はらだ有彩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔話に登場する女子たちにも言い分もあるし、その子自身の人生もある!ということを具体的に知ることができた本。
「見ないでね」と言ってたのに見てはいけないものを見てしまって、「戻ってきてくれ」ってなんやねん、って確かに思う。軽々しく約束を破っておいて虫がよすぎる、って言いたくもなるわな。
こんな、さまざまな言い分がありそうな昔話女子のお話と解説が20本、収録されています。
乙姫やかぐや姫、「古事記」のイザナミ、安珍清姫などの有名どころはもちろん、今昔物語に登場する虫愛づる姫君とか、怪談話で有名な牡丹灯籠お露や番町皿屋敷お菊なども登場。更屋敷のお菊はオーソドックスな怪談話じゃなくて落語版のお菊だったのが笑える。
最後に女右大将と有明の女御の話はたぶん、氷室冴子センセイの「ざ・ちぇんじ!」の元ネタよね?これ読んで「ざ・ちぇんじ!」が読みたくなってしまった。
これらのお話の女子たちについての解説が女子目線で書かれているのですが、フェミっぽい意見に見えそうで、フェミっぽい口調じゃない、フェミじゃなくてもすんなり聞けそうな文体で書かれているのでスッと読めました。このテーマで女性の権利だ、人権だを前面に出されると吐き気がするけど、この本はそんな本ではありませんので大丈夫♪ -
Posted by ブクログ
ブラック企業に勤めた著者が、今の世の中ですら「ヤバい」のだから、昔はもっとヤバかったのでは、という好奇心から、昔の「女の子」が登場する、古典を読んでみたところから、この物語は始まったのだそう。
古典文学の、ヤバい女の子が次々に登場してきて、男尊女卑だの、世の中だのと、色々と考えさせられます。
これぐらいゆるやかに、古典を学生時代に学ぶことができれば、もう少し真面目に勉強できたかもしれない。
古文に登場する人物は、それほどにも、現実離れしていて、実感が湧かない。
だからこそ、「今の私たちからすれば、こんなこと考えられないよね」の切り口で語りかけてくる文体は、すんなり入ってくる。
その中で、気になったものを挙げるとするならば、「浦島太郎」だろう。
この章では、珍しく、男である、浦島太郎のことについて、考察され、それに続いてこの物語の女の子である、乙姫について語られている。
『乙姫について考えると「なぜ親切にしてくれた(または恋人だった)人物をひどい目に遭わせるのか?」という疑問が湧きあがる。』
この視点。浦島太郎がおじいさんになるところが、あまりに強調されていて、全く考えることはなかったが、言われてみれば、確かにそうだ。
この疑問に対しての著者なりの考察は、読んでからのお楽しみということで、あえて書かないが、古典や小説を読むにあたって、ついつい大きなことに夢中になって、こうした些細なことを見逃して、それらは忘れ去ってしまう。
この本全体を通して思うことは、こうした、些細な違和感を広げて考えてみることで、また一つの作品が出来上がるのではないか。
もちろん、名作に浸るのは最高ではあるけれども、最高の体験をしている最中にも、何となくの違和感に気づく、そんな読書生活を過ごしていきたい。 -
Posted by ブクログ
好きな男に開けてはいけない玉手箱を贈った乙姫、恋愛やお洒落よりも虫に夢中な虫愛づる姫君、たまたま羽衣を盗まれ下界での生活を余儀なくされたトヨウケビメetc――……。
日本の昔話に登場し、読み継がれる内に「恐ろしい」「かわいそう」「愚か」「奇妙」などの記号になってしまった女の子たち。そんな彼女たちに友だちのような距離感で寄り添い、宅飲みをするかの如く思いを汲みあげていくエッセイ集です。
総勢20人の「ヤバい女の子」が取り上げられているのですが、出典が驚くほど多彩!私たちが子どもの頃から親しんできた昔話あり、古事記や今昔物語などの古典作品あり、今尚お寺に言い伝えられている伝承あり。あらすじも解りやすく、どんどん読み進めてしまいました。
フェミニズムについて考える上で、これからも繰り返し読んで行きたいなあ。続編もあるようなので、勿論そちらも。 -
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女2人が、20年以上一緒に暮らしている。ただそれだけで、外野は「どんな関係?」と気になってしまう。
著者は、聞かれてもあえて答えない主義を貫いている。個人的には(もし恋愛関係でないなら)「友人です」と答えれば、めんどくさい詮索の大方は遠ざけられるようにも思うが、嘘もつきたくないのだろう。
いま自分で(もし恋愛関係でないなら)と書いていてふと思ったのだが、恋愛関係であったとしても「恋人です」などと、人に正直に申告する必要はないのだ。
どちらにせよ、それを受けて踏み込んだことを言ってくる輩は一定数いるのだから。
というわけで、どういう関係かは明言されないまま、気楽で楽しい共同生活の様子が綴られる。
喧嘩や小さないざこざがあったとしても、気の合う人とずっと暮らせるのって、奇跡なんじゃないかな。
それが夫婦だろうと、友人だろうと、恋人だろうと、よいではないか。すべてひっくるめて「家族」と呼べば。 -
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女ふたりのルームシェアの、なんでもない日常。
ほっこりするような毎日の記録だけど、その中に、確かに感じる社会に対する違和感。
韓国エッセイ「女ふたり、暮らしています。」を読んでから、"女同士で暮らす"ことについて、ふわぁっと考えるようになった
くだらないけど大切な愛しい日常。男女でも恋人でも友達でも、みんなが好きなように好きな人と、暮らしていける社会がいいな
そうしたらもっと、生きやすくなるんだろうな
「暮らしを選ぶことの連続が人生そのものなんだな」
「人生とは大義ではなく毎日の短い時間が単に積み重なったあとに「あったね」というものなのだなぁ」 -
Posted by ブクログ
娘に「最近何読んでる?」と尋ねたところ「あ、この本が面白かったよ」と教えてもらったのが、この本だった。
多分、私だけではたどり着けない本だったと思う。
おもしろかった。
昔話に出てくる女の子たちを独自の視点で紹介し、また解釈している。取り上げられている話は、半数は知っているものだけれど知らないものもあり原作というか、原話にちょっと興味が出たりもする。
昔話が成立した当時の価値観と、現代の価値観は決して同じではない。それを大前提にした上で、それでも語り継がれて今に残っている以上、なにか通じるものはある。昔話はハッピーエンドばかりではないが、それはこちらの一方的な解釈かもしれない。また同程度に、不幸に終わってみえる話も同様にこちらの一方的な解釈でしかないのかもしれない。
そして、昔も今も、社会の価値観によって翻弄される女の子たちはいるのだという、紛れもない現実がある。
文体は軽妙で読みやすく、個々の物語ついての背景についてもよく調べてあるので信頼が置けると感じた。
続編が三冊あるようなので、じゅんぐり読んでいきたいと思う。 -
Posted by ブクログ
1900年代に生きた20人の女性たち。
こうした女性についての本は、翻訳書だととても読み応えがあり、新しい視点を得られる。
その一方で、アジア圏の女性があまり取り上げられていないことが多々ある。
男女、西洋東洋、そんな果てしない区別(あるいは差別)が見えてしまう。
その点、本書は、一人あたり12ページほどと短いが、地域のバランスでみると良く選ばれている印象だ。
あまり存じ上げない人もいて、そして必ずしも聖女のように非の打ちどころのない人物だと褒め称えることなく、ありのままを書いていると感じた。
それがとても良い。
エバ・ペロンは不思議な人だ。
アルゼンチンで生まれたエバは母に誇りの存在を教えられ、野心を持った。
女優として生き、大統領夫人となり、財団を作り人々を助けた。
乱暴に徴収された金は財団の資金となり、エバの宝飾代となった。
宝飾代に使った、それをもってのみで彼女は非難されなければならないのだろうか?
アバズレが気まぐれに行った救済と?
女性の怒りや努力の結果は、男性の実績ほど評価されない。
夫やパートナーの手柄の付属品のように扱われる。
「これまでは」そうだった。
「これから」は?
まだ、十分ではない。
私は何度でもいう。
これまでだって変わることができたのだ。
少なくとも日本は今後人も減るし、資源もない。
だから今変わるべきなのだ。
歴史からは学べる。
そしてより良い方へきっと行ける。