村上和雄のレビュー一覧
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サムシング・グレート(神)の存在をめぐり、東大教授矢作直樹と筑波大名誉教授 村上和雄との対談。冒頭、小柴教授とダライラマとの対談の紹介がある。戦争が無くならないのは、宗教に問題があるのではとの小柴教授からの質問に、どの宗教も素晴らしい、問題があるのは、それらの宗教を解釈している人間側に問題があるとしている点がとても驚かされた。
日本人は、戦後スピリットを忘れてきた。
ノーベル賞を取った科学者は、サムシング・グレートの存在を感じている。また、日本人も「あの世」を信じている人の割合が増えている、特に若い人ほどその割合が高い。
東日本震災以降、日本人の生に対する価値観が変わり始めている。 -
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筑波大学名誉教授であり、遺伝子工学の研究者である村上和雄先生の著書。非常に素晴らしく、一気に読んでしまった。
著者は、サムシング・グレートという存在の提唱者である。非常に含蓄の深い言葉であるが、この存在を意識して日常生活を送る事が大事であると気付かせてくれるだけでも一読に値するのではないか。
現代社会は科学と技術が一緒にされ、絶えず即物的な利益を上げるような技術に力を入れざるを得ない状況になっている所に現代科学の病巣があると指摘する。研究には金がかかるが、その事で政治や権力におもねるような御用学者になってはいけないと科学者に対して警鐘を鳴らしている。
本書の内容には、世界的に有名な物理学者や生 -
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■遺伝子
1.多くの人は、思考も行動も脳の指令で行われている、と思っている。だが、脳の細胞のはたらきは遺伝子の指令によっている。その意味で、遺伝子は人間の1番の司令塔といえる。
2.人間の遺伝子で、現在働いているといわれるのは5~10%で、多くの遺伝子がOFFの状態にある。それは裏を返せば、人間には無限に近い可能性がある、ということだ。
3.遺伝子のはたらきは、それを取り巻く環境や外からの刺激によってもかわってくる。正確にいえば、それまで眠っていた遺伝子が目を覚ます。
4.良い遺伝子をONにするには、物事を良い方へと考える事、つまりプラス思考が非常に大切になってくる。 -
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アホってイイ響きだ♪
この考え方を得て、1つ賢くなった気がします。
「がんばらない、(でも)あきらめない♪」
「笑って過ごそう♪」
〜以下、抜粋〜
遺伝子情報レベルで比較すれば
人間とチンパンジーは
98.8%同じ生き物だということ。
(中略)
この遺伝子情報の違いを
こんどは人間同士の個体差で見てみると
個人によって意味のある違いは
遺伝子一万個につき一個くらいであることが
わかってきています。
とういうことは
東大を主席で出た人と分数のわからない大学生も
ノーベル賞をとった学者も
皆勤賞くらいしかもらったことがないという人も
秀才も凡才も
利口とアホも
みんな遺伝子レベルで見れば
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ノーベル賞に一番近い村上先生の「命の暗号」2作目。
1作目よりも、自然な語り口調。
私たちは遺伝子という決められたものに生き方を決められているのではなく、
もっと自由で変化にとんだ自分の生き方で人生を作っているのだと
遺伝子工学の一人者に言われて感動さえも覚える。
-----人の遺伝子の数はハエへの倍に過ぎない。
・・・・
ええぇ、そんなに少ないのか?!
その意外な感じの出所は・・・
人間の思考や行動の複雑さ、高度さはハエと比べ物にならないことが
私たちの念頭にあるからです。
人間はハイレベルな脳をもち、
多様な言葉も文化も有している。
一体ハエにどんな知能や文化があると言う -
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この本のすごさは、1回読んだだけじゃわからない(と思う)。
もっともっと、繰り返し読んでいくことで、ジワジワッと効いてくる本だと思う。
読み返し続けたい本の1冊。
以下、メモ。
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「笑い」はクスリ、それも副作用のないクスリ
「苦しい時こそ笑っていられる」ようなアホやバカが、今こそ必要
セレンディピティ(偶然による思いがけない成果)を呼ぶ条件
?素直で注意深い目
?ムダを尊ぶ心
?失敗や間違いから「何か」を見出し、つかみ取る力
いいときはもちろん、悪いときにもありがとうと感謝の念を抱く
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少なからず遺伝子の世界で言えば、
私たちはここにいるだけで
奇跡で貴重な存在であるという。
というのは、
私たちはいまだ1つの細胞も作ることができない。
そんな細胞が60兆個も集まって
私たちは作られているからだ。
そして、
私たちには
考えることと感じることができる
すばらしい能力を持った生命である。
が、
私たちは
見えるものを科学といい、
信じるに足るものと考えている。
そして、
見えないものを非科学的といい、
信じるに足るものでないと感じている。
果たしてそうだろうか?
どうやって細胞が作られたのか
まだ見えていないわけで、
遺伝子の眼で見れば
見えないものは超科学 -
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1997年の本なのでかなり古い、しかし、研究者としての筆者の心意気や研究内容は今読んでも面白いと思う。
人知を越えた存在、それがサムシンググレート。よい遺伝子をオンにして悪い遺伝子をオフにする。この言葉が心に残る。自分の意識で物事は変えることができる、それが遺伝子をオンオフすること。
研究者としても立派な人だなと思ったのが、論文の名前の順番にもこだわって、偉い人ではなくきちんと成果をあげている人が最初に名前を書くことにしていること。若い研究者の道を開いてあげているのだと思った。
科学の本でありながら、前向きに頑張ってみようかなと思える心の本でもあるのかなと思った。(研究の話になるとちょっと