清水勝彦のレビュー一覧
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戦略の立て方ではなく、戦略を立て、いかに全員で実行し、他社との差別化を実現するかが語られている内容。
・業績=戦略×実行=分析、ロジック×組織における人間の気持ち(やる気)
・戦略がコモディティ化ている今、戦略は立てるだけでなく、差別化に成功していないと生き残れない
・戦略は生き物であり、試行錯誤せざるを得ない。大まかな方向を決めたら、とにかく実行するしかない。
・戦略実行の失敗要因
→トップの鶴の一声とあれもこれも
→時間、準備不足
→戦略が不明確
→実行と評価制度がリンクしていない
→責任が不明確
→部門間の対立
→納得度が低い
→片手間の実行
→情熱、本気度の不足 -
Posted by ブクログ
今日の経営環境においてイノベーションを実現するためには、自社のコアコンピタンスだけでなく、ビジネスモデルを共に構成する各パートナーとのコラボレーションが不可欠となったことをふまえ、気鋭のMBA教授が、イノベーションを持続的成功に導くための新たなフレームワークを提唱した経営戦略書。
著者は、革新的なサービスや製品が成功するには、自社の技術やマーケティングなどの戦略課題に加え、ビジネスが価値を生むための「エコシステム」全体を明確に描き、鳥瞰した上で、パートナーが行うイノベーションへの依存度や、パートナーによる自社のイノベーションの許容度を評価することにより、エコシステム内での役割分担や参入タイミ -
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戦略は作るよりも実行するほうが難しい。それはビジネスに携わる人なら誰もが感じていることだろう。本書でも何度か引用されるミンツバーグを始めとして、論理や分析といった合理の世界だけでは戦略実行は困難だとする主張もよく目にするようになった。
本書によれば、戦略実行を困難にしている要因は2つある。一つは、戦略とはこうあるべき、という前提がそもそも間違っているということ。もう一つは戦略実行に不可欠な「真の組織的コミュニケーション」の欠如である。
いわれてみればそのとおり、という内容ではあるけれど、ここまで分かりやすく論じた書籍に出会ったことはなかった。本書を読むと、戦略と組織の関係はコミュニケーションを -
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■戦略とは未来への仮説である。戦略の実行には論理だけでは不十分であり、それを補完するものはコミュニケーションである。
ジェームス・デイモン「ありきたりの戦略をきっちり実行するほうが、すばらしい戦略を立てて実行につまずくよりもはるかに意味がある」
「大きな問題に対して、大きな改革でこたえる」ことは「複雑な問題を、複雑な解き方で解く」ことであり、一歩間違えればよくなりどころか、さらに傷は深くなります。
戦略実行の失敗分析
a.トップの鶴の一声とあれもこれも
b.時間・準備不足
c.戦略が不明確
d.実行と評価制度がリンクしていない
e.責任が不明確
f.部門間の対立
g.納得性が低い
h.片 -
Posted by ブクログ
いいモノを最初に作ったのに売れない、逆に後発で機能も普通のモノが爆発的に売れる・・・
一体なぜだろうか?
