュニケーションは効率化を目指してはいけない。たぶん、効率化を測ったコミュニケーションって多くの場合は「わかったつもり」を産んでしまう。だから個人の論理が構築されている背景にある主観的解釈から立つ価値観、個人的体験を理解して気持ちを理解する。そしてそれには時間がかかるもの。
この個人的体験って大事で、ニーチェが説く客観的真理は存在しない、という思考にも通ずるなあと感じた。いかに具体的な個の物語を引き出すか、自らもそれを開示するか、だなあと。
コミュニケーションに関してまとめると、以下3点がポイントで、その核にあるのは「他者に対しての関心」
・意味を共有すること
・本質的には効率が悪い
・情報の前提となる価値観を伝える