あらすじ
フラット化する世界で勝ち抜くために必要な基本中の基本に絞った経営戦略論。BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)マトリックス、マイケル・ポーターのファイブフォース、競争優位、SWOT分析は、経営戦略では定番の分析ツール。大学のビジネススクールでは、こうしたツールを使った演習で企業の内部分析、事業戦略、多角化、M&Aなどが徹底的に叩き込まれる。だが、こうしたツールを使って、経営戦略はうまくいくのだろうか。テキサス大学のMBAコースでアメリカ人に戦略論を教える著者は、最低限、ここを抑えていれば十分という基本中の基本に絞って本書を執筆した。著者いわく、基本を何度も繰り返せば、イチローの「素振り」がメジャーへの道を切り開いたごとく、ビジネスマンとしての「成功」を保証するという。マクドナルド、サウスウエスト航空などの事例研究もたっぷりあり、読んで楽しい戦略本といえる。
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Posted by ブクログ
9/17【前】戦略の基本を身につける。野球でいう、素振りのような毎日の基本となる考え方。
【後】事業戦略を考えるときに、競合よりいかに勝っているかなど、他者を意識する大切さに気付いた。視野が狭く、内向きにならないように努める。
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「勇気とは、失敗を恐れないことではなく、失敗を恐れながらも挑戦する強い気持ちである」
辻邦生「人間の成功には才能は関係ない。注意深さと少しの行動力があればよい」
ひろシュラン◎
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戦略入門者にも非常に分かりやすい本。 身近に置いて読み返したい本です。 今担当している業務が「戦略」とどういう距離感/位置づけにあるのかを把握する一助となりそうです。
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アメリカで、大学の経営論の教科書として使われている内容。様々な戦略論が氾濫する中、本当に本質的に議論に絞ってわかりやすく書いてある。何度も読み返したい。
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・戦略は、永続的なプランであるべき
・戦略の基本要素
□目的
□3C
-自社
-競合
-顧客
・3Cの分析方法
■競合、顧客に関わる外部環境分析
-5F分析(静的な環境分析)
-スイッチングコスト
■自社に関わる分析
目的は何が強くて何が弱いかを知ること
-バリューチェーン分析
製造業にはしっくりくる
-資源の分析
■企業分析
-価値戦略
-コスト戦略
続きはまた。
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著者は、本書発行当時、テキサス大学で、戦略をはじめとする経営学を教えていた。
本書は、経営戦略について、相当に的を絞って執筆されたもの。厚手の教科書的なものに比較して、短時間で読めるが、こういったことを専門にするわけではないのであれば、これで充分。
Posted by ブクログ
経営者にとっての基本、つまり素振りの要素が満遍なく触れられている一冊。入門書としては、とても良い本だと思います。
感銘を受けたのは、「結びにかえて」にある次の一文。経営者にとって、意思決定とは何て重いものだなのだろうと思いました。
ー 勇気とは、失敗を恐れないことではなく、失敗を恐れながらも挑戦する強い気持ちであるとすれば、経営とは大変勇気のいる仕事です。 ー
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現KBSの清水先生の著。
著者自ら「素振り」と表しているように、戦略論の「基礎」的内容。
しかし、原点というタイトルの通り、いわゆる「そもそも論」に踏み込んでおり、
何でも所与のものとして受け入れるのではなく、
それが正しいのか?疑ってみる、確認してみる必要性について言及を
されている点は、自身が先般読んだ著者の「戦略と実行」にも通じる。
強みとは?業界とは?成熟化とは?等、
何も考えずに使ってしまいがちなだけに、自省する必要も感じた。
コスト戦略と差別化戦略についても、そもそも論の立場から、
著者なりの解釈を加えていた点は新たな知見も得られた。
これから、戦略論を学ぶ方の入門編として大変良い本だと思う。
Posted by ブクログ
テキサス大学サンアントニオ校でMBAコースを教えている著者が書いた戦略論の基礎。著者が「素振り」と呼ぶ通り、本書の内容はこの分野を興味を持って見ている人にとっては基本的なことばかりと言っていいかと思います。その意味で物足りないと感じますが、読みやすくコンパクトですので、確かに「素振り」としてはよいものなのかもしれません。
最後に自分も好きなパスツールの言葉、"Chances Favors the Prepared Mind"(偶然は準備のある心の持ち主に微笑む)が出てきたので好感度アップ。そういえば、この間読んだ『MOTの達人』にも出てきたな。
Posted by ブクログ
『戦略の原点』 清水勝彦 読後メモ