これまでの説明では、消費者のニーズに的確に応えたとか、デザインとか、おもてなしとか、企業の商品企画・開発力にその原因を帰するものが多かった。
しかしこの本では、それだけでは不十分だ、死角がある、と説く。
タイトルのワイドレンズは、文字どおり、広い視野でシステムを捉えること。自社のリソースだけでなく、顧客の手に届くまでの全ての関係者について、どんなメリット、デメリット、リスクがあるのか、誰がリーダーで、どの順番でやるのかを考えることを指す。いわば、プロジェクトマネジメントのスコープを顧 -
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戦略を如何に立てるかを考えるのではなく
如何に実行・実現するかをターゲットにした本
なぜ戦略が失敗するのか。その失敗する理由を
詳細に分析されていて。その根幹の原因が
コミュニケーションにあるということ。
ありきたりの内容といえばそれまでだが
非常に耳の痛い内容ばかり。
最後の第4部『組織の実行力向上にむけて』の
組織の実行力を図る10の質問とまとめは非常に読み応えの
ある内容でした。
自戒の意味も含めて
1.相手が話を聞かないのは自分の責任だと思っているか
2.会社のビジョンを絵にかけるか
3.PLANにどれだけの資源をかけているか知っているか
4.CHECKをした「つもり」になっていない -
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プロジェクトの成功には、関係するすべての参加者の役割と貢献を明確にした価値設計図を事前に描くことが重要である、と言うのがキーメッセージである。こうして要約すると、「何だ、あたりまえじゃん」という身も蓋もない表現になるが、要は広角レンズで世界を眺める際に、どこまで画角を広げるべきか、その範囲が決定的に重要であり、その答えを豊富な実例と共に分かりやすく提示しているのが本書の価値である。
ソニー電子書籍の失敗や、i-podの成功要因の分析など首をかしげたくなる箇所も多いが、基本的な考え方は奇をてらったものではなく、実ビジネスにすぐに応用できそうだ。
一読の価値あり。 -
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ネタバレ現在の企画部門で、はや1年以上が経過してしまったが、未だに机上の企画に終始しており、焦りと苛立ちを覚えている。
実行になぜ結びつけられていないのか。改めて考える契機になった。
現実は一筋縄ではいかず、なかなか難しい面もあるが・・。
企業全体に巣くってしまっているものがないか、当事者意識で考えたい。
「論理や力で屈服させることではない。
相手の立場や価値観を理解し、許容することである。
論理や力で100%納得させることはできない。
意見の対立や判断に関わる問題を明確にすることが重要である。
正しい答えではなく、正しい問いが必要である」
<実行にあたって>
・「伝える」から「共有」へ
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Posted by ブクログ
戦略の実行とは、立てた計画を粛々とこなすことではなく、基本的な方向性として合意した「核」をもとに、行動を通じて完成させ、差別化を確立していくこと。そして、その実行を妨げる様々な要因の底辺に横たわるのは、そもそもの戦略の実行に関する「誤った前提」と、「社内のコミュニケーション不足」からなる誤解、納得感の欠如という、言われてみればあたりまえのこと、と著者は多くの事例検討から述べている。
コミュニケーションとは、異なったバックグラウンド、考え方、そして感情を持った個人が、組織の一員としての自分のアイデンティティを知り、自分の意思を場合によっては曲げながら共同作業を行い(前向きの妥協)、個人の力を組織 -
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現KBSの清水先生の著。
著者自ら「素振り」と表しているように、戦略論の「基礎」的内容。
しかし、原点というタイトルの通り、いわゆる「そもそも論」に踏み込んでおり、
何でも所与のものとして受け入れるのではなく、
それが正しいのか?疑ってみる、確認してみる必要性について言及を
されている点は、自身が先般読んだ著者の「戦略と実行」にも通じる。
強みとは?業界とは?成熟化とは?等、
何も考えずに使ってしまいがちなだけに、自省する必要も感じた。
コスト戦略と差別化戦略についても、そもそも論の立場から、
著者なりの解釈を加えていた点は新たな知見も得られた。
これから、戦略論を学ぶ方の入門編として -
Posted by ブクログ
p7:どの会社も持っている(戦略)のであれば、それを知らないことはハンディにはなっても、知ってるからと言って差にはならない。:戦略のコモディティ化。
p41:実行されない、できない戦略はそもそも戦略などとは呼べない。
p49:競争他社と同じ事をより効率的にできることは戦略とは言わない。
p189:「あれもこれも」の本当のコストとは、それによって緊張感が薄まること。多くの起業が失敗するのは、事業機会がないからではなく、様々な事業機会がありすぎて、絞り込み、消化ができなくなっているから。
p208:良い判断とは経験からくる。経験とは、間違った判断の積み重ね。 -
Posted by ブクログ
コンサル会社でコンサルをやっていた時の疑問が
1. 課題ばかり堀下げても、仕方ないのではないか
2. コンサルの評価基準は、いかに仕事をとってきたかだけ
という2つ。
見事に、これらについて触れられていて面白かった。
さて、本書は、
未来はわからない
ものと前提を置き換えて、そのために
・コントロールできる自社に視点を置くこと
・試行錯誤をしてみること
の重要性を説いている。
それは、もともと、
成果(未来) = 戦略 × 実行
と考えられてきたが、
戦略:
・みんなが知ってしまったので差別化できない
・分析は過去の延長にすぎない
実行
・効率の追求による消耗