あらすじ
莫大な遺伝子暗号を微細な空間に書き込んだ力(サムシング・グレート)に畏敬の念を持つ世界的研究者による、最先端の遺伝子研究解説と生き方論。
2000年6月アメリカでヒトゲノムの解読が終わりました。
しかしこれはお経の文字が判明しただけでその意味が解読されたわけではありません。
遺伝子解読はまだスタートラインにたったばかりなのです。
大学を退官した後も、バイオテクノロジーの第一人者としてイネゲノムの解読や
「いかに見事に生き、死ぬか」というサクセスフル・エージングなどの研究で活躍する著者が現在の遺伝子研究最先端をわかりやすく解説します。
また、多くの遺伝子は眠っており、環境などによりそのスイッチがON・OFFするという考えを元に、
良い遺伝子をONにする方法や、遺伝子をONにして活躍している人々についても語ります。
*目次より
□生物学のアポロ計画がどんどん進んでいる
□文字列はわかったが、意味解明はこれからが本番
□感情や心のはたらきが遺伝子状態を左右する
□水温が下がると魚のオスがメスになったりする
□できるか、できないかではなく「やる」ことが大切
□なぜ、つくば学園都市からノーベル賞がうまれたのか
□ノーベル賞受賞のために“してはいけないこと”五カ条
□人のために生きるのは遺伝子に刻まれた人間の本質である
□イネ=コメは栄養学的にも理想的な食品、日本人の魂である
□それぞれ個人は大いなる生命の一部として生かされている
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ノーベル賞に一番近い村上先生の「命の暗号」2作目。
1作目よりも、自然な語り口調。
私たちは遺伝子という決められたものに生き方を決められているのではなく、
もっと自由で変化にとんだ自分の生き方で人生を作っているのだと
遺伝子工学の一人者に言われて感動さえも覚える。
-----人の遺伝子の数はハエへの倍に過ぎない。
・・・・
ええぇ、そんなに少ないのか?!
その意外な感じの出所は・・・
人間の思考や行動の複雑さ、高度さはハエと比べ物にならないことが
私たちの念頭にあるからです。
人間はハイレベルな脳をもち、
多様な言葉も文化も有している。
一体ハエにどんな知能や文化があると言うのか。
・・・・・
先天的な遺伝子の差以上に、
はるかに知性や分過度の差が大きい。
このことは人間の高い知能は
後天的に開発される部分が大きいことを示している------
どうだろうか?
ハエと人間の遺伝子の差は1:2
しかしその生き方は何倍という程度であらわせないものです。
世界的な科学者と言われる村上先生に言われると言うこともあるが、
すんなりと入ってくるわかりやすい遺伝子の科学を読んでいると、
自分の素晴らしさ、尊さを感じ、愛おしささえも覚える。
難しいことを難しく言う人は山ほどいるが、
難しいことをこんなにすっと教えてくれることは少ないかもしれません。