経営戦略の基本 「競争に勝つための作戦」
■戦略の定義 「戦略とは、ある一定の目的を達成するために、ターゲット顧客を絞り込み、
自社固有の強み(ユニークネス)を用いつつ、競争相手と比べてより安い、または、
より価値のある商品・サービスを提供するための将来に向けた計画である。
■戦略の基本要素 「目的」 3C 「自社」「競争(相手)」「顧客」
戦略とは、強みを活かすこと
「事業で結果を出すとは、機会を生かすことである。問題を解決することではない」
(ドラッカー)
企業にとって重要なのは「何があるか」ではなく、「何が強いか」「何が弱いか」である。
特に、競合に比べた「強み」こそが戦略の中核になる。
企業の資源 「強み」「弱み」 tangible / intangible
成長の3つの目的
・投資家のニーズを満たすため
・顧客のニーズを満たすと同時に規模の拡大を通じて競争力を増すため
・社員に更なる成長の実感と機会を与えるため
■戦略を考える基本方程式
顧客にとっての魅力度=商品の価値÷商品の対価(価格)
→したがって事業戦略には大きく分けて2つ
・価格を下げることで顧客にとっての魅力度をあげる『コスト戦略』
・価値をあげることで顧客にとっての魅力度を上げ、差別化を図る『価値戦略』
(マイケルポーターは、もうひとつ『ニッチ戦略』も提唱)
コスト戦略とは、違うことをするか、同じことを違うようにすることで構造的な
コスト優位を構築した上でその分のコストの差を低価格につなげる戦略
?商品の機能を絞り込み、標準化する
?ビジネスモデルの中で顧客にとって価値の低い機能をなくす・減らすことでコスト削減
?規模の利益によってコスト削減を図る (固定費の単位あたりの引き下げ)
価値戦略とは、違うことをするか、同じことを違うようにすることで、他社に真似できない
価値を顧客に提供する
?機能的価値(追加機能、高品質、高スピードなど)
?情緒的価値(ブランド、プレステージ)
一番手か二番手か First mover advantage / First mover disadvantage / 2nd mover advantage
■『顧客を獲得し、維持することが最終目的であれば、その手段である戦略は常に顧客ニーズの
変化や競合他社の動きにあわせて修正、進化させなければならない。3Cや5Fなどの
分析を継続的に行い、勝つ作戦を考え続け、実行し続けることが経営戦略の根本である。
が、分析は出発点ではあるが、結論ではない。分析は過去のデータであり、未来は企業自体が
どのような戦略を打つかで変えることが出来る。企業とは環境に翻弄される消極的な
存在であってはならず、分析はあくまで素材であり、それを料理する技と創造性こそが
戦略の命であり、そこにこそ経営者の差が出るのである。』
「スターバックスは成長のためにブランドを陳腐化(commoditize)させていないか?」
多角化・新規事業を考える際には「なんとしても成功させる意気込み」は必要だが、
「成功することを前提」にしてはいけない
豪放磊落
リーダーの勇気・意思決定・意思変更
意思決定に良く見られるバイアス
・身近なデータから判断しようとすることによって生じるバイアス
・「代表例」に左右されることによって生じるバイアス
・間違った基準に引っ張られることで生じるバイアス
・その他のバイアス
「エスカレーション オブ コミットメント」
失敗したにもかかわらず資源を投入し続け、更に傷口を大きくする現象
「注意」「評価」「行動」
意思変更の柔軟性を考える場合、そもそも問題に注意が払われるか、
注意を払った後に的確な評価が出来るか、さらに評価をした後で
迅速に行動ができるかどうかがカギ
不十分な注意、甘い評価、遅い行動はマイナスのシナジー
意思決定の柔軟性を維持するための施策例
?結果をきちんと測る
?意思決定の過程で、意識的にマイナス・失敗の可能性を考える
?問題が起きる前に、外部から新しい意見・違った見方からの評価を取り入れる
?1つのプロジェクトだけを見て評価をするのではなく、会社全体のプロジェクトを
総合的に見て優先順位を決定し、資源配分を行う
?失敗したプロジェクトを分析し、次の意思決定・評価に活用する
トップはリスクに立ち向かう勇気の大切さを言葉と行動でもっとはっきり示すことで、
臆病で狡猾な現場を正しく追い込む必要がある。甘やかすのではなく、かといって
全てをコントロールするのでもない、現場とトップとの緊張感を生み出すものは、
普段からのコミュニケーション、そして、そこから生まれる信頼関係以外にはない。
(中略)戦略実行の本質とは、トップと現場の双方がリスクを認識し、リスクを
背負うことである。
結果がわかった後の解釈は簡単である。しかし、それがゲームの最中にできるか
どうかは別の話である。
「私達は、いかにも組織が目的に向かって一直線に進んでいたかのように解釈しがちだが、
現実は違う。組織が、計算違い、失敗、あるいは予期しなかったことにどのように対処
したかが長い目で見たときに成功に大きく関連する」
"Chance favors the prepared mind." (パスツール フランスの細菌学者)
Posted by ブクログ
著者によると戦略本とよばれる書籍の内容には、回りくどく説明するものが多く、またいろいろな事例を含めたりして、分かりにくいと。まさに。その点本著では、簡潔に纏め上げている分、分かりやすいし、読みやすい。なかなか優れ本かもしれない。
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ファイブフォース分析
スイッチングコスト
国際化に対する3つの戦略(4象限の3つ)
縦軸:国際的に見たビジネスモデルの統一性(小->大)
横軸:当該国のニーズへの対応(小 -> 大)
大・小 (左上)グローバル - 他国で成功したモデルをそのまま使う
小・大 (右下)マルチドメスティック - その国の文化やニーズに合わせてモデルを変える
大・大 (右上)トランスナショナル - 双方を兼ね備える
何が同じで、何が違うか、あるいは何を変えずに、何を変えるか。(環境変化に対する企業の本質的な課題)
サイキックディスタンスパラドックス (心理的距離の逆説)
同じ様な国だから(同じアジアだから)似ているという思い込みのために、小さいが重要な違いを見逃してしまうこと。
部下が才能を発揮するのが良いリーダーとの指摘もある。
勇気とは、失敗を恐れないことではなく、失敗を恐れながらも挑戦する気持ち。
意思変更の柔軟性を考える場合、そもそもそうした問題に注意が払われるか、注意を払った後に的確な評価ができるか、さらに評価をした後に迅速に行動できるかが問題になる。注意・評価・行動。
問題が起こる前に備える。
新しいことを行うときには結果をきちんと測る。
リーダーは部下に弱気を見せてはいけません。「絶対に成功する」のです。一方で、リーダーはノミの心を持っていなくてはなりません。実行にあたる部下には知らないふりをしてでも、もしもの場合に備えをしておかなくてはならないのです。
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筆者自身もいうように野球でいう「素振り」的な内容です。
新しいネタは少なかったですが、短時間にサクサク読めますし、ポイントがまとまっていてよいと思います。
===メモ===
・戦略とは強みを生かすこと
・どの顧客セグメントを選び、どの顧客セグメントを捨てるかという決断が
なくては、「差別化」をするこをはできない。
・問題を考えるときは、客観的な事実、できれば数字から始める
・もし、すべての顧客のニーズを満たそうとすれば、
結局誰のニーズも満たせない。
・4つの戦略オプション
M&A、JV(50%)、提携(ライセンス料)、自前
・完璧な補完関係にあるということは、全然違うということ
・勇気とは、失敗を恐れないことではなく、失敗を恐れながらも
挑戦する気持ち
・意思決定は、常に不確定な中でされなくてはなりません
・フレーミング効果:損をしているときは、よりリスクの大きい賭けに出がち
・サンクコスト・バイアス:せっかくここまでやったのだから、
やめるのはもったいない
・リーダーは社員に弱気を見せてはいけません。
「絶対に成功する」のです。
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内容はいたって普通の戦略立案の本。
解説も別に目新しいものではないが、どのような場面でどのようなフレームワークを用いると効果的かがよく書かれている。
その際に、重要なことであるが、フレームワークは答ではなくて、方法であるということを再三にわたり繰り返しているということだ。
よくケース問題を解くと、必ずBCGのマトリクスを使って満足気になっている人間がいるが、そんな人には目からウロコが落ちる本であると思う。
戦略的な思考法ならばBCGの内田氏の書籍が参考になるし、フレームワークならばそれに特化した専門書のほうが実用的だし、応用もきくと思う。
この手のような万人受けする書籍はわかりやすいのだが、実際に戦略を立案する際には??な状態になってしまうので、THE入門書として最適だと思う。
Posted by ブクログ
経営戦略とは、戦略とは、ある一定の目的を達成するために、ターゲット顧客を絞り込み自社固有の強み(ユニークネス)を持ちいつつ、競争相手と比べてより安いまたは、より価値のある商品・サービスを提供するための将来に向けた計画である。3Cをベースに戦略策定プロセスの基本が展開されている。外部環境、内部環境を分析して事業戦略を考える。その事業戦略にどのように資源を分配するかが企業戦略である。
このの根底には、フレームワークだけではうまくいかず、組織としての緊張感やコミュニケーション、考えることを匂わせる本だと感じ取れる。また、ポーターが嫌い無いなのかな?とも。
戦略について深堀するのではなく、ざっと全体を把握するには適切な1冊だと思います。
Posted by ブクログ
(K) 良くある戦略論を筆者の経験を踏まえてわかりやすく書き下ろした内容。戦略論としての目新しさは全くないが、筆者の経験から生まれている言葉に幾つか面白いものがあった。「リコールのような問題は大きな問題と思えるが実はそうでもない」「似ているという思いこみから小さいが重要なことを見逃す」「ノミの心臓を持たない人はリーダーに値しない」などである。正しい答えの無い話だけに、どう解釈するか、そしてその解釈に一貫性があるかどうかが重要であるが、筆者はいろいろな経験から気付いた事だけに説得力がある。このような、様々な考え方に触れて、自分の考え方の幅を広げていくことは重要なことであり、これからもこのような本に触れていきたい。
戦略の入門書としてもなかなか面白いので、戦略を学びたいと思っている人には勧めたい